『花腐し』は本当にやってる?ラストの意味についても解説!【あらすじネタバレ感想評価】

2023年11月10日公開の映画『花腐し』。
松浦寿輝の芥川賞受賞作を原作とし、ピンク映画出身の荒井晴彦監督が、自身の経験や視点を活かして制作した作品です。
同棲していたさとうほなみ演じる女優の祥子が友人の桑山と心中してしまい、喪失感を抱く主人公のピンク映画監督・栩谷が彼女と以前付き合っていた伊関と知り合い、彼女との過去について語り始めるといった内容になっています。
- 濡れ場シーンは本当にやってる?
- ラストの意味について考察解説
- 『花腐し』のあらすじ
- 『花腐し』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
濡れ場シーンは本当にやってる?
映画『花腐し』は、レーティングがR18となっており、かなり際どいラブシーンが作品中で展開され、衝撃を受けたという方も多かったと思います。
そして、観終わった後に気になるのが「本当にしているかどうか?」という疑問です。
作品中で展開される濡れ場シーンも数多く、そのどれもがかなり生々しくリアルに描かれていましたが、果たして、実際にしているのでしょうか?
管理人
本当にしているのどうかについては明らかではありませんが、あくまで劇場公開されている映画ですので、実際にしている可能性は極めて低いと思います。
あたかも本当にしているかのように見せるために監督を務めた荒井晴彦さん、役者陣、スタッフたちが工夫をして撮影に臨み、リアルな濡れ場シーンが出来上がったと考えられます。
映画『花腐し』で大胆な濡れ場を演じた祥子役のさとうほなみさんは、2021年のNetflix映画『彼女』でも共演した水原希子さんとともに一糸まとわぬヌードシーンを披露していますが、大胆なシーンを演じるのに対しては、物語の中で必要不可欠であれば性行為という描写に対しても拒絶する意識はないと語っており、濡れ場を演じることについての覚悟をもって撮影に臨んでいることが分かります。
そんな彼女の女優魂もあって、観る者に心に残るラブシーンになっていると思います。
留学生を演じたセクシー女優であるMINAMOさんとNiaさんは映画『花腐し』が映画初出演ということですが、初出演でありながら実に堂々とした演技を見せており、今後の女優活動についても期待したいところです。
管理人
ラストの意味について考察解説
映画のラストでは、栩谷は伊関の部屋で留学生であるリンリンと欲望のままに一夜を過ごし、目が覚めると誰もおらず、部屋が整頓されていることに驚きます。
そして、祥子の幻影のようなものを見て涙を流し、再び部屋に戻るという意味深なシーンが展開されます。
このラストシーンには一体どういった意味が込められていたのでしょうか?考察していきます。
管理人
全ては栩谷の妄想
ラストシーンの意味について、1つ目の説は、「全て栩谷の妄想だった」という説です。
金からの依頼を受け、伊関を退去させるためにアパートに向かった栩谷でしたが、実は伊関はすでに孤独死をしており、伊関との会話も栩谷が部屋のパソコンで綴っていた「花腐し」というシナリオの中の文章であり、伊関という存在自体が栩谷が作り出した妄想だったのではと考えられます。
伊関は栽培中のマジックマッシュルームを見せながら、キノコと一緒に腐って死ぬと語っていることからも可能性は高いと思います。
祥子が妊娠した時も、桑山と関係を持った時ですらも、彼女と向き合おうとしなかったことを栩谷は後悔しており、誰かにその後悔を語りたくて、栩谷という存在を作り出したのではないでしょうか?
最後に見えた祥子の姿も、栩谷が作り出した幻影であり、これからも彼女の存在に囚われたまま、生活をしていくことが示唆されているのかもしれません。
祥子を失い、映像がカラーからモノクロになってしまった栩谷はもはや生きながら死んでいるような状態になっているのだと思います。
祥子が作り出した幻想
ラストシーンの意味について、2つ目の説は、「祥子が作り出した幻想」という説です。
祥子は生前栩谷の自分への愛に飢えていたと考えられます。
妊娠したときに自分との子どもについて喜んでくれることや桑山と関係を持った際に嫉妬をすることを望んでいたはずですが、栩谷は全く望み通りの反応をすることはありませんでした。
そんな祥子は自分への伊関の気持ちを確かめるために亡霊となって、伊関という幻想を作り出したのかもしれません。
栩谷は最後に亡霊となった祥子の姿を見て、幸せにすることが出来なかった彼女の強い後悔を抱いて涙を流したと考察できます。
管理人
『花腐し』のあらすじ
(以下、映画『花腐し』のあらすじです。)
『花腐し』のあらすじ|同棲相手と友人が無理心中をはかり、ショックを受ける主人公の栩谷
ピンク映画の監督をしている栩谷は5年もの間、同棲していた恋人の祥子が友人だった桑山という同じくピンク映画の監督と無理心中したことから、彼女の通夜が開かれている実家を訪れますが、門前払いされてしまいます。
その後、桑山の弔問に訪れますが、ピンク映画業界は不況に陥り、関係者の間にはどんよりとした空気が流れていました。
桑山は祥子を主演とした映画の撮影を計画していたことを知った栩谷は、なぜ二人が心中してしまったのか考えますが、答えは出ませんでした。
栩谷は長い間、映画を撮っておらず、困窮している状況から制作会社の小倉社長の厚意で事務所の一部を間借りさせてもらうことになりますが、小倉社長もこの不況の影響もあり廃業を考えていました。
家賃が滞るようになった栩谷は、オーナーの金という男に支払いを待ってもらうようにお願いしたところ、アパートからの立ち退きを拒否している男を退去させることが出来れば報酬を支払うという話を持ち掛けられます。
金は古いアパートを解体して新しいマンションを建築する計画を立てているのですが、この男が住み続けている事によって計画が前に進まずに困っていたのです。
『花腐し』のあらすじ|アパートから退去させるために伊関という男と出会う栩谷
さっそくアパートの一室を尋ねると、伊関という男が顔を出しますが、手慣れた様子で退去についてまともに取り合おうとしません。
埒が明かないと思った栩谷は忠告をしてその場を後にしようとしますが、伊関に招かれ、部屋の様子を見に来てほしいとお願いされたこともあり、仕方なく部屋に入ることにします。
警戒していた栩谷でしたが、伊関が以前ピンク映画の脚本をしていたことが分かり、徐々に意気投合し、お酒の量がどんどんと増えていきます。
やがて、伊関は以前付き合っていた女優志望の女性との思い出について語り始めます。
脚本家志望だった伊関は成人向けビデオの仕事が舞い込んできますが、女性経験もなかった為に話が思いつかず、同じく経験のなかった女性と初めて身体を重ねることとなります。
劇団で少しずつ役をもらえるようになった女性とは対照的に、伊関の仕事が増えることはなく八つ当たりしてしまいます。
ある日、祥子が妊娠したことをきっかけに伊関は脚本家の夢を諦め、結婚しようと伝えます。
が、祥子は女優の夢を諦めることが出来ずに中絶することを決め、それ以来二人の関係は悪化し、別れることになりました。
伊関の話を聞きながら、栩谷も祥子について思い出していました。
『花腐し』のあらすじ|二人は同じ女性を愛していた
突然、隣の部屋から女性の声が聞こえ、部屋を覗くと、精神錯乱状態の女性が全裸でいました。
実は伊関はこのリンリンという留学生が持ってきたマジックマッシュルームの栽培をしており、それで生計を立てていたのでした。
呆れて部屋を出た栩谷でしたが、帰り道に寄った場末の韓国スナックで伊関と再会します。
再び女性について語り始めた伊関から、別れた女性の名前が祥子であると聞き、自分が同棲していた祥子と同一人物であったことが分かり、驚きます。
祥子が死んでしまったことを伝え、今度は栩谷が祥子について語り始めます。
祥子とは撮影現場で出会った栩谷でしたが、桑山が彼女のことを気に入っていることもあり、初対面は興味を持っていませんでした。
しかし、スナックで再会した際に意気投合し、いつしか同棲するようになります。
が、栩谷はそれから映画を撮ることはなく、祥子も女優として大きな活躍をすることはありませんでした。
その後、祥子は妊娠をし、産みたいという気持ちを伝えますが、栩谷は冷たくあしらい、ほどなくして祥子は体調不良により流産してしまうのでした。
何も言葉をかけようとはしない栩谷に対して、祥子は桑山と関係を持ってしまいますが、そんな状況においても栩谷は祥子を責めることはありませんでした。
やがて、二人の関係は悪化し、実家に帰ると言い残して部屋を出てから数日後に桑山と遺体で発見されることとなります。
祥子と真剣に向き合おうとしなかったことを栩谷は後悔しており、伊関もその事を責め立てるのでした。
やがて、スナックを出た二人は再び部屋へと戻ることにします。
以上、映画『花腐し』のあらすじでした。
『花腐し』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『花腐し』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|芥川賞受賞の同名小説を実写映画化した過激なラブストーリー
映画『花腐し』は、芥川賞を受賞した小説家・松浦寿輝さんの同名小説を実写映画化した作品となっています。
レーティングがR18になっていることからも分かるように、主人公の栩谷がピンク映画の監督という設定で、過激な性描写が公開当時話題を呼びました。
タイトルの「花腐し(はなくたし)」とは、登場人物の伊関が口ずさむ万葉集の和歌「卯の花腐し」から来ています。
官能的な描写がありながらも、どこか文学の香りがする作品となっており、陰影のある美しい映像が魅力的です。
ストーリーは、同棲していたさとうほなみ演じる女優の祥子が友人の桑山と心中してしまい、喪失感を抱く主人公のピンク映画監督・栩谷が彼女と以前付き合っていた伊関と知り合い、彼女との過去について語り始めるといった内容になっています。
管理人
過去の映像はカラーで描かれているのに対して、現在の映像はモノクロで描かれていますが、これは輝いていた過去が過ぎ去り、夢がとっくに破れていることを受け入れることが出来ず未来を生きることが出来ないままくすぶっている栩谷の姿を表現していると考えることが出来ます。
そんな陰鬱とした日々を送る主人公を描いたのは、近年は『地面師たち』での演技が大きな話題を集めた綾野剛さんですが、枯れていながらどこか色気がある栩谷を見事に演じており、破れかぶれの男の色気を演じさせたら彼の右に出る者はいないのではないかと思ってしまうほどハマり役だと思います。
そんな栩谷と祥子について語り合う伊関を演じた柄本佑さんも作品の雰囲気に合っており、原作の持つ文学的な魅力が見事に表現されています。
そして、二人が愛した女性として登場するのが、さとうほなみさん演じる祥子ですが、大胆な濡れ場を何度も披露しており、彼女の女優魂を感じさせます。
近くのスナックにて一通り彼女との思い出を語り合い、再び部屋に戻ってきた二人は、伊関が栽培しているマジックマッシュルームによってハイになった留学生の女性たちと欲望のままに身体を重ねますが、翌朝になると、栩谷以外の人物がいなくなり、部屋も整頓されている様子が描かれます。
夢だったのか、現実だったのか分からないままに混乱する栩谷でしたが、祥子の幻影を見て、涙を流しながら、再び部屋に戻るというとても不思議なシーンで映画は終わりを迎えます。このシーンが何を表現しているのかについては、自分なりの答えを考察するのが良いと思います。
管理人
答えをこちらに委ねる意味深なラストシーンを含めて、観客に余韻を残す美しくも切ない成人向けなラブストーリーになっています。
恋愛経験を経た30代~40代の方々にぜひオススメしたい作品です。
『花腐し』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★☆☆星3
まず、映画『花腐し』はピンク映画の監督をしている男性2人の主観で語られるストーリーで成人向けな表現が多いです。
人によって好みが分かれる作品だと思うので観覧注意です。
綾野剛さんや柄本佑さんなど、俳優陣が豪華で、醸し出す雰囲気がとても素晴らしかったです。
なんだか煮え切らないストーリー展開が続きますが、最後の最後までみると、そういうことだったのか!と納得しました。
最後にどんでん返しというか、いい意味で裏切られた作品でした。
本編だけでなく、エンドロールでの表現もまた素晴らしかったです。
視線と身体の動きのみの表現で、ああこういうことかと理解させる吉岡睦雄さんの演技が本当に素晴らしいなと思いました。
最後のストーカーの回収の仕方と言い、1つ1つの細かい細工がとてもよかったです。
あまり明確に色々と書くとネタバレになってしまうので、ぜひ自分の目で最後まで楽しんで欲しい作品です。
30代女性
★★★★☆星4
荒井晴彦監督作品といえば、前作の『火口のふたり』がとても有名ですが、映画『花腐し』も前作の世界観を引き継ぎ、荒井晴彦映画となっていると感じました。
では、荒井晴彦映画とは何でしょうか。
私もたくさん観てきた訳ではありませんが、一言で言うと性描写を身近に引き寄せ、日常生活にはめ込むといったところでしょうか。
映画『花腐し』も『火口のふたり』に続き柄本佑さんが主演します。
柄本佑さんは芸達者なので望まれた人物像を自由に演じ切れますが、ここでは行為を中心に浮揚している男を好演しています。
そして、今回浮揚している男として綾野剛さんが選ばれます。
2人は仕事として成人ビデオをテーマに創作していくのですが、その過程が実に独特の世界観にに浸ることができる作品です。
50代男性
★★★☆☆星3
ある理由で出会って意気投合した男性2人が、話していくうちに同じ女性を愛していた過去があると気づいていくストーリーです。
なんだか不思議な映画だったなというのが率直な感想です。
さとうほなみさん演じる女性との回想録をベースに話が進んでいきますが、過去はカラーで描かれ、それを話す現在はモノクロで描かれています。
これは男性2人にとって、過去は彩りのある生活で、女性を失った2人の現在はモノクロのような世界になってしまったということを表現してるのかなと思いました。
過去に自分がしてしまったことを後悔するような演技は、自分自身の経験や後悔ともリンクするような感覚でした。
しかし、私の理解力が足りない故、最後までストーリーの意味がよくわかりませんでした。
なぜ女性は別の男性と心中したのか、その理由は物語の中で明らかにしてほしかったです。
30代女性
★★★★☆星4
『花腐し』は現代が舞台の映画なのですが、昭和の日活ロマンポルノを彷彿とさせるような作品だと思いました。
レイティングが18歳未満禁止となっているだけあってかなり生々しいシーンが多いのですが、セリフが文学的なことと、幻想的な映像が差し挟まれることによって、美しさや切なさが感じられるラブストーリーになっていました。
特に、栩谷と伊関が語る亡くなった祥子との思い出エピソード、すなわち過去を色鮮やかに描いて、現在を白と黒だけの世界にしてしまうという時間を逆転させたかのような演出が、栩谷の心境を反映していて、とても叙情的だと感じました。
また、伊関が実は栩谷が考えた脚本に登場する人物で、実在していないことが最後に判明するギミックがとても面白かったです。
40代女性
*映画『花腐し』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
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