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『記憶にございません!』の元ネタ政治家モデルは誰?ひどいとの声や相関図、隠れキャストまで解説

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2019年9月13日公開。

『THE 有頂天ホテル』や『ステキな金縛り』など軽快なコメディ映画などを手掛けてきた三谷幸喜の監督作品。

今作は史上最低の支持率を叩き出す嫌われ者の総理大臣・黒田が事故によって記憶を失ったことをきっかけに政治改革に乗り出していく姿を軽快なタッチで描いた政治コメディエンターテイメントとなっています。

元ネタとなった政治家は誰?モデル解説

今作『記憶にございません!』は、史上最低の支持率を叩き出し、国民の嫌われ者である第127代内閣総理大臣・黒田啓介が事故によって記憶喪失となってしまったことをきっかけに政治改革や家族関係の修復に動いていく姿をコミカルに描いた政治コメディ作品となっていますが、中井貴一さんが演じたこの黒田啓介というキャラクターの元ネタはあるのでしょうか?

調べていきたいと思います。

タイトルである「記憶にございません」というセリフ

黒田啓介が答弁なので、都合が悪くなった時に発するのが、タイトルにもなっている「記憶にございません」というセリフです。

このセリフのモデルになっているのが、小佐野賢治という日本の実業家です。

1976年に世界的な汚職事件として大きな波紋を呼んだロッキード事件の証人喚問に呼ばれた小佐野は、都合が悪い質問に関しては全てこの「記憶にございません」という回答で押し切り、当時の流行語になるほどの反響を集めました。

このタイトルには、都合が悪い質問について、明確な回答をしないまま雲隠れしようとする日本の政治家の悪しき流れを皮肉ったタイトルになっていると考えられます。

特定のモデルはいない

歴代の総理大臣の中には、黒田啓介と同性の第2代内閣総理大臣の黒田清隆、同名の第31代内閣総理大臣の岡田啓介がおりますが、この二人がモデルになったわけではなく、監督・脚本を務めた三谷幸喜さんは特定のモデルはいないと語っています。

三谷さんがこれまでの日本の政治家が起こしたスキャンダルや事件、行動についてなどを分析し、生み出したキャラクターが黒田啓介だと言えると思います。

政治に詳しい方の中には、それぞれに頭に浮かべる政治家がいるのではないでしょうか?

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ひどい?大コケしたのかについても解説

堅苦しいイメージの強い政治をポップに描いた内容で本作『記憶にございません!』は、第43回日本アカデミー賞で優秀脚本賞、優秀主演男優賞を受賞するなど高い評価を受けました。

特に主役の黒田啓介を演じた中井貴一さんは第44回報知映画賞主演男優賞、第62回ブルーリボン賞主演男優賞も受賞するなどその演技が特に高く評価されました。

そんな本作ですが、一部ではひどいという感想を持つ方もおられます。

また、大コケしたという噂もありますが、実際はどうなのでしょうか?

調べていきたいと思います。

大コケしてしまった映画『ギャラクシー街道』

まず、大コケしたという噂ですが、本作は公開されるやいなや、その週の興行収入ランキングで1位となり、3週連続で1位に輝きました。

結果的に興行収入36.4億円という数字を叩き出し、2019年を代表する大ヒット作品となりましたので、大コケしたという噂は全くの嘘だと言うことが分かります。

おそらくですが、監督を務めた三谷幸喜さんが今作の前の2015年に発表した作品『ギャラクシー街道』が不発に終わり、評価も散々だったことからこの『ギャラクシー街道』と今作とを勘違いし、大コケしたという噂が流れたと考えられます。

これまで二度テレビ放送されている今作に対し、『ギャラクシー街道』は公開から10年近く経過しているにも関わらず一度もテレビ放送されておらず、不遇の作品となっています。

ひどいと言われる理由

ひどいと言われてしまう理由は、そのストーリー展開にあると思います。

記憶喪失になった黒田は待ち受ける困難を秘書官たちのサポートもあって、次々と解決していく様子が描かれますが、このご都合主義の展開に「あり得ない」、「うまくいきすぎ」と感じる方がおられたため、「ひどい」という感想につながったと考察出来ます。

基本的に三谷幸喜さんの作品は、こういったテイストになっているため、三谷作品は自分には合わないという方は鑑賞しない方が良いかもしれません。

『記憶にございません!』のキャスト相関図|隠れキャストについても解説

映画『記憶にございません!』のキャスト相関図

『記憶にございません!』の隠れキャスト

主演の中井貴一さんやディーン・フジオカさん、小池栄子さん、石田ゆり子さんら豪華キャストの共演でも話題を呼んだ本作『記憶にございません!』ですが、隠れキャストがいたことはご存知でしょうか?

そんな映画に密かに登場していた隠れキャストの皆さんを紹介していきたいと思います。

①ニュースキャスター

映画の節目節目で登場するのが、ド派手なメイクをしたニュースキャスターです。

黒田が何かする度に彼をコケ降ろすこのキャラクターを演じたのは、キャスターの有働由美子さんです。普段とは全く違うド派手なメイクに誰が演じているのか分からず、驚いた方も多かったのではないでしょうか。

②鰐淵影虎

映画で黒田の妻である聡子の兄の衆議院議員として登場するのが、鰐淵影虎です。

人のよさそうな姿が印象的なこの役を演じたのは、ミュージシャンのROLLYさんです。

グラムロックバンド「すかんち」のボーカルギターとしてデビューしたROLLYさんはド派手なメイクが印象的な方ですので、普段とは違う姿に驚かれた方も多かったと思います。

作中では、華麗なギタープレイも披露しています。

③官房長官・鶴丸の秘書 八代

映画で黒田のライバルである官房長官・鶴丸の秘書として登場するのが八代です。

記憶を失ったという情報を鶴丸が聞きつけ、黒田に大臣の名前を当てるクイズを八代が出題し、引っ掛け問題で自身の父親を紹介するというシュールなシーンを演じたのは人気お笑いコンビ・ジャルジャルのメンバー後藤淳平さんです。

これまで映画出演経験の少ない後藤さんの出演に驚いた方も多かったと思います。

④酔っ払いのサラリーマン

映画冒頭で記憶を失い、町を彷徨う黒田に対して、文句を言い放つサラリーマンを演じたのはベテラン俳優の近藤義正さんでした。

⑤黒田を狙うスナイパー

映画の終盤で登場する鶴丸から雇われ、黒田を狙うスナイパーを演じたのはスポーツキャスターとして有名な川平慈英さんです。

⑥外務大臣・牛尾

英語が全く喋れないにも関わらず、外務大臣を務めている牛尾を演じたのは、お笑いコンビずんのメンバーである飯尾和樹さんです。大きな福耳のメイクを施し、トレードマークであるメガネをかけていないため、飯尾さんだと気付かなかった方も多かったと思います。

⑦ドラマ「女西郷」主演女優

映画冒頭で記憶を失った黒田が定食屋に行くシーンがありますが、その定食屋のテレビ画面に「女西郷」というドラマのCMが流れ、主演女優として天海祐希さんが登場しています。

かなり短いシーンですので、気付かなかったという方も多かったと思います。

『記憶にございません!』のあらすじ

『記憶にございません!』のあらすじ|記憶を失ってしまった史上最低の総理大臣・黒田啓介

第127代総理大臣の黒田啓介は演説中に石を投げつけられたことによって、少年期以降の記憶を失ってしまい、自分が総理大臣だったことすら忘れてしまいます。

ごく一部の関係者にだけ記憶喪失の事実を伝え、記憶を失ったまま総理大臣を続行することになった黒田でしたが、自分が史上最低の支持率を叩きだした嫌われ者だったことや妻・聡子と息子の篤彦との関係も冷え切ったものであり、自身も野党党首の山西と不倫していることなどを知り、愕然とします。

自分に務まるわけがないと辞職を考える黒田を秘書官の井坂、番場のサポートによって、記憶が無くしがらみがない今からこそ出来ることがあると考えるようになり、小学校時代の恩師を招いて一から政治の勉強を始め、家族との関係修復に務めるようになります。

明らかに態度が変わった黒田に対して、妻の聡子は恐怖を感じます。

実は秘書官の井坂と聡子は不倫関係にあり、黒田を嫌悪していた井坂は記憶を失ったことを利用し、自分の意のままに政治を動かそうとしていたのでした。

『記憶にございません!』のあらすじ|記憶を失ったことをきっかけに政治改革に乗り出していく黒田

政治を一から勉強した黒田は改革に乗り出そうとしますが、井坂は総理の独断で変えることは出来ないと伝え、記憶を失う前に黒田が建築会社と計画を練っていた2つ目の国会議事堂を作るという公益事業を中止させることが出来れば全面的に協力すると約束します。

人情に訴えかけた黒田は無事に計画を中止させることに成功し、協力することを決めた井坂は現在の政治で中心人物となっている鶴丸を官房長官から辞職させることが必要と考え、以前スキャンダル記事で自身に交渉を持ち掛けてきた記者・古都に黒田が逆に交渉を持ち掛け、古都が鶴丸の近辺に探りを入れることとなります。

これまでの不祥事について、緊急の謝罪会見を開いた黒田を鶴丸は不審に思うのでした。

そんな中、アメリカ初の女性大統領であるスーザン・ナリカワが来日することとなりますが、黒田は堪能だった英語も忘れてしまい、接待で行う予定のゴルフのやり方すら分からなくなっていました。

『記憶にございません!』のあらすじ|すべてが好転していく中、明らかになってしまう秘書の井坂と妻である聡子の不倫

周りのサポートもあって、なんとかやり過ごすことができ、スーザンも上機嫌の様子でしたが、ディナー後に関税撤廃の件で口論となってしまい、不穏なムードとなってしまいます。

しかし、帰国前の共同会見では忖度なく意見を伝えてくれた黒田についてスーザンは高く評価していたことが明らかとなり、外交は大きな成功を納めます。

黒田のことを疎ましく思う鶴丸は黒田が記憶を喪失している情報を入手し辞職に追い込むよう動きますが、古都が掴んだスキャンダルによって逆に官房長官の職を追われることとなります。

全てが好転していく状況の中、黒田は井坂と妻・聡子が不倫していた事実を知り、古都がスキャンダルについて公にしたことによって多くの報道陣が注目することとなります。

辞職を申し出る井坂を黒田は引き留め、国会中継にて聡子への思いを打ち明けることを決めるのでした。

『記憶にございません!』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)

感想評価(※ネタバレ有)|記憶を失ってしまった嫌われ者の総理大臣の姿を三谷幸喜がコミカルに描いた政治エンターテイメント作品

本作『記憶にございません!』は、史上最低の支持率を叩き出す嫌われ者の総理大臣・黒田が事故によって記憶を失ったことをきっかけに政治改革に乗り出していく姿を軽快なタッチで描いた政治コメディエンターテイメントとなっています。

監督を務めたのは、ドラマ『古畑任三郎』や映画『THE 有頂天ホテル』など数々の代表作を持つヒットメーカー・三谷幸喜監督でこれまでの監督作品と同様に脚本も兼任しています。

序盤から記憶を失ってしまった総理大臣が寝巻姿で町中に現れ、住民が混乱するという姿がコミカルに描かれます。

自分が横暴の限りを尽くし、国民からの嫌われ者であることを知った黒田は記憶を失ったことを良いチャンスと考えて、政治改革と冷め切った関係である家族関係の修復に乗り出していきますが、黒田を演じた中井貴一さんの演技が少し頼りなくも、芯がしっかりとしたキャラクター像にぴったりでハマり役だと思います。

三谷作品らしく脇を固めるキャストはとにかく豪華でディーン・フジオカ、石田ゆり子、吉田羊、小池栄子、斎藤由貴、草刈正雄、佐藤浩市ら演技派ぞろいで作品に華を添えていますが、それぞれのキャラクターを魅力的に描いている点はさすがの一言だと思います。

無駄な公共事業の断ち切り、アメリカ大統領との外交、影のフィクサーである草刈正雄さん演じる官房長官・鶴丸との争いなど様々な困難が黒田を待ち受けていきますが、それぞれの場面がテンポ良く進んでいきますので、実にストレスなく鑑賞できる点も魅力的です。

映画の終盤では様々なピンチを乗り切った黒田の前に妻・聡子と秘書官・井坂が不倫していたというスキャンダルが舞い込みますが、国会中継にて妻・聡子に愛の告白をし、報道陣の前で熱い抱擁を交わして政治家としての支持だけでなく、家族の信頼も取り戻していきます。

その後、実は記憶が途中で戻っていたことを秘書官の番場に明かし、国家機密だと冗談っぽく伝えるなんともスマートなオチがあり、父親を軽蔑していた息子の篤彦から「自分も総理大臣になりたい」と伝えられる気持ちの良いハッピーエンドで映画は終わりを迎えます。

三谷幸喜監督が政治というテーマで作品を発表するのは今回が初めてでしたが、これまで数多くの喜劇を生み出してきた三谷監督にかかれば、堅苦しいイメージのある政治作品がこんなにコミカルかつポップに仕上がるのだと感動させられます。

これまで三谷作品を観たことがないという方にも入門編にぴったりな作品ですので、オススメです。

記憶にございませんの口コミ評判レビュー

★★★★☆星4

三谷幸喜さんの作品ということで、楽しみにしていました。

本当にたくさんの俳優さんが出演していて、ちょい役でも人気の俳優さんが使われていて、流石だなと思いました。

5分に1回、いや、1分に1回は笑えます。

まんべんなく笑いがちりばめられた三谷作品です。

内容は突拍子もなくて、主人公である日本の総理大臣が記憶喪失になっちゃって日常が一変し、好感度最悪だったけどすごいいい人になるというストーリーなのですが、そういったストーリーの中身の濃さより、登場人物の俳優さんたちの演出なのかアドリブなのかよくわからない笑える掛け合いが面白くて、何も考えずにただ笑って観られる作品だと思います。

何かを考えさせられるとか、この作品で言いたかったこととかはよくわかりません。ただ笑ってました。

30代女性

★★★☆☆星3

『記憶にございません』はフジテレビ開局60周年記念作品で、三谷幸喜さんが脚本・監督を務め、豪華な俳優陣が主役から脇役まで固めた注目の一作でした。

随所随所に笑いどころが満載のコメディ映画であった一方で、現実の政治に重ねた描写が多く見られる風刺映画としても大変楽しめました。

自分に都合の悪いことはすべて「記憶にございません」で済ませる政治家は、いったん本当に記憶をなくし、自分の今までの行いを他人のことのように見てみないとそのひどさを認めることができず正しい政治が行えない、という痛烈な皮肉が作品を通じて感じられました。

豪華なキャスティングも大変特徴的で、ストーリーの主軸を中井貴一さんや草刈民雄さんといったベテランの俳優が固める布陣の中で、どの役者さんも存在感のある役作りをしていて見応えがありました。

また短いシーンしか出てこない警官役でさえも、有名な俳優である田中圭さんが演じていることにとても驚きました。

フジテレビの記念作品であるためか映画というよりもテレビで放映される2時間ドラマに近いような印象で、気軽に楽しむことができました。

20代女性

★★★★☆星4

ディーン・フジオカさんが好きで観た映画です。

一言でいえば三谷幸喜さんらしいコメディの作り方で、作風と演出が毎回同じすぎて飽きたなと思ってしまいましたが、不思議と後から面白さが湧いてきました。

国民から相当嫌われて支持率も最低な総理大臣が記憶喪失になり、その事実を知るのは秘書の井坂を含めた直近の3人のみ。

政治の手腕は最初からなかったものの、全てを忘れた総理大臣、黒田が迷い、勘違いし、すれ違い、それでもなんとか誤魔化しながら政務をやらされているのですが、次第に自分がなんとかしないと、とゆう気持ちが芽生え、小学校のときの社会の先生を招き、1から政治を教わります。

その場面が1番ほっこりして好きです。

今で見向きもしなかった家族とも向き合おうとし、海外からの国賓政治家にも忖度なしに自分の意見を伝える黒田はかっこ悪いけど憎めないおじさんでした。

質はどうあれ、久しぶりにストレスなく観れた映画でよかと思います。

40代女性

★★★★☆星4

『記憶にございません』は、2019年公開の三谷幸喜監督作品です。私は久しぶりに映画館で鑑賞しました。

中井貴一さんがホントに最低の首相なんですが、病院から抜け出すはじめのシーンで国民にどれだけ嫌われてるかすぐに分かります。でも、記憶のない本人は全く身に覚えが無いから訳も分からず謝ってしまう。戸惑う中井貴一がめちゃくちゃ面白いです。

急に普通の感覚を取り戻し、謙虚な態度で接しても何かのパフォーマンスだと思われてしまうという負の連鎖。人から信頼を得るのはホントに時間がかかるものなんだと思いました。

でも、自分の行動が変われば周りや環境を変える力になるんだと、前向きな後押しをしてくれる映画です。

やっぱり三谷幸喜は面白いものをつくってくれます。

30代女性

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