映画『母性』の考察｜どっちが本当なのか？ひどいと言われる理由やキャスト相関図解説【あらすじネタバレ感想評価】
2022年11月23日公開の映画『母性』。
『告白』や『白ゆき姫殺人事件』など、数々の作品が映画化されてきた湊かなえの原作小説を映画化した作品です。
主演の母親役に戸田恵梨香、娘役には永野芽郁で、それぞれの違う視点から描かれるミステリー作品となっています。
映画『母性』の口コミ評判レビューには、
- 永遠に娘でいたい母が気持ち悪かった
- 何が真実なのか分からなかった
- 母として観るか、娘として観るかで印象がずいぶん変わる
- THE湊かなえ作品！だと感じた
- 単調な物語が好きでない人には退屈な映画
- 自分がどの立場で観るかによって、感じ方が全く違くなる
- それぞれに見えている真実は真逆で衝撃を受けた
- 「母性」とは…と考えさせられた
という声が多数集まっています。
目次
考察解説｜どっちが本当なのか？母と娘で食い違う視点について
本作『母性』は、戸田恵梨香さん演じる母親・ルミ子の回想シーンと永野芽都さん演じる娘・清佳さんの回想シーンが、交互に描かれていきます。
しかし、それぞれの回想シーンでは食い違う部分があります。
代表されるのは、祖母が自身を守るために火災現場で自殺現場を図ったことを知り、ショックを受ける清佳に対してのルミ子の行動です。
ルミ子の回想シーンでは、母親らしくそっと抱きしめているのに対し、清佳の回想シーンではルミ子に首を絞められ、逃げ出す様子が描かれます。
果たして、どっちの視点が本当なのでしょうか？考察したいと思います。
清佳が正しい可能性が高い
どっちの視点が本当なのかについては、原作小説でも映画でも明らかになることはありませんので、明言することは出来ませんが、清佳が正しい可能性が高いと考察できます。
その理由については、その後の展開が関係しています。
清佳は父親の不倫と祖母の死の真相を知って自殺をしようとしますが、もしルミ子の視点通りに抱きしめられていたなら母親からの愛情を感じ、自殺をしようとするまでにはならなかったと考えられます。
祖母の死の真相を知り、ショックを受けた清佳に追い打ちをかけるようにルミ子に首を絞められたことによって、祖母が自身を守るために命を落としたことについて自分のことを母親は恨んでいると感じ、救いがないと思った清佳は自殺をしようと試みたのではないでしょうか。
この事により、清佳の方が正しい可能性が高いと考察できます。
ルミ子が正しい可能性
清佳の視点が正しい可能性が高いと考えられますが、ルミ子が正しい可能性もありますので、その説について紹介していきたいと思います。
ルミ子が母親として精一杯清佳にどうにかこうにか愛情を注いでいたつもりでしたが無意識の内に清佳に冷たい態度をとっていたのだと思います。
対する清佳も愛情を注いでくれない母親に対して、いつの間にか絶対的な存在として恐怖心を抱くようになり、その恐怖心からルミ子に首を絞められたという妄想をしたという可能性もあります。
前述したようにどっちの視点が本当なのかについては、原作小説でも映画でも明らかになることはありません。
現実世界でも、誰かにやられた酷い仕打ちや行動に対して、やられた側は覚えていても、やった側は覚えていないという事はよくあると思います。
映画を鑑賞して考察し、自分なりの答えを出してみても良いのではないでしょうか。
ひどいと言われる理由について
山本周五郎賞の受賞経験もある人気小説家・湊かなえさんの同名小説を実写映画化した本作『母性』ですが、第41回バンクーバー国際映画祭に正式招待され、清佳を演じた永野芽都さんが第46回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞を受賞し、ルミ子を演じた戸田恵梨香さんを含めて役者陣の熱演が特に高い評価を受けました。
そんな本作ですが、「ひどい」という感想を持つ方も多く見受けられました。
なぜ、「ひどい」という感想を持つ声があるるのか？
その理由について、考察していきたいと思います。
ひどい理由①清佳に対する酷い仕打ち
「ひどい」という感想を持つ方がおられる理由の1つ目は、作中のルミ子の清佳に対する酷い仕打ちに原因があると考えられます。
母親が喜ぶことが自分にとっての最優先事項であるルミ子は、幼い頃から清佳に対して冷たい態度や酷い仕打ちをしている様子が作中で描かれます。
祖母が喜ぶような行動をすることを強要され、高校生になってからは家事を手伝おうとする娘に対して、「あんたの手は生暖かくて気持ち悪い」と言い放つ始末。
そんなルミ子の清佳に対する酷い仕打ちに対して、不快感を抱く方が多くおり、「ひどい」という感想に繋がったと考察できます。
戸田恵梨香さんの演技力によって、よりその感想が助長されているように感じます。
ひどい理由②登場する人物たちのクズさ
「ひどい」という感想を持つ方がおられる理由の2つ目は、登場する人物たちのクズさにあります。
作中では、清佳とルミ子の母親以外は性格に難がある人物が多数登場します。
父親の田所は妻と娘の問題に目を背けて、妻との共通の友人である中村ゆりさん演じる佐々木仁美と長年不倫をしており、佐々木仁美はショックを受ける清佳に対して悪びれるどころかひた隠しにしていた祖母の死の真相を明かし、高畑淳子演じる田所の母親はルミ子に対していじめとも言える酷い仕打ちをします。
そんな作中に登場する人物たちに嫌悪感を抱く方が多くおられたため、「ひどい」という感想に繋がったと考察できます。
1つ目の理由と同じで演技派キャストの熱演がこの感想を助長されていると思われます。
ひどい理由③はっきりとしない結末
本作では、清佳、そして、ルミ子のそれぞれの視点で描かれていきますが、ところどころそれぞれの回想について食い違いがある部分が描かれます。
しかし、どちらの視点が正しかったのか明らかにならないまま映画は終わりを迎え、清佳とルミ子のどちらが正しかったのかは分からないままです。
そんなはっきりとしない結末に対して、消化不良に感じる方が多くおられたため、「ひどい」という感想に繋がったと考察できます。
映画『母性』のキャスト相関図
キャスト相関図
キャスト・登場人物
| キャスト・登場人物 | |
| 田所清佳 役 | 永野芽郁 |
| 田所ルミ子 役 | 戸田恵梨香 |
| 田所哲史 役 | 三浦誠己 |
| 佐々木仁美 役 | 中村ゆり |
| 田所律子 役 | 山下リオ |
| 田所の母親 役 | 高畑淳子 |
| 露木華恵 役 | 大地真央 |
| 中谷亨 役 | 高橋侃 |
『母性』のあらすじ
『母性』のあらすじ｜女子高生が謎の死を遂げたニュースを見て、自身の過去を思い返す清佳
女子高生が自宅の中庭で謎の死を遂げたニュースを聞いて、教師の清佳は過去の母親との関係について思いを巡らせることになります。
清佳の母親であるルミ子が過去について回想していきます。
ルミ子は裕福な家庭に生まれ、父親亡き後、母親と二人で暮らしており、母親に喜んでもらえることを何よりの幸せだと感じていました。
ある時、絵画教室に通っていたルミ子は田所という男性と知り合います。
ルミ子は田所の絵が暗くて苦手でしたが、母親が田所の絵を甚く気に入ったことをきっかけにして田所について興味を持つようになります。
やがて、二人は結婚し、清佳という娘にも恵まれますが、ルミ子にとっては娘は二の次で結婚してからも母親に喜んでもらうことが何よりの優先事項でした。
そんな中、ある台風の日に火災に遭ってしまい、ルミ子の母親は命を落としてしまいます。
『母性』のあらすじ｜火災によって生活が一変するルミ子と清佳
火災に遭い、家を失ってからルミ子と清佳は田所の実家で生活することを余儀なくされ、ルミ子は姑から厳しいいじめを受けるようになってしまうのでした。
清佳の回想が始まります。
清佳は物心ついたときから母親であるルミ子から自身に愛情が注がれていないことに気付いており、周りの大人の顔色ばかり気にしてしまう子どもでした。
そんな中でも、母方の祖母（ルミ子の母親）からは無償の愛が自身に注がれていることを感じていました。
ですが、火災によって祖母を失ってしまい、生活は一変しました。
『母性』のあらすじ｜祖母の死の真相を知り、ショックを受ける清佳
高校生になった清佳は日々父方の祖母（田所の母親）から辛い仕打ちを受けるルミ子を見て、清佳は祖母に意見をし、ルミ子の家事を手伝おうとしますが、ルミ子からは冷たくあしらわれてしまいます。
それでも、どうにかルミ子からの愛情が自身に注がれる日を待って必死に生活をしていました。
やがて、祖母が認知症を患うようになり、清佳は老人ホームへの入所を勧めますが、ルミ子は大反対し、ますます二人の溝は深くなっていきます。
ある日、清佳は田所と両親の共通の友人であった佐々木仁美の不倫現場を目撃し、二人に詰め寄りますが、不倫相手の仁美から火災の際に母方の祖母が自分を守るために自殺していたことを聞かされてしまいます。
ショックのあまりに清佳は自殺しようとするのでした。
映画『母性』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
感想評価(※ネタバレ有)｜「母性」をテーマに母と娘の複雑な愛情関係を描いた人間ドラマ
本作『母性』は、『告白』や『白ゆき姫殺人事件』など数多くの作品がこれまで実写映画化された人気ミステリー作家・湊かなえさんが2012年に発表した同名小説を映画化した作品となっています。
女性であれば、誰しも備わっていると言われる母性をテーマに、娘に愛情を注ぐことの出来ない母親と母親からの愛情に飢えた娘の複雑な感情を描いたドラマ作品となっており、戸田恵梨香さん・永野芽都さんの豪華共演でも話題を呼びました。
物語は、女子高生が謎の死を遂げたというニュースで女子高生の母親が残したコメントを見て主人公の教師・清佳が自身の母親との記憶について思い返すところから展開し、前半では清佳の母親であるルミ子の姿が描かれていきます。
裕福な家庭で育ち、母親から喜んでもらえることが何よりの生きがいであるお嬢様として育ったルミ子の回想シーンが描かれますが、神経質そうな役柄の雰囲気と戸田恵梨香さんの繊細な演技が見事にマッチしています。
結婚してからも母親からの愛情が絶対で娘への愛情を注ぐことが出来ない姿や火災によって大切な母親を失ってしまい、憔悴し切っていく姿が非常に痛々しく描かれていきます。
中盤では、そんなルミ子からの愛情を受けずに育った清佳の回想シーンが描かれていきます。
自身が母親から愛情を注がれいないことに気付いており、良い子を演じて常に大人たちの顔色を伺いながら生活をしていた清佳の姿はとても切なく、特に手伝いをしようとしたシーンで、ルミ子から「あんたの手は生暖かくて気持ち悪い」と言われて必死に冷水で手を洗う清佳の姿には胸が苦しくなってしまったという方も多いと思います。
父親の不倫相手から祖母が自身を守るために火災現場で自殺を図ったと聞かされるというシチュエーションもあまりに残酷でその不憫な役柄に永野芽都さんのファンは、より辛く感じてしまうかもしれないので鑑賞には注意が必要です。
その後、清佳は自殺を図り、一命をとりとめるシーンが描かれますが、病室でルミ子がずっと手を握ってくれたことにより、初めて自身に愛が注がれていることを実感したのだと思います。
その後、大人になった清佳が妊娠したことをルミ子に電話で報告し、命を繋いでくれてありがとうとルミ子が感謝するハッピーエンドで映画は終わりを迎えますので、後味は意外と悪くない作品となっています。
これから親になるという方はこの作品を鑑賞して、子育てについて真剣に考えてみるきっかけにしても良いのではないでしょうか。
映画『母性』のみんなの口コミ評判レビュー
映画『母性』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「湊かなえ作品なので、もっと後味の悪い終わり方を期待していましたが、期待はずれ」「自分の母性について、親子のあり方について考えさせられる映画」「原作の面白みに、映像のシャープさが加わって、良い具合の化学反応」「真逆の行動でも結局、どちらの行動もそれぞれにとっては真実なのだと思った」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
ベストセラー作家の湊かなえ先生の「母性」を読んで、映画の方も気になったので見ました。
一番印象に残ったのは、戸田恵梨香さん演じる母親です。 理由はスーパーがつくほどのマザコンだからです。 普通のマザコンのはるか上を行くスーパーマザコンの母親がすごかったです。
自分の娘が、母親(母親の母)と仲良くしている様子を見て、ホラー映画に出れるくらいの怖い顔でにらんでいるので、スーパーマザコンのすごさが分かりました。 ストーリーは母と娘の視点が変わりながら、人生のイベントが起こっていくというものです。 怖いと思ったのは、母と娘でとらえ方が違うことです。
同じ出来事でも母は「だきしめた」と言い、娘は「首をしめられた」という感じで食い違っているのが怖かったです。 原作を読んだ上で見ましたが同じストーリーにも関わらず楽しめました。
口コミ協力：けんとの映画ブログ
男性
★★★☆☆星3
湊かなえさんの小説を映画化したミステリー映画です。
湊かなえミステリーの多くは、家族というミニマムな関係からのほころびや矛盾を描くことが多いですが、映画『母性』もまさにそうです。
タイトル通り、「母性」の認識や捉え方の違いから大きな悲劇が起きてきます。
女子高生の謎の死、そこから見えてくるものは何か、同じ出来事でも、娘が語る物語と母親が思っている物語では全く異なってきます。
ここらへんのアプローチは、黒澤明の世界的名作「羅生門」を想起させます。
女優さんを見るのもこの映画の見どころです。永野芽郁さん、戸田恵梨香さんの悲壮感に満ちた表情も気になります。
その他、高畑淳子さんや大地真央さんの怪演もゾッとして、楽しいです。
50代女性
★★★★★星5
見終わってまず”THE湊かなえ作品”！だと感じました。
母親だから当たり前に「こうなる」だろう、という枠を吹き飛ばしてしまうほどのルミ子（戸田恵梨香）のキャラクター構築が凄くて、その表情や一挙手一投足が衝撃的でした。
「愛する」よりも、「愛されたい」欲がめちゃめちゃ強くて、いつまでたっても「娘でありたい」と思うことが全てだった、というルミ子。
でも、自分が生んだ（産んでしまった）清佳は厳然として目の前におり、彼女は一つの人格を持って成長しているわけで、二人の間にある”愛情”の齟齬が悲劇的なすれ違いを見せてしまっているのです。
原作の面白みに、映像のシャープさが加わって、良い具合の化学反応が起こっています。
解釈は人それぞれですが、母として観るか、娘として観るか、で印象がずいぶん変わるのではと感じました。
50代女性
★★★☆☆星3
湊かなえ小説の映像化6作目となる映画『母性』。誤解を恐れずに言うなら、“気持ちが悪い”というのがひと言での感想です。
母娘それぞれの視点から本人たちの目に映る世界が描かれるのですが、この母が永遠に「娘」でいたい女性なのです。
我が子を我が子だから大事にするのではなく、自分が誰かに褒めてもらうためのツールとして扱っています。
本人はいたって真剣に娘を愛しているつもりなのですが、そのズレが猛烈に気持ち悪いです。
娘はそんな母からの愛情をなんとか自分に向けようと奔走するのですが、すべてがすれ違ってしまいます。
本当に気持ち悪い母親だな…と思いつつ、果たしてこれは完全にフィクションなのか考えてとハッとします。
どんな母親も元々は誰かの「娘」だった。
子供を産めば母親になるのか？育てていくうちに母親にになるのか？
子供と一緒に親も成長するというが、どこから私たちは母親になるのか。それともこの母親のように最後までなれないのか。
まさしくタイトルそのまま『母性』とは…と考えさせられました。
映画『母性』の娘は、母親になれない女性もいるのだと最終的には自分の母との関係にも納得します。
確かにそうかもしれないなと思う一方で「父は？父のサポートがあればもっと違ったのでは！？」と、心の奥底で少しツッコミたくなりました。
20代女性
★★★★★星5
戸田恵梨香さんの狂気を感じる母親が恐ろしかったです。
危機的な状況で娘よりも大好きな実母を優先する、というルミ子の行動は異常としか思えませんでしたが、彼女にとっては母親ではなくずっと娘でいたかったのでしょう。
家事も育児も完璧なルミ子でしたが、その笑顔の下にある本性にぞっとしました。
そんな母親に対して愛されたいと思う娘の行動も切なくて仕方ありません。
2人のすれ違う愛情が見ていてつらかったです。
娘の名前が前半ではほとんど登場しなかったことに違和感がありましたが、それだけルミ子が娘の名前を呼ばずに接してきたことを表しており苦しくなりました。
自分も母親という立場になったので、この映画に登場する母親たちの行動に疑問を持ったり、共感をしたり感情が揺さぶられる思いとなりました。
いろんな親娘という関係があり、女性同士ということから特に難しいんだな、といろいろ考えさせられる映画でした。
30代女性
★★★☆☆星3
『母性』という作品は、上映の1ヶ月以上前から楽しみにしていた映画でした。
『告白』や『白ゆき姫殺人事件』など数多くのヒット作品を生み出している湊かなえ原作の新作映画でとても期待値が上がっており、親子をテーマとした映画という点も楽しみにしていた要因の1つです。
前半の戸田恵梨香が結婚・出産をし、母である檀れいといっしょに子育する幸せの絶頂のような日々から、実母が亡くなったあとの後半、義母である高畑淳子を新たな母として戸田恵梨香が生活していく様が、まさに娘としてしか生きていけない女性を描いていると感じました。
ただ、戸田恵梨香目線の描写と永野芽郁目線の描写の違いをもっとたくさん盛り込んでほしかったなと感じました。
湊かなえ作品なので、もっと後味の悪い終わり方を期待していましたが、期待はずれ感がありました。
30代女性
★★★★★星5
私は映画『母性』を鑑賞する前に小説は読んでいませんでした。鑑賞直後は率直に「何が真実か分からない…」と思いました。
一番印象的だったシーンは予告でも使われていた、ルミ子が清佳を抱きしめる・首を絞めるシーンです。
それぞれに見えている真実は真逆で衝撃を受けました。
最初はルミ子が抱きしめるシーンだったので、もしかしたら母性があったのかと思いましたが、その次に首を絞めるシーンがありどちらが事実なのか分からなくなりました。
その他のシーンで義母にひどい扱いをされていたにも関わらず、一切責めることなく献身的だったことから、根本的に娘でいたかったように見えました。
認知症になってからの介護をしている姿で確信しました。ルミ子には母性は無く、娘でいたかったと考えます。
真逆の行動でも結局、どちらの行動もそれぞれにとっては真実なのだと思います。
小説を読んだ上でもう一度鑑賞したいです。
20代女性
★★★★☆星4
自分がどの立場で映画を観るかによって、感じ方が全く違うと思います。
母の立場、娘の立場、嫁の立場、旦那の立場など様々あります。
同じ場面をルミ子側、清佳側のどちらかの主観が入った2パターンで描かれるのですが、ほとんど同じセリフなのに言い方や表情、目線など役者陣の演技力が高すぎて違うシーンに見えるくらいです。
私はこの映画で4回騙されました。中でも、ルミ子の母が関わってくるシーンが1番衝撃的でした。
ルミ子の母に対する思い、娘に対する思いに感情移入をすることが多く、胸が苦しくなりました。
受け取り手によって見方が変わり、作品を見終わった後の感想も違うと思います。
自分の母性について、親子のあり方について考えさせられる映画でした。
20代女性
