『LOGAN/ローガン』でのミュータントが絶滅した理由。なぜ老化したのか、死亡理由、時系列まで解説考察。

X-MENシリーズの映画『LOGAN/ローガン』。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』、『ウルヴァリン:SAMURAI』に続くウルヴァリン単独映画の3作目であり、主人公ローガンの最期を描いた作品です。
2029年を舞台に、老化と治癒能力の衰えに苦しむローガンと、認知症を患ったプロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)の姿を描き、ローガンと同じ能力を持つ少女ローラが登場し、彼女を守る逃避行が作品の中心となります。
目次
ミュータントが絶滅した理由はミュータント治療薬。プロフェッサー事件を解説。
映画『LOGAN/ローガン』の舞台は、2029年。
この時代には、新たなミュータントが生まれて来ずにミュータントが絶滅したことになっていますが、なぜミュータントは絶滅したのでしょうか。
その理由は遺伝子抑制剤=ミュータント治療薬による弊害だと考えられます。
その詳細を共に、プロフェッサーXはなぜウルヴァリンに匿われながら生活しているのか、その背景も解説していきます。
ミュータントが生まれなくなった本当の理由
ミュータントが絶滅した理由は、遺伝子抑制剤=ミュータント治療薬による弊害であると考えられます。
映画の終盤で兵器用ミュータントの開発を行うリチャード・E・グラント演じるザンダー・ライス博士がミュータント治療薬を混入した飲み物を提供していることを明かしており、日常的に摂取している飲み物によって知らず知らずに治療薬を体内に入れていることにより、ミュータントは絶滅したと考えられます。
ウルヴァリンことローガンも例外ではなく、普段口にしていたコーンシロップに治療薬が仕込まれており、彼自身も気づかぬまま体内に取り込んでいました。
つまり、彼の衰弱や治癒能力の低下も、この抑制剤の影響を受けていた可能性が示唆されています。
プロフェッサー事件の真相|ウェストチェスターでの悲劇
プロフェッサーXが世間から姿を隠し、匿われながら生活している理由は、ミュータントのための学園である「恵まれし子らの学園」があったウェストチェスターでの事件が原因となっています。
プロフェッサーXは、高齢により、アルツハイマーを患ってから徐々にその能力をコントロールが出来なくなっており、ひとたび発作を起こすと、相手の脳に精神波を叩きこむメンタルボルトを放出してしまうという危険な状態にありました。
プロフェッサーは、この危険な状態によって、ウェストチェスターにある学園にて発作を起こしてしまったことから、学園のミュータント7名と数百人の負傷者を出してしまったことにより、プロフェッサーは大量破壊兵器として疎まれる存在になってしまったことから、ローガンは彼を匿いながら生活することとなったのです。
プロフェッサーXがホテルで発作を起こしてしまった後、カーステレオのラジオからホテルで発生した出来事が1年前にウェストチェスターにて起こった事件と似ていると報道しており、プロフェッサーは作品の1年前である2028年に事件を起こしてしまったと考えられます。
ライス博士が前述したようにミュータント治療薬を混入した飲み物を提供していると明かしていたことから、もしかすると、プロフェッサーXが発作を起こすようになった原因はこの治療薬が原因であるという説も考えられます。
ウェストチェスターでの事件がどういったものだったのかについては明らかになっていませんが、どちらにせよ、我が子同然のミュータントたちを自分が殺害してしまったプロフェッサーの心中は絶望しかなかったと考えられます。
ローガンはなぜ老化した? 死亡理由まで解説
ウルヴァリンことローガンは、治癒能力を持っており、老化もしないことからこれまでの作品ではほとんど歳をとっていないように描かれていました。
しかしながら、映画『LOGAN/ローガン』では、老化しており、治癒能力も衰えて最強にも思えたかつてのような姿ではなくなっていました。
果たしてなぜ、ローガンは老化してしまったのでしょうか?
アダマンチウムの毒素とミュータント治療薬の影響
ローガンが老化してしまった理由は、体内に埋め込まれている特殊金属アダマンチウムの毒素と、ライス博士が市販飲料に混入したミュータント治療薬の影響によるものです。
これまでローガンがアダマンチウム毒素の影響を受けなかったのは、ミュータント遺伝子の力が強く働いていたからですが、治療薬によってその力が弱まってしまい、結果的に毒性が表面化。
老化の進行と治癒能力の低下を引き起こしてしまったとされています。
死亡してしまった理由
ローガンは、自身の遺伝子を利用して作られたミュータント兵器X-24との戦いで命を落としました。
最大の要因は、アダマンチウムの毒素により治癒能力が大幅に衰えていたことです。
そのため致命傷を負った際に回復が間に合わず、最後には再生能力の限界を超えてしまったのです。
『LOGAN/ローガン』の時系列
映画『LOGAN/ローガン』は2029年が舞台となっており、時系列上は2023年が描かれた『X-MEN:フューチャー&パスト』のその後に位置づけられると考えられます。
『フューチャー&パスト』ではウルヴァリンが1973年にタイムスリップして過去を変えたことで、未来が新しく塗り替えられました。
映画『LOGAN/ローガン』はその「変更後の未来」から6年後の物語とみなす説が有力です。
ところが、順風満帆に見えた未来はそうではなく、むしろ以前より深刻な状況に陥っていることが明かされます。
さらに、映画『LOGAN/ローガン』でローガンが命を落としたにもかかわらず、スピンオフ作品『デッドプール&ウルヴァリン』(2024年)では再びウルヴァリンが登場している点を不思議に感じた方も多いでしょう。
これは別の並行世界のウルヴァリンであり、本編シリーズのローガンとは別人と考えられます。
『フューチャー&パスト』との繋がりと矛盾点
『LOGAN/ローガン』を「フューチャー&パストの未来」と捉えると、25年間も新たなミュータントが誕生していないという設定は矛盾を生じます。
このため「繋がりはあるが矛盾も多い」として、半ば独立した作品として受け止める人も少なくありません。
独自のストーリー作品という説も有力
一方で、完全に独立した世界観として描かれた作品だとする説も有力です。
元ネタとなった『オールドマン・ローガン』自体が別世界を描いていることも、この説を補強します。
原作では、幻術に騙されたウルヴァリンが仲間を皆殺しにしてしまう衝撃的な展開が描かれました。
ハードボイルドな異色作としての魅力
『LOGAN/ローガン』は血しぶきや首が飛ぶなど過激描写が多く、R指定となったハードボイルドな一作です。
従来のX-MENシリーズと異なる作風でありながら、シリーズ最高峰の評価を獲得しました。
そのため、X-MENに詳しくない方でも単体の作品として十分に楽しめる内容となっています。
『LOGAN/ローガン』のあらすじ
(以下、映画『LOGAN/ローガン』のあらすじです。)
『LOGAN/ローガン』のあらすじ|廃工場で共同生活を送るローガンとチャールズ
2029年、かつてヒーローとして活躍したウルヴァリンことローガンは見る影もなくなり、ドライバーとして働きながら廃工場でプロフェッサーXことチャールズ、そしてキャリバンの3人で生活をしていました。
チャールズは、アルツハイマーを患い、自らのパワーをコントロール出来なくなったことから凄惨な事件を巻き起こしてしまい、ウルヴァリンとキャリバンの介護が必要となっていました。
そんな中、ローガンはミュータントに精通しているピアースという男からガブリエラという女性を探してほしいと依頼を受けますが、断ります。
その後、ローガンはガブリエラから娘のローラとともにノースダコタまで連れて行ってほしいと懇願され、チャールズの薬のためにお金が必要であったことから依頼を受けることとなります。
『LOGAN/ローガン』のあらすじ|ローラを乗せてノースダコタで向かうローガン
彼女たちが宿泊するモーテルに向かったローガンでしたが、ガブリエラは殺害されており、ピアースがローラの身柄を明け渡すように部隊を引き連れて廃工場に現れます。
襲撃に遭いながらもチャールズの指示に従ってローラも連れて逃亡することとなりますが、キャリバンは捕まってしまいます。
ガブリエラの携帯電話にあったムービーからザンダー・ライスという博士がミュータントの精子を利用して誕生した子どもたちを兵器として育成しており、ローラのそのうちの一人であることを知ります。
研究所は研究の末にX-24という最強の兵器が完成したことから子どもたちの虐殺を開始し始めたため、看護師であったガブリエラは命を顧みずに子どもたちを逃がし、ミュータントたちが集まると言われるノースダコタのエデンという場所へ向かおうとしていたのでした。
ミュータントの居場所を特定する能力を持つキャリバンを利用してピアースたちはローガンたちを追い、宿泊先のホテルを襲撃しますが、チャールズの発作によってメンタルボルトが放出され、ホテル中が大混乱となり、それに乗じてホテルから脱出します。
『LOGAN/ローガン』のあらすじ|ミュータントの子どもたちの前に立ちはだかるX-24
エデンへと向かう道中に偶然マンソン一家と知り合い、家まで招待されたローガンたちは久しぶりに穏やかな夜を過ごしますが、X-24を引き連れて襲撃に来たライス博士、ピアースらによってチャールズと一家は殺害されてしまい、なんとかローガンとローラは逃亡に成功します。
チャールズを埋葬し、旅を続ける二人はとうとうエデンへと辿り着きます。
そこには、研究所から脱出した子どもたちが集まっていました。
彼らはカナダ国境を超える計画を立てており、ローラに誘われながらもローガンは別れることを決めます。
目的を終えたローガンは、アダマンチウムの銃弾で命を絶つつもりでしたが、ローラたちを追う敵たちを目撃し、彼らを助けるためにもう一度立ち上がるのでした。
以上、映画『LOGAN/ローガン』のあらすじでした。
『LOGAN/ローガン』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『LOGAN/ローガン』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|人気キャラクター・ウルヴァリンの活躍を描いたハードボイルドタッチなスピンオフ作品
映画『LOGAN/ローガン』は、X-MENシリーズのスピンオフ作品であり、人気キャラクター・ウルヴァリンを主人公にした『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』、『ウルヴァリン:SAMURAI』に続く作品となっています。
ミュータントが絶滅寸前にある2029年の未来が描かれた作品となっていますが、これまでの作品と違うハードボイルドな雰囲気が漂った作品となっており、X-MENシリーズが子供向けに感じた方々にもオススメできる内容です。
力が衰え、リムジンドライバーとして生計を立てるウルヴァリンことローガン、そして、アルツハイマーを患い、力のコントロールが出来なくなったことからローガンにサポートを受けながら俗世間と離れて暮らすプロフェッサーXことチャールズが、生物兵器として誕生したミュータントの少女ローラを追っ手から救出するために旅に出るという内容になっており、ロードムービーのような要素もあります。
これまでのX-MEN作品のように多数のミュータントヒーローたちが登場するわけではないですが、アクションシーンでは血が飛び出たり、頭が吹っ飛んだりとR指定ということもあって、かなり生々しく描かれており、リアリティのある描写は通常のヒーロー映画とは一線を画すもので迫力があります。
しかしながら、少々ショッキングな映像となっていますので、暴力描写に耐性がないという方は注意が必要です。
ローガンが旅を共にするローラは、ミュータントを生物兵器として利用とするライス博士の研究の中で誕生した女の子ですが、ウルヴァリンのDNAを引き継いでおり、奇妙な二人の親子関係も必見です。
人間から離れ、いわば世捨て人のような生活を送るウルヴァリンがローラと出会い、処分されることになってしまうミュータントの子どもたちを救うために再び立ち上がり、危険の顧みずに戦っていく姿には胸が熱くなります。
映画の終盤では、ローラとミュータントの子どもたちを追うライス博士たちの兵隊との戦いが描かれますが、ウルヴァリンのDNAを改良した生物兵器X-24との戦いは壮絶でまさにクライマックスと言うべき迫力に満ちています。
ローラたちを救うことが出来たものの、X-24との戦いで致命傷を負い、ウルヴァリンは命を落としてしまうという衝撃的な展開となりますが、ウルヴァリンを埋葬し、生き残ったローラを含めたミュータントの子どもたちが旅を続けていく前向きなラストで締めくくられます。
ハードボイルドな内容はまさに大人のためのヒーロー映画と言えると思います。
子供だましのヒーロー映画は苦手と感じている方にぜひオススメしたい作品です。
『LOGAN/ローガン』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★★星5
X-MENの一人であるウルヴァリンを主人公とした、X-MEN世界の一つの未来を描いた作品です。
ミュータントがどんどん減っていき絶滅寸前の状態、スタートから悲壮感しかないです。
昔はいっぱいいた仲間もいなくなり唯一残っている仲間もアルツハイマーという、X-MEN旧3部作が好きだった人にとっては絶望すぎる状況です。
退廃的な雰囲気が好きな人にはささります。
こういう未来もあるんだな、ということが受け入れられれば大丈夫。
アクションも申し分なし、派手さはないですがその分リアリティがあるというか。
丸くおさまるハッピーエンドではないですが、なんだかんだで希望のある終わり方です。ビターグッドエンドって感じです。
あなたがローガン(ウルフヴァリン)の生き様にシンパシーを感じられれば、名作となりうることでしょう。
40代男性
★★★★☆星4
かつてヒーローであったキャラクターの過酷な状況が描かれるショッキングな作品です。
主人公のローガンことウルヴァリンは、その強力な自然治癒能力から、これまで無敵に近い存在としてファンに印象づけられてきました。
しかし、映画『LOGAN/ローガン』では、その治癒能力は衰え、老化が目に見えて進んでいることが強調されています。
また、X-MEN作品においてリーダーであったプロフェッサーX(チャールズ)も同様に、激しい衰えを見せています。
戦い方も非常に泥臭く、ある意味では残忍なシーンも多いのですが、それはローガンに余裕がなくなっていることの表れのように感じられます。
ストーリーの軸となるのは、少女ローラを守るという使命です。
単なる逃走劇にとどまらず、ローガンが時折見せる教育者としての顔や、チャールズ・ローガン・ローラの三人が擬似的な家族のように描かれる場面もあり、人間的な温かみが感じられます。
だからこそ、タイトルが「ローガン」と、彼の本名で冠されているのかもしれません。
老化にしても、過酷な現実に立ち向かう姿にしても、ここで描かれているのはスーパーヒーローではなく、一人の人間としてのウルヴァリン=ローガンです。
注目すべきは、老齢期を迎えたローガンの最後の「生き様」そのものだと言えるでしょう。
子どもの頃にX-MEN作品に触れたことがある人にこそ、ぜひ観ていただきたい作品です。
そうした意味で、「大人向けの」アメリカンヒーロー像がここに描かれています。
40代男性
★★★★☆星4
悪い作品ではないのですが、鋭い爪を持つ強いヒーローだったはずのウルヴァリンは、すっかり弱っていて、見終わって悲しくなってしまった映画です。
ウルヴァリンは日雇い運転手として、認知症を患って力をコントロールできないプロフェッサーをX支え、頼られて、自分のような鋭い爪を持つローラを守ろうとするも、ウルヴァリン自身のクローンを倒す体力もなく・・・。
それでも、ウルヴァリンはローラや訳ありミュータントの子どもたちに慕われていますが、老いて戦えない現実を突きつけられる展開。
認知症のプロフェッサーXまで登場し、何だか現実世界の人間とリンクする映画というか、年老いることの惨めさをまざまざと見せられたように思います。
人間の世界もヒーローの世界も、現実もフィクションも、きれいごとを言っても、老いるというのは、重くのしかかる現実だなあと思い、沈んだ気持ちになってしまいました。
50代女性
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