『ルックバック』の最後の4コマの意味とは?京アニ事件の酷似で炎上した件など元ネタも解説【あらすじネタバレ感想評価】
2024年6月28日公開の映画『ルックバック』。
週刊少年ジャンプにて連載された『チェンソーマン』の作者として有名な藤本タツキによる原作漫画をアニメ映画化。
原作は少年ジャンプ+で143ページの読切り漫画として出されたもので、漫画を描く2人の女性の人生を約60分の上映で描かれています。
映画『ルックバック』の口コミ評判レビューには、
- 想像していたよりもとても面白かった
- 心に深く響く作品
- 藤本さん独特のコマ割りや表現力も圧巻
- 短編ながら感情が揺さぶられる作品
- 声優ドンピシャで違和感なく楽しめた
- 世の中のすべての大人たちに観てほしい
- 心が揺さぶられた
- とても素敵な作品
という声が多数集まっています。
- 最後の4コマの意味を考察解説
- 京アニ事件の酷似で炎上した?元ネタ解説
- 『ルックバック』のあらすじ
- 『ルックバック』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
もし、まだあなたが一度も映画『ルックバック』を観ていないなら、まずはネタバレとあらすじ・感想評判の前に作品を観ておくことをおすすめします。
U-NEXTなら、初回付与ポイントを使って新作品も実質無料で観ることができますよ!
見放題作品もあり、おすすめです!
▼今なら見放題作品かも!映画『ルックバック』の配信チェックはコチラ▼
最後の4コマの意味を考察解説
終盤では、不審者によって殺害されてしまった京本の部屋を藤野が訪れます。
自分と出会わなければ、京本は殺さずに済んだのではないかと苦悩する藤野の姿が描かれ、藤野の妄想なのか、はたまたパラレルワールドなのか分かりませんが、卒業式の日に藤野と顔を会わせることのなかった世界線の京本が美術大学で不審者に襲われそうになっているところを藤野に救出されるという展開となります。
その後、藤野はある四コマを見つけるのですが、これは果たして誰が書いた漫画だったのでしょうか?
そして、その漫画の意味とは何だったのでしょうか?
考察していきたいと思います。
①京本自身が書いたもの
四コマ漫画は京本が書いた可能性が高いと思います。
考察にはなってしまいますが、パラレルワールドで藤野に救われた京本は、小学生時代に大好きだった京本の漫画に影響を受けて、四コマ漫画を描きます。
その漫画がなぜかパラレルワールドから届いたのではないでしょうか?
この考察では、パラレルワールドが藤野の妄想ではなく、実在していたものだと考えられます。
②藤野自身が書いたもの
四コマ漫画を藤野自身が書いた可能性もあります。
「もし京本と顔を卒業式の日に合わせることがなかったら」、そんなことを頭の中で妄想し続ける藤野が美術大学で不審者から京本を救い、その影響を受けて京本が四コマ漫画を描いたらと考えながら、自作自演で漫画を描いたのではと考察できます。
最後の空白の四コマ漫画の意味とは?
四コマ漫画が誰が書いたのかについては2通りの考察をさせて頂きましたが、①の京本が書いた可能性が高いと考えられます。
「背中を見て」というタイトルがつけられた四コマ漫画の内容については、不審者に襲われそうになった京本を藤野が飛び蹴りでかっこよく救出しますが、背中には鎌が刺さっており血だらけだったというブラックユーモアな漫画となっています。
この漫画は藤野が書いていた四コマの影響を強く感じさせる内容となっており、例え京本はどんな世界線にいたとしても、藤野に感化されていただろうということが示唆されています。
また、「背中を見て」というタイトルですが、部屋に入った藤野が振り返ると、そこには背中に自分のサインが描かれた半纏がドアに掛かっていました。
藤野が京本の背中を見て、必死に絵の練習をしていたように京本も藤野の背中を見てその才能に付いていけるように必死に努力をしていました。
追いつこうと必死だった京本が実は自分の背中を見て、努力を重ねていたことを知り、藤野は決意を新たにして亡くなった京本のために漫画の連載を再開させたと考察出来ます。
ラストシーンで、仕事場のガラス窓に貼りつけた四コマが空白だったのは、初めて京本にファンだと打ち明けられた四コマ漫画を描いていた頃の純粋な気持ちを絶対に忘れないようにしたいという気持ちの表れだったのかもしれません。
終盤はかなりセリフが少なくなり、一つ一つのシーンの意味について明言されることはない作品ですので、解釈は人それぞれだと思います。
映画を鑑賞して自分なりの答えを見つけるのも良いのではないでしょうか。
京アニ事件の酷似で炎上した?元ネタ解説
本作の終盤で山形にある美術大学に通っていた京本は、「自分の作品をパクられた」という言いがかりをつけた不審者に襲われ、命を落とすというシーンがあります。
この事件は、2019年に発生し、70名もの方が死傷した悍ましい事件である「京都アニメーション放火殺人事件」を元にしていると考えられます。
犯行の理由は犯人の小説を京都アニメーションが盗用したという言いがかりのような理由であり、原作の作者である藤本タツキさんはこの事件に強い憤りを感じていたと考えられます。
原作は、2021年の7月19日に公開されており、「京都アニメーション放火殺人事件」が発生したのは漫画公開前日の日付である2019年の7月18日であることから、追悼の意味で作品を書き下ろしたのではないかという声も上がっています。
ちなみに原作が公開された当時、犯人について統合失調症や精神病を思わせる描写だったことから、病気を抱えながら生活している方からの抗議がありました。
また、「京都アニメーション放火殺人事件」を彷彿とさせる内容であったことから前置きが欲しかったという抗議もあり、それらを踏まえて発売元の集英社が謝罪文を投稿、修正版が再度発表される騒ぎとなりました。
しかし、この修正版の発表に今度は藤本タツキさんのファンが抗議し、炎上することに。
この炎上を踏まえて、2021年9月には単行本版が発売され騒ぎは収束することとなりました。
作品の完成度があまりに高いが故の現状であったと言えます。
Oasisの名曲
原作漫画では、最初のマスにDon’tという言葉が黒板に書かれ、最後のマスの隅の方に描かれた本にはIn Angerと書かれており、タイトルの「ルックバック」と繋ぎ合わせると、“Don’t look back in anger”となることから、イギリス・マンチェスター出身の世界的ロックバンドOasisの名曲“Don’t look back in anger”をオマージュしていることが分かります。
1996年にリリースされ、全世界で300万枚以上の売り上げを記録し、現在もなお世界中で愛されるこの楽曲は2017年にマンチェスターでの自爆テロが起きた際の追悼集会で使用されたことでも話題となりました。
原作者の藤本タツキさんは「京都アニメーション放火殺人事件」の追悼の意味でこの楽曲をオマージュしたのかもしれません。
直訳すると「怒りを持ちながら振り返らないで」というタイトルになりますが、憎しみを持ち続けて過去を振り返るのではなく、前を向いて京本のためにも漫画を描いていこうとする藤野の気持ちを代弁しているようにも思えます。
そんなOasisですが、2024年8月に15年ぶりに再結成し、ツアーを行うニュースを発表し、世界中のロックファンを喜ばせました。
まだ、Oasisの楽曲を聴いたことがないと言う方がおられましたら、この作品をきっかけに彼らの名曲の数々を堪能してはいかがでしょうか。
クエンティン・タランティーノ監督の名作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
原作漫画の最後のマスには、クエンティン・タランティーノ監督の名作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のジャケット写真が小さく描かれています。
今作は1969年に女優シャロン・テートがチャールズ・マンソン率いるカルト教団に殺害された事件をモデルにもしもシャロン・テートを救出することが出来たらという世界が描かれますが、『ルックバック』の後半でもしも藤野が京本を不審者から救うことが出来たらという世界が描かれる展開は明らかに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に影響を受けていることが分かります。
この他にも、藤野と京本が初めて顔を合わせた際の帰り道、藤野が雨の中、踊りながら帰るシーンはジーン・ケリーの名作『雨に唄えば』をモチーフにしているのではないかという声もあります。
他にも様々な作品をモチーフにしていると言う声もありますので、今作をきっかけにそれぞれの作品を鑑賞してみるのも良いと思います。
『ルックバック』のあらすじ
(以下、映画『ルックバック』のあらすじです。)
『ルックバック』のあらすじ|学年新聞に漫画を掲載する小学生・藤野
小学4年生の主人公・藤野は学年新聞に4コマ漫画を毎週連載しており、その画力やストーリーについて友人から高い評価を受けていました。
ある日、担任教師から呼び出され、4コマ漫画の枠を半分だけ不登校になっている京本に譲ってほしいと言われます。
不登校の京本を見下した様子で漫画を描くのは簡単じゃないと言いながら受け入れる藤野でしたが、後日掲載された京本の画力は凄まじく藤野は圧倒されます。
クラスメイトからの京本に比べると藤野の絵は大したことないという言葉にショックを受け、その日から藤野は毎日絵の練習に没頭する毎日を送ります。
兄弟やクラスメイトからの助言も無視して絵に没頭し、遂に6年生になりますが、京本との画力の差は一向に縮まる様子はなく、遂に藤野は漫画を描くことを辞め、空手教室に通い始め、卒業までクラスメイトや家族との時間を楽しむようになります。
『ルックバック』のあらすじ|京本と一緒に漫画家としての活動をスタート
卒業式の日、担任から一緒に漫画を掲載していた仲ということで卒業証書を京本の家に届けてほしいとお願いされる藤野は嫌々ながら京本の家に向かいます。
卒業証書を置いて家を出た瞬間、京本が部屋から出てきて初めて二人は顔を合わせることになります。
京本は藤野の漫画の大ファンであることを告げ、サインをしてほしいと伝えます。
藤野は京本というファンに出会ったことから、再び漫画を描き始めるようになり、「藤野キョウ」というペンネームで二人で作品を製作するようになります。
中学生になり、1年をかけて完成させた「メタルパレード」が漫画雑誌のコンクールに入選し、高い評価を受けます。
以降、読み切り漫画が掲載されるなど、二人の漫画家としての活動は順調に進んでいました。
高校卒業後、連載漫画のスタートを雑誌編集者から打診され、藤野はやる気満々でしたが、京本は美術大学に通いたいという希望を藤野に涙ながらに伝えるのでした。
『ルックバック』のあらすじ|プロの漫画家として活躍をする藤野の元に届く不幸な報せ
進路の違いからコンビ解消となった二人。
藤野はプロの漫画家として漫画「シャークキック」の連載をスタート、京本は山形の美術大学に通うことになります。
藤野の「シャークキック」は紆余曲折がありながらも長期連載となり、アニメ化もされるなど人気漫画となります。
いつものように自宅で執筆を行う藤野でしたが、ニュースで山形の美術大学に不審者が侵入し、12人の学生が殺害されるという事件を知ります。
藤野の悪い予感は的中し、京本は不審者に襲われてしまい、命を落としてしまっていました。
葬式に出席し、京本の部屋を訪れた藤野は自分が卒業式の日に出会って外の世界に連れ出さなければ、彼女が死ぬことはなかったと自分を責めます。
それから「もし卒業式の日に顔を合わせることがなければどうなっていたのか」、そんなパラレルワールドが展開されていくのでした。
以上、映画『ルックバック』のあらすじでした。
▼参考▼初月31日間の無料トライアルあり!映画『ルックバック』を今すぐ観したいならコチラで配信チェック▼
『ルックバック』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『ルックバック』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|人気漫画家・藤本タツキさんの同名漫画を押山監督がアニメ映画化
本作『ルックバック』は、『チェンソーマン』で知られる新進気鋭の人気漫画家・藤本タツキさんの同名漫画をアニメーション映画化した作品となっています。
元々ジャンプ+の読み切り作品として発表された作品でその完成度の高さからネット上で大変な話題を呼んでいましたが、原作にほぼほぼ忠実なストーリーが展開されていきます。
非常にシンプルなストーリーなので、原作を読まず前情報なしでも十分に楽しむことが出来ます。
前半では、漫画を描くのが得意な小学生・藤野が不登校でありながら小学生離れした京本の画力に圧倒され、親やクラスメイトの心配をよそに絵を描くことに没頭する姿が描かれます。
昼夜・季節問わず、スケッチブックに絵をひたすら描き続ける藤野の姿について、部活動や創作活動など何かに没頭した経験がある方は非常に共感を覚えると思います。
その後、藤野は初めて京本と顔を合わし、京本が自分の漫画の大ファンであることを知り、「藤野キョウ」というペンネームで二人で漫画家としての活動をスタートさせます。
独特なアニメーション表現で高い評価を受ける押山清高さんが監督を務めており、原作を活かしながらも躍動感たっぷりに二人の姿が描かれていきます。
特に京本が自分のファンであることを知った帰り道に藤野は雨にも関わらず踊りながら帰るのですが、このシーンのアニメーションが特に素晴らしく誰かから褒められた時の思わず踊り出したくなる感覚を見事に表現していると思います。
そして、後半では高校卒業後の進路をきっかけにコンビを解消し、それぞれの道を歩んでいく姿が描かれていきますが、順調にプロの漫画家として活躍している藤野に美大に通っていた京本が不審者によって殺害されてしまうという不法が届きます。
タイトルの通りに過去を振り返っていく(ルックバック)藤野は自分とあの日出会わなければ京本は殺されずに済んだのではないかと苦悩し、もし藤野と京本が卒業式の日に出会わなかったらというパラレルワールドが展開されていきます。
このパラレルワールドが藤野の妄想なのか何なのかについては明言されることはありませんので、それぞれの解釈になると思いますが、パラレルワールドでは不審者に襲われそうになった京本を藤野が救い、二人がこれから漫画を描いていくのではないかという予感をさせる展開になっていきます。
パラレルワールドで京本が書いていた4コマ漫画は藤野の作風そっくりで、自分が京本に影響を受けていたように京本も藤野の影響を受けており、どんな世界線であれ、どこかで繋がり刺激し合っていたことが示唆されます。
何かを吹っ切った様子の藤野は休載していた漫画を再び描き始めるシーンでエンドロールが流れ、映画は終わりを迎えますが、このラストでは自分の最大のファンであり、誰よりも影響を与えてくれた京本のためにも全力で漫画を描くという藤野の決意が感じられ、涙なしでは語れない素晴らしいシーンになっていると思います。
原作を知らないという方はもちろんのこと、原作を読んでいて結末も知っているという方にも全力でオススメしたい作品となっています。
『ルックバック』のみんなの口コミ評判レビュー
『ルックバック』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「GMや色合い、キャラクターたちの動き全てとってもとても魅力的」「セリフが少なくてもキャラクターの感情がしっかり伝わってきた」「また何かを頑張りたいと思う気持ちにさせてもらえた」「藤本先生ファンならではの喜び要素があり面白かった」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★★星5
原作を読んでから映画を観ました。
自分の才能が一番だと信じていた小学生の頃に、本物の天才に出会ってしまった主人公の心の内を、映画では音楽によってさらに深く描写しています。
特に主人公が思いがけない言葉で有頂天になってしまうシーンは、思わず自分までスキップして踊ってしまいたくなります。
主人公と天才が共に漫画家としての道を歩み始め大成した矢先、二人は別の道を選ぶことになります。
しかし後悔先に立たずで、物語は取り返しのつかない終盤は向かっていきます。
あのときにああしていればという無念は、人生のいろんなシーンで湧き起こります。
しかしそう思ったとき、大抵は既に修復できないほど時間は経過してしまっています。
過去のいつかの無念を晴らすために人間は生きているんじゃないかと思わせてくれた映画です。
20代女性
★★★★★星5
友人からにオススメされて観に行きました。
簡単なあらすじだけ聞いていたのですが、思っていた以上の内容で、少しショックな部分もありましたが、とても良い作品だと思いました。
何か芸術活動や、何かをするために努力をしたことのある人ならきっと刺さる映画だと思います。
私は号泣しました。
何かを好きだと思う気持ちと、それを続けられることはとても素晴らしいことだと思います。
そして、共に頑張る相手や、ライバルのような「この人には負けたくない」と思える相手がいることで、きっと本来の自分が出せる以上の実力が出せるのではないかなと思います。
昔、何かを頑張っていた情熱が蘇り、また何かを頑張りたいと思う気持ちにさせてもらえました。
また、命はいつまでもあるわけではないので、やりたいことがあれば、やりたいと思ったその時にやるべきだなとも思いました。
30代女性
★★★☆☆星3
世間的にはかなりの高評価を受けていて、海外でも評判なようですが、個人的にはどこがそんなにも素晴らしい映画なのかよくわかりませんでした。
全く面白くないかと言えば決してそんなこともないのですが、絶賛されている感想を見聞きする度に首をひねらずにはいられません。
実際に起こった痛ましい事件を彷彿とさせるシーンがあり、ネットでもよく話題に上がっていましたが、それも唐突にねじ込んだようにしか思えなくて、ただ悲しい演出を入れたかっただけにしか見えず、どこか滑稽に感じてしまいました。
青春ものとしても中途半端な印象で、夢に向かって邁進するという少女の姿は有り触れていて、そこにこの作品ならではの魅力は感じませんし、青春や成長を描くストーリーだったら、もっと優れた作品が他にもありそうな気がします。
また、「クリエイティブな活動をしている人にこそ響く」という意見も散見されますが、趣味で十年以上創作活動をしている私には全く響くものはありませんでしたし、主人公少女の自責や葛藤もあまり共感できませんでした。
私は過去に藤本タツキ作品の漫画を読んだことがありますが、彼の独特な雰囲気や台詞回し等の魅力は、アニメーションにすると半減してしまうのかもしれません。
紙面だからこそ活かせる「間」であったり、心惹かれる表現力なのかもしれないと、この映画を観て感じました。
個人的にはあまり楽しめない映画でしたが、これだけ世間からの高評価を得ている作品でもあるので、おそらく多くの人にとって及第点以上の出来ではあるでしょうから、観ても損はないと思います。
40代男性
★★★★☆星4
原作者は『チェンソーマン』や『ファイアパンチ』の作者、漫画家・藤本タツキの漫画がアニメ化となった作品です。
学生新聞で4コマ漫画を連載してクラスからも認められている小学4年生の藤野と不登校の生徒、京本。
ある日先生から京本の4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられることから、正反対の二人が漫画を通して繋がっていきます。
全体的に説明やセリアが少ないので、雰囲気で理解していくような作品です。
どんどん増えていくスケッチブック、雪の中をコンビニ、京本の東北訛りのしゃべりなど、細かい演出が妙にリアルで、儚くひたむきな印象を覚えました。
漫画では3コマ程度だった帰り道のシーンがしっかりと描かれていて、二人の仲を深める大切なシーンだったと思います。
二人の漫画を描くことに対する情熱と藤野と京本の友情が映像全面に押し出されています。
クライマックスのシーンもセリフが少ないのにも関わらず、二人の思いがしっかりと伝わってきました。
絵を描いていた人も、そうでない人も心揺さぶられる作品だと思います。
30代女性
★★★★★星5
私は普段はあまりアニメ作品は観ないのですが、映画『ルックバック』は「漫画を描くことが大好きな二人の女の子の物語」と知って興味を持ち鑑賞しました。
主人公の藤野は田舎の小学生。
漫画を描くことが得意で学校新聞に連載している四コマ漫画はいつもクラスメイトから好評です。
ある日、京本という名の不登校の生徒も学校新聞に四コマ漫画を描くことになりました。
藤野は自分よりはるかに画力の高い彼女の作品に打ちのめされます。
そして卒業式の日、いままで会ったことがなかった二人はついに出会い…。
実は私も小学生の頃に友達と一緒にノート漫画を描いていました。
なので主人公の二人が雑誌社に漫画の持ち込みに行ったときの「作品を完成させられただけでもすごい」という編集者の言葉には大きくうなづきました。
藤野と京本が熱心に漫画を描くシーン、一緒に過ごす日々は自分の十代の頃を思い出し、甘酸っぱくてちょっと切なくなります。
二人の進む道が違ってきてからの展開は辛く悲しくて観ていて涙がこぼれましたが、「もうひとつの世界線」という希望は残されたかもしれません。
世の中のすべての大人たちに観てほしい作品です。
50代女性
★★★★★星5
漫画を描く少女たちの数奇な人生を描いた物語です。
漫画が発表された当時、アプリから無料で読むことができたのであらすじを知っている人が多いかと思います。
映画では彼女らの出会いから別れまでを、漫画を誇張をすることなく丁寧に描いていきます。
春夏秋冬どんな天気の日でも、周りにどんなに冷めた目で見られようと、主人公の藤野は諦めず毎日毎日描き続けます。
そしてある日、下手の横好きとしか思えないような漫画は、天賦の才を与えられた京本に刺さるのです。
大人になればなるほど私たちは新しいことに挑戦できなくなります。
最初から上手くできればいいけれどできなくて、そんな様子を誰かに見られるのが恥ずかしくて、結局できることしかやらない、しない人間になってしまいがちです。
馬鹿にされても恥晒しでもやりたいことに突き進んでいく藤野は誰よりも強いです。
そんな気持ちにさせられた映画でした。
20代女性
★★★★☆星4
私は映画好きというわけではなく、たまに見るくらいのほうです。今回話題になっているので見てみました。
絵のタッチなどは元々好きなジャンルではありませんでした。
また、青春ものの映画もあまり見る方ではありません。
ただみているうちに映画の世界にどんどんと引き込まれていくのがわかる作品でした。
初めて京子が出てきたとき、4コマ漫画を褒められて、内心はものすごく嬉しかったけど、それを表情では隠す仕草や、キャラクターの表情など感情表現がとても素晴らしく魅力されました。
主人公が雨の中、スキップで帰り、着替えるのも忘れて漫画に打ち込む姿。
スキップで帰るシーンは自然と笑がこぼれてしまいました。
また、京子は美大に行って帰ってくるものだと思っていたんですが、まさかのラストも衝撃で、最後のシーンは見る人それぞれが考えさせられるものだったと思います。
30代男性
★★★★★星5
公開されてから割とすぐ観に行きました。
事前情報も全く入れず行ったので、藤本先生の作品という事も知らず。
ポスターを見た時は男の子2人のお話だと思っていましたが、始まって暫くしてから、女の子だと気付きました。
ストーリー的には、学生新聞に4コマ漫画を描いている女の子藤野と、藤野がきっかけで4コマ漫画を描き始めた不登校の女の子京本が出会い、2人で力を合わせ漫画を描き人気コミックの作品に受賞し、漫画家になっていくというお話です。
藤野が京本の家に卒業証書を届けに行き2人は出会うのですが、京本は藤野に強い憧れを抱いており、凄い訛った方言で藤野のイラストがどれだけ良いかを熱弁しているシーンが、とても可愛らしく、藤野も満更でもない感じで微笑ましかったです。
受賞して手に入れたお金を握りしめて、2人で遊びに行くシーンもなんだか親のような目線で観てしまっていました。
京本が早くして亡くなり絶望する藤野には涙なしでは見られませんでした。
でも前を向いてまた漫画を描いていく藤野。
2人の大切な作品が進んでいくのかと私もその作品を読みたくなりました。
とにかく絵が滑らかでとても綺麗だという印象がずっとありました。
また、藤野の藤、京本の本で、藤本先生の名前になったり、2人が出している単行本の表紙がチェンソーマンと一緒だったりと、藤本先生ファンならではの喜び要素があり面白かったです。
10代女性
*映画『ルックバック』のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
▼連休に最適!『ルックバック』を今すぐ観るならコチラで配信チェック▼
▼細田監督映画作品の特集▼