映画『余命10年』はひどい?気まずいシーン・実話・作者死亡・病名まで徹底解説!

2022年3月4日公開の『余命10年』。
日本アカデミー賞受賞の『新聞記者』や『ヤクザと家族』などを手がけてきた藤井道人監督の最新作です。
作者の実話をもとにした作品で、小松菜奈と坂口健太郎のダブル主演となっています。
映画『余命10年』の口コミ評判レビューには、
- 結末は予想通りでしたが、それでも泣ける内容
- 映像美やそれぞれの俳優さん達の名演技が素晴らしかった
- 涙無くしては見られない切ない恋愛映画
- 切なさで涙が止まりませんでした
- 今を大切に生きようと言う気持ちになれた
- 原作小説が好きな人にもオススメ
- 小松菜奈さんの演技がとても良かった
- 終わった後にもう一回観たいと思える作品
という声が多数集まっています。
目次
映画『余命10年』がひどいと言われる理由とは?
興行収入約30億円を記録し、2022年を代表する大ヒット作となった本作『余命10年』について、役者陣の演技や実話を基にしたと言われる感動的なストーリー、10年という時間の流れが切り取られた儚くも美しい映像などを高く評価する声が多数あがりましたが、中には「ひどい」という意見も散見されます。
なぜ、そういったマイナスな意見があがってしまうのか?
その理由について考察していきたいと思います。
ひどい理由①余命があるヒロインというありきたりな設定
ひどいと言われてしまう理由の1つ目は、その設定にあると思います。
ヒロインである小松菜奈さん演じる高林茉莉は、難病を患い、余命が10年しか残されていないという設定になっています。
この余命があるヒロインという設定については、『余命1ヶ月の花嫁』、『君の膵臓をたべたい』や最近では『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』などの作品でも類似しており、ありきたりと感じてしまう方が多く「ひどい」という感想につながったと考察できます。
中には、『余命10年』というタイトルを見ただけで鑑賞するのを敬遠してしまうという方もいたのではないでしょうか。
タイトルだけを見て、お涙頂戴のありきたりの映画だと思ってしまう方も多いとは思いますが、しっかりと主人公の茉莉を通して死に直面する若者の苦悩を描いた作品になっていますので、先入観無しで鑑賞することをオススメします。
ひどい理由②セリフの少なさ
ひどいと言われてしまう理由の2つ目は、茉莉のセリフの少なさにあると思います。
今作は比較的セリフが少なく、茉莉の行動や他者との接し方などで死に直面する茉莉の心理を描いています。
そのため、恋人となる和人への気持ちなどが分かりにくいと感じてしまった方が多くおり、「ひどい」という感想につながったと考察できます。
今作を鑑賞する場合、茉莉の表情などを見て、自分なりに彼女の感情を考察していくことが大事ではないかと感じます。
映画『余命10年』の気まずいシーンある?
本作『余命10年』をこれから家族や恋人と一緒に観賞しようとしている人の中には、気まずいシーンがないか気になっている方もいると思います。
基本的に本作には、気まずいシーンというものはほとんどなく、余命10年を宣告され、病に苦しみながらも自分の人生を全うしようとする主人公・茉莉、そんな茉莉のことを受け入れようとする恋人の和人、必死にサポートする家族や周りの仲間などが描かれ、感動間違いなしの内容となっています。
ですが、そんな本作の中でも一応気をつけておいた方が良いシーンを一つだけ紹介したいと思います。
ホテルでの宿泊シーン
映画の終盤で茉莉と和人が旅行に向かい、ホテルに宿泊するシーンがあり、二人が身体を重ねるシーンがあります。
おそらくこれまで茉莉の病気があることから、プラトニックな交際を続けていた二人にとっての初めての夜と考えられるこのシーンでは、派手な濡れ場などはないですが、付き合いたてのカップルや家族で鑑賞すると若干気まずい思いをしてしまうかもしれませんので、注意が必要です。
ハンカチの用意が必須
映画の内容が前述したように涙無しでは語れないものになっていますので、涙脆い人だと号泣してしまう可能性が高いと思います。
そのため、誰かと一緒に観賞する際にはハンカチを準備してから鑑賞することをオススメします。
『余命10年』の実話解説|作者死亡や病名について
本作『余命10年』について、インターネット上では「実話をもとにしているのでは?」という声が多く寄せられています。
果たしてこの噂は本当なのでしょうか?
原作や作者の背景に触れながら、『余命10年』が実話に基づく作品なのかどうか、その真相を詳しく解説していきたいと思います。
小坂流加さんの同名小説を実写映画化
本作は小坂流加さんの同名小説を実写映画化した作品となっています。
『余命10年』は、難病を患ってしまった小坂さんが執筆し、文芸社に自費出版で持ち込みした作品となっており、彼女の実体験など実話を基にしたストーリーとなっています。
ですが、あくまで実話を基にしているというだけであり、全てが実話というわけではなく、恋人の和人など登場しているキャラクターが実在しているかどうかについては明らかになってはいません。
小坂さんは1978年に静岡県三島市で誕生し、幼い頃から小説を書くのが好きな少女だったそうで、静岡県三島市出身や文章を書くのが得意だったという映画の茉莉の設定は実話通りであることが分かります。
作者死亡について
そんな原作者の小坂流加さんですが、前述したように文芸社に自費出版で小説を持ち込み、2007年に無事に書籍化されました。
しかし、その後の2017年2月27日に38歳という若さで亡くなられています。
小説は、2017年に文庫版が発売されましたが、小坂さんが亡くなられたのは文庫版の編集作業が終わった直後だったそうです。
映画化が決定したことで、再び話題を集め、2022年3月の時点で累計の発行部数は80万部を超える人気作となりました。
そんな小坂流加さんですが、気になる死の原因となった病名とは何だったのでしょうか?
死因となった病名について
小坂さんの身体を蝕んだのは、肺動脈性肺高血圧症という病気で2009年に名称変更されるまでは原発性肺高血圧症という名前で呼ばれていました。
この病気は、肺動脈の血管が大幅に縮んでしまうことや血管の内側が狭くなってしまうことによって、血液が流れにくくなってしまう病気で国の指定難病となっております。病気が進行することにより、身体を動かす度に息が苦しくなり、失神してしまうなどの症状が現れ、この症状については映画でも描かれています。
『余命10年』のあらすじ
『余命10年』のあらすじ|難病により、余命10年と宣告されてしまう主人公の茉莉
2011年に短大生であった主人公の高林茉莉は、未だ治療法が見つかっていない難病 肺動脈性高血圧症を発症し、担当医師からは余命10年と宣告をされてしまいます。
同じ病気で入院していた小学生の息子を持つ主婦の礼子の死を目の当たりにした茉莉は、2年間の入院生活を経て退院した後に礼子から託されたビデオカメラで日常の風景を撮影するようになります。
退院してからも定期的な通院と投薬を続けることが余儀なくされる茉莉でしたが、大学時代の友人が退院祝いを開いてくれたことから久々の再会を喜び、親友で出版関係の仕事をしている沙苗からコラム作成の仕事を提案されますが、自信が持てない茉莉は返事を待ってもらうことにしました。
2014年になり、茉莉は中学時代の同窓会に参加し、茉莉と同じく東京に住んでいる真鍋和人、富田タケルと再会します。
茉莉が二次会に向かう途中に飲み過ぎてしまった和人を介抱したことから二人は打ち解けますが、翌日になり、和人が自殺未遂をしたとタケルから連絡があったことから入院している病院へと向かいます。
『余命10年』のあらすじ|苦悩の末に和人と交際することになる茉莉
実家との関係がうまくいかず、仕事も解雇されてしまったことから死を選ぼうとしていた和人に対して、茉莉はショックを受けてズルいと言い残し、病室を後にしてしまいます。
その後、タケルが行きつけの焼き鳥屋げんで和人と再会した茉莉は、和人の謝罪を受け入れ、和人は自分を変えるためにげんで働くことになり、茉莉も沙苗と連絡をとって出版社での仕事をスタートさせます。
茉莉の紹介で沙苗とタケルが交際することとなり、四人で過ごす時間が多くなったことから和人は茉莉に対して恋心を抱くようになります。
しかし、茉莉は日々体調が悪化していくのを感じており、和人からの告白を受け入れることが出来ずにいました。
そんな中、茉莉が倒れてしまい搬送先の病院で初めて病気について聞かされた和人は茉莉を受け入れ、二人は正式に交際をスタートさせます。
同時期に茉莉は自身をモデルとした小説の執筆を始めるのでした。
『余命10年』のあらすじ|突如和人の前から姿を消す茉莉
2018年になり、順調に交際を続けていた茉莉は小説を完成させ、その出来栄えに感動した沙苗は何としても書籍にすることを決めます。
その後、和人とスノーボード旅行に行くことになり、和人は事前に準備していた指輪を渡して結婚のプロポーズをします。初めての夜を過ごし、幸せな時間を過ごしますが、和人が眠った後、茉莉はシャワーを浴びながら号泣するのでした。
翌朝になり、初めて自身の余命について伝えた茉莉はこれ以上一緒にいると死ぬのが怖くなると告げ、和人の元を去るのでした。
果たして、二人の恋の行方はどうなってしまうのか?
そして、茉莉に残された時間とは?
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
映画『余命10年』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
感想評価(※ネタバレ有)|小坂流加さんの同名小説を実写映画化した話題作
『余命10年』は、小坂流加さんの同名小説を『新聞記者』や『ヤクザと家族 The Family』で知られる藤井道人さんが実写映画化した作品となっています。
公開当時、小松菜奈さんと坂口健太郎さんの共演や人気ロックバンドRADWIMPSが今作のために書き下ろした新曲が主題歌として起用されるなど話題を集め、興行収入30億円という大ヒットを記録しました。
そんな本作は、タイトル通り難病によって余命10年と申告された小松菜奈さん演じる主人公の高林茉莉が入院先で同じ病気と闘っていた女性の死を目の当たりにし、自分の残りの時間を考え始めるところから始まります。
『余命1ヶ月の花嫁』や『余命1年の僕が余命半年の君と出会った話』などこれまでも難病を患ってしまったヒロインの姿を描いた作品はありましたが、本作は余命が10年ということで短くもなく、決して長いわけでもない残された時間の中で自分の人生を必死で苦悩する主人公の姿が描かれています。
そんな主人公の茉莉の前に現れるのが、茉莉とは対照的に健康体でありながら家族や仕事がうまくいかず、自ら死を選ぼうとしていた坂口健太郎さん演じる真部和人で、茉莉と出会ったことから自分を取り戻し、人生をやり直していく姿が描かれていきます。
不器用ながら心優しく感受性豊かな和人のキャラクターは坂口さんの雰囲気に合っており、ハマり役だと思います。
やがて、交際することになっていく二人ですが、和人とうまくいけばいくほど、自分の残りの時間を考えて苦悩する茉莉の姿を小松菜奈さんが繊細に演じており、観客の涙を誘います。
そして、幸せが絶頂の旅行の翌日に茉莉は和人の元を去ります。
和人のことを愛しすぎて、死ぬのが怖くなってしまうという茉莉の純粋な気持ちは誰しもが共感できるのではないでしょうか。
映画の終盤では、茉莉が自身を題材にした小説を完成させ、親友の沙苗が焼き鳥屋をオープンさせた和人に渡します。
小説を読んだ和人は急いで茉莉の入院先を訪れ、二人きりで最後の時間を過ごすという展開となります。
ラストは、和人が茉莉と一緒に訪れた桜並木を歩きながら、茉莉の面影を感じ、これからの時間を彼女の分まで精一杯生きていくという和人の決意を感じさせる素晴らしいシーンで締めくくられます。
単なるお涙頂戴の作品ではなく、生きることの喜び、死ぬことの恐怖が繊細に描かれた作品となっています。
映画を鑑賞して、自分の人生を振り返るきっかけにするのも良いのではないでしょうか。
『余命10年』のみんなの口コミ評判レビュー
映画『余命10年』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「タイトルからもラストが予想できているからこそ、終わってほしくないという気持ちが強くなって見入った」「自分は生きている時間を大切にできているだろうかと考えさせられた」「ただの感動映画、恋愛映画ではない」「悲しい、可哀想という感想だけではなくいろんな感情が湧き出た」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
前々から原作小説自体は、本屋さんでよく見かける作品でした。友人や知人からも「めっちゃ泣けるから是非見に行って!」といわれ続け見に行きました。
本編には2つのストーリー的展開があると考えます。
まず、1つめはタイトルから読み取れる難病にとりつかれた20歳のヒロインのラストの10年間を描いたものです。
もう1つが、そのストーリーと同時平行で進むのが、たよりのない男性が自立していく経過です。
本編を見ていて一番に思ったのは、「余命10年」をまだ十年もあると考えるかもう10年しかないと考えるかの違いです。
本編のCMでは、病気になっていた際のつらいところが多く、投影されていたので、もう「余命10年」と捉える方が多いのではないかと思います。
実際本編を観てみて、まだ「余命10年」と捉えるか「もう余命10年」と考えるかが人によって分かれるなと考えさせられる作品でした。
20代女性
★★★★☆星4
映画宣伝時から、題名を見て、これは泣ける映画だろうなと心して映画館に向かったのですが、案の定次から次へと涙がこぼれてきました。
まず、主役の2人がぴったりの相性、そして精神を削って演じられている印象を受けました。役にどっぷり入りきって、大物俳優さん方が演じておられる姿は圧巻です。
また、恋愛だけでなく、家族間のやり取り、関係性もとても印象強く、自分の家族だったら自分はどうするだろうかなと振り返りながら見ていました。
治療法を必死に探すなかでも、不治の病というのはこの世に存在している。その現実にどう向き合い、どう支えていくのか。
それぞれの立場の人間がそれぞれ一生懸命生きた証がこの作品に詰め込まれているように感じました。
一回観に行くだけでも結構グッとくるところがあり、自分の人生において問いかけられるものがありました。
20代女性
★★★★★星5
「余命10年」は、主人公、小松菜奈さん演じる高林茉莉さんが、余命10年を宣告された中での生きていく物語。
実話をもとにした映画で、公開される前からとても気になっていた映画でした。
余命を宣告されながらも、自分の余命と向き合いながら必死に生きる茉莉さんと、茉莉さんを支える和人や、家族や友達の温かさに何度も心を打たれました。
私も今とても大切な友達が、病気と戦っていて、5年の生存率が50%と言われていながらも自分の命と向き合って強く生きています。
その姿と重なって、とても強く心に響く映画でした。映画を観ている際中に、何度も。私はその友達に何が出来るのか。という事を何度も。何度も考えました。
そして、1番は、一緒に強く生きる事かな。と思いました。
小松菜奈さん、本当に素敵な演技でした。観に行って良かった。映画にしてくれてありがとうと思います。
10代女性
★★★★☆星4
余命が宣告された主人公が、残りの人生を精一杯過ごすというストーリーは、これまでに何度も使い古されてきたものだと思いますが、それでも泣けました。
長期間に渡って撮影していたこともあって、だんだん小松菜奈演じるまつりの身体が本当に細くなっていくところや、周囲が悲嘆する中で「どっちの方が可哀想なんだろう」と声を漏らす茉莉にうるっとしてしまいました。
脚本が岡田惠和だと鑑賞後に知り、「なるほど、だから泣けるわけだ」と思いました。映像自体もとても美しく、出演している俳優たちの魅力もよく伝わってきました。
言葉を多用せず動きで悲しみや苦しみを表現していることや、ドキュメンタリーっぽさを出すためのビデオカメラでの撮影が含まれています。
よりリアルに感じる内容でした。
30代女性
★★★★★星5
小松菜奈さんに見入ってしまいました。若いかわいい女優さんなんて言っていたら失礼ですね。女優としての凄みすら感じさせる迫真の演技でした。
見に行く前から泣いてしまうだろうと自分で覚悟していたので、タオルを持って鑑賞しました。案の上、途中から頭の中の想像だけでも泣いてしまいました。
鑑賞後は、さんざん涙を流してすがすがしい気持ちになり、人が人を想う気持ち、やさしさに胸がいっぱいになり、とてもあたたかい気持ちになりました。
藤井直人監督、今大注目の監督ですが、流石でした。見てよかったです。
10年という期間を、130分程度の映画の中で一緒に体験しているような気持ちにさせる演出が見事でした。
とてもいい映画だと思います。
30代男性
★★★★☆星4
映画『余命10年』というタイトルを観て、きっとお涙頂戴系のありきたりな物語なんだろうなぁ…と思いました。
確かに結末は予想通りで、泣ける内容でした。ですが、とにかく映像美やそれぞれの俳優さん達の名演技が素晴らしかったです。
特に小松菜奈さん。死に向かって生きていく中で、人の強さや弱さがヒシヒシと伝わってきて、とても胸が詰まる思いになりました。
近くに居る人を大切にしなくてはいけないこと、日々懸命に生きていかなくてはいけないことに気付かされました。
そして小松菜奈さんの家族役の松重豊さん、原日出子さん、黒木華さんが本当に脇役とは思えない程の素晴らしい演技でした。
全体的に良い映画でしたが、強いて言うなら…
現在医療現場で働いていますが、デスクワークなどの比較的安静時と言える場面では酸素吸入しているのに、坂口健太郎さんとのデートシーン(しかも雪山)では酸素を付けずに動き回るのって…そこがドラマだなぁと思ってしまい、少し冷めてしまいました。
でも、いろんな人にオススメしようと思えた素敵な映画でした。
30代女性
★★★★☆星4
映画『余命10年』は小松奈々と坂口健太郎の演じる、涙無くしては見られない切ない恋愛映画です。
病気で余命ものの映画はこれまでにもたくさんあり、結末も想像できるような展開ではありました。
しかし、そのなかでも小松奈々演じる茉莉が「もっと生きたい」と泣くシーンに胸を締め付けられる思いでした。
私は、この映画を交際相手と見に行きましたが、見終わった後には自分の置かれている環境の幸せさをかみしめ、彼を大切に思う気持ちが溢れました。
一方で彼は、茉莉が余命が10年であることを言わずに和人と付き合ったのは少しひどいのではと語っていました。基本的に茉莉に焦点をあてている映画でしたが、和人に感情移入してみると茉莉の行動の矛盾点が見つかるという点では、賛否両論のあるストーリー展開であったと思います。
この物語の主人公茉莉が患っている肺動脈性高血圧症は、原作の作者小坂流加さんも同じ病気を持っていたそうです。
作者がこの物語を誰に向けて、どんなことを思いながら書いたのだろうと思うと、より切なく、より深く考えさせられるような作品です。
20代女性
★★★★★星5
難病にかかってしまって余命10年と宣告された茉莉が、最初はその運命で投げやりになっている部分がありました。
しかし、同窓会で和人と再開して恋に落ちた事で現実を生きていこうとする展開が優しくて悲しく、運命の残酷さを感じさせられました。
和人と茉莉の一緒にいたいという気持ち、時間の流れを感じさせてくれる四季折々の映像が、2人の過ごしてきた10年を彩っています。
映像に併せて劇中に流れる音楽も雰囲気を盛り上げてくれるので、こういった余命物の映画としては、全体的に完成度が高い作品です。
リアリティーを出しながら、映像作品としての美しさを兼ね備えており、その構成が作品の中で10年の年月を描ききっています。
茉莉と和人のカップルがいい感じであるので、結末を考えると、もう少し2人の時間を与えてあげたい気持ちになりました。
40代男性