『X-MEN:アポカリプス』を解説。最後ウルヴァリンの登場、時系列の詳細、あらすじ、感想口コミ評判レビューを独自調査。

2016年8月11日、日本公開の映画『X-MEN:アポカリプス』。
「X-MEN本編シリーズ」の第6作目で、スピンオフ作品を含めるとシリーズ全体で第9作目です。
『ファースト・ジェネレーション』から続く若きX-MENのメンバーたちが再登場し、ジーン・グレイやサイクロップス、ストームなどの若年期が初めて本格的に描写されています。
シリーズ全体の位置づけとしては、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』から始まるプリクエル三部作の完結編であり、“改変後の時間軸”におけるX-MENの形成と、後の物語への橋渡しを担う作品とされています。
目次
最後のエンドクレジットシーンを解説
X-MENシリーズといえば、次回作やスピンオフに繋がる“伏線的なエンドクレジットシーン”が恒例となっています。
映画『X-MEN:アポカリプス』の最後でもその例に漏れず、エセックス社の名を掲げる男たちが研究施設を訪れる場面が描かれました。
では、このシーンはシリーズ全体の中でどのような役割を担う予定だったのか、解説していきます。
伏線未回収となってしまったシーン
結論からいうと、このエンドクレジットシーンは伏線が未だに未回収となってしまったシーンとなっています。
映画『X-MEN:アポカリプス』が公開されてから1年後にウルヴァリンが主人公であるスピンオフ作品『LOGAN/ローガン』が公開されました。
元々この作品は、アポカリプスの撮影前から企画が進んでいたということでアポカリプスの続きが描かれる予定でした。
ヴィランがミスターシニスターというキャラクターである事を映画『X-MEN:アポカリプス』を監督したブライアン・シンガー監督が明かしており、このミスターシニスターは原作での本名がナサニエル・エセックスであることから、エンドクレジットで研究資料を回収していたエセックス社の代表であると考察できます。
しかしながら、企画が途中変更となり、『LOGAN/ローガン』はアポカリプスの続きではなく、他のシリーズ作品と関連のない独自のストーリーになってしまったことから、このエンドクレジット後のシーンについては伏線未回収のままになってしまったというわけです。
原作ではアポカリプスにパワーを与えられたという設定
原作では、アポカリプスにパワーを与えられたという設定になっていることから、映画『X-MEN:アポカリプス』の続編にぴったりのキャラクターであったと考えられます。
X-MENシリーズでは、伏線が未回収のままになっているシーンも多く、前作の『X-MEN:フューチャー&パスト』の終盤のシーンでミスティークがストライカーに化けて、海底に漂流していたウルヴァリンを回収したことから、ウルヴァリンがアダマンチウムを埋め込まれる改造を免れたはずでしたが、映画『X-MEN:アポカリプス』ではストライカーに捕まり、改造されてしまったウルヴァリンが登場しており、伏線が回収されないままになっています。
そのあたりのツッコミどころもX-MENシリーズの魅力なのかもしれません。
『X-MEN:アポカリプス』の時系列を解説
『X-MEN』シリーズは作品数が多く、時間軸の分岐や歴史改変が繰り返されるため、観る順番や出来事のつながりが分かりにくいのが特徴です。
特に『X-MEN:アポカリプス』は“改変後の世界”を舞台にしているため、初期三部作やスピンオフを観た方でも混乱することがあるでしょう。
そこで、シリーズ全体の時系列を整理しながら解説していきます。
管理人
X-MEN:アポカリプス冒頭シーン
映画『X-MEN:アポカリプス』の冒頭では、最初のミュータントであるアポカリプスが登場。
ミュータントの起源が紀元前3600年にまでさかのぼることが明らかになります。
古代文明を支配する存在として描かれた彼の誕生が、後の物語に大きく影響していきます。
X-MEN:ファーストジェネレーション
1960年代を舞台に、若き日のプロフェッサーX、ミスティーク、そしてマグニートーの出会いが描かれます。
冷戦下の緊張が続く中、ミュータントと人間の関係性が浮き彫りになり、キューバ危機という歴史的事件に彼らが関与する姿は、シリーズの始まりとして重要な意味を持ちます。
関連記事▶︎『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のキャスト相関図を解説。矛盾点についてシリーズと食い違う4シーン。
ウルヴァリン:X-MEN ZERO
1980年代を舞台に、ウルヴァリンの知られざる出生の秘密や兄弟セイバートゥースとの確執が描かれます。
ウルヴァリンがどのようにしてアダマンチウムの爪を手に入れ、兵器として利用されていったのかを明かす内容です。
キャラクターの背景を補強するエピソードです。
X-MEN初期三部作
2000年代に公開された『X-MEN』『X-MEN2』『ファイナルディシジョン』の三部作。
プロフェッサーX率いるX-MENとマグニートー率いるブラザーフッドの対立を軸に、ミュータントと人類の共存というテーマが描かれます。
特に『ファイナルディシジョン』では“ミュータント治療薬(キュア)”の存在が社会を大きく揺さぶり、仲間たちの間にも深い亀裂が生まれていきます。
ウルヴァリン:SAMURAI
初期三部作のその後を描いたスピンオフで、舞台は日本。
旧友ヤシダとの再会をきっかけにウルヴァリンは異国の陰謀に巻き込まれ、死と向き合う試練を経験します。
アクションだけでなく、心の傷を抱えたローガンの孤独や葛藤に焦点が当てられ、彼の人間性に迫る作品となっています。
関連記事▶︎『ウルヴァリン:SAMURAI』がひどい理由は2つ。海外の反応、時系列、見る必要は最後だけ知っておけばOK。
X-MEN:フューチャー&パスト
関連記事▶︎『X-MEN:フューチャー&パスト』最後と時系列を徹底解説。プロフェッサーはなぜ生きてるのか矛盾点3つ。
センチネルと呼ばれるミュータント抹殺兵器によって絶滅寸前に追い込まれた2023年の未来から物語が始まります。
ウルヴァリンはキティの能力によって意識を1973年に送り込まれ、若き日のプロフェッサーXやマグニートーと協力し、センチネル計画の発動を阻止しようと奔走します。
ここで歴史が改変されたことにより、これまでの初期三部作や『SAMURAI』の出来事は“なかったこと”になり、新たな時間軸が誕生します。
X-MEN:アポカリプス
歴史改変から10年後の1983年が舞台。
社会においてミュータントの存在は徐々に受け入れられ、ミスティークは英雄として讃えられています。
そんな中で古代から甦った最初のミュータント・アポカリプスが人類支配を企て、若きX-MENたちは人類と世界を守るために立ち上がります。
過去の改変が生んだ新しい時代で繰り広げられる、大規模な戦いが映画『X-MEN:アポカリプス』の中心となります。
ウルヴァリン登場を考察すると、再び捕らわれた可能性が高い
映画『X-MEN:アポカリプス』の中盤では、ストライカーによって記憶を消され、改造された様子のウルヴァリンが登場しました。
前作となる『フューチャー&パスト』の1973年の世界でウルヴァリンは、ストライカー少佐に化けたミスティークによって川底から救出されました。
このことによって、ウルヴァリンはストライカー少佐によって記憶を消され、アダマンチウムを埋め込まれる改造を免れたはずでした。
しかしながら、10年の間に再びウルヴァリンはストライカーによって、捕らわれてしまい、結局改造実験の被験者となってしまったのではないかと考察できます。
『X-MEN:アポカリプス』のあらすじ
(以下、映画『X-MEN:アポカリプス』のあらすじです。)
『X-MEN:アポカリプス』のあらすじ|紀元前からの封印から目覚めたミュータントの始祖・アポカリプス
前作『フューチャー&パスト』で過去が変わってから10年の月日が経ち、ミュータントは徐々に人間たちに受け入れられるようになり、立役者であるミスティークは英雄のように扱われていました。
ミュータント同士が戦わされている地下闘技場に潜入したミスティークは、ナイトクローラーを救出し、ナイトクローラーと戦っていたエンジェルも騒ぎに乗じてその場を後にします。
一方、エジプトではミュータントの始祖とされるアポカリプスが紀元前からの封印から目覚め、世界中を震撼させます。
プロフェッサーXが主宰するミュータントのための学校「恵まれし子らの学園」では、テレパシー能力を持つジーンがアポカリプスの危険を感じ取り、悪夢に悩まされるようになってしまい、見兼ねたプロフェッサーはセレブロによってCIAのエージェント・モイラがアポカリプスの情報を持っていることを知って彼女に協力を要請します。
かつてプロフェッサーと共闘していたマグニートーは素性を隠して妻と子どもと幸せに生活していましたが、アポカリプスが目覚めた際の地震で能力を利用して人助けをしたことからミュータントであることが発覚してしまい、襲撃された際に妻と子どもを失ってしまったことから再び人間への憎悪を増していきます。
ミスティークは、ナイトクローラーを救出する中でマグニートーの現状を知り、瞬間移動能力を持つナイトクローラーとともに恵まれし子らの学園へと向かいます。
『X-MEN:アポカリプス』のあらすじ|プロフェッサーXへと迫りくるアポカリプス
エジプト・カイロでは、目覚めたアポカリプスが人類を支配するためにエンジェル、サイロック、ストーム、そして人間に憎しみを抱くマグニートーの四人を仲間にし、強力なテレパシー能力を持つプロフェッサーXの存在を知り、自分の魂の新たな寝床にしようと企みます。
恵まれし子らの学園では、ミスティークからマグニートーの現状を知ったプロフェッサーXがセレブロを使ってマグニートーと交信しようとしますが、近くにいたアポカリプスによって、逆にセレブロが乗っ取られてしまい、アポカリプスは核ミサイルを発射させようとします。
アレックス・サマーの破壊光線によってセレブロを破壊しますが、大爆発が起こることとなってしまい、気を失ったプロフェッサーXもアポカリプスによって連れ去られてしまいます。
偶然学園に来ていた超高速移動の能力を持つクイックシルバーによって学園にいた人々は救出されますが、アレックスだけ命を失ってしまいます。
『X-MEN:アポカリプス』のあらすじ|ピラミッドの中で行われる精神を移行する儀式
混乱する状況の中、ミュータントの人体実験を行っているストライカー大佐の軍によってミスティーク、クイックシルバー、モイラ、ハンクが気絶させられ、研究施設へと運ばれてしまいます。
離れた場所にいたジーン、ナイトクローラー、そしてアレックスの弟であるスコットは四人を救出するために研究施設へと向かいます。
実験によって記憶を失い、特殊金属を埋め込まれたウルヴァリンことウェポンXを解放したことによって、ウェポンXが施設の兵士たちを倒し、救出に成功。
ジーンのテレパシー能力によって、プロフェッサーの居場所を突き止め、七人はカイロへと向かいます。
アポカリプスは巨大なピラミッドを建設し、内部でプロフェッサーの身体に自分の精神を移そうと儀式が進められていました。
以上、映画『X-MEN:アポカリプス』のあらすじでした。
果たして、七人はプロフェッサーを救うことは出来るのか?
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
『X-MEN:アポカリプス』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『X-MEN:アポカリプス』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|最強の敵・アポカリプスが登場する『フューチャー&パスト』の続編
映画『X-MEN:アポカリプス』は、X-MENシリーズの9作目、そして、前作『フューチャー&パスト』の続編として2016年に公開されました。
興行収入は全米で1億5,500万ドルと伸び悩んだものの、全世界での興行収入は約5億4,000万ドルというヒットを記録しました。
前作で改変された1973年の世界から10年後を描いた作品となっており、ミュータントが受け入れ始めた社会で、紀元前の眠りから目覚めたミュータントの始祖であるアポカリプスが現れ、人類を支配しようと企み、X-MENたちの前に立ちはだかるという内容となっています。
未来へと繋がっていく作品であることから、旧3部作でお馴染みのキャラクター・サイクロプスことスコット、ジーン・グレイ、ストームことオロロ・マンローが登場し、彼らがX-MENとして活躍するきっかけが描かれていきます。
メインはアポカリプスとの戦いではありますが、ストライカーによって記憶を消され改造されてしまったウルヴァリンの登場、そして正体がバレてしまったことにより妻子を失ってしまうマグニートー、スコットの恵まれし子らの学園への入学、明らかとなるクイックシルバーがマグニートーの息子であったという展開、CIAモイラの登場など盛りだくさんの内容となっており、ファンはたまらない内容になっているかと思います。
しかしながら、登場人物が多くかなり詰め込まれた内容になっているため、シリーズ初見の方だと付いていくのが難しい可能性もあるので、せめて、前作の『フューチャー&パスト』は鑑賞しておいた方が良いかと思います。
映画『X-MEN:アポカリプス』のヴィランとなるアポカリプスですが、他のミュータントの能力の強化、そして能力の利用の他、テレポートゲートの解放など最強の敵となっており、X-MENのメンバーが力を合わせて戦うことになりますが、終盤ではフェニックスの力を解放したジーンによって意外と簡単に倒されており、戦闘シーンが物足りない部分が残念なところです。
ラストでは、ジーン、カート、スコットら5人のX-MENが前作の敵となるセンチネルを想定したトレーニングを受けるという未来へと繋がっていくことを予感させる前向きなシーンで締めくくられます。
前述したようにかなり詰め込まれた内容になっており、その一つ一つが中途半端な描かれ方でうまくまとまっていない印象もありますが、X-MENメンバーの知られざる過去が明らかになっていますので、シリーズのファンは必見です。
『X-MEN:アポカリプス』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
X-MENの新シリーズ3作目ということで、前作も面白かったのでとても期待して鑑賞しました。
正直、期待値が上がりすぎたのか少々内容の薄さは目立ちますが、アベンジャーズ同様、特殊能力を持つもの達が集結する作品は大好きです。
歴史を改変した時間軸(前日譚的な)なので新キャストに馴染むのに時間はかかりましたが、ヒーロー達の過去や誕生秘話が知れて面白かったです。
今回のヴィランは最古にして最強の神アポカリプス。規格外に強いので、そのへんはどうやって倒すんだろうと見応えがありました。
そしてクイックシルバーの救出シーンには感動。このシーンは何度も観たくなります。
プロフェッサーがスキンヘッドになった原因てそうだったのか、、合間合間に笑いどころを入れてくるのもこのシリーズの好きなところ。
今回は特に不憫なマグニートーに感情移入しっぱなしでしたが、キャラクターに感情移入して観るとさらに楽しめますね。
30代女性
★★★☆☆星3
1960~1970年代に流行った、古代エジプト異世界ものを彷彿とさせながら、マトリクス的要素を拡大解釈して取り込んでいる作品です。
最初のピラミッドのシーンで既に脳内を元ネタの前世紀映画のシーンが去来しまくって、前世紀のSF古代幻想もの映画を沢山見た者ほど、頭の中が忙しくなるのと、X-MENシリーズにありがちな、やたら登場人物が多すぎることで、伏線回収の為のメモ書きは必須です。
そして毎度のことですが、X-MENとの対峙が物語のかなり後半となり、「いつX-MENが出てくるのか?」と、少しヤキモキします。
シリーズを重ねるに従って意図的にやってる気がすごくします。
そしてラストシーンはやはり、ミュータントは人間世界とは相容れないという悲しい結末。
たぶん、相容れる世界だったら、X-MENシリーズは続かないからでしょう。
50代男性
★★★★☆星4
まず冒頭の古代エジプトのシーンで一気に引き込まれました。
アポカリプスの「神」らしい圧倒的な存在感が画面から溢れていて、ただの敵ではなく、人類そのものを変えようとする怖さがじわじわ迫ってきました。
ストーリーの流れは少し重めですが、その分キャラクターたちの選択や葛藤に集中できて、見応えがありました。
途中で出てくるクイックシルバーの救出シーンはやっぱり最高で、シリアスな展開の中で一瞬ほっとできるユーモアと爽快感があって印象的でした。
ジーンが力を解放する場面は鳥肌もので、「次の世代がここから始まるんだ」というワクワク感を強く感じました。
アクションの迫力だけでなく、キャラクターごとの成長や絆が描かれていて、観終わったあともしばらく余韻が残る作品でした。
30代女性
★★★★☆星4
復活した古代の時代のミュータントであるアポカリプスと、それに立ち向かう若きX-MENの対決を描いた作品です。
伝説の存在であるアポカリプスと、彼の軍門に下ったマグニートーを始めとするミュータント達が実行しようとする世界の浄化は、これまでとは段違いのスケールで描かれており迫力がありました。
この作品では愛する家族と静かな生活を続けていたマグニートーでしたが、人助けに自分の能力を使った事でミュータントだと周囲にバレてしまい通報されます。
人としての良心が残っているのに、他者の偏見のせいで幸せを奪われてしまう彼の姿に心が痛みました。
一度は憎悪に飲み込まれてしまいますが、プロフェッサーXを始めとした彼との繋がりがある者達が説得を諦めようとしないのが救いでした。
彼は学園には残りませんでしたが、進む道は違っても目指す世界はプロフェッサー達と同じなのだと思います。
30代男性
★★★★★星5
最強のミュータント、エン・サバ・ヌールが登場したり、個性豊かなミュータント達の協力関係に感動したり、概してダイナミックで楽しめる映画なのですが、今までのX-MENシリーズの過去を描いているので、この映画の後のストーリー、キャラクターの敵・味方関係など、細かいところまで思い出すと、ちょっと混乱してくる映画でもあります。
プロフェッサーXがどうしてスキンヘッドになってしまったかの謎解きがあったり、マグニートーの息子のピーターが、恵まれし子らの学園の生徒たちを救出するのに登場したり、エン・サバ・ヌール討伐の立役者がジーンだったり、予想もしなかったエピソードが多く、自分の中で、ちょっと辻褄が合わない部分があったとしても、細かいことなど気にせず、目の前の出来事を楽しんでしまってこそのX-MENシリーズだなあと思いました。
50代女性
*映画『X-MEN:アポカリプス』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。