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『ある男』のラストシーン(最後のセリフ)を考察!キャスト相関図やあらすじネタバレ感想評価

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2022年11月18日公開の映画『ある男』。

結婚した夫の戸籍が全くの別人だったことから発展していくストーリーで、原作小説は第70回読売文学賞に選ばれました。

他人として生きた男の人生を巡るミステリー映画で主演は妻夫木聡。

報知賞では作品賞、ヨコハマ映画祭では脚本賞と撮影賞を受賞しました。

映画『ある男』の口コミ評判レビューには、

  • ミステリーではなくシリアスなヒューマンドラマ
  • 人々の色んな人生の葛藤の姿をうまく融合させた作品
  • 近年を代表する邦画
  • 最後は、明確な答えが欲しかった
  • 非常に面白くテンポ良く進んだ
  • 俳優陣も実力派揃いで、中弛みなく、素晴らしい作品
  • 最後のシーンには少しゾッとした
  • ミステリー要素の部分は薄く若干拍子抜け

という声が多数集まっています。

この順番でチェック
  • 映画『ある男』のラストシーン(最後のセリフ)を考察
  • 映画『ある男』の谷口の霊が見えたことやタイトルの意味について
  • 映画『ある男』のキャスト相関図
  • 映画『ある男』のあらすじ
  • 映画『ある男』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)

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ある男|ラストシーン(最後のセリフ)を考察

まず、映画『ある男』と原作小説の『ある男』では、それぞれの登場人物で語られていない描写というのが多々あります。

その為、意味深な部分も多く中々映画だけでは読み取れない部分もありました。

ラストシーンの最後のセリフの意味とは?果たして、ラストシーンで何故城戸は谷口の経歴を語っていたのでしょうか?

管理人

BARにいる城戸が最後に名前を名乗ろうとしたところで映画は終わりました。

まず、最後のセリフの続きは恐らく「谷口」の名前を名乗った事と思われます。

原作小説ではこの部分のシーンの内容があり、城戸が谷口の経歴を語る部分が一番初めに描かれています。

そして、そこでは「他人の傷を生きることで、自分自身を保っている」為に嘘をついて谷口と名乗っていたことを話します。

原作小説で城戸は何もかも捨て去って別人になることに興奮する描写があったりと、別人になることに興味を抱いているのです。

これは映画内でも、谷口の正体について頭から離れないで家庭にまで仕事を持ち込んでいたシーンなどで城戸の別人になることへの興味の強さを確認できました。

そして、映画の最後では妻の浮気が発覚します。

この浮気を現実逃避する為に、原作小説では序章の部分、映画ではラストシーンに辺る、バーで谷口という気の毒である経歴を語ることで自分自身を保っていたのです。

では、城戸のその後は「谷口」として生きたのか「城戸」として生きたのか?についてです。

管理人

ちなみに、この後に城戸がずっと谷口として生きていくことはありません。

バーのような束の間の場所でだけ他人の傷を受けることで現実逃避し、何だかんだで城戸自身に愛着があることを原作小説では語っています。

そして、しばらくしてバーに訪れなくなったこと描写があることから城戸の傷は癒え、谷口という他人の傷を生きる必要がなくなったことを意味しています。

ただ、原作と違う場面を演出したかった可能性もあります

城戸は在日で差別にあって生きてきました。そんな中、妻の浮気が発覚します。

今回の事件に関わったことにより、戸籍のロンダリングを知った城戸は、谷口大祐や原誠のように生まれ変わって新しい人生を歩もうとしたのかもしれません。

管理人

そうなれば、誰かと戸籍交換をして違う名前を名乗っていたのかもしれません。

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ある男|谷口の霊が見えたことやタイトルの意味について

終盤で谷口(原誠)の霊が見えたのは何故なのか?

終盤、理枝の夫であった谷口の正体をまとめたことを報告する為に、城戸はそれまで谷口が務めていた勤務先などを訪ねます。

そして、谷口が事故死した現場では亡くなったはずの谷口の幻が見えます。

映画だけだと、このシーンはかなり意味深なものとなっています。

管理人

原作小説でも同じように谷口の幻を見るのですが、これは他の作業員だったという錯覚でした。

そもそも城戸は、別の人物を名乗ることにかなり興味を持っていました。

そして、妻の香織にも家庭に仕事を持ち込まないでと言われるほど、のめり込んでいて、それに対するケジメとして谷口が生きた場所を訪れたかったのです。

そして、そんな谷口に対して生きる為に生き直した谷口に理解を示したく、その思いが城戸に谷口の幻を見せたのでした。

タイトルの意味|「ある男」は谷口であり城戸である

映画『ある男』は亡くなった夫が実は別人で、その男の正体を知っていく作品となっていますが、映画『ある男』というのはただ単に谷口を示しているようには思えません。

確かに、谷口という男が誰なのかを辿り着く映画ではあるのですが、それならば城戸の数ある事情はいらないように思えます。

特に最後の方の城戸の奥さんが浮気していることなど、なぜ?という部分です。

映画では語られていませんが、城戸と妻の香織とは意見が合っていなく悩んでいる描写が多々あります。

管理人

また、劇中ではもう1人子供が欲しいとも言っていた香織ですが、原作小説では別々の部屋で寝ている関係のレス状態でこの事で城戸がかなり悩んでいるのです。

最終的には、谷口の正体も分かったことで、仕事を家庭に持ち込んでいたことなども香織と話し、これからも一緒にやっていこうとなります。

ですが、そこで起こるのが香織の浮気です。

仲が戻ったところで香織の浮気を知ってしまい、その現実に直視できずに城戸はそっとトーク画面をスワイプさせて見なかったことにします。

そうして訪れたのが映画のラストで描かれたバーのシーンということです。

つまり、この映画の『ある男』というのは谷口の真相を探る意味でもあり、城戸という1人の人物の人間ドラマでもあるのです

映画『ある男』のキャスト相関図

映画『ある男』のキャスト相関図は、この通りです。

 

『ある男』のあらすじ

以下、映画「ある男」のあらすじです。

『ある男』のあらすじ|ある男・X(谷口)との出会い

文房具店を営む里枝は、夫と離婚して1人で息子を育てていました。

ある日、1人の男性が店を訪ねてきて、画材を買っていきました。

男性は谷口大祐と言い、その後も画材をよく買いに来るようになり、大祐が絵を見せたりと仲を深めていきました。

やがて2人は結婚し、娘も生まれて花と名付けます。

そんな中、林業での仕事中に木が誤った方向に倒れてきて、大祐は命を落としています。

『ある男』のあらすじ|結婚した夫は誰?

生前から大祐は実家の家族とは疎遠になっていて、連絡しないように言われていましたが、里枝は母と相談し、大祐の実家に連絡をします。

やって来たのは大祐の兄の恭一で実家の旅館を経営していました。

ですが、大祐の遺影を見て、恭一からは全くの別人であると言われてしまいます。

自分が結婚した男は誰なのか分からなくなった里枝は、離婚した際に頼った弁護士の城戸に相談することにしました。

『ある男』のあらすじ|戸籍交換を仲介する詐欺師

里枝から頼まれて城戸は谷口大祐と名乗っていた人物が誰だったのか調べる事となりました。

大祐の元恋人である後藤美涼と会ったりするも、中々消息が得られない状況が続くも、同僚から戸籍交換の仲介をしたりと詐欺容疑で捕まっている小見浦という人物を教えてもらいます。

城戸は小見浦の元を訪ねて谷口大祐の情報を得ようします。後日、小見浦から届いたポストカードの絵柄に「谷口大祐」の名前と「曾根崎義彦」と書かれたものが届くのでした。

以上、「ある男」のあらすじでした。

果たして、曾根崎義彦とは?

城戸は谷口大祐の正体を掴むことができるのか?

結末を知りたい方は実際に映画を見てみることをおすすめします。

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『ある男』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)

以下、映画「ある男」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。

感想評価(※ネタバレ有)|違う人間に生まれ変わりたいと思ったヒューマンドラマ

愛した夫は本当は一体誰だったのか?

谷口大祐と名乗っていた夫が亡くなったことにより、戸籍が別人だったことが発覚し、その男の正体を探る内容となっています。

ですが、映画『ある男』は、ただ単に正体不明の夫の正体が明らかになっていくのではなく、谷口大祐の正体を探っていく弁護士である城戸の人間ドラマでもあります。

管理人

谷口大祐と名乗っていた人物は原誠という人物だったということが、城戸の調べにより分かります。

原誠の父親である小林謙吉は死刑判決を受けた殺人者であり、母方の性である原を名乗っていましたが、殺人者の息子というレッテルから逃げる為に戸籍交換に至ったのでした。

一度目に曾根崎義彦、そして2度目に谷口大祐と戸籍交換と2回の戸籍交換をして完全に過去を捨て去り、新たな幸せな人生を手に入れようとしていたのでした。

そうして里枝と出会い、幸せを掴んだ矢先に不幸に見舞われたのは無念としか言いようがありません。

管理人

また、現在では曾根崎義彦として生きている本物の谷口大祐は、生きていることも明らかになります。

彼もまた、家族間での関係が嫌になり、別人として生きていきたかったのでした。

そして、城戸も過去を捨てたいと思わせるラストです。

城戸は在日3世ですが、差別に苦しんで生きてきました。

最後には妻の浮気も発覚し、城戸も全て捨てて別人に生まれ変わって幸せを掴みたいと思わせるラストでした。

『ある男』のみんなの口コミ評判レビュー

『ある男』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。

「ラストシーンの妻夫木さんの演技、結末には鳥肌が立ったのを今でも覚えている」「誰しもが裏を持っていて改めて人って怖いなと実感させられるような映画」「見応えがあり、ガッツリと集中して2時間観ることができる作品」「最後の展開には驚いた」

それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。

★★★★★星5

映画館の予告で見た際に気になり公開後すぐの鑑賞でした。

結論からいう最高の邦画でした。邦画特有のしとしとと進んでいくストーリー。

「ある男」が誰なのか、何者なのかというメインストーリーがあるものの、在日韓国人や、犯罪者遺族、連れ子など見えないけど身近にある問題についてもさらっと映画の中に混ぜてくる見せ方には感服です。

そして、それらの複雑な環境の中で生まれる心情を安藤サクラはじめ、名俳優達が絶妙に表現しており観客は引き込まれていきます。

久しぶりに邦画らしい素晴らしい邦画が見れたと見終わったあとの満足度がとても高かったです。

一部ボクシングのシーンが長いかなと思いましたがそれでも最後まで夢中になれる映画でした。本当に見てよかった。

邦画に抵抗のない方ならぜひ見て欲しいですし、今まで方邦画に苦手意識のある方でもミステリー映画として十分に楽しめる映画だと思います。本当にいい映画でした。

20代女性

★★★★☆星4

レビューが、展開が面白いというものばかりだったので期待していったのですが妻夫木聡の、最後の展開に驚きました。

進んでいくごとに想像や期待を全部超えていって、映画の世界に引き込まれる感覚を深く感じました。

何か闇を抱えていて他人の人生に移り変わりたいと願っている人たちの葛藤が浮かび上がっていて切なくなりました。

谷口大祐は、お父さんが狂気的な殺人犯であったことから普通に生きる事ができないストーリーでしたが、世の中にもそういう人たちが沢山いることが容易に想像できました。

戸籍交換をしていて捕まったおじいさんは、「教えない」と言いながら沢山のヒントを与えていたり、城戸の朝鮮人というコンプレックスまで見抜いていたため、見るに耐えないシーンでした。

全体的には、非常に面白くテンポ良く進んだため好きでした。

20代女性

★★★☆☆星3

「愛したはずの夫は別人でした。」「なぜ、別人になりすましたのか?」といったショッキングで引き込まれるワードだったのですが、推理ミステリーを想像していました。

「なぜ。」の部分は割とあっさりとネタバレをされてしまい、拍子抜け感はありました。

ただ、なぜ別人になる必要があったのかといった答えの中に、様々な人間模様やそれぞれの葛藤があり、胸が締め付けられるような人間ドラマが面白かったです。

Xの秘密を解く一方、関わっている弁護士側にも一筋縄ではいかない課題があり、この弁護士が抱える劣等感や思いが、いつ爆発するのか。

どこまでが彼の中で処理できているのかなど、引き込まれる人物設定にドキドキしました。

最後は、明確な答えが欲しかったのですが、見る人によって、結末に違いが出る作りなので、若干不発な感じは否めませんでした。

30代女性

★★★★☆星4

上映映画館が少なく、普段は行かない少し遠い場所へ行きましたが、見応えがあり、ガッツリと集中して2時間観ることができる作品でした。

俳優陣も実力派揃いで、中弛みなく、素晴らしい作品だったと思います。

ただ、予告やプロモーションの広告コピーから、勝手にミステリーのような作品だと思っていたので、どこに伏線回収があるのかなぁ〜とジッと集中しながら観てしまいました。

後半にかけて意外とあっさりストーリーが終わってしまい、その点については若干拍子抜けしてしまいました。

色々な立場の感情が描かれているので、作品を見ながら寄り添える人もいるかもしれません。

最後のシーンには少しゾッとしてしまいました。小説が原作とのことで、そちらも気になりました

30代女性

★★★☆☆星3

とても気になった作品ではありますが、あまり期待していなかったです。

でも、観てみるとどれだけ考えさせられる作品かと感じました。

作品全体を通し脚本と演出がよく練られていてとても好感が持てました。但し、この作品はミステリーではありません

パンくずを追いゴールを目指す主人公を追いかけているので、とてもじゃないけれどミステリーとは言い難いです。

ただ、作品を見ていて、人それぞれ色々な事情を持つ家庭があり、自分が日本人として産まれ、今を生きているということ、自分が今行っていることは正しいのか、正しいことは何なのか、自分は自分であれているのかと様々な疑問?が出てきます。

作品全体を通しもう少し分かりやすくストーリーを進めて欲しかったです。

淡々としすぎて、分からない人も出てくると思いました。

30代男性

★★★★★星5

夫婦がいて、子供がいて、そんな日常である日夫が亡くなったことから発覚した事件が周りを振り回していくさまが切なく、事故で死ぬまで他人の名を移り変わり背負ってきた背景が、そうしなきゃ生きていけなかった背景が切なすぎました。

奥さんの夫に対する心情も私も夫を持っているので共感し、世の奥さんもそうではないかと思いました。

名を変え生きてきた過去があったとしても夫と暮らした現実は事実だし大切な家族。

そう思わせてくれた後にもまた覆されたり、ミステリーの要素があると思い観たけれど、自分自身にはない社会的な差別とか、ヘイトとかいろんなものがおりまざって、人々の色んな人生の葛藤の姿をうまく融合させバランスの良い作品だと思いました。

30代女性

★★★★★星5

里枝という世の中の不幸をかき集めたような不憫な境遇の女性は物語の出発点となる重要な岐路で重要な役回りだっただけに、安藤サクラさんがキャスティングされた時点で絶妙な安堵感をもって鑑賞できた映画です。

絶望の縁に落とされながら希望をもってなるべく前向きに生きようとする女性は物語を正しい方向に導く存在だったと思います。

妻夫木さん演じる城戸は原作の印象よりハンサムすぎないかという懸念もありましたが、城戸という人間本来がもつ実直さと自らの出自に伴うスティグマの陽と陰をうまく演じきっていたと思います。

抽象的で謎めいていた「ある男」を演じた窪田さんにも大きな拍手を送りたい。シリアスなヒューマンドラマですが近年を代表する邦画になることは間違いないでしょう。

人との丁寧な繋がりが失われる時代で、周辺の人物の記憶の糸をたよりに、丁寧に人探しを行うという丹念な描写や城戸の行動理念がとても良かったです。

40代男性

★★★★☆星4

映画「ある男」を鑑賞しました。「ある男」の正体を探る事によって浮かび上がってくる自分の姿。

柄本明さん。妻夫木聡さん。安藤さくらさん筆頭に豪華な俳優陣。

城戸役の妻夫木聡の、少しずつ蓄積される苛立ちが物語が進むにつれて表面に現れていく表現が素晴らしかったです。

ただ原作も読んでいたので、主人公についてはもう少し掘り下げて欲しかったです。

安藤さくらさんの演技も素晴らしく特に「大祐」とのキスシーン直前で見せる女の顔は、日頃の疲れから抜け出した母親の艶かしい姿に女優魂を感じました。映画自体は淡々と進み終わる感じです。

ミステリーとしてみても、人間ドラマとしてみても、胸に留めておきたい珠玉なシーンはあるものの、大きなカタルシスに向けてドラマが進むわけではなく、ラストに意表をつくようなシーンはあるもののどんでん返しほどてはないので、もしかしたら人によって評価は分かれるかも知れません。

20代男性

*映画「ある男」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。

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