『白鯨との戦い』でなぜ殺さなかったのか?実話部分まで徹底解説【あらすじネタバレや感想評価まとめ】

2016年1月16日、日本公開の映画『白鯨との戦い』。
ハーマン・メルヴィルの名作小説『白鯨』の誕生に影響を与えた、捕鯨船エセックス号の沈没事故という実話を描いた海洋アドベンチャー作品です。
監督を務めたのは『アポロ13』や『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワード。
主演は『マイティ・ソー』シリーズのクリス・ヘムズワースが務めています。
- なぜオーウェンは白鯨を殺さなかったのか?沈黙の理由を徹底解説
- 『白鯨との闘い』のモデルとなった実話「エセックス号事件」
- 『白鯨との戦い』のあらすじ
- 『白鯨との戦い』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
なぜオーウェンは白鯨を殺さなかったのか?沈黙の理由を徹底解説
捕鯨船エセックス号に乗り込む男たちの過酷な航海を描いた映画『白鯨との闘い』。
映画の中盤以降で登場し、エセックス号を沈没に追い込むのがタイトルにもなっている巨大な白鯨です。
エセックス号が沈没してしまったことにより、漂流を余儀なくされた船員たちは無人島に一時避難した後にボートに乗りこみますが、ほどなくして再び自分たちを襲った白鯨と再会します。
もう一度壮絶な戦いが繰り広げられるのかと思いきや、一級航海士のオーウェンは銛を持ったまま、白鯨を見つめるものの、殺すどころか危害を加えることもなく、「なぜ殺さなかった?」と聞く他の乗組員たちの声にも耳を貸しませんでした。
白鯨とのバトル映画を期待していた方の中には、白鯨と決着をつけなかったこの展開について、がっかりしたという方もいたと思います。
では、なぜ、オーウェンは白鯨を殺さなかったのか?気になるその理由について解説していきたいと思います。
管理人
白鯨を殺さなかった理由①自然の驚異にひれ伏した
オーウェンが白鯨を殺さなかったのは、海という大自然の驚異を航海によって目の当たりにし、その恐ろしさを前にひれ伏したからだと考察できます。
これまでも捕鯨漁を生業にしていたオーウェンでしたが、今回の航海によってこれまで以上に海の恐ろしさを認識し、成す術がなかったのだと思います。
そんなオーウェンでしたが、トーマスによると、後に商船の船長となったとのことで海の恐ろしさを知りながらも、航海することへの挑戦を諦めることはなく、船長になるという夢を叶えたことが分かり、そのかっこいい生き様には憧れてしまいます。
白鯨を殺さなかった理由②被害を食い止めるため
オーウェンが白鯨を殺さなかったのは、これ以上死者が出ないように被害を食い止めるためだったとも考察できます。
満身創痍の船員たちが凄まじいパワーを持つ白鯨と今更戦ったところで結果がどうなるかをオーウェンは分かっていました。
だからこそ、これ以上の死者を出さないために無駄な争いをすることを避けたのだと考察できます。
白鯨を殺さなかったというよりは、殺せなかったという方が正しいかもしれません。
オーウェンには残してきた妻と子供がいたため、なんとしても生き残って家族に会いたいという気持ちもあったのだと思います。
『白鯨との闘い』のモデルとなった実話「エセックス号事件」
映画『白鯨との闘い』は、名作『白鯨』の着想元になった捕鯨船エセックス号の姿を描いた作品です。
『白鯨』は、アメリカの小説家ハーマン・メルヴィルが1851年に発表したものです。
そんな『白鯨』ですが、どこまでが実話なのでしょうか?解説していきたいと思います。
管理人
1820年に発生したエセックス号事件
結論から言うと、捕鯨船エセックス号は実在していました。
1819年8月にナンタケット島を出港したエセックス号は映画で描かれていたと同じようにベンジャミン・ウォーカーが演じたジョージ・ポラードが船長を務め、クリス・へムズワーズが演じたオーウェン・チェイス、トム・ホランドとブレンダン・グリーソンが演じたトーマス・ニッカーソン、キリアン・マーフィーが演じたオーウェンの親友で二等航海士であったマシューも実在していました。
ですが、その4人以外の乗組員に関してはフィクションであり実在はしていないようです。
その後、1820年の11月20日に赤道付近で推定85フィートとも言われる巨大なマッコウクジラがエセックス号に体当たりし、2回激突した末に浸水し、沈没してしまいました。
その後、映画で描かれていたと同じように漂流することを余儀なくされた船員たちは、限られた食料も尽きていき、飢餓状態のためやむを得ず人肉を食べることとなってしまったようです。
人肉を食べるシーンについては映画でも描かれていましたが、まさか実話だったとは驚かされます。
管理人
最終的に20名の内、8名のみ生き残ったということで実話も映画と同じかそれ以上に過酷であったことが分かります。
その後の船員たち
船長ジョージ・ポラードはツーブラザーズという船の船長として再び海へと戻りましたが、この船も座礁してしまい、その後に船長に就任した商船も沈没してしまったことから船乗りとしてのキャリアを諦めるしかなくなり、1870年1月7日に78歳でこの世を去りました。
チェイスは、捕鯨を続け、船長を務めるまでになりました。
映画でも登場していた妻ペギーは、3人目の子供を出産した後に死亡してしまい、その後は親友であったマシューの妻で未亡人となったナンシーと再婚しましたが、ナンシーも後に死亡してしまったために他の女性と再婚し、合計4度の結婚をしたそうです。
トーマス・ニッカーソンは商船の船長となった後にナンタケットで寄宿舎を経営したそうですが、知り合いの作家の勧めでエセックス号の経験を文章にまとめ、彼の死後から100年以上が経過した1984年にようやく出版されることとなりました。
ちなみにトーマスは、エセックス号沈没の後にジョージ・ポラードが船長を務めたツーブラザーズにも船頭として乗船していたようです。
管理人
『白鯨との戦い』のあらすじ
(以下、映画『白鯨との戦い』のあらすじです。)
『白鯨との戦い』のあらすじ|小説家メルヴィルの説得により、捕鯨船エセックス号について語り始めるトーマス
かつて巨大な白鯨と戦った末に沈没した捕鯨船エセックス号の乗組員の中で唯一の生き残りであるトーマスの元を訪れた小説家のメルヴィルは、彼の話を題材にした小説を執筆しようとしていました。
あまりに過酷な経験であったことから断るトーマスでしたが、全財産を払うという彼の熱意に負けて、少しずつエセックス号について語り始めます。
1819年、長きに渡り、捕鯨漁を営むオーウェンはこれから生まれてくる子供のために巨額の費用を投じて作られたエセックス号に乗り込むことを決めます。
当然自分が船長だと考えていたオーウェンでしたが、由緒正しき家柄であるジョージが船長に就任することとなり、経験の浅いジョージの起用に異を唱えるオーウェンでしたが、家族のために仕方なく受け入れます。
『白鯨との戦い』のあらすじ|出港するも目立った成果を上げることが出来ないエセックス号
船長のジョージ、一等航海士のオーウェン、オーウェンの親友であるマシューや当時14歳であったトーマスらが乗り込み、エセックス号は出港しますが、ジョージとオーウェンの間には不協和音が流れており、実質的な船長は船員たちが信頼するオーウェンであったため、ジョージのプライドは傷つけられていました。
順調に航海が進んでいたある日、嵐が発生しオーウェンが進路変更を提案しますが、ジョージは聞く耳を持たず、スケジュールが遅れていることを理由に嵐の中を航海することとなり、オーウェンの的確な指示によってなんとか難を逃れましたが、二人の溝は深まる一方でした。
航海から3ヶ月が経ち、ようやく捕鯨に成功し50樽分の油を集めることに成功したエセックス号でしたが、その後は目立った成果を上げることが出来ずにいました。
『白鯨との戦い』のあらすじ|白鯨に襲われ、漂流することとなってしまうエセックス号の船員たち
窮地に立たされていたエセックス号は、物資調達にエクアドルを訪れます。
今後の航海計画を立てている中、南米大陸から数千キロ離れた未知の海域で多数の鯨の群れに遭遇したが、群れを率いている巨大な白鯨の攻撃を受けて船が沈没してしまったという話を聞かされ、なんとしても成果をあげたいジョージとオーウェンは危険を承知の上で未知の海域へと向かいます。
その後、噂通り鯨の群れに遭遇した一行は喜び勇んで捕鯨を始めますが、想像以上の凄まじい大きさと力を持つ白鯨に襲われてしまい、エセックス号は沈没し、船員たちは3隻の小舟で漂流することを余儀なくされるのでした。
その後、なんとか無人島に辿り着いた船員たちでしたが、白鯨に襲われ島に避難したであろう船乗りたちの遺体を多数発見し、船員たちは絶望するのでした。
以上、映画『白鯨との戦い』のあらすじでした。
果たして、船員たちは生き残ることが出来るのか?
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
『白鯨との戦い』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『白鯨との闘い』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|捕鯨船エセックス号の乗組員たちの過酷な漂流生活を描いたアドベンチャー作品
映画『白鯨との闘い』は、後にハーマン・メルヴィルが『白鯨』を執筆するきっかけとなった、捕鯨船エセックス号の沈没事故を描いた実話ベースの映画です。
監督を務めたのは、かつて俳優としても活躍し、『バックドラフト』や『アポロ13』などで知られるロン・ハワード、主演を務めたのは、『マイティソー』シリーズで知られるクリス・ヘムズワース、そして、クリスとは後に『アベンジャーズ』シリーズで共演経験もするトム・ホランドも出演するなど豪華共演が話題を呼びました。
そんな映画『白鯨との闘い』ですが、小説家のメルヴィルがかつて沈没してしまった捕鯨船エセックス号の乗組員であったトーマスに取材を申し込み、その熱意に負けて、重い口を開き始めるところから始まります。
管理人
そして、石油採掘が主流ではなく、燃料として鯨油が使われていた1800年代初頭に出港した捕鯨船エセックス号の過酷な日々が描かれていきます。
映画『白鯨との闘い』の最大の魅力はなんといっても、当時の捕鯨船の過酷さを描いている点にあると思います。
時には雷に打たれ、食事も僅かの中、過酷な航海を続けながらも思うように収穫が出来ない日々に死に物狂いで立ち向かっていく乗組員たちの姿がまるでドキュメンタリーかのようにリアルに描かれています。
タイトルを見た方の中には、映画『ジョーズ』のように巨大な白鯨とのバトル映画であると思った方も多いと思います。
もちろん、群れに近付いたエセックス号に容赦なく攻撃を行い、船を沈没させる白鯨とのバトルが大迫力で描かれるシーンもあるのですが、どちらかというと、白鯨によって船を沈没させられ、漂流することを余儀なくされる船員たちのサバイバル映画の側面が強い作品となっていますので、鑑賞する際には注意が必要だと思います。
無人島に辿り着きますが、このまま島にいても生き残ることは出来ないと判断し、再び漂流することになった船長のジョージ、一等航海士のオーウェンたちですが、死者の肉を解体して食べるシーンなどが描かれ、直接的な描写はないもののなんとか生き残るために藁をもすがる思いで漂流を続ける船員たちのショッキングな姿が描かれていきます。
管理人
サバイバル描写だけでなく、人間ドラマもしっかりと描かれており、対立していた船長のジョージと航海士のオーウェンが航海を続ける中でお互いを許し、90日間の航海を経てなんとか帰国した二人が捕鯨業界に悪影響を与える巨大な白鯨に沈没させられたという事実を公言しないように圧力をかける船主関係者に屈せず、正直に事実を公表する姿が描かれます。
派手さはない作品ですが、絶体絶命の状況でありながらも、最後まであきらめずに精一杯生きる船員たちの姿を見て、生きることのありがたみや喜びをあらためて感じさせてくれる内容になっていますので、日々のルーティーンを繰り返す生活に飽き飽きしているという方に特にオススメしたい作品です。『白鯨との戦い』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
映画『白鯨との闘い』は、ロンハワード監督による大きなクジラと人間たちの死闘を描いた実話ベースの作品です。
とにかく海のスケール感がすごくて、スクリーンの中に引き込まれる感覚がありましま。
主演のクリス・ヘムズワースは、タフな航海士をしっかり演じていて、白鯨との戦いの中でどんどんボロボロな姿になっていくのがリアルな時間経過を感じさせていました。
ただ「クジラと戦う話」じゃなくて、生きるための必死な闘いだったり、人間のエゴや弱さもちゃんと描かれているのが良かったです。
白鯨とのバトルシーンも迫力満点でドキドキしたけど、それ以上に、その後の漂流生活の描写がしんどくて、観ていて胸が痛くなりました。
映像も音楽もクオリティ高くて、映画館で観たらもっと圧倒されそうですね。
自然の怖さとか、命に対する考え方とか、いろいろ考えさせられる内容で、海洋恐怖症のある私にはゾッとする描写もありました。
ガッツリ冒険を楽しみたい人にも、ちょっと深いテーマを感じたい人にもオススメの映画だと思います。
20代女性
★★★★☆星4
豪華キャストで気になっていた映画の1つです。
自然の猛威というか、海の怖さと人間の無力さ、極限状態にどういった精神状態になるのかを感じるサバイバル映画でした。
嵐のシーンや鯨との戦いのシーンでは、本当に航海しているような臨場感と迫力があり、三半規管の弱い私は少し酔いました。
また、題名にある鯨との戦いよりも、なんとなく漂流がメインの様に感じました。
圧倒的な白鯨との戦いで得たチャンスに、瞳を見て手を止めたチェイスの気持ちも、なぜ仕留めなかったのかという憤りもどちらにも共感できました。
その後、鯨との戦いから生き延びる戦いに変化していき、特にポラードの従弟の場面では泣けます。
生き残ったニッカーソンが誰にも言えず苦しみながら歳をとるのも、リアルでした。
視聴後、他の方の感想も気になり考察などを見漁りましたが「鯨を狩っていいのは鯨に狩られる覚悟がある者だけだ」という文言がとても腑に落ちて、この映画だけに関わらず身近な漫画やアニメで多用されている人間が家畜になる設定や、現実世界での漁や畜産など言えることだなと感じる作品でした。
20代女性
★★★☆☆星3
大きな白鯨って言っても、所詮鯨だしそんな大層な事になるのか?と疑い半分で見始めました。
ですが、いざ始まる大きな白鯨との戦い。
なかなか、ドキドキハラハラしました。
けど、最終白鯨を殺さなかったところがとても感慨深いところでありました。
仕留めた方がいいという気持ちも分かるし、白鯨への敬意?というか何ともいえない複雑な気持ち。考えさせられました。
そして、漂流した時のリアルな追い込まれる環境。
ミイラを見てしまったり、食べたり。。
生き延びるためにはここまでしないといけないという、かなり難しい追い込まれ具合。
家族にはどうやって生き延びたのかなんて絶対に言えないし。
でも、結局海からは離れれないところがとても素敵でした
30代女性
★★★★☆星4
白鯨との闘いはもちろん鯨との闘いで捕鯨というものの大変さを描いていますが、中盤以降は嵐や遭難といったものにシフトしていて生きていくことの大変さを描いているように感じます。
能力のない船長と経験値の高い航海士の確執がこの航海が一筋縄ではいかないことを描いていますし、どうなるか興味をそそられます。
鯨の群れのリーダーのマッコウクジラに体当たりされて船を壊されてから、小さい船で逃げ出した後は地獄のようです。
いつ鯨がおそってくるかわからない漂流生活に水や食料の圧倒的な不足。
ここで理性と本能の闘いが新たに出てきます。
しかし生きていくためには何を選択しても批判はできないなと感じました。
助かった際にはさいごまで秘密として生きていこうという強い意志。
『タイタニック』でもそうでしたが、実際に体験した人が語る方式で恐ろしさを増幅させているのが上手い作り方だと思いました。
40代男性
*映画『白鯨との戦い』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
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