『インディ・ジョーンズ』の順番を完全ガイド！子役の現在,実在モデルの遺跡なども解説。

2人の子役の現在から見えてくるシリーズの深さ

ショートラウンドとマットは若き相棒という共通点を持ちながら、作品ごとにまったく違う役割を果たしています。

俳優本人も、ショートラウンド役のキー・ホイ・クァンは再評価され、トップ俳優へ。

マット役のシャイア・ラブーフは、紆余曲折を経て再び映画界に戻りつつあります。

こうした子役キャラクターと俳優の人生の交差も『インディ・ジョーンズ』シリーズの奥深さを実感できるポイントです。

『インディ・ジョーンズ』に登場する遺跡とモデル

シリーズの魅力のひとつが、実在する遺跡を舞台にしたリアルな冒険描写です。

インディが探検する場所の多くは、実際に存在する神秘的な遺跡や都市がモデルとなっています。

各作品ごとに、特に有名な遺跡・伝承のモデルを分かりやすく整理して紹介します。

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』に登場する遺跡モデル

モデル①：旧約聖書に登場する聖櫃（アーク）

物語の中心となるアークは、モーセが神から授かった十戒の石板を収めるために作られた契約の箱。

旧約聖書『出エジプト記』に記されており、古代イスラエル史や神殿破壊の歴史の中で行方不明になったとされる実在伝承です。

映画では触れれば命を落とすという神秘的な力を持つ存在として描かれますが、聖書や歴史資料にもアークに宿る神罰の説話がいくつも残っており、映画的な誇張と史実が合わさったものとなっています。

モデル②：エジプトのタニス遺跡

アークが隠されたとされるタニスの失われた都市は、実在する古代エジプトの都市タニス遺跡がモデル。

現在は砂に埋もれた遺構が残るのみで、映画のような都市ごと消えた伝説は誇張表現ですが、未発掘の部分が多いという意味ではロマンを刺激する題材になっています。

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』に登場する遺跡モデル

モデル：インドのヒンドゥー神話・カーリー信仰

邪教集団「サギー教団」や生贄儀式はフィクションですが、モチーフはインドのカーリー信仰やタギーと呼ばれる暗殺者集団です。

「タギー団」は19世紀まで実在したと記録されており、旅人を襲う秘密組織としてイギリス植民地政府に恐れられていました。

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』に登場する遺跡モデル

モデル①：聖杯伝説（ホーリーグレイル）

アーサー王伝説に由来する聖杯は、中世からヨーロッパで語られてきた実在伝承。

最後の晩餐で使われ、キリストの血を受けたともいわれる杯は、中世から現代まで多くの学者が研究し続けた宗教史最大の謎のひとつです。

映画では永遠の命を象徴する秘宝として登場しますが、古文書の中にも聖杯を探した騎士の記録が多く残っています。

モデル②：ヨルダン・ペトラ遺跡

クライマックスの舞台となるアレクサンドリア十字軍の墓所は、世界遺産・ペトラ遺跡に実在する建造物「エル・カズネ（宝物殿）」がモデル。

岩を削って作られた神殿という圧倒的な造形美は映画のままです。

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』に登場する遺跡モデル

モデル：南米古代文明（ナスカ・マヤ・インカ）

キーアイテム「クリスタル・スカル（水晶髑髏）」は、19世紀に実際に博物館へ持ち込まれた正体不明の遺物がモデルです。

後に近代的工具で加工された偽物と判明したものの、当時は超古代文明の遺物として世界を驚かせた存在でした。

また、物語の舞台はペルーであり、ナスカの地上絵、インカの石造建築、古代の墳墓などの要素が映画的にアレンジされています。

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』に登場する遺跡モデル

モデル：アルキメデスの「アンティキティラ・メカニズム」

鍵となる運命のダイヤル（アンティキティラ）は、実在する古代ギリシャの機械仕掛けの天文装置「アンティキティラ・メカニズム」がモデルです。

1900年に海底から発見され、2000年以上前のものとは思えない高度な歯車構造を持っていたことから、世界最古のアナログコンピューターとも呼ばれています。

作品の遺跡モデルを知ると、シリーズがもっと面白くなる

『インディ・ジョーンズ』は、実在する遺跡・伝承をベースに映画的解釈を加えることで、ロマンとリアリティのバランスを両立させています。

こうした要素を知っておくと、インディの冒険が単なるフィクションではなく歴史の影に隠れた真実を探る旅として感じられ、作品の奥行きが一段と増します。

インディ・ジョーンズをより深く楽しむためのポイント

『インディ・ジョーンズ』は、遺跡探しやアクションのワクワク感だけで終わらないシリーズです。

舞台となる場所には実在の遺跡や伝承があり、インディが向き合う選択にはその時代の価値観や社会情勢が反映されています。

作品を重ねるごとにインディの人生も変化していくため、ただ追いかけるだけでも「時代と共に歩む物語」として楽しめるのがこのシリーズの面白さです。

ここでは、そうした視点から作品をより深く味わうためのポイントをまとめていきます。

① 歴史・考古学を入口として見る

シリーズの特徴である「実在の遺跡や伝承のモデル」は、作品を鑑賞する上で大きな魅力になります。

こうした実在の歴史を知っているだけで、インディが対峙する謎のリアリティが一段と色濃くなります。

作品を観る前に、簡単にキーワードを調べておくだけでも、物語の世界がぐっと立体的に感じられるでしょう。

② インディ自身の人間ドラマに注目する

シリーズを通して描かれるのは、単なる冒険者ではなく、歴史学者としての信念を持った一人の男インディの人生そのものです。

作品ごとにテーマが異なり、物語を追うことでインディ自身の内面の変化が分かります。

「冒険のスケールの中に、人生のドラマがある」これがシリーズ最大の強みです。

③ 相棒キャラの役割に注目するとさらに面白い

インディ・ジョーンズの冒険には必ず相棒がいます。

彼らは単なるサポート役ではなく、インディの一面を引き出す存在として物語を支えています。

特にショートラウンドとマットは世代の違いと親子関係という重要なテーマに結びついており、インディの人生観に大きな影響を与えています。

キャラクター同士の関係性に注目しながら観ることで、作品の奥行きはさらに広がります。

④ 時代背景を意識するとテーマがより鮮明に

それぞれの作品には、明確な時代の空気があります。

各時代の政治・科学・価値観が作品テーマに直結しており、これを理解しておくと、物語のメッセージ性がより明確になります。

⑤ 2周目はぜひ時系列順で

初見では公開順がおすすめです。

しかし、2周目以降は時系列順で観ると、インディの成長や価値観の変化が一本の線でつながり、まったく違う見え方になります。

インディの冒険は、映画という枠を超えた知的ロマン

『インディ・ジョーンズ』の魅力は、アクションやアドベンチャーだけに留まりません。

歴史、神話、考古学、そして人間ドラマと多層的な要素が詰め込まれたシリーズだからこそ、何度観ても新しい発見があります。

本記事で紹介した見る順番、遺跡のモデル、キャストの現在、そして背景知識を押さえながら鑑賞すれば、インディの冒険は以前より何倍も楽しめるはずです。