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MOTHER/マザーの実話となった事件を解説!事件との違いやネタバレ感想評価も

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2020年7月3日、公開。

2014年に実際に起きた17歳の少年による祖父母殺害事件を元にした映画化です。長澤まさみ、阿部サダヲや夏帆など出演し17歳の少年・周平役には映画初出演となる奥平大兼のキャストとなっています。

配給会社が2020年のアカデミー賞を取った『新聞記者』のスターサンズ、また事件自体は話題になったニュースだったこともあり注目された作品です。

育児放棄といったネグレクトが絶えない日本の現状ですが、それによって招いたとも言える事件をリアルに描いた人間ドラマです。

映画「MOTHER」のまとめ
  • 17歳の少年の祖父母殺害事件について
  • 映画と実際に起きた事件との違いについて解説考察
  • MOTHER/マザーのあらすじネタバレ
  • MOTHER/マザーの感想評価と口コミレビュー
「MOTHER」のネタバレとあらすじ・感想評判の前に、まだ作品を一度も観てない方は、先に原作を読んでおくことを強くおすすめします!

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目次

MOTHERは実話?原作は?17歳の少年の祖父母殺害事件について

MOTHERの原作は『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は祖父母を殺害したのか』で、実話をベースに作られています。

実際の事件と映画の内容では設定などで多々違うところがある為、原作と言えるか微妙かもしれませんが、2014年に起きた17歳の少年が祖父母を殺害した事件について詳しく書かれている本となっています。

新聞記者である山寺香さんが書いたもので、事件の経緯や少年の生い立ちなどが詳しく書かれた原作となっています。本の前半が少年の生い立ちから事件後の裁判のことまでが書かれていて、後半部分は少年に対する支援者の声や児童虐待などの今後の改善点などが書かれています。

映画の内容と実際の話では多々違いがある為、前半部分だけでも良いので読んでほしい原作本です。

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映画MOTHERと実際に起きた事件との違いについて解説考察

実話となっている今作ですが、映画と実際の内容では違いが多々あります。そこで、映画と実話の内容の違いを原作である『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は祖父母を殺害したのか』を元に解説していきます。

少年の役名は周平で母は秋子という役名でしたが、原作本では名前が違っています。映画も原作も、どちらも仮名が使われているので、ここでは映画の役名で実話との違いを解説します。

MOTHER マザー実話解説①|周平は性同一性障害の可能性

映画では詳しく描かれなかったですが、周平は小学5年生からほとんど学校には行けていません。そしてホテル暮らしや野宿生活を繰り返して事件を起こします。

映画内では周平の懲役刑は12年となっていますが、実際に下された判決は15年となっています。収監された周平ですが、原作では性同一性障害である可能性があると書かれています。

男性といることが怖く、女性といることの方が安心できるという気持ちや、たまに女装して町を歩いていたこともある事を語っています。亮からの性暴力を受けていたこともあり、これに関しては徐々に診断していくそうです。

MOTHER マザー実話解説②|秋子の経歴

映画では語られなかったですが、秋子は3回の結婚と4回の出産を経験しています。最初に結婚した相手とは2人の子供を授かり、離婚した際に夫側が引き取ったようです。その後、2人の子供には会っていないようで、これについてはあまり詳細な記事などはありませんでした。

2人目の相手が映画でも出てきた祐介で、この時に周平が生まれています。そして3人目の相手が亮で冬華を産んでいます。

MOTHER マザー実話解説③|祐介について、周平は祐介と秋子との子供ではない?

劇中での登場シーンは周平がお金を借りる際のみだった周平の父親である祐介について紹介します。祐介と秋子は周平が小学生の時に離婚しています。

離婚理由としては、主に秋子の浪費グセが原因だったようですが、離婚する際に月4万の養育費と周平とは定期的に会う約束をしました。しかし亮と揉めることが会ってから定期的に会うこともあまり出来なかったようです。また秋子は毎月4万円の養育費を受け取っていましたが、目先のお金に走り月4万円の生活費を3ヶ月分、今貰えたら今後は養育費はいらないと話してしまったのです。

周平は祐介と過ごす期間も長かったですが、祐介からも暴力を振るわれています。(裁判で祐介は暴力については否定している)

周平はある日、お前は俺の子じゃないと足で顔を押さえつけながら祐介から言われたことがある事を話していて、逆にそれしか覚えていないとも語っています。

この周平は祐介と秋子との間に生まれた子供ではない可能性は秋子も、それに関する事を話しています。周平は秋子から、祐介の前に付き合っていたやつに顔が似ていると言われたそうです。続けて、周平は車の中でやった時にたまたま出来たとも言われようです。

MOTHER マザー実話解説④|秋子に妹はいない

映画では三隅楓という、秋子に妹がいる設定となっていました。しかし秋子の兄弟は妹ではなく姉だけです。そして、この姉は秋子とは父親違いです。

周平に命を奪われた秋子の両親ですが、母方は離婚歴があります。秋子の姉は母が前の旦那さんとの間にできた子供なので父親違いの姉妹となっています。その為、秋子とは13歳も離れた姉となっています。

姉はお金を何度も借りようとしてくる秋子に対して、映画のように(映画では妹という設定ですが)突き放したそうです。また両親が命を奪われた第一発見者も姉でした。

原作を読んでですが、裁判では妹である秋子は責めずに、周平に罪を償うようにといった印象を姉には持ちました。

MOTHER マザー実話解説⑤|亮の謎

映画では、亮と秋子の出会いはゲーセンでしたが、実際の出会いはインターネットの掲示板からでした。亮は名古屋でホストをしていて、秋子と出会ってから周平たちと一緒に住んでいます。

映画ではあまり描かれていませんが、周平に対してマウントを取って殴ったり、時には性的な暴力も行なっていたようです。

また映画との違う点は亮は何度か秋子の元を離れたり戻ってきたりを繰り返していますが、そのような話はありません。最終的に秋子に対して嫌気が指して、他の女性と遊んだりして離れますが、借金取りに追いかけられることの話やお金を振り込んでくれなどと言うエピソードは映画のオリジナルとなっています。

亮は秋子や周平と5年以上も一緒にいましたが、ここまで長い期間一緒にいた理由は謎のままでした。事件に対して詳しく調べている作者も浪費する秋子と5年以上いた理由が謎だと語っています。

MOTHER マザー実話解説⑥|児童相談所の高橋亜矢

これは映画オリジナルの登場人物です。原作でも児童相談所が周平に対して歩み寄ろうとする話も少しだけありますが、人物名など詳しい接点の話はありません。

原作を読んでいると、児童相談所が周平を救えた点が何カ所かはありました。映画ではありませんでしたが、周平は亮に殴られたことにより前歯が4本も折れていたことも、その内の1つです。野宿生活をしていた時で、その時に児童相談所の人が来るも、周平のことには気付きませんでした。

児童相談所の人が、もう少し周平を注意深く見れば気付けた点だったとは思います。映画では児童相談所の亜矢が周平を助けようと頑張っていましたが、原作を読む限りでは必死に助けようとしていた印象はありませんでした。

MOTHER マザー実話解説⑦|市役所職員の宇治田

これも映画オリジナルの登場人物です。原作では市役所職員は出てこないです。つまり、亮がいざこざにより刺してしまったという話も実際にはありません。亮と秋子がお金を騙し取るという話は実際にありますが、それは秋子の水商売時代のお客さん相手にです。

MOTHER マザー実話解説⑧|ラブホテル従業員の赤川

周平たちはホテル暮らしを繰り返していたので、ホテルの従業員と接点があったのは事実です。駐車場にテントを張って寝泊まりしていたのも本当の話です。

しかし、秋子がホテルの従業員と体の関係があったというのは違います。そこまでの深い関係はなく、毎日のように泊まりに来てくれるお客さんという間柄です。

実際のホテルの管理人は70代の男性で、周平のことも覚えていました。また、秋子はぽっちゃりした女性で亮は細身の男性だったことまで覚えていました。

MOTHER マザー実話解説⑨|祖父母の設定の違い

映画では母方のほうが秋子に対して強く当たり、父方のほうが優しく接していましたが実際では逆です。実際の話では父方のほうが強く当たり、母方のほうが秋子や周平に対して優しく接していました。

また映画内では周平の妹である結衣に会っていませんが、実際は結衣に会ったことがあります。

MOTHER マザー実話解説⑩|秋子の実刑

映画では周平が1人で罪を被った為に秋子は収監されて刑務所に入ることはありませんでしたが、実際の話では強盗罪と窃盗罪の罪で懲役4年6ヶ月の実刑判決で刑務所に服役しています。これは祖父母の金を盗んだりした件です。

警察に捕まってから自分がいた環境に気付いた周平は映画のラストように母親である秋子を庇うようなことはしていません。祖父母殺害を周平に強要したのかしていないのかで問題になり、秋子は否定し続け、周平は強要されたことを述べているのです。

後に秋子が周平に祖父母殺害したことを強要したことが認められましたが、周平の罪が軽くなることはありませんでした。秋子のほうが周平よりも早く出所する為、妹である冬華のことを心配する言葉もありました。

MOTHER マザー実話解説11|周平はどうして秋子に付いていった?

祐介と結婚している間の秋子は何かと面倒見たり、周平にとって良い母親だったようです。そして祐介と秋子が離婚する際はどちらに付いていくか周平は選べましたが、秋子に付いて行きました。

これに付いては、祐介には相手がいたが秋子には相手がいなく1人になってしまうのではないかという周平の優しさからでした。しかし亮が来たことによって、この気持ちは裏切られたと周平は語っています。

また周平は秋子から恐怖の植え込みがありました。秋子は言うことを聞かないなら施設に入れると周平に言って、言うことをきかせていました。映画内での秋子からのパシリ扱いがこれに当たります。

また、秋子が亮のホストクラブに通っている間の1ヶ月間、小学5年生だった周平は1人で生きていました。この時の孤独の恐怖が母親である秋子から離れられなかった理由とも語られています。

MOTHER マザー実話解説12|周平のお金はどこから?

周平は名古屋にいる秋子に対してお金を振り込むシーンがあります。周平にはおばさんと呼ばれるよくしてくれている人がいました。父方の親戚で、周平を可愛がってくれていて月に数千円お金を振り込んでいたのです。

お金をくれるおばさんは秋子のターゲットとなり、周平をダシに400〜500万円、送金回数は300回以上だったと裁判では話しています。

MOTHER/マザーのあらすじネタバレ

以下、映画「MOTHER」のあらすじネタバレとラスト結末です。

MOTHER マザーのあらすじ|仕事もせずに浪費するばかりの母親

シングルマザーの秋子は、小学生である周平と2人暮らしをしていました。しかし秋子がパチンコやゲーセンに入り浸り浪費する生活を送っている為、貧しい生活でした。

仕事もしない秋子は、いつも家族や親戚を頼ってお金を借りることをしていました。そして、また実家を訪れてお金を借りようとするも母である雅子や妹の楓からは、もうこれ以上は貸せないと怒鳴られます。

そんな中、秋子はゲームセンターでホストの遼と知り合います。遼に惚れる秋子ですが遼は仕事の為に名古屋へと戻ろうとします。そして秋子は遼のことを追いかける為、秋子に気がある市役所職員の宇治田に周平の面倒を見るように頼んで名古屋へと向かってしまうのでした。

しかし宇治田は、よその子は家に泊められないと周平の面倒をしっかり見ることはありませんでした。ガスも止められた家では周平はカップ麺をそのまま食べるような生活を送り、家で引きこもってゲームをして秋子の帰りを待っていました。

そして秋子から連絡が来るも、帰るお金がないからお金を振り込んでという電話だけでした。周平は親戚のオバさんから貰ったお金を秋子に振り込むも、そのお金で遼のホストクラブで散財するのでした。

MOTHER マザーのあらすじネタバレ|殺人事件で逃亡

秋子が周平を置いていって6日後、家は電気も止まってしまいますが秋子が遼を連れて帰ってきました。周平はお金を振り込んだのに、すぐ帰ってこなかったことを言うも振り込んだ額が少ないと言い、更に周平がご飯代としてお金を使ったことを怒るのでした。

そんな秋子は市役所職員の宇治田が周平の面倒をしっかり見ていなかったことを知ると遼と一緒に脅迫してお金をだまし取ろうと企みます。そして宇治田の家に押し掛け、周平に暴力を振るったなどと嘘を言って、払えないなら会社に連絡すると言って宇治田を脅します。

お金を取りにいった宇治田の姿を見て秋子と遼はもっとお金を取れるではないかと話し合います。しかし、その会話を聞いていた宇治田は包丁を持ち出します。お金を中々持ってこない宇治田を見にいった遼は宇治田と揉み合いになり宇治田の腹に包丁が刺さってしまいます。

宇治田の命を奪ってしまったと思い、遼と秋子は周平を連れて遠くへ逃げ出します。それから2週間後、遼は旅館で働きながら3人で貧しい生活を送っていました。

MOTHER マザーのあらすじネタバレ|ラブホ暮らしの中、妊娠する

しかし、この生活に限界が来た秋子は母の雅子を頼って電話します。すると雅子から市役所職員の宇治田が秋子たちを探しているとの事を言われます。宇治田が生きていて、訴えることもない事を知った秋子は喜んで遼の元に報告しにいきます。

そして、その日の夜に遼は旅館に忍び込んで金銭を盗んで、秋子と遼は周平を連れて旅館を離れます。盗んでお金を持った3人は、それからラブホ暮らしの生活を送るようになりました。

チェックアウトの時間になると、遼は日雇いの仕事に行き、秋子と周平は身内を訪ねてお金を借りに行きます。元旦那や、妹の楓や両親のところまで周平を1人で行かせて金を借りてくるように言い秋子はそれを遠くで見張っているのでした。お金を借りると、またそのお金でパチンコに行き、そして夜の泊まれるチェックインの時間になると遼と合流して再びラブホに泊まるのでした。

周平は学校にも行けず、夜は2人の性行為の声を隣で聞くような生活でした。

そんな中、秋子は遼との間に子供が出来ます。しかし、遼はもうこれ以上は無理だと言って泣きすがる秋子を無視して出て行ってしまいます。ホテル代も払えなくなってしまった秋子と周平はホテルの人に頼み、駐車場でテントを張って寝泊まりさせてもらうことになりました。

しかし、生活に限界が来た秋子は周平を使って両親の元を訪ねさせます。秋子が妊娠した事を伝えるもウンザリした雅子はもう二度と来ないでと言い周平を追い返すのですが…。

以上、「MOTHER」のあらすじネタバレとラスト結末に繋がる本編の続きは、以下のリンクからあなたの目で確かめてみてください。

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MOTHER マザーの感想評価と口コミレビュー(一部ネタバレを含む)

以下、映画「MOTHER」の感想評価と口コミ評判です。

感想評価|いろんな人に知って欲しい作品(一部ネタバレを含む)

実話を元にした映画で、内容的にもいろんな人に知って欲しい作品と思いました。しかし、それは映画ではなく原作の方です。正直なところ、実話に対しての完成度は低く、映画を観終わってからより感じるようになりました。

長澤まさみが演じる母親に焦点を当てたのは良かったと思いますが、実話にはない濡れ場のシーンを入れるくらいなら育て方に対する酷さをもっと描くべきだったのではないかと思います。

実際の話と改変しすぎたせいか、映画に惹き込まれるといったような事はありませんでした。暗い話でも、惹き込まれるような見入る作品だったら評価は高くなるものです。それがない為か全体的にも評価が低いのは頷けるものです。

ただ全ての評価が低いといったら、そうではなくキャストの選出や演技力は素晴らしいものだったと思います。少年役を演じた奥平大兼は映画初出演とは思えないほどでした。

キャストは良かったものの、物語の完成度から個人的には5段階評価で良くて星3くらいです。

口コミ評判レビュー|賛否両論分かれる作品(一部ネタバレを含む)

★★★★☆星4

内容的にはなんとなく想像がついたので、家族とも友達とか一緒に行きたくないなと思い、一人で観に行きました。コロナの影響か映画館に人は少なかったですが、それでも平日の午前中にもかかわらず15名ほどはお客さんがいました。

最初から、長澤まさみ演じる母親アキコの毒親ぶりが胸に突き刺さりました。学校を休んだ息子に、『私も仕事ふけちゃったから』と、プールに一緒に行き、はしゃぎすぎて、注意を受けるにも関わらず、息子にも『飛び込みな。早く!』と、笑顔の裏に威圧感。怖かったです。子供時代、青年時代とありましたが、子供時代の方が見てて辛かった。

お金がなくなると、身内や実家に息子を使って、お金借りさせたり、盗みを働かせたり、男に溺れて、怖い思いをさせたり、、共依存がテーマですが、こんなにも親子の繋がりは切れないものなのか、人はこんなにも心を無にして、人に従えるのかと不思議に思いました。

実話と聞いて、心が痛い。でも実際にこのような生活をしている人たちは世に溢れているのかな。色々を考えさせられる映画でした。

子を持つ親に見て欲しいです。

30代女性

★★★★★星5

長澤さんの迫真ある演技がとても印象的でした。男に翻弄されて身体を男性にもてあそばれる中で、必死にお金に執着して堕ちていく彼女に恐怖感が倍増しました。

息子はどんな母親の姿も隣で見ていて、必死に自分を押し殺して母親を抱きしめ、最後の最後に牢屋に入って12年という刑期を過ごしながらも「母親が好き」だと言い続けるシーンは切なくも親子間の関係の深さをしみじみと感じさせられました。

男に色目を使って女という立場を利用して上手く立ち振る舞えているように思えるシーンもありましたが、結局は孤独にさいなまれてしまい、みじめな姿になってしまった彼女には女の強さと弱さを体現していて、現代の女性の闇の部分を上手く映画の中で訴えているなと感じました。

30代女性

★★★☆☆星3

最近はコメディエンヌとしての才能を如何なく発揮している長澤まさみが、初めて挑む本格的な汚れ役が話題になっていますが、それ自体は期待を裏切りません。

今ダメ男をやらせれば天下一品の阿部サダヲの凄さで、長澤の魅力がさらに引き立っています(ただし、ホームレスになったときの顔が美しすぎたのは、リアリティが損なわれていて残念)。

しかし、映画全体について言えば、少々残念な感じもしました。息子と母親の強烈な共依存が、最後には尊属殺人にまで及んでしまうという物語は、大変興味深いものなのですが、徹底して駄目な人間である母親の側の劇的な部分を描くことに比重が置かれすぎているように思います。

もう少し息子側の心理が丁寧に描かれていれば、物語に広がりが生れたと思います。奥平大兼の熱演も大いに評価できるので、その点は残念です。大森立嗣監督は視点を母親のほうにある程度固定する意図があったと思うのですが、それがうまくいっていないのではないでしょうか。

息子が留置所の面会室で区の職員と会い「お母さんが好き」という場面が今一つ盛り上がりに欠けるのは、息子の心理自体の描写が不十分であるが故と思います。

40代女性

*映画「MOTHER」のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。

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