『溺れるナイフ』がひどい理由3つ。最後の意味わからない部分、コウは殺したのか、その後の結婚を解説考察。

2016年11月5日公開の映画『溺れるナイフ』。
ジョージ朝倉による同名漫画の原作を小松菜奈と菅田将暉のダブル主演で実写映画化されました。
都会から地方の海辺の町へ引っ越してきた女子中学生・望月夏芽と、地元の神主一族の跡取りである長谷川航一郎の関係を軸に、思春期特有の不安定な感情や衝動、抗いがたい運命を描いた作品です。
公開から年月が経った現在でも強い支持を集めています。
目次
『溺れるナイフ』がひどい理由3つ。

菅田将暉さんと小松菜奈さんという実力派の若手俳優が共演したことで大きな注目を集めた『溺れるナイフ』。
主演の二人に加え、上白石萌音さんや重岡大毅さんといったキャストの演技を高く評価する声も多くありましたが、その一方で「ひどい」といった否定的な感想も少なくありませんでした。
では、なぜ映画『溺れるナイフ』は「ひどい」と言われてしまったのか。その理由は3つあると考察されます。
 管理人
管理人
ひどい理由①唐突な展開
映画『溺れるナイフ』は、ジョージ朝倉さんによる同名少女漫画を実写映画化した作品となっていますが、単行本が全17巻もある漫画を2時間弱にまとめたこともあり、ストーリー展開が雑になっている様子が見受けられます。
特に終盤の展開については、唐突さに戸惑ったという声が多く上がっています。
再び火祭りで夏芽が蓮目に襲われた後に女優となった夏芽が授賞式の壇上でスピーチをする場面へと切り替わります。
さらにその後、今度は航一朗とバイクで海沿いを走るラストシーンへと移り、時間軸や心理描写の繋がりが十分に説明されないまま物語が締めくくられます。
この急激な場面転換に違和感を覚えた視聴者が多く、「ひどい」という評価に繋がったと考えられます。
ひどい理由②ショッキングなシーン
映画『溺れるナイフ』では、ヒロインとなる主人公の夏芽が蓮目というストーカーに襲われるシーンが2度もあり、蓮目を演じた 嶺豪一さんの狂気的な演技や夏芽を演じた小松菜奈さんの鬼気迫る演技もあってかなり生々しくショッキングなシーンになっていることから、苦手意識を持つ方がおられ、「ひどい」という感想に繋がったと考察できます。
ポスタービジュアルなどは、かなりキラキラした青春映画のようなイメージで作られていましたが、内容はかなりドロドロしたものになっていることから思っていた内容と違うということでがっかりした方も多かったのではないでしょうか?
ひどい理由③テンポの悪さ
作品全体のテンポの悪さも、「ひどい」という感想に繋がったと考察できます。
映画『溺れるナイフ』で監督を務めた山戸結希さんは、独特のテンポ感が特徴の監督となっており、まるでフランス映画のような雰囲気があります。
しかしながら、そのテンポの悪さについて退屈に感じてしまう方も多くおり、「ひどい」という感想に繋がったと考察できます。
最後の意味わからない部分はなんだったのか?コウは殺したのかやその後の結婚について解説

最後の意味わからない部分|バイクに乗っているシーンは何だったのか?
映画『溺れるナイフ』のラストでは、夏芽と航一朗がバイクに乗って、海沿いを走るシーンで締めくくられますが、このシーンについて意味が分からないという感想を持つ方が多数見受けられるシーンだと思います。
この謎を呼ぶシーンについて解説していきます。
女優として活躍することになった夏芽が、授賞式でスピーチをした後にいきなり場面が変わり、ラストのバイクシーンが展開していきます。
この唐突な展開に戸惑った方も多かったと思いますが、このシーンは全て夏芽の妄想であったと考えられます。
女優となった今でも、夏芽の心の中には彼女にとって絶対的な存在である航一朗がおり、彼の存在が生きる上でのお守りのようになっています。
人生の節目節目で夏芽はきっと航一朗のことを思い出し、彼を支えにしながら生きていく。
そんな夏芽の気持ちが表現されたラストシーンになっていると思います。
この唐突なラストシーンについては、公開当時否定的な意見が多く散見されることとなりましたが、小松菜奈さんと菅田将暉さんの魅力をしっかりと捉えており、美しい映像に仕上がっており、改めて見てみるとそこまで悪いシーンでもないと感じます。
コウは蓮目を殺したのか?
映画の終盤で、ストーカーである蓮目によって、夏芽は再び襲われそうになってしまいます。
気を失ってしまった夏芽が目を覚ますと、しばらくして記憶が蘇り、駆け付けてくれたコウの姿を思い出します。
夢か現実なのか曖昧な描写となっていますが、果たしてコウは蓮目を殺してしまったのか、ですが、結論から言うと、コウは殺しておらず、蓮目は自殺を図りました。
 管理人
管理人
蓮目は、自殺することによって、自分の写真が夏芽と横並びで報道されれば、深い傷跡を残し、彼女と運命を共にすることが出来るという歪んだ欲望を持っていました。
そのため、自殺した蓮目をコウで埋めて、夏芽の将来が傷つかないようにしたと考えられます。
夢が現実が分からないような描写にはなっていましたが、目覚めた夏芽に現場に居合わせたカナが「明日埋めるから、もうコウに会わないでほしい」と忠告していることから、実際に起きた出来事であると断定できます。
コウは以前に夏芽が襲われた事件の際に蓮目に暴行を加えられ、自身の手で彼女を守ることが出来なかったために自信をなくしていました。
二度目となり、蓮目の野望を阻止できたことから、コウは過去のトラウマを払しょくできたのではないでしょうか。
二人のその後、原作漫画では結婚している
夏芽とコウの二人はその後どうなってしまったのでしょうか?
映画では二人のその後について描かれていませんでしたが、原作漫画で明らかになっていますので、その内容について紹介していきたいと思います。
55歳で結婚した夏芽とコウ
原作漫画の最終巻となる17巻では、ラストのページでテレビのニュースが流れるシーンがあり、夏芽が幼馴染である資産家(コウのこと)と55歳で結婚したというニュースが流れ、二人の間には16歳になる俳優の息子がいるという情報も明らかになっています。
それ以来の詳細については明らかになっていないものの、しばらくの間は夏芽は未婚の母親として息子を育てていたということでもしかすると、コウの実家の長谷川家は大地主であり、地元大企業を経営していることから、跡取り問題など何か結婚できない事情があったのかもしれません。
まさかの熟年結婚というラストに衝撃を受けた方も多かったのではないでしょうか。
映画をきっかけに出会った菅田将暉と小松菜奈
映画『溺れるナイフ』で主人公を演じた小松菜奈さんと菅田将暉さん。
その後、『ディストラクション・ベイビーズ』、『糸』での共演もきっかけに交際することとなり、2021年11月に入籍をしたことが報道されました。
まるで映画のような二人の結婚発表に日本中が驚かされました。
2024年3月には第1子が誕生したとの発表もあり、もしかすると原作漫画と同じようにお子様が俳優デビューする可能性もあるかもしれませんね。
『溺れるナイフ』のあらすじ

(以下、映画『溺れるナイフ』のあらすじです。)
『溺れるナイフ』のあらすじ|田舎町に引っ越してきたモデル経験のある中学生・夏芽
東京でティーンモデルをしていた中学生の夏芽は、両親の仕事の都合で浮雲町という田舎町に引っ越すこととなります。
退屈に過ごしていた夏芽は、浮雲町を牛耳る長谷川家の跡取り息子である航一郎と出会い、絶対的な自信を持つ彼の魅力にどんどんと惹かれていきます。
そんな中、東京の売れっ子カメラマン広能から写真集発売のオファーがあり、夏芽は航一郎の影響もあってオファーを受け、写真集は大きな話題を呼びます。
二人はどんどんと親密になり、交際をスタートさせます。
夏芽と航一郎の交際が続く中、浮雲町に代々伝わる火祭りが開催され、夏芽も見学に行きます。
そこで夏芽の両親が営む旅館の宿泊客から祖父が倒れたと聞かされ、男の車に乗って病院へと向かうことになります。
『溺れるナイフ』のあらすじ|火祭りでの事件で疎遠になってしまう夏芽と航一郎
道中で男が夏芽のストーカー・蓮目であったことが判明し、無理やり山奥へと連れて行かれます。
夏芽を探していた航一郎が男の車を発見し、必死に助けようとしますが、男の力に歯が立たず殴り倒されてしまいます。
強姦されそうになったところを青年団のメンバーが駆け付け、なんとか事なきを得ましたが、それ以来夏芽は良からぬ噂を流され、塞ぎ込むようになり、航一郎との関係も終わりを迎えてしまいます。
高校生になった夏芽は、大友という男子生徒と親しくなりますが、心の中では航一郎が忘れられずにいました。
航一郎は火祭り以来、街の不良たちとつるむようになり、雰囲気が変わってしまいました。
『溺れるナイフ』のあらすじ|東京行きを控えた夏芽の前に再び現れるストーカー・蓮目
久しぶりに航一郎と出会った夏芽でしたが、航一郎から突き放されてしまい、大きなショックを受けます。
そんな夏芽を大友は献身的に支え、二人はやがて付き合うようになります。
平和な日々も束の間、カメラマン広能が再び夏芽の前に現れ、映画のオファーがあったものの、強姦されるシーンがあったために断ることに。
広能は今の夏芽に魅力を感じないと言い残し、悔しさを覚えます。
再び航一郎と再会した夏芽。
二人は愛し合うものの、浮雲町で生きていくことが決まっている航一郎は夏芽に何もしてあげられないと涙を流すのでした。
夏芽は映画のオファーを受けることを決め、大友に別れを告げます。
東京行きを控える中、火祭りのシーズンになり、夏芽は再び蓮目に狙われてしまうのでした。
以上、映画『溺れるナイフ』のあらすじでした。
『溺れるナイフ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)

(以下、映画『溺れるナイフ』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|人気同名漫画を後に夫婦となる小松菜奈、菅田将暉のダブル主演で実写映画化
映画『溺れるナイフ』は、ジョージ朝倉さんの人気同名少女漫画を実写映画化した作品です。
趣里さん主演の「おとぎ話みたい」が高い評価を受け、当時新進気鋭の監督として注目を集めていた山戸結希さんが監督を務めました。
小松菜奈さんと菅田将暉さんが主人公を演じることで大きな話題を集め、公開館数が少ないながら興行収入7億円を超えるヒットを記録しました。
映画『溺れるナイフ』の最大の魅力は、やはり前述した主演二人の演技にあると思います。
漫画原作と言うと、原作ファンからキャストのイメージが違うという批判が相次ぐものですが、主演二人は漫画のキャラクターイメージにマッチしており、特に航一郎を演じた菅田将暉さんはルックスを含めて、完璧という声が出るほどハマり役でした。
当時20代前半という二人の若々しく、どこか儚い魅力を切り取った山戸監督による美しい映像は観るものの心を奪います。
「一生ぶん、恋をした」というキャッチコピーやカラフルなビジュアルポスターからポップなラブストーリーからと思いきや、ヒロインの夏芽が強姦未遂に遭ってしまい、彼女を自身で助けることが出来なかった航一郎はその過去を悔い、二人の仲が変化してしまうというかなりドロドロとした内容となっており、前情報なく映画を鑑賞した方は驚かれたのではないでしょうか。
前半での航一郎とのキラキラしたやりとりがあるだけに、中盤でのこのショッキングな展開は多くの人々にインパクトを与えます。
心をふさいでしまった夏芽を献身的に支えようとする重岡大毅さん演じる大友、そして、航一郎を思うがあまり夏芽への嫉妬を爆発させることとなるカナなど、脇を固める個性的なキャラクターも魅力的です。
映画の終盤では再び夏芽をストーカーが襲いますが、航一郎がそれを阻止。
夏芽に一生の傷跡を残そうと自害した犯人の野望を阻止するために航一郎が犯人を埋めたような内容が語られます。
夏芽の将来のために彼女と離れる決意をしながらも、自らの手を汚して彼女を守ろうとする航一郎の姿はまさに純愛を言えるでしょう。
映画のラストでは、航一郎とそのバイクの後ろにまたがる夏芽が海沿いをドライブするシーンが描かれます。
このシーンは、おそらく夏芽の妄想を描いたものですが、航一郎の存在がこれからもずっと彼女を支えていくという思いを感じることが出来るシーンとなっています。
お互いの素直な思いをぶつけ合うこのシーンを見て、過去の自分の恋愛と照らし合わせるのも良いかもしれません。
『溺れるナイフ』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
色々と考えさせられるラブストーリーでした。
小松菜奈さん演じる夏芽と菅田将暉さん演じる航一郎が仕事や生活などそれぞれの大切にしているものと相手に対して芽生えている自分の恋心を天秤にかけて過ごす物語です。
夏芽の東京に戻ってモデルの仕事をしなければならないけど航一郎と一緒にいたい葛藤と、航一郎の夏芽と一緒に過ごしたいけど夏芽にモデルとしての仕事を大切にしてほしい葛藤がぶつかり合うシーンがもどかしくも感動しました。
世界観や描写がかなり独特で見る人によっては面白い感じたり、意味がわからないと感じたり、十人十色で感じることが違うんじゃないかと思うぐらい不思議な作品ですが、キャストも豪華ですし、それぞれの演技力も高いのでしっかりと作品に入り込むことができると思います。
 20代男性
20代男性
★★★★★星5
美しい青春の一場面というより、一生をかけての純愛映画という印象で、現実には一緒にいられない主人公ふたりが、それでもお互いの心の中では通じ合っているという、純粋な恋愛を描いた清々しい作品だと思います。
原作も印象的ですが、映画は原作へのリスペクトがありつつ、独立した作品で、登場人物のビジュアル、空気感、演技力が配役にぴったりで、見ていてのめり込んでしまう一本だと思います。
小松菜奈さんと菅田将暉さんがハマり役なのは勿論、 恋のライバルの重岡大毅さん、上白石萌音さん、小松さんを東京に連れて行ってしまう志磨遼平さんと、みんないい味を出しています。
お互いを思いすぎるあまりに関係を断ってしまった恋人同士を描いている割に、幻想の世界のふたりは本当に楽しそうで、切なさややりきれなさよりも、爽快感が残る秀作だと思います。
 50代女性
50代女性
★★☆☆☆星2
漫画を忠実に再現した映画でしたが、漫画ほどには切なくも恋焦がれる心情を描写できてなかったように感じます。
コウちゃんの「かみさん」と言われるほどのカリスマ性を再現するのは難しかったようですし、夏芽ちゃんもただのわがままな女の子に見えてしまう場面が多かったです。
主演の二人はかなりお似合いでしたがラストも異様に気持ち悪く、なんだかすっきりしないまま終わってしまい後味が悪い思いをしました。
私にとってはストーリーよりも、映画の雰囲気やお似合いの二人、景色、音楽のエモさが楽しめました。
あと、大友がさわやかでイメージピッタリで良かったです。
彼が登場しなければ、全体的に暗くて気持ち悪い印象が強くて最後まで見なかったと思います。
 30代女性
30代女性
★★★☆☆星3
何の予備知識もなく、当然先入観もないまま観はじめた映画でしたが、その内容があまりにヘビーであることに驚かされました。
現在はプライベートでもご夫婦となられている主演のお二人が、当時さらにお若い頃に出演された作品で、その透明感や躍動感は素晴らしく、観ていてとても清々しいものを感じました。
ただ、中盤以降に衝撃的な出来事が起きてからは、つらく息苦しくなるような場面が続き、観ていること自体に大きなしんどさを覚えました。
一方的で独りよがりな思いを抱く者に、ある日突然、自分と大切な人との人生を奪われてしまう理不尽さには、吐き気を催すほどの憤りを感じました。
主人公の女性がその出来事を乗り越え、最終的に成功を掴む姿には救いを感じましたが、それでもとにかく観続けることが苦しく、しんどい作品でした。
特に女性の方の場合、メンタルが落ち込み気味なときに一人で観ることはおすすめできない作品だと感じました。
 30代女性
30代女性
*映画『溺れるナイフ』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。








 
  
  
  
  
  
  
 