映画『フェラーリ』の口コミ評判レビュー
映画『フェラーリ』の口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
マイケル・マン監督が『ブラックハット』(15)以来、8年ぶりにメガホンをとったドラマ。
フェラーリの創始者エンツォの人生のうち、59歳当時(1957年)に焦点を当てています。
映画の構成は大きく3つ。
不仲の妻ラウラと、束の間癒される愛人リナとの間で揺れ動く私生活。
注文生産による高級路線で経営危機に苦しむ仕事面。
どちらにも切羽詰まったエンツォが、後々まで語られることになる長距離公道レース「ミッレミリア」に挑んでいくレース模様。
どちらかといえば陰鬱なプライベートとは対照的に、サーキットではアドレナリンを上げるエンツォ。
その落差をエンツォ役のアダム・ドライバーが見事に演じ分けます。
私生児を認知してほしい苦悩を押し隠すリナ役のシャイリーン・ウッドリーもナイス助演。
それ以上に、夫を巧みに操縦しつつ、したたかに経営の実権を握るラウラを演じたペネロペ・クロスのゴッドマザーぶりが最高です。
名車のレプリカ続々登場させて再現したミッレミリアは、感情を内に秘めたドラマから一転、唸るエンジン音とスピード、華やかさに思わず体に力が入ります。
ノンフィクションをフィクション的に、フィクションを本当に起きているかのようなリアルさで徹底追求するのがマン監督ですが、その本領が発揮された一作です。
「★5」はあえて来るべき傑作と、マイベストワンの過去作『ヒート』(95)のために空けておきます。
引用:酒と共感の日々
酒と共感の日々
★★★☆☆星3
『フェラーリ』は、エンツォ・フェラーリの出来事を映画化した、伝記映画でマイケル・マン監督が手掛けた作品です。
映画自体はエンツォ・フェラーリの苦悩と情熱の両方を描いた作品になりますが、賛否は両論の作品で自己の情熱のために家庭崩壊を許すのかなどといった意見が出た作品でもあります。
作品の感想については、エンツォ・フェラーリの考え方には賛同できないというのが私個人の意見で、自分が思い描く来る前の情熱を第3者である従業員に押し付けていて家庭を顧みない結果が家庭崩壊の原因の一つなうえ、この人物にかかわった周りの方、奥さんや浮気相手のことを考えるとエンツォ・フェラーリが会社の経営を悪くさせたのは時光寺徳であると思えるのです。
しかも、ラストシーンにおいては、浮気相手との間にできた息子ピエロと向き合うというのも会社が軌道に再度乗り出したからいいものを軌道に乗らなかった場合、息子と向き合えたのかというのを考えるとなかなか恐ろしい映画だと感じます。
40代男性
★★★☆☆星3
私は車会社のヒストリー的なものに割と興味があり、図書館などでレンタルしてダイジェスト版的なDVDは何度か観たことがあるのですが、こんなに詳しくしかも映画としてフェラーリのヒストリーを観れたことが興味深く嬉しいです。
どんな会社も紆余曲折あるにせよ、この会社は特に夫婦の絆や家族の愛が中心となっていると感じました。
いわば会社というのも、協力しあいながらいろんなことを乗り越えて行くと言う面で家族のようなものであるし、自営業、副業、全ての職において参考になる部分がストーリーのあちこちにあるし、ラストにかけて緩やかにはなるがクライマックスまで気が抜けない、そしてフェラーリという車が欲しくなる仕掛けがあちこちにあるなと思いました。
40代女性
★★★★☆星4
フェラーリの歴史の中で、あえて成功物語ではなく、倒産、廃業の危機だったこの年を選んで映像化するセンスの良さが光った作品です。
ただし、歴史あるフェラーリブランドの中で、かなり限られた期間の限られた人間関係を描いているので、全体を理解するまで少し時間が掛かります。
個人的にはエンツォと妻と愛人の三角関係よりも、フェラーリブランドを世界的ブランドにまで成長させた過程に特化して欲しかったです。
それでも、映画に引き込んでくれた素晴らしい俳優さんの演技が凄過ぎて、見惚れるほど素晴らしかったです。
また、レースシーンは流石マイケル・マン監督だけあって、臨場感があるし、恐怖心も凄かったです。
40代男性
★★★★☆星4
フェラーリがどうやって速い車を作るのかレースでどうやって勝つのかの映画だと思っていたら夫婦と親子の話でした。
少し長く中だるみもあったけれど後半はレースのシーンもあり飽きることなく最後まで楽しんで見れました。
迫力のあるレースのシーンに事故の映像があるのだが、あまりにもリアルすぎてびっくりしました。
観る前は、もう少し華やかな内容だと思っていたけれどエンツォの苦悩を終始描いているので正直、少しだけ気持ちが重くなる作品。
しかし、どんな成功者でも影の部分があるんだと感じさせられることがありました。
個人的に車としては大好きなフェラーリ。その創業者のあまり報じられない一面を見れたのは良かったです。
30代女性
★★★★★星5
単なる車を題材にした物語映画にとどまらず、複雑な人物像を描き出したドラマ性の高い作品です。
私は車やバイクが好きですが、そうではなく車やバイク、レースに興味がない人でも、人間ドラマに引き込まれる要素があり、フェラーリという人物の陰影を描き出す見応えのある映画でした。
良かった点としては「冷静でありながら内に秘めた激情を持つエンツォ」で見事に演じています。
彼の演技は、当方にフェラーリの複雑な人格を感じさせてくれました。
息子の喪失といった個人的な悲劇が描かれ、また単なる自動車や成功者の物語ではなく、エンツォ・フェラーリの家族との複雑な関係深い感情に訴えるなどの映画になっているといった点が良かった点で深くこの映画の印象として残っています。
40代男性