『硫黄島からの手紙』はどこまで実話?西郷のその後やおかしい点などを解説!
2006年12月9日、日本公開の映画『硫黄島からの手紙』。
クリント・イーストウッド監督による硫黄島2部作の2作目です。
1部作目の『父親たちの星条旗』では硫黄島の戦いをアメリカ視点で描かれていたのに対して、日本視点での硫黄島からの手紙を描いています。
映画『硫黄島からの手紙』の口コミ評判レビューには、
- 平和についても考えさせられた
- 仲間が自決していくシーンは特に印象に残った
- 戦争の実態を知ることで平和を願う気持ちが強くなった
- 当時の日本兵の愛国心と家族愛が伝わり感動した
- 戦争の無意味さが伝わってくる映画
- 心に残る感動的な映画
- 戦場の緊張感やドラマの感動のバランスが良い
- 戦闘シーンの迫力や島の厳しい環境がリアル
という声が多数集まっています。
- 『硫黄島からの手紙』はどこまで実話?
- 『硫黄島からの手紙』の西郷のその後や生存者たちについて(二宮はその後生きてるのか?)
- 『硫黄島からの手紙』の3つのおかしい点を解説
- 『硫黄島からの手紙』のあらすじ
- 『硫黄島からの手紙』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
『硫黄島からの手紙』はどこまで実話?
クリント・イーストウッド監督が日本側の視点で硫黄島の戦いを描いた映画『硫黄島からの手紙』。
登場する渡辺謙が演じた栗林中将が、軍事研究のために留学したアメリカから息子へ送った絵手紙や、戦地から娘のたか子宛に送った手紙を吉田津由子が編集した書籍「玉砕総指揮官の絵手紙」に着想を得て作られた作品です。
では、どこまでが実話なのでしょうか?解説して行きます
管理人
実在した栗林忠道
まず、作品に登場した栗林中将ですが、前述したように実在した人物となっています。
栗林中将が陸軍の中将であったことや映画でも描かれていたように海岸線の防衛を進めようとする海軍の意見に反して、摺鉢山を拠点として地下要塞を作り、持久戦を想定した抗戦体制にシフトチェンジしたことも実話になっています。
その指導力もあり、アメリカ軍からは戦争で直面した最も手ごわい敵という声があがるなど高く評価されています。
映画でアメリカ軍の将校の妻からアメリカと戦争したらどうなるか?と聞かれた際にアメリカと日本は絶対に戦うべきでは無いと答えるシーンがありましたが、栗林は実際にアメリカに2年間駐在していた経験がありました。
アメリカの工業力について高く評価していたこともあって、妻に日本はアメリカとの戦いを避けるべきだと語ったことがあったようです。
管理人
そのようなアメリカでの経験からアメリカ軍の軍事力が並大抵なものではない事も知っていたため、持久戦を想定した抗戦体制に方向転換するという発想が生まれたのだと思います。
息子の太郎宛てにイラスト入りの手紙を書くシーンがありますが、実際に栗林はユーモラスなイラストをまじえた手紙を息子の太郎や妻のよしゐに送っており、その内容は「玉砕総指揮官の絵手紙」で確認することが出来ます。
栗林からの手紙は多数残っていたようで、かなり筆まめな人物だったことが分かります。
管理人
ちなみに映画ではアメリカを栗林が運転しているシーンもありましたが、実際に栗林は運転するのが好きだったようでカンザス滞在中に息子に送った手紙には田舎道を一人で運転するのが一番の楽しみだと綴っています。
また、映画で伊原剛志演じる陸軍中佐の西竹一も実在しており、映画で語られていたロサンゼルスオリンピックの馬術障害協議の金メダリストというエピソードも事実となっています。
ただ、映画では栗林と意気投合するキャラクターとして登場していましたが、実際は小さな確執が二人の間にはあったようです。
このように実話に実際にあった出来事に基づいて作られている映画『硫黄島からの手紙』ですが、ストーリー自体はアイリス・ヤマシタが担当した脚本によるフィクションとなっています。
ちなみにアイリス・ヤマシタは日系アメリカ人の二世ということで日本語も話せるため、映画『硫黄島からの手紙』にぴったりの人選であったと言えます。
管理人
実在しない人物たち
フィクション作品のため、実在しない人物も登場しています。
映画『硫黄島からの手紙』の主人公とも言える二宮和也が演じた元パン屋の陸軍一等兵である西郷昇は実在しない人物となっています。
西郷の妻・花子とのエピソードや憲兵から様々な物資を奪われたエピソードや栗林に依頼を受けて彼の遺体を埋めたシーンなども全てフィクションです。
管理人
また、元憲兵で犬の射殺命令に応じることが出来なかったことから硫黄島に派遣されることになった加瀬亮演じる陸軍上等兵の清水、そして、栗林や西に反旗を翻して敵の戦車もろとも自殺しようとした伊藤についても実在しないキャラクターです。
フィクション作品ではありますが、硫黄島の戦いが実際にあったことは紛れもない事実です。
西郷や清水のように戦場で死ぬことの恐怖に怯えながら立ち向かった兵士たちがいたことを、私たちは決して忘れてはいけません。
『硫黄島からの手紙』の西郷のその後や生存者たちについて(二宮はその後生きてるのか?)
映画『硫黄島からの手紙』の主人公と言える存在が、妻と妻のお腹にいる子どもを残して硫黄島に出兵した二宮和也演じる西郷昇と、アメリカ経験が長く知米派として知られ、型破りな施策によって日本軍を牽引した渡辺謙演じる栗林忠道です。
栗林忠道は、映画の終盤で拳銃によって自決することを決め、西郷昇に遺体を埋めるように指示して死亡します。
西郷はその後に米軍兵に包囲され、そのうちの一人が栗林の拳銃を持っていたことから逆上してシャベルを振り回して対抗しますが、米兵に取り押さえられ目が覚めると、負傷した米兵たちとともに手当を受けていました。
西郷はその後、無事に日本に帰国することが出来たのでしょうか?また、その他に生存したキャラクターはいたのでしょうか?
管理人
西郷昇のその後はどうなった?
西郷昇のその後については映画で語られるシーンはありません。
映画『硫黄島からの手紙』は、栗林中将が軍事研究のために留学したアメリカから息子へ送った絵手紙や、戦地から娘のたか子宛に送った手紙を吉田津由子が編集した「玉砕総指揮官の絵手紙」に着想を得て作られた作品となっています。
原作小説はないため明言することは出来ませんが、おそらく西郷は捕虜としてアメリカ軍に捕まり、終戦後に日本に帰ることが出来たのではと考察できます。
管理人
もしかしたら、調査隊に硫黄島に埋めた手紙の発掘を依頼したのも西郷自身だったのかもしれません。
帰国後に妻の花子と生まれたばかりの子どもと会うことができ、穏やかな人生を全うしたのではないでしょうか。
その他の生存者
その他のキャラクターの中で生き残ったと考えられるのが、上官である栗林や陸軍中佐の西の指令を無視してアメリカに占拠された摺鉢山を奪還しようとした結果、多数の犠牲者を出した中村獅童演じる海軍大尉の伊藤です。
伊藤は、地雷を持ってアメリカ軍の戦車とともに自爆しようとしますが、敵が現れなかったため地雷を捨てて洞窟に身を潜めており、最終的には降伏をしたため、おそらくその後アメリカ軍の捕虜となり、西郷と同じで終戦後に帰国出来たのではないかと考察出来ます。
管理人
映画『硫黄島からの手紙』最大のヒールキャラクターである伊藤が生き残った可能性が高いことに納得がいかないという方も多いかと思いますが、プライドが高そうな伊藤の性格を考えると、戦後も名誉の死を遂げることが出来なかったと後悔していた可能性が高いと思います。
『硫黄島からの手紙』の3つのおかしい点を解説
太平洋戦争でもっとも危険な戦いと呼ばれた硫黄島での戦い。
それを日本軍の視点で描いたのが映画『硫黄島からの手紙』です。
しかし、映画『硫黄島からの手紙』には、鑑賞していておかしいと指摘される点がいくつかあるので、チェックして行きましょう。
管理人
おかしい点①シャベルを振り回して暴れた西郷に対してのアメリカ兵の対応
映画の終盤で自決した栗林中将の拳銃を身に着けたアメリカ兵を見た西郷が、シャベルを振り回してアメリカ兵たちに襲い掛かろうとするシーンがありますが、アメリカ兵は撃ち殺すことをせず後頭部を殴って気絶させて捕虜にしました。
なぜ、敵国の兵士が間近で暴れているにも関わらずアメリカ兵は西郷を殺さなかったのでしょうか?
その理由については詳しく描かれることはありませんが、おそらく西郷が暴れた時点ではすでに日本軍の大半が全滅していたことや、西郷が持っていたのが拳銃では無くスコップだったことから、武器を持っていない状態だと判断し、捕虜にしたのではないかと考察出来ます。
おかしい点②上官である栗林に反発した伊藤大尉の行動
中村獅童が演じた海軍の伊藤大尉は上官である栗林中将の命令を無視して、摺鉢山の奪還のために突撃し多数の犠牲者を出したり、逃げてきた西郷ら陸軍兵士たちの首を斬ろうとしたりと常に反抗的な態度をとっています。
ですが戦争中の日本では軍隊刑法がしっかりと定められており、伊藤大尉のような上官に反発する行動は明らかな軍法違反です。
管理人
法律を順守する倫理観を持った兵士が多かった日本において、伊藤大尉のような行動をとる兵士はいなかったのではないかと、作品の人物描写についておかしく感じる方も多いかと思います。
ただ、映画『硫黄島からの手紙』は監督のクリント・イーストウッドを含め、アメリカ人のスタッフが作った作品であるため、日本軍の描き方が事実と違う点が多少あるのも仕方ないことなのかもしれません。
おかしい点③捕虜になった清水をアメリカ兵が殺害したシーン
作品の中盤では、加瀬亮演じる元憲兵の陸軍上等兵・清水がアメリカ軍に投降し捕虜になるも、見張りをしていたアメリカ兵に射殺されてしまうシーンがあります。
ジュネーブ条約という戦争下の傷病者や捕虜の待遇について改善するようにしなければならない国際条約があるにも関わらず、捕虜を殺害するこのシーンはおかしいのではないかと思った方もいるかもしれません。
実際にこのような兵士がいたのかは定かではありませんが、戦場という極限の精神状態の中では国際条約を破ってしまう兵士たちがいた可能性も高いと思います。
『硫黄島からの手紙』のあらすじ
(以下、映画『硫黄島からの手紙』のあらすじです。)
『硫黄島からの手紙』のあらすじ|硫黄島に着任した栗林中将
1944年、硫黄島ではアメリカ軍上陸に備え準備が行われていました。
海岸周辺で塹壕を掘る作業をしていた西郷は疲れ果て愚痴をこぼしていた内容を上官に聞かれ、体罰を受けますが最高指揮官として着任してきた栗林陸軍中将が体罰をやめさせます。
そして、穴掘り作業自体も中止させたため西郷たちはゆっくりと身体を休めることができ、西郷はこれまでとは違う指導をする栗林に好感を抱きました。
着任早々、栗林は陸軍と海軍の連携がうまく取れていないことに危機感を抱きます。
翌日に着任してきた西中佐から戦況の悪化を聞かされた栗林は海岸付近の防衛をやめて、摺鉢山周辺の内地の防衛を固めることを決めて地下要塞を掘ることを指示します。
アメリカでの生活が長った栗林は強大な軍事力を持つアメリカであれば、海岸を容易に突破してしまうと判断した上での指示だったのですが海軍の伊藤大尉らは栗林の指示に反発の声をあげます。
『硫黄島からの手紙』のあらすじ|どんどんと戦況が悪化していく日本
地下要塞を掘っている西郷たちのもとに元憲兵の清水上等兵が派遣されてきます。
パン屋を営んでいた西郷は憲兵からあらゆるものを奪われた上に妻とお腹にいる子を残して戦争に召集されたため、憲兵のことを良く思っていませんでした。
まもなくして、アメリカ軍機の空からの爆撃が始まり、多数の戦死者が出ました。
地下要塞に集められた兵士たちは栗林の指示のもと、配置につき、米軍の上陸に備えます。
上陸してきたアメリカ軍に対して塹壕や地下から攻撃を仕掛けていきますが、アメリカ軍の凄まじい艦隊と攻撃に戦況はどんどんと悪化していき、拠点としていた摺鉢山も陥落寸前となってしまいました。
上官が名誉の死を遂げるように指示し、次々と兵士たちが自決していきますが西郷は逃げ出し、清水とともに他の部隊に合流すること決めます。
『硫黄島からの手紙』のあらすじ|生き残るために投降を決意する西郷と清水
伊藤たちの部隊に合流に成功した西郷たちでしたが、伊藤は自決せずに逃げてきた二人を斬ろうとします。
そこに現れた栗林が二人を助け、摺鉢山の奪還を中止し掩体壕に残ることを指示します。
元々栗林に反発していた伊藤は指示を無視し、軍を率いますがアメリカ軍の攻撃に歯が立たずに掩体壕へと一旦戻ります。
西中佐が栗林の命令を再び伝え、摺鉢山へ進むことを中止させますが伊藤は西の指示を無視してたった一人で敵の戦車とともに自爆することを決めます。
やがて、西たちの軍隊も砲撃を食らい、西は軍隊に北部へ向かうよう指示しますが、目を負傷した西は自決します。
どんどん戦況が悪化する事態に西郷と清水は生きて日本に帰るためにアメリカ軍に投降することを決意するのでした。
以上、映画『硫黄島からの手紙』のあらすじでした。
果たして、西郷たちはどうなってしまうのか。
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
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『硫黄島からの手紙』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『硫黄島からの手紙』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|巨匠イーストウッド監督が日本側の視点で硫黄島の戦いを描いた硫黄島二部作の最終作
映画『硫黄島からの手紙』は、アメリカと日本において行われた太平洋戦争・硫黄島の戦いについて描いた硫黄島二部作の最終作です。
前作『父親たちの星条旗』はアメリカ側から硫黄島の戦いを描いた作品でしたが、映画『硫黄島からの手紙』は日本の視点で硫黄島の戦いを描いた作品です。
監督を務めたのは、前作と同じ巨匠クリント・イーストウッド監督です。
アメリカ人の監督が日本の視点で戦争を描いている点が、他の戦争映画とは全く違っています。
日本の戦争映画ですと、どうしても自国を美化したものになってしまいがちですよね。
ですが、映画『硫黄島からの手紙』は偏った価値観で描かれていない点が一線を画しています。 管理人
ストーリーは、2006年に硫黄島の戦争の跡からかつて兵士たちが埋めた数百通の手紙が発見されたところから始まり、その後は1944年から1945年の硫黄島での日本軍の姿が描かれていきます。
妻と誕生予定の子どもを残して出兵した西郷は威圧的な上官たちや先の見えない状況にうんざりしていましたが、アメリカでの生活経験もあり新しい価値観を持った栗林中将が赴任して来たことから少しの希望を感じます。
栗林は海岸付近の防衛計画を中止し、島の中心にある摺鉢山周辺に地下要塞を掘り、そこを拠点に防衛を固める作戦を考え、それが結果的にアメリカ軍を大いに苦しめた様子は前作『父親たちの星条旗』でも描かれていました。
しかし、徐々に戦況は悪化してしまい元憲兵の清水と西郷はアメリカ軍に投降しようとしますが清水は捕虜として捕まった際に射殺されてしまいます。
絶望的な状況の中で地下要塞では栗林や西郷がもう二度と会えないかもしれない妻や子どもに向けて手紙を書きますが、死を覚悟した男たちの切ない姿が感動的に描かれており、映画『硫黄島からの手紙』のハイライトとも言えるシーンだと思います。 管理人
栗林を演じた渡辺謙は『バットマン ビギンズ』や『インセプション』などハリウッドでも活躍する俳優だけあって堂々たる演技が素晴らしいです。
また、西郷を演じた嵐の二宮和也も家族のためになんとしても国へ帰ろうとする強い決意を持ったキャラクターを見事に演じています。
その他、伊原剛志、中村獅童、加瀬亮など演技派俳優たちが勢揃いしており、彼らの見事な迫真の演技も作品の大きな魅力の一つとなっています。
映画のラストでは、西郷が捕虜として捕まるシーンがあり、傷の手当てを受けていることからおそらく日本に生還することが出来たのではないでしょうか。
その後、再び2006年のシーンになり、発見されたたくさんの手紙に込められた亡くなった兵士たちの思いが紹介され、映画は終わりを迎えます。
戦争の中で日本の兵士たちがどんな思いで戦いに挑んでいたのかをリアルに描いたイーストウッド監督の優れた観察力には脱帽です。 管理人
戦争映画が苦手という方にも、おすすめできる作品です。
『硫黄島からの手紙』のみんなの口コミ評判レビュー
映画『硫黄島からの手紙』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「戦争を体験した事が無い私の心に、その場の緊迫感が伝わって来た」「戦争が残酷で悲惨な物であるという事をとても上手く描かれていた」「戦争映画としてのリアリティと人間ドラマの感動を同時に味わえる作品」「戦争の恐ろしさと人間の尊さを改めて考えさせられる作品」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
戦争モノで、圧倒的に不利な状況にいる日本人達を描いた作品であり、ハッピーエンドではないことがまず分かっています。
ハリウッド映画で、あのクリント・イーストウッド監督が日本目線での戦争をどのように撮ったのか気になって観に行きました。
戦争の生み出した悲劇、そこにある人々の思いや生き様が観ていて苦しくなりました。
仲間が自決していくシーンは特に印象に残りました。
加瀬亮さんが演じていた、憲兵ということでまわりから嫌がられていた清水にしても、優しさゆえに自分の立場を悪くしてしまうのが悲しい。
もし上の人間が栗林のような人物ならとか、やはり戦争さえなければと思ってしまいました。
パンフレットも買ったのですが、栗林という人物は最後までアメリカとの戦争を反対していたとのこと。
平和についても考えさせられます。
50代男性
★★★★★星5
日本の敗色が濃厚な時期、勝つためではなく、ただ日本の本土爆撃を遅らせるためだけに、絶海の孤島で圧倒的な米軍を迎え撃つ帝国陸軍の死闘を描いた名作だと思います。
栗林中将を演じる渡辺謙の朴訥とした丁寧な口調は、本当の栗林中将もこんな人だったのであろうかと思いを馳せさせる良い演技だったと思います。
最後の方の「ここはまだ日本か?」というセリフは、華々しく戦って散ればよいという玉砕的な考えではなく、一日でも米軍の占領を遅らせるために、水際作戦を捨てて、気温も湿度も高く著しく不快であろう穴倉にこもって持久作戦を取った栗林中将の戦術家として器量が良く表れた一言だったと思います。
栗林中将だけでなく、その麾下で最期まで戦い抜いた将兵に対する敬意を感じられる映画だと思います。
これをクリント・イーストウッドというアメリカ人の監督が撮ったということが、また素晴らしいと思います。
当時の敵国も単なる敵ではなく、お互いの立場の違いはあっても同じ人間として、守りたいもののために戦う姿を良く描いていると思います。
40代男性
★★★★☆星4
クリント・イーストウッド監督、渡辺謙に加えて、嵐の二宮和也ということで、かなり期待して見ました。
鑑賞後は期待を大きく上回る感動というより、深く考えさせられ、簡単に感想を口にすることもできないほど、胸に来るものがありました。
二宮くんの寂しく悲しい語り口で始まり、早々に涙を誘う展開で、全体を通して、しっかり検証してかかれたストーリー性を感じました。
また、戦争によって悪人と称さてしまった日米の民衆の悲劇がしっかり伝わってきました。
逡巡し葛藤する日米の兵士の苦悩から、最前線ではそのとき何が起きていたのか?思いを馳せることができました。
年々、伝承者が減る中で、このような映画が長く語り継ぐ役割をしっかり担ってくれることでしょう。
戦闘シーンはさすがのハリウッド、迫力がありましたが、それに負けない役者の説得力のある演技に見応えがありました。
あらためて、戦争がもたらす悲劇、絶対に繰り返してはいけないことを、しっかり受け止めることができました。
面白かった、感動した、エンターテイメントではなく、人として見てよかった作品でした。
40代女性
★★★★☆星4
太平洋戦争末期の激戦を描いた作品。
ハリウッドが日本側からの視点で戦争を描くというのはとても珍しい気がしました。
俳優陣も、渡辺謙、中村獅童、二宮和也など、日本の有名な俳優が出演していました。
内容としては、劣勢の中の日本軍が、壕の中に入ってアメリカを迎え撃つために知恵を絞って頑張っている内容でしたが、正直こんな事やっても物量ともに負けているんだから意味があるのかな、と途中で思ってしまいました。
しかし、印象に残ったのは、渡辺謙演じる栗林中将の次の言葉でした。
「我々がここで1日でめた長く持ちこたえれば、日本本土の攻撃も1日延びることになります。だから、ここで1日でも長く戦う事は意味があります」と玉砕覚悟で突撃したい仲間に語った言葉でした。
劣勢で、捨て石だと分かっていても、本土の家族に1日でも長く生きて欲しいという悲壮な覚悟を感じる言葉でした。
とても良い作品でしたが、以前あるコメンテーターから「いおうじま」ではなく、「いおうとう」と呼ぶのだと聞き、日本から見て正しい島名で上映出来なかった事のみが残念でした。
40代男性
★★★★★星5
二部作の一つであり、戦争に翻弄されたストーリーです。
日本、アメリカの両視点から描かれており、硫黄島からの手紙は日本側からみたストーリーです。
日本の本土決戦を前に、両国とも重要な位置づけをしている場所で、家族へ向けた手記や栗林中尉の人物像にピックアップされた場面もあります。
当初のアメリカ軍の予想を覆すほどの善戦した戦いであり、その人物像についても、心を打たれます。
戦争時の日本の思想や状況がわかるもので、のちの沖縄本土決戦について、重要であり、当時の人たちの想いがこれまでもかというくらいに描かれています。
戦争とは…と考えさせられる映画で、今がどれだけ恵まれているかがわかります。
当時の人たちの想いがあって、日本があることを忘れてはならないと思える映画だと感じました。
30代男性
★★★★☆星4
これまでにもアメリカによる日本側を描いた戦争映画は存在したが、ここまで客観的に描かれた作品はあまり無いだろうと思います。
最後まで日本人俳優による日本語での演技で構成されており、これはアメリカ映画として、とても珍しい作品だと思います。
クリント・イーストウッドは日本映画として見てもらいたかったのでしょうか。
この作品はドキュメンタリー映画ではなく、あくまでも歴史上の出来事を基に創られた物語なので、史実と異なる部分も存在しています。
栗林中将と西中佐は海軍の山本五十六同様訪米経験がある故、アメリカ人の思考などを理解し、自身もまた先進的思考の持ち主であったが皇国史観に凝り固まった他の将校らには到底理解できず受け入れることが出来ませんでした。
日本側、陸海合わせて2万あまりの戦力で勇猛な米海兵隊と絶望的な戦いを強いられた彼らの心境はどのようなものであったのだろうかと思います。
欲を言えば、発見された手紙がどのように扱われたのかも、描いてほしかったです。
40代女性
★★★★☆星4
『父親たちの星条旗』と対になる日本側の視点から描かれた作品ということで注目していました。
かつてこの小さな島で絶望のなか国家・家族のために戦い続けた方々に対する尊敬というのか乏しい語彙力では言い表せない感情がわく作品だと思います。
ゆっくりと鑑賞して一考したい作品です。
出演者の名演が光っており、とくに渡辺謙や二宮和也の演技に注目が集まったようにいい味出しているのも見どころかと思います。
監督のクリントイーストウッドさんはカーボウイ、ドンパチのイメージしかなく、監督としてこんな作品が作れるんだと感心しました。
ぜひアメリカ側の視点から描かれた『父親たちの星条旗』も一緒に見て過去の戦争について考えてみてほしいと思います。
30代男性
★★★★★星5
この映画の感想は、戦争と言う事実を内面から上手く描いていた作品だと思いました。
特に日本側からの視点から見ると、違った一面も見えてくるのが注目するべきポイントの一つです。
クリントイーストウッド監督が、最も伝えたかったメッセージと言うのが良く伝わってきました。
同時に硫黄島の過酷なシーンを敢えて見せる事で、命の大切さを学ばせようとしていたのかなと見ていて感じました。
中でも印象的な人物は、栗林の人柄とリーダーシップを見ていく所も大切なポイントの一つです。
もう一つの見どころは、演じている役者陣です。
特に栗林忠道役の渡辺謙さんと、西郷昇役の二宮和也さんの演技は必見です。
戦争の現実を知らない世代にこそおすすめしたい映画だと思います。
40代男性
*映画『硫黄島からの手紙』のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。