『そして父になる』は実話で、原作では映画のその後が明らかに！【あらすじネタバレや感想評価も】
2013年9月28日公開の映画『そして父になる』。
『海街diary』や『万引き家族』でアカデミー賞受賞作品を作り上げてきた是枝裕和の監督作品。
6年間育ててきた子供に取り違えが発覚するという、実際に起こった事件をもとに作り上げられた映画『そして父になる』は深く考えさせられるような作品となっています。
『そして父になる』の口コミ評判レビューには、
- 家族にとって幸せとはなんだろうと考えさせられた
- 自分だったらどうするかと思ってしまう
- 福山雅治演じる父親の心境の移り変わりに心を打たれた
- 一児の母として、とても考えさせられる作品でした
- 結末は、いい意味で「あいまい」な終わり方
- いろんな人に見てほしいと思える作品
- 簡単には答えが出せない、難しい問いを映画にした作品
- 登場人物の気持ちが痛いほどよくわかり所々で涙が出てきた
という声が多数集まっています。
- 結末でどっちを選んだのか？実話の原作ではその後が明らかに
- 『そして父になる』あらすじ
- 『そして父になる』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
映画『そして父になる』では結末でどっちを選んだのか？実話の原作ではその後が明らかに！
子供の取り違えがテーマとなっているこの作品は、産んだ子供と育てた子供との間で葛藤する親の姿が描かれています。
映画を観た方は結末でどっちを選んだのか気になりますよね。
映画の中では明確に子供がどっちの両親を選んだのか、両親がどっちの子供を選んだのかは描かれていません。
2組の家族が同じ屋根の下に入っていくシーンで幕を閉じており、それ自体がまるで大きな一つの家族に見えるものの、その後については完全に観客の想像に委ねる作りとなっていました。
管理人
そんな映画『そして父になるの製作に当たり、是枝裕和監督が参考にした本が存在します。
当時新聞記者だった奥野修司さんのノンフィクション作品「ねじれた絆」です。
実際に起きた赤ちゃん取り替え事件を17年間取材した内容となっており、子供を交換した後のその後が存在します。
ここでは、実話ではどっちを選んだのかについてまとめます。
実話の赤ちゃん取り違え事件は1977年の沖縄で起きました。
昭和52年は子供の取り違えが頻発していて、いわば社会現象にもなっていました。
『そして父になる』の主人公は父親で、東京〜群馬間と離れた距離にいる息子が取り違えられていましたが、原作小説の「ねじれた絆」では主人公は母親・伊佐智子で、取り違えられたのは娘となっており、家もお互い沖縄県内でした。
6年育てた子供が血液検査により、実子ではないことが判明します。
伊佐家の育ての子供は美津子と言い、血縁関係にある初子は城間家が育てていました。
交換後に伊佐家では初子の名前を真知子に変更しています。
両家の生活水準は同じくらいでしたが、もう一方の取り違え先である城間家は旦那が妻の姉にも手を出す・妻が育児放棄をする等、目も当てられないほど荒れていました。
映画と同様にお互いの子供たちを週末に交換していましたが、やがて真知子（元・初子）は育ての親である城間家の爛れた男女生活を目の当たりにしてしまい、血縁関係のある伊佐家の元で生きていくことを決断します。
その後、両家は同じ敷地内に引っ越し、美津子は育ての親である伊佐家で生活するようになりました。
つまり実話の結末では、真知子（元・初子）と美津子の両方とも伊佐家の家族となったのです。
管理人
映画では子供がまだ幼いため親に決定権がありましたが、近い将来どっちを選ぶかを子供に委ねる可能性もあるかもしれませんし、交換ではなく片方の親しか選ばれない選択もあるんだなと考えさせられました。
『そして父になる』は見ていて自分だったらどうするかと想いを巡らせる映画でしたが、そうやって観客に考えさせることこそが監督の狙いなのではないかと感じました。
なので映画ではあえて明確な答えを出していないのではないでしょうか。
『そして父になる』あらすじ
（以下、映画「そして父になる」のあらすじです。）
『そして父になる』のあらすじ｜取り違えの発覚
都心の高級マンションに住むエリートサラリーマンの野々宮良多は、妻のみどりともうすぐ6歳になる一人息子の慶多と3人で、誰もが羨む幸せな生活を送っていました。
ある日、慶多を出産した病院から、出生児に子供の取り違えが起きた可能性があると告げられます。
DNA検査の結果、慶多が実子ではないことが判明しました。
血縁上の息子は、群馬で小さな電気店を営む斎木雄大と妻のゆかりの元、3人兄妹弟の長男・琉晴として育っていることが分かります。
『そして父になる』のあらすじ｜ふたつの家族
まだ子供が幼いうちに元の血縁関係の家に交換した方がいいとの助言を受けた両家は、悩んだ末、週末限定でお互いの家に子供を泊まらせ、徐々に慣らすことにしました。
やがて病院相手に裁判を起こすと、担当看護師が「取り違えは事故ではなく、幸せそうな野々宮家への嫉妬から来た故意」だったと証言します。
その上、この事件は既に時効を迎えているため、彼女は何の罪にも問われず両家は強い憤りを感じます。
『そして父になる』のあらすじ｜交換
話し合いの末、両家は本格的に子供たちを交換することに決めました。
しかし、突然なんの説明もなく始まった新しい生活に2人の子供たちは大いに戸惑います。
野々村家に引き取られた琉晴は、良多が作った家庭内の厳しいルールになかなか馴染むことができず、ある日無断で家を飛び出してしまいます。
以上、「そして父になる」のあらすじでした。
琉晴は1人きりでどこへ向かったのか？
結末を知りたい方は、実際に映画を見てみることをおすすめします。
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『そして父になる』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
（以下、映画「そして父になる」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。）
感想評価(※ネタバレ有)｜父親の成長ストーリー
福山雅治さん主演の病院の取り違えにより6年間愛情を注いできた我が子が他人の子だったことを突然知らされた家族の葛藤や交流を描いた映画です。
福山さんの自身初の父親役で、家庭を顧みない嫌味なエリートサラリーマン・野々村良多を見事に演じていました。
取り違えに遭ったもう1人の父親・斎木雄大は小さな電気屋を営んでおり、お金はないけれど家族を大切にする良多とは真逆のタイプです。
良多が子供を2人とも引き取りたいと冗談混じりに提案した際に本気で怒る等、とても愛情深い人物だと感じました。
管理人
子供の取り違えに遭った両家は話し合いの末、元の血縁関係の家に子供たちを交換することにします。
血縁上の息子・琉晴は、野々村家の躾に馴染めず反抗を繰り返し、ある日1人で都心から群馬の斎木家に帰ってしまい、良多が連れ戻しに行きました。
この日を境に徐々に家族の絆は深まっていきますが、ある日流れ星を見た琉晴が「両親の元に帰りたい」と泣き出してしまいます。
翌日、何気なくカメラの画像データを眺めていた良多は、血の繋がらない息子の慶多が自分の寝顔をこっそり撮影していたことに気付き、涙しました。
斎木家に向かった良多は、自分の顔を見るなり飛び出して行った慶多を追いかけ、抱きしめます。
ラストは2組の家族が斎木家の小さな電気屋の中に入っていくところでエンドロールが流れ、優しいピアノの音色と共に終わります。
この映画には、”ミッション”という言葉が度々出てきます。
管理人
最初は慶多が斎木家に初めてお泊まりに行く時に「大人になるための作戦」として、ゲームのような軽い感覚で使われました。
受験や習い事をこなしてきた慶多は素直に受け入れますが、他人の気持ちを考えない良多の軽薄さが滲み出ているシーンの一つでした。
次は本格的に慶多と琉晴を交換する日の前夜です。
寂しくても泣かない等の決め事を言い聞かせるために使っていました。
しかし最後は、良多自ら”ミッション”の中止を伝えます。
家族と向き合う状況になったことで、慶多に言い聞かせていた”ミッション”という言葉がいかに慶多に負担をかけていたか気付いたのです。
当初の意味合いでの”ミッション”はなくなりましたが、出来損ないの父親だったと自負した良多が、本当の意味で父になるという”ミッション”を達成した瞬間ということが伝わり、見ているこちらも感極まってしまいました。
管理人
是枝裕和監督の作品は、子供が大人に振り回されたり社会問題をテーマにした作風で有名です。
映画『そして父になるも病院や親に振り回される子供たちの様子を淡々と丁寧に描いています。
ドキュメンタリー畑出身の手腕を活かし、日常の些細な描写をリアルに映し出すことを得意としているため、観客を物語の世界観に引き込むのが本当に上手いと思いました。
映画『そして父になるは新生児取り違え事件をベースとした作品ですが、『そして父になる』というタイトル通り、父親の成長を描いた物語です。
子供が生まれたから父になるのではなく、子供と向き合うことで父になるのだと気づかせてくれる映画です。
『そして父になる』のみんなの口コミ評判レビュー
『そして父になる』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「家族について色々な作品を作っている是枝監督らしい映画」「親として、自分の身に起きたことだと置き換えてみたら感情移入が半端ない」「父としての葛藤や感情、母としての葛藤や感情が痛いほどよく分かり、所々涙が出た」「家族の形について考えさせられる」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★★星5
この映画の感想は、家族の形と言う事を教わった作品の一つだと思いました。
特に主人公の野々宮良多と妻のみどりは、子供の取り違えから人生が変わってしまったのが驚きました。
取り違えられた、もう一つの家族の斎木家の人達と言い争いになっていたシーンは、双方の家庭にも言い分があって考えさせられる所がありました。
そして裁判のシーンでは、看護師が原因になった理由を話していた場面は、みどりと斎木夫妻の言い分は凄く理解出来ました。
そんな中で最後のシーンでは、良多が慶多に対して六年間はパパだったんだと話していた場面が印象的でした。
この映画を見ていると家族の繋がり以上に愛情を持って接する事が、如何に大切なのかを教わりました。
難しい役柄を演じた福山雅治さんと尾野真千子さんの演技も注目するべきポイントの一つです。
40代男性
★★★★★星5
血のつながりとは何なのか、家族とは何なのか、とても考えさせられる作品でした。
出産した病院で看護師によって故意に行われた子供の取違い、何一つ疑うことなく自分の息子だと思い育ててきた6年間。
大事なのは血のつながりなのか、今まで過ごしてきた時間なのか…
取違いが判る前、福山雅治さん演じる野々宮良多の家族は一見上手くいっているように見えますが良多には父性というものがなく、どこかぎこちない家族に思えました。
取違いが発覚し、血のつながった子供と生きていくのか、育ててきた子供と生きていくのかの選択を迫られる中で初めて息子と真剣に向き合い、父性が出てきます。
サイボーグのようだった良多が、問題と向き合う中で人間らしくなっていくのがとてもよかったです。取違いはあってはならないことです。
しかし、このことがきっかけで家族の大切さ、家族とは何なのかを考えることができたのは、ある意味良いことなのではないかと思いました。
もし、自分が良多達の立場だったらどうしていたのだろう？どうすることが正解なのだろう？とすごく考えさせられました。
親の気持ちは？子供の気持ちは？
それぞれの登場人物の気持ちが痛いほどよくわかり、改めて家族というものを考えさせられました。
30代女性
★★★★☆星4
一緒に暮らす自分の家族が実は血縁関係が無いと分かったら誰でもショックを受けるでしょう。
まるで小説かドラマのような出来事も乳児の取り違えの実例があるわけですが、この映画はそのような子供の入れ替わり事案を題材に取り上げ、家族とは？親子関係って何？そんな根本的な疑問を投げかけてくる内容になっています。
さて、福山雅治さん演じる野々宮氏は1人息子が他人の子だと判明した事を機に実子を取り戻そうと手を尽くします。
彼は実子でない一人息子を自分に似ずピアノの才能が無いなどど軽く不満を漏らす場面もあり、典型的なエリートとしてやや冷徹な面も見られまます。
このあたりの福山さんの演技の巧みさが強く印象に残っているわけですが、もう片方の当事者家族の父親を演じたリリー・フランキーさんもいい味を出していました。
専門職のエリートとお気楽人生という対比も物語にメリハリを与えていたと思います。
ラストについては、観る者の期待を裏切る事無く安心できる結果となりましたが、無難にまとめた感じは全く受けませんでした。
数年間一緒に暮らした実績を重視するのか生物学的な血の繋がりを重視するのか。
これは究極の選択とも言える困難な決定です。
主演の福山さんは心境の転換を伴う難しい役どころを見事に演じ切り、手際の良い演出も合いまって、ごく自然に感動を呼び覚ます流れになっていたと思います。
40代男性
★★★★☆星4
対象的な家族を描き、事実を知った主人公が受けたショックがとてもリアルに感じられ、こんな運命もあるんだと衝撃を受けました。
対象的な家族を描写も、興味深く育った過程環境によって子供が成長して行く際に、人格や性格などの形成が影響を受けるのが印象的でした。
主役の対象的な男性お二人もぴったりのはまり役で福山雅治のクールでドライな演技とリリーフランキーのゆるい演技に惹きつけられました。
親子の絆ってなんだろうって考えさせられた映画です。
DNAレベルでのつながりよりも一緒に過ごした時間の長さが絆を強めいていくものなのか、子どもの性格や人格にも影響していくものかとリアルに感じました。
事実を知ってからそれを受け入れるまでの苦悩も伝わりました。
2つの家族が一つの大家族として繋がり結びついていく加速の間根を広げる家族の概念の拡大をも感じた映画でした。
50代女性
★★★★★星5
映画『そして父になる』は、自分が好きな福山雅治さんが主演ということで、楽しみにしていました。
自分自身にも子供がいるので、家族に関する内容ということで、きっと色々感じるところもあるだろうなという期待もありました。
エリートの良多とみどり夫妻に慶多という6歳の息子がいますが、実は病院で生まれた時に取り違えがあったという事実を知らされます。
血のつながった息子が暮らしているのは、自分達とは全く違った環境でした。
自分にも子供がいるので、（産後すぐに母子同室の個室だったし、実際に子供の見た目が自分に似ているのでそのような心配はないのですが、）もしそんなことが起こってしまったら実際にどのような対応をすべきなのか、と改めて考えさせられました。
血の繋がりももちろん大事ですが、一緒に過ごしてきた掛け替えのない6年間。
その注いできた愛情こそが親子の絆であると、強く感じました。
映画の中では当事者である子供たちの意見は、あまり前面には出てきませんが、カメラのファインダーを通して見えてくる想いに涙せずにはいられませんでした。
彼らが選ぶ結末は、複雑なものではありますが、私自身にとってはストンと心に落ち着いて、いい結末だったと思います。
40代女性
★★★★☆星4
もし自分の子供が6歳になってから全くの他人だったと知ったらどう思うのかと考えてしまいました。
取り違いの被害にあった両親たちの衝撃もさながら、生まれてから自分の両親だと信じていた子供たちの気持ちの複雑さを考えると何とも言えない気持ちになりました。
一番感情を強く持ったのは良多の上司の上山の「両方引き取っちゃえよ」というセリフで、どうゆう神経しているのかと心底嫌悪感を感じてしまいました。
それに追随する斎木夫妻に対しての明らかに下に見ている良多の態度が本当に腹立たしく感じました。
しかし随所随所で見せる子役たちの自然な演技にほほが緩んでしまう場面も多く切なくなりました。
後半の琉晴が斎木家に戻ってしまう時にゆかりが「ふたりとも引き取ってもいいんだけどね」と言う嫌味に「どうにかしますから」と啖呵を切る良多の傲慢さに頭を抱えてしまいました。
そんな良多が最後、慶多を追いながら対話するシーンの最後に抱きしめたところでようやく本当のきずなが生まれたように感じて感動しました。
30代女性
★★★★☆星4
取り違えがきっかけで血のつながらない親子が誕生してしまった物語で非常にどちらが正しいのか悩む作品だと思いました。
わかっていても今まで実の子として育ててきて思い出も積んできたし、生みの親より育ての親という言葉が正しいような気持ちになる部分も多々ありました。
それに家族構成や生活の質などお互いの環境の違いがありすぎるので似たり寄ったりの家族ならまた捉え方が違ったようにも感じました。
結局、実の親に引き取られていくけれど、あそこまで育ってからは本人も親も兄弟も一生付き纏うものになってしまとてキツいものがあるだろうと思ってしまいました。
ひとりっ子で育ったのに血のつながりはあるけれど知らない人。血のつながらない兄弟と共に暮らした後のひとりっ子として生きる道。
子供にとっても順応力があるからといえ、そう簡単に結論つけられない複雑な終わり方でした。
30代女性
★★★★★星5
是枝裕和監督作品の『そして父になる』は、とても印象的な映画でした。
福山雅治さんは亭主関白的な、性格がちょっととっつきにくいエリートパパを演じ、尾野真千子さんはそんな夫に付き従う、従順で控えめな妻を演じていました。
お二人とも、私が今まで抱いていたイメージからはあまり近くない役柄だったのですが、とても違和感なく演じておられたので、その点に感心しました。
また、もう一組の夫婦リリー・フランキーさんと真木よう子さんは、明るくて屈託のない、庶民的で素敵な夫婦を演じておられました。
「今まで大切に育ててきた我が子が、実は他の子供と取り替えられていて、本当の我が子じゃないと分かった時、人はどうするのか？」
簡単には答えが出せない、難しい問いを映画にした『そして父になる』。親の目線及び子供の目線での、戸惑いや葛藤。
自分ならどうするだろう？と、見る人にも思考を促す映画だと思います。
そしてそんな戸惑いや葛藤の中で、親の愛情や子供側の愛が浮き彫りになっていく、そんな映画だと思いました。
40代女性
＊映画「そして父になる」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
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