『やがて海へと届く』は百合映画でPG12指定?あらすじネタバレや感想評価も
『やがて海へと届く』は、彩瀬まるの同名小説を映画化したもので、東日本大震災での実体験がもとになっています。
今作では冒頭とラストにアニメーションで描かれる部分がありますが、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』では主人公が『やがて海へと届く』の小説を読んでいるシーンもありました。
- 『やがて海へと届く』は百合映画でPG12指定なの?
- 『やがて海へと届く』のあらすじ
- 『やがて海へと届く』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
『やがて海へと届く』は百合映画でPG12指定なの?
今作のポスターデザインは、岸井ゆきの演じる真奈の顔に浜辺美波演じるすみれが、顔を近づけているといった具合に、2人の顔が大きく映し出されたものとなっています。
すみれが今にも真奈にキスでもするような感じにも取れ、このポスターを見た事がある人は、百合映画なのかと思った方もいると思います。
劇中でも、真奈とすみれの出会いは、大学で真奈が困っているところをすみれが助けてくれるという所から始まります。
その後のサークルの飲み会では、飲み会に慣れていない真奈が男子学生たちに執拗に“彼氏はいるのか?”という質問攻めにあい困ってしまいます。
そして再び、すみれが男子学生たちから助けてくれます。すみれは男子学生とも楽しく話しをして明るい女性です。この時の真奈の台詞や行動からして、真奈は今までに男性との恋愛関係はおそらく無いという事も読み取れると思います。
この2人の出会いや、真奈がすみれを見つめる視線からして、百合映画ではないかと感じる方もいると思います。
管理人
もしこの『やがて海へと届く』が百合映画ではないとしたら、2人の出会いはもっと普通で良かったとは思います。
大学で知り合い、お互いの共通の趣味が見つかり、次第に仲良くなっていくなど。
困っている真奈をすみれが助けるシーンに関しては、意図的に真奈がすみれに惚れてしまう描写だと思います。
もしすみれが、男性だった場合、まさに主人公をピンチから救ってくれた王子様のようにも見て取れるシーンだと思います。
その後、真奈とすみれは一緒に旅行に行ったり、一緒のベッドで眠ったりします。
度々、真奈がすみれを見つめる描写が多いので、どこかのタイミングで一線を越えてしまうのではないかと感じる事もありましたが、2人が一線を越える事はありません。
真奈とすみれが一緒のベッドで眠っているシーンで、この作品は百合映画であると思ったりもしましたが、その後のシーンで、百合映画では無いと思ったシーンがあります。
それは、真奈がすみれの実家を訪れたシーンです。
すみれは生前、青いワンピースを着ていました。すると、すみれの母親や遠野が、真奈にすみれが着ていたワンピースを着るように促します。
しかし、真奈はそれを拒否しますが、仕方なくすみれのワンピースを着る事になります。遠野は似合っていると言いますが、真奈は何だがしっくりきていない様子です。
このワンピースはすみれが着ているから良いのであって、真奈には似合わないという事になります。
この時に、真奈はすみれに対して、恋愛感情はあったにせよ、“あこがれ”というのもあったのではないか?と思いました。
管理人
度々、見せる真奈のすみれへの眼差しは、すみれの様になりたいという願望があったと思います。
最初の飲み会で助けてくれた時も、すみれは真奈と違って、男子学生と楽しく話しをして、いつも明るくて笑っています。困っている人がいればすぐに助けてくれる人です。
真奈は、このワンピースが似合うすみれの様になりたいと思ったのではないでしょうか。当然、映画の見方は人それぞれなので、百合映画だと感じる人もいると思います。
またこの映画はPG12指定という事もあり、保護者の助言・指導が必要となっています。
このような岸井ゆきの、浜辺美波が出ており、都内のシネコンでも公開された映画では珍しく、説明があまり無い映画となっている為だと思います。
また、東日本大震災や自殺についても描かれているのも理由の1つだと思います。
『やがて海へと届く』のあらすじ
(以下、映画「やがて海へと届く」のあらすじです。)
『やがて海へと届く』のあらすじ|大切な人の不在
ホテルのバーで働いている湖谷真奈は、数年前に突然、姿を消した親友の卯木すみれの事を思っていました。
ある日、真奈の元にすみれの元恋人、遠野敦が現れます。遠野はすみれの私物を処分するというのです。真奈は遠野とすみれが同棲していたアパートへ向かいます。
遠野はどこかすみれとの別れに折り合いをつけているようですが、真奈は未だに、すみれとの別れを受け入れる事が出来ないでいました。
それどころか、すみれとの思い出がさらに蘇えるのでもあったのです。
『やがて海へと届く』のあらすじ|2人の出会い
真奈とすみれが出会ったのは、大学一年生の頃でした。
消極的な性格の真奈は大学の先輩によるサークルの勧誘に圧倒されていました。そんなところをすみれが助けてくれます。
飲み会の席でも他の大学生たちと馴染めず飲み過ぎてしまった真奈はすみれに介抱してもらいます。そして真奈は次第にすみれに心を許していく事となります。
その後、真奈とすみれは2人で旅行に出かけた際に、すみれが持っていたビデオカメラで、真奈の姿を記録していたのでした。
『やがて海へと届く』のあらすじ|亡くなった人の事
真奈が働いているホテルのバーの店長、楢原から職場に着くのが遅れるという連絡が入ります。それでもお店は楢原がいなくても普段通りの営業をします。
そして、楢原を心配して自宅まで見に行ったシェフの国木田から、楢原が自殺をした事を真奈は知らされます。
仕事にやりがいを感じていたはずの楢原がなぜ自殺をしたのか真奈は理解をする事が出来ず、動揺してしまいます。
以上、「やがて海へと届く」のあらすじでした。
そして、真奈はすみれが最後にいた場所、東北へと向かいます。
果たして真奈はすみれを失った喪失感とどう向き合っていくのか?
続きが気になる方は、実際に映画を観る事をおすすめします。
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『やがて海へと届く』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画「やがて海へと届く」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|普遍的な作品
いつも一緒にいる親友がある日突然消えてしまったら、ずっと気がかりで仕方がないだろうなというのをうまく表現した作品です。
最初は直接的な表現はされていませんが、東日本大震災の前日に、ちょっと海を見に出かけると行って出かけたすみれの消息が分からなくなった事と、次第にすみれの家族や彼女の恋人であった遠野の会話から、すみれは東日本大震災に被災して亡くなったと考えられます。
突然行方不明になり、死亡した事は、すみれの親友で主人公の真奈にとっては受け入れられないのは当然だと思います。
真奈は、すみれの遺品の整理を手伝う過程で、今まで知らなかったすみれの事を知る事が出来ましたが、これはこれで悲しみが深くなったでしょう。
管理人
ただ、真奈は次第にすみれの死を受け入れ、好きな人が出来て一歩踏み出せるようになった点は、彼女にとっての救いなのかもしれません。
人は生きていれば、様々な事が突然、起こると思います。その中で誰しもが避ける事が出来ないのが、人の死であるのではないかと思います。
いずれ自分も、家族も友人も恋人も亡くなってしまいます。そんな時に人は、どのようにして生きていけばいいのかと考えさせてくれる映画でもあります。
人が亡くなっても、その人は誰かの心で生き続けているんだと思わせてくれる映画でもあったと思います。
実際に主人公の真奈は、映画の最後まで、すみれを思い続けていたと思います。真奈は映画の最初から最後まで、すみれを思い続けており、最初は真奈の表情がどこか、遠くにいっているような印象でしたが、映画の終わりには、どこか晴れた表情を見せてくれたと思います。
監督は『四月の永い夢』や『走れ、絶望に追いつかれない速さで』の中川龍太郎。中川監督は一貫として、人の死というものを描いてきたと思います。
今回の『やがて海へと届く』も中川監督がずっと描いてきたテーマがあり、監督のファンとしてはとても満足しました。
管理人
主演の岸井ゆきのの演技も素晴らしいのはもちろんの事、すみれ役の浜辺美波も素晴らしかったです。
すみれは真奈と違って、明るい性格なのですが、実は母親との関係が上手くいっていないなどの影の部分もあり、どこか急にいなくなりそうな、儚い存在感があったと思います。
光と影の部分の演じ分けが、とても良かったです。
また、終盤に女子高生役として、新谷ゆづみが出演しているのですが、かなり華がある方なので、注目していきたいです。
中川監督は女性の俳優を生き生きと映し出しているのが、本当に上手だと思いました。
岸井ゆきのや浜辺美波が好きな人は、絶対におすすめです。
管理人
また、映画の全体の雰囲気がゆったりとした感じなので、じっくりと映画を味わいたいという方にも観て頂きたいです。
また、映像もとても綺麗で、これは中川監督の過去作にも通ずる部分でもあったと思います。また、映画の最初と最後にアニメーションでの演出があり、これには驚きました。
ただ残念だった所は、ドローンでの海の撮影があるのですが、これがただ海を映しているだけと感じてしまい残念でした。
タイトルに「海」が入っていたり、すみれが最後に見た光景が海だったからでしょうか?
何か特別な意味があれば別ですが、ドローンで撮影する意味があったのかと疑問に思いました。
『やがて海へと届く』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
原作は読んでいない状態で映画を見ました。
主演2人の存在感が抜群で、はじめから最後までぐいぐいと引き込まれ、映画の世界にどっぷり浸かったまま楽しむことが出来ました。
身近な人がいなくなってしまったとき、その喪失感をどう扱うかは本当に人それぞれだよなって感じました。
ある人は喪失感を必死に忘れようとするし、ある人はその喪失感を失いたくないものとして自己の中にしまいこんでおく。
過去と現実が行き来して真実が見えてくるミステリー的な要素もあるし、アニメーションを挟み込むという斬新な演出もあるし、見ていていい意味の驚きがあって飽きずに楽しめる映画でした。
映像が美しく、きれいな世界観が印象に強く残りました。
30代男性
★★★★★星5
映画『やがて海へと届く』は、彩瀬まるによって同名小説を映画化するものです。
あらすじとしては、 突然消息を絶った親友の死を受け入れられずにいる主人公が、深い悲しみを抱えながらも前に踏み出そうとする姿を見つめる、喪失から再生へと向かう物語です。
大切な物は失ってからその尊さに気付くとはよく言った物ですが、大切な物だからこそ、簡単に割り切る事は出来ず、いつまでも後悔の澱のような物が沈殿して、前へと進むのを拒もうとします。
それでも、喪った故人からすれば、いつまでも自分の事で苦しんでほしくないと思っているかもしれません。
出逢いと別離を繰り返すのが人間という生き物で、大切な人がいなくなる事と同時に自分の命もいずれ必ず終わる事を自覚して、後悔ないように前を進み始める主人公に勇気をもらいました。
20代男性
★★★★☆星4
親友を亡くした真奈(岸井ゆきの)が知らなかった親友の秘密を追いかけて旅に出るストーリーです。
亡くなった親友すみれ(浜辺美波)は、どこかつかみどころのない女性で、はかない感じの浜辺さんはとてもこの役に似合っていたと思います。
岸井ゆきのさんは若手の演技派女優で、人の内面の機微を演じるのがとても上手かったです。たとえ親友であって、お互いを信頼しあっていてもやはり人の心の中というのはその人にしか分からないものだというのは、自分の人生の経験においても理解できます。
まだ若い真奈は、自分の知らないすみれの秘密に対してやるせないような特別な感情をもつというのも理解できました。脇を固める役者さんにベテランの鶴田真由さんや中嶋朋子さんが登場しているのもとても良かったです。
40代女性
★★★★☆星4
震災をテーマにした原作が彩瀬まるの小説になります。絵画のような雰囲気だと思ったのと、主演が岸井ゆきのさんなので、観てみようと思いました。
主人公が真奈(岸井ゆきの)とすみれ(浜辺美波)という、双子みたいな関係性が物語でした。キャスティングは正解だと思います。
セリフはあまりないからか、津波の言葉は、この映画が何を描いているかインパクト強く感じられました。
自分にとっても身近で、震災というのがどれほどだったかを実感させられました。
真奈が感じるすみれの喪失感は、それ自体が東日本大震災からの喪失感を描いているのを感じました。
震災部分はとても素晴らしく海の美しさに、目を奪われました。
だからこそか、すみれやその他の散っていった命を想いに引き込まれました。
50代女性
★★★★★星5
事前の情報なく映画を鑑賞したので、『やがて海へと届く』の意味に気づいたとき、そういうことかと謎が解け唸りました。
冒頭のアニメーションから切ない雰囲気は何となく感じ取ることができましたが、物語後半で暗い思い出を暗示するかのような映像へと変化していたのが印象的でした。
この物語を要約するとすれば、「喪失」と「再生」の物語といったところでしょうか。
映画を鑑賞していて感じたことは、生活を送る上で不安を感じ辛い日々であったとしても、人は楽しかった思い出を糧に生きているのだなということです。
劇中では、すみれがとっていたビデオカメラの映像や気仙沼のお母さんが撮っていたメッセージビデオなど「記録」が一つのポイントとなっている気がします。
被災はしなかったものの、私も東日本大震災を経験しているので、当時の記憶が蘇りました。記録をするということは、記憶を思い出させるためには必要なことだと思います。
個人的な感想ですが、浜辺美波さんは世の中を上手く生きながら、孤独を抱える人物をよく演じるなと感じます。
今作でも同じように、自分の気持ちは見せずに、上手く立ち回る役でが、常に何かと戦っているのを隠していることも伝わってきました。
時折見せる少し冷めた眼差しがとても印象的でした。
40代男性
★★★★★星5
まず、キャストが推している方が沢山、出演してくれていて嬉しかったです。
そして、卯木すみれ役の浜辺美波ちゃんは演技が他の役者の方よりも一皮もふた皮も剥けていて素晴らしいと思いました。
いつまでも残してるケータイの留守録が儚くてせつない気持ちになりました。
また、震災の事に触れながらも悲しい話で終わらないと言う内容の映画になっていた事がとても素晴らしいと思いました。
震災で被災した方のインタビューで少女が見せた涙の中での力強い言葉に本当に胸がギュッとなってこっちまで涙が溢れました。
久しぶりに、こんな感動する映画に出会えて嬉しかったです。
私は2回観たんですが、2回とも泣きました。感動したい方におすすめの1作だと思います。
20代女性
★★★★★星5
岸井ゆきのさんと浜辺美波さんの共演映画なのですが、凄く良かったです。
真奈とすみれは親友同士だったのですが、すみれがある日どこかへ消えてしまうので色々な感情が一気に芽生えました。
最愛の親友が消えてしまって真奈の気持ちに寄り添って見ていくとすごく切なさが溢れてきます。
自分は岸井ゆきのさんの演技が大好きで色々な作品を見てきたのですが、この作品ほどナチュラルさを感じたことはありません。
浜辺美波さんと二人のシーンはなんだか輝いて見えました。
親友同士という設定なので、その空気感がそうさせたのかもしれません。物語の展開は結構ゆったりとした感じなので癒されます。
彩瀬まるのさんの小説を映像化したらしいので原作も読んでみようと思いました。
30代男性
★★★★★星5
東日本大震災の3年後を描いた湖谷真奈と、親友で東日本大震災中に行方不明になったの卯木すみれの物語です。
真奈はすみれが居なくなり喪失感を抱いたまま3年後を生きています。しかし真奈の周りの人間は3年前のことを忘れようとしている事に苛立って、特にすみれの彼氏だった遠野くんが、すみれのことを”無かったこと”にしようとしてることに憤りを隠せません。
そのことが視聴者にどう映るかは、周りに大切な人を亡くしているかどうかで分かれると思いますが、私は真奈に共感を覚えました。
真奈の心の描写を中心にストーリー展開され、場面場面ですみれの記憶が再現され、真奈の心情が移り行くさまがとても心に刺さります。
物語の最後では”現実を生きてるんだ”と気づかされ、すみれの死を乗り越えた真奈の心情が見れます。自分の大事な人間が死んだ時、どう乗り越えられるか?
視聴者にそんな問いかけをする映画でした。
40代男性
*映画「やがて海へと届く」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
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