『重力ピエロ』の春が死んだと言われる理由はなぜ？キャスト相関図解説！あらすじネタバレや感想評価も
2009年5月23日公開 の映画『重力ピエロ』。
伊坂幸太郎の同名小説を原作としたミステリードラマです。
遺伝子研究者の兄・泉水（加瀬亮）と、芸術的才能を持つ弟・春（岡田将生）の兄弟が、連続放火事件と謎のグラフィティアートを追う中で、家族の過去と向き合い、隠された真実に迫ります。
- 『重力ピエロ』で春が死んだと言われる理由はなぜ？ひどいとの声についても解説
- 『重力ピエロ』のキャスト相関図
- 『重力ピエロ』のあらすじ
- 『重力ピエロ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
春が死んだと言われる理由はなぜ？ひどいとの声についても解説
春が死んだと言われる理由は？
かつてモデルをしていた鈴木京香さん演じる容姿端麗な母親・梨江子と、そんな母親を含めた複数の女性を強姦した渡部篤郎さん演じる葛城との間に生まれたという、複雑な事情を持つ岡田将生さん演じる青年・春。
そんな春を家族として受け入れ、固い絆で結ばれた加瀬亮さん演じる兄・泉水と小日向文世さん演じる父・正志の姿を描いた映画『重力ピエロ』。
春は、映画の終盤で、泉水が見守る中で、強姦をした過去を悪びれる様子もなくそれどころか被害者へひどい言葉を浴びせる葛城を呼び出した上で殺害します。
その後、癌で死んでしまった父・正志の跡を継ぎ、兄弟で養蜂場を営んでいる様子が描かれますが、その後、春は死んだという噂があります。
そんな春が死んだという噂が流れる理由について考察していきます。
管理人
「春が二階から落ちてきた」というセリフ
映画『重力ピエロ』は、冒頭とラストは同じ「春が二階から落ちてきた」という印象的なセリフで締めくくられます。
映画のラストでは、泉水がこのセリフを言った後に春が二階から飛び降りますが、その後、映像がいきなり途絶えてエンドロールが展開されていくため、春が飛び降りて亡くなったのではないか？と考えた方が多く、死んだという噂が流れたと考察できます。
この意味深なセリフについて鍵を握っているのは、一家で観に行ったサーカスのシーンです。
管理人
常識にとらわれずに生きていくことへの意思表示
サーカスで危険な空中ブランコを成功させるピエロを見て、一家は「あんなに楽しそうだから落ちてもきっと無事だ」「楽しく生きていければ、重力なんて消してしまえるかもしれない」といった趣旨のセリフを言います。
重力というのは、地球上で生活する人間の行動を制限するものであり、映画『重力ピエロ』では「強姦魔の子供を持つ一家の世間からのバッシング」や「強姦魔の殺害」といった奥野家を縛り付ける全ての事柄の比喩表現として使われています。
地域住民からのバッシングを受けても、一家は家族の熱い絆によって、春を守ってきました。
これからも兄弟の絆を固く結んで生活をしていれば、どんなバッシングやトラブルが起きて、例えこれから葛城を殺害したことの罪を警察から問われたとしても、重力を感じさせないピエロのように自由に生きていくことが出来るという思いを持って、春は二階から飛び降りたのだと考えられます。
そのため、春は死んでいなく、これからも常識にとらわれずに泉水とともに生きていくという前向きな気持ちの意思表示として飛び降りたと考察できます。
そんな春を泉水はこれからも兄として見守りながら、支え合って生活していくのだと思います。
管理人
ひどいとの声について
伊坂幸太郎さんの人気同名小説を実写映画化した映画『重力ピエロ』は、原作へのリスペクトを感じる雰囲気や展開、岡田将生さん、加瀬亮さん、小日向文世さんの演技、そして作品の雰囲気にぴったりハマっている主題歌 ロックバンドS.R.Sの“Sometimes”を高く評価する声があります。
しかし、その一方、映画『重力ピエロ』には「ひどい」というマイナスな意見を持つ方もおられます。
なぜ、そういった否定的な声が挙がってしまうのか？その理由について3つ考察します。
管理人
罪を犯すラスト
「ひどい」という声が挙がってしまう1つ目の理由は「殺人」が原因にあると考えられます。
春は自身の母親を強姦した遺伝子上では父親である葛城を殺害してしまいますが、その罪について自首することはなく、兄の泉水、そして父親の正志も黙認し、一家はこれまで通りの平穏な生活を送るという展開になります。
強姦を行い、悪びれる様子もなく、被害者を見下すような発言を続けていた最低なキャラクターである葛城ですので、殺されても仕方ないとは考えられます。
しかし、それでも殺人という立派な罪を春を犯してしまっているため、自首しなければいけないと考える方が多かったと考察できます。
そこで、一家の行動に疑問を持つ方がいたため、「ひどい」という感想につながったと考察されます。
管理人
強姦への嫌悪感
「ひどい」という声が挙がってしまう2つ目の理由は「強姦魔への嫌悪感」が大きな要因であると考えられます。
葛城は、数多くの女性を強姦しましたが、少年法に守られ、すぐに出所してきました。
そんな葛城が梨江子を強姦するシーンについては、住んでいる家で幼い泉水がいる目の前で強姦するという目を覆いたくなるようなシーンになっています。
そのため、嫌悪感を抱く方が多くおり、「ひどい」という感想につながったと考察できます。
暗い雰囲気
「ひどい」という声が挙がってしまう3つ目の理由は、「全体的な暗い雰囲気」にあると考えられます。
奥野家は、母親が強姦されたという過去、そして強姦魔の子どもである春の存在など、とても複雑な事情を抱えながら生活をしてきました。
一家は極めて明るく生活はしているものの、全体的な映画の雰囲気はどこか重苦しく暗い雰囲気になっています。
そのため、退屈に感じてしまう方がおり、「ひどい」という感想につながったと考察できます。
『重力ピエロ』のキャスト相関図
『重力ピエロ』のキャスト相関図
『重力ピエロ』のキャスト・登場人物
| キャスト・登場人物 | |
| 奥野春 役 | 岡田将生 |
| 奥野泉水 役 | 加瀬亮 |
| 夏子 役 | 吉高由里子 |
| 奥野正志 役 | 小日向文世 |
| 葛城 役 | 渡部篤郎 |
| 奥野梨江子 | 鈴木京香 |
『重力ピエロ』のあらすじ
（以下、映画『重力ピエロ』のあらすじです。）
『重力ピエロ』のあらすじ｜謎の連続放火事件を調査することとなる兄・泉水と弟・春
大学院で遺伝子研究を行っている奥野泉水は、養蜂場を営む父親の正志と弟の春の三人家族。
数年前に交通事故で母の梨江子は他界していました。
正志も癌と診断されてしまいますが、苦しい時こそ明るく振る舞う父親のことを泉水と春は尊敬していました。
グラフィティアートを消す仕事をしている春は、近頃多発している放火事件の場所の近くにグラフィティアートがあることから関連性があると感じ、泉水に協力をお願いし、二人は調査することになり、グラフィティアートに書かれた頭文字と遺伝子配列記号がリンクしていることに気付きます。
同時期に泉水はかつて強姦犯として震撼させた葛城という男が出所し、少女買春の裏稼業で稼いでいるという噂を耳にします。
24年前に母親の梨江子も葛城の被害にあっており、春がその時の子どもであることを泉水も春も勘付いていましたが、梨江子が事故に遭った際に初めて正志から春の出生について話がありました。
出生なんて関係なく、俺たちは最強の家族だと正志が伝え、三人は固い絆で結ばれていました。
『重力ピエロ』のあらすじ｜亡き母親を襲った強姦魔の殺害計画を練る泉水
探偵を雇い、葛城について調査を行った泉水は、葛城の行きつけのバーでタバコの吸い殻を採取します。
春の髪の毛を入手し、DNA鑑定を行ったところ、二人はほぼ100％の確率で親子であるという結果が出ました。
家出した妹を探しているという理由で葛城とコンタクトをとった泉水は、彼が少女買春を行うマンションへと向かい、会話をすると、過去の犯罪について全く悪びれるつもりもなく、それどころか強姦を行った際の被害者の写真を見せようか？と笑う始末でした。
大きなショックを受けた泉水は、ダムに葛城を突き落とし殺害する計画を立て、準備を行います。
同じ時期に泉水は、謎の美女から尾行をされていました。
怒りながら謎の美女を問いただすと、彼女は春を学生時代ずっとストーカーしていた夏子というあだ名の女性で、春に振り向いてもらうために全身整形を行っていました。
『重力ピエロ』のあらすじ｜母親の被害現場に葛城を呼び出し、殴りかかろうとする春
夏子からグラフィティアートと放火の犯人が春であることを聞かされ、彼女に春を助けてほしいとお願いされた泉水は急いで春の部屋に向かいます。
春が敬愛するガンジーのポスターを剥がすと、グラフィティアートが描かれた場所の地図と遺伝子記号の図が貼られており、グラフィティアートの場所がかつて葛城が強姦事件を起こした犯行現場であったことが明らかとなり、葛城の顔写真も壁に貼られていました。
次の放火現場が母の梨江子が被害にあったかつて奥野家が住んでいた民家であることを悟った泉水は急いで民家へと急ぎます。
民家は火に包まれ、リビングでは葛城と彼を殴り殺そうとしている春の姿がありました。
以上、映画『重力ピエロ』のあらすじでした。
果たして、二人はその後、どうなってしまうのか？
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
『重力ピエロ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
（以下、映画『重力ピエロ』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。）
感想評価(※ネタバレ有)｜伊坂幸太郎さんの同名人気小説を加瀬亮、岡田将生のダブル主演で実写映画化
映画『重力ピエロ』は、伊坂幸太郎さんの同名人気小説を実写映画化した作品です。
伊坂幸太郎さんは、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ゴールデンスランバー』など数多くの作品が実写化される人気小説家です。
演技派俳優である加瀬亮さんと、当時新人として様々な話題作に出演していた岡田将生さんの初共演ということで、公開前から話題を呼んでいた映画『重力ピエロ』。
強姦された母親から生まれた弟・春と、そんな春を家族として受け入れる父親・正志、そして兄の泉水の家族の絆を描いたヒューマンドラマとなっています。
物語は、グラフィティアートがある場所の近くで巻き起こる連続放火事件を兄弟で調査をすることになるミステリー映画のような展開で始まります。
管理人
映画が進むにつれて、一家には母親の梨江子が強姦された過去があり、春は強姦魔と梨江子の間に生まれた子どもであるという複雑な事情があることが明らかになっていきますが、そんな事情を知りながらも大事な家族として受け入れる小日向文世さん演じる父親・正志、そして加瀬亮さん演じる弟思いの泉水といったキャラクターが役者陣の熱演もあって、とても魅力的に描かれていきます。
自分の事情を知り、どこか影を持った岡田将生さん演じる美しい青年・春、そして暗い過去を受け入れ、家族との幸せのために笑顔を絶やさずに交通事故の末に亡くなってしまった鈴木京香さん演じる母親の梨江子といった魅力的なキャラクターとは対照的な存在として登場するのが、かつての強姦魔で現在は少女売春斡旋で生計を立てる渡部篤郎さん演じる葛城です。
犯罪を悪びれる様子もなく、自己中心的に生きる葛城の姿を知った泉水は、葛城を殺害する計画を立てていきますが、実は放火犯が春であり、春も殺害するために葛城をかつて母親が強姦された民家に呼び出していたことが終盤で明らかとなります。
燃え盛る炎の中でバットで葛城を撲殺する春は、翌日警察に行くと泉水に伝えますが、泉水はそれを制止し、事情に勘付いた父親も黙認し、家族が警察に捕まることなく、日常生活を送っていく姿が描かれ、映画は終わりを迎えます。
このラストには倫理的な問題において賛否両論があるかと思いますので、鑑賞した方々で議論するのも面白いかもしれません。
管理人
「家族の絆」は、「血のつながり＝遺伝子」に勝つことが出来るのか？という疑問が全体的な作品のテーマになっています。
同じような問題が家族に万が一同じような問題が訪れた際に、自分だったらどうするのか？と考えながら鑑賞するのも面白いと思います。
エンドロールで流れるロックバンドS.R.Sが歌う主題歌“sometimes”も、春の心情を歌っているような歌詞も含めて作品にぴったりとハマっています。
ぜひ作品と一緒に楽しむことをオススメします。
『重力ピエロ』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★☆☆星3
この映画、ストーリーだけ見るとサスペンスかと思いきや家族の絆がテーマになって居たりします。
陰惨な過去を持っていてもしっかりと絆で結ばれた家族の姿が描かれているし、主人公が遺伝子研究をしているという事も関係して「家族とは？血の繋がりとは？」と観ている側に問うて来る感じがして深みを感じました。
カルマの清算というか、忌まわしい過去の清算が裏テーマ。
ですが、ここからは良くなかった点です。（ネタバレになるのでどの人物のものかは書きません。）
話のメインとなる放火の罪そのものについて不問になっているのが正直スッキリ出来ず。そこもきちんと清算しないとなんだかなという感じです。
結構、核心に食い込んだ部分でもあるので全体的には良かったものの、その点が残念。という事で星3です。
40代男性
★★★★☆星4
伊坂幸太郎さんの大ファンで、原作小説も大好きです。なので映画も楽しみでした。大満足の実写化で、映画としてもとても好きな作品です！
重たくもどこか微笑ましさも漂う、一言では言い表しにくい独特なストーリーをどう落とし込むのか？とワクワクしていました。
が、原作の空気感をそのまま上手く映像にしていると思います。
伊坂幸太郎さんの書かれる文章の雰囲気もそのまま実写になっていて、とても満足でした。映画なので、原作とは多少異なる点もあります。
原作小説に登場する黒澤がいい味を出していると思っていたので、映画に登場しないことは少し残念…だったのですが、彼の存在を無理やり消した感じもなく、かといってオリジナルで黒澤に代わる別の人間が出てくるわけでもなく（これは本当にありがたい）、原作は原作、映画は映画、という良さがあると素直に思えます。無茶な改編がありません。
また、役者さん方も最高でした！
一番好きなのは、お父さん（正志）を演じた小日向文世さん。彼のシーンは切ない雰囲気は漂いますが、それ以上にあたたかく、父親としての大きな愛情を感じます。
原作でも大好きな、家族三人が揃う最後のシーンは、小日向さんの演技に涙なしには見られません。
20代女性
★★★★☆星4
『重力ピエロ』は人気作家・伊坂幸太郎さんの原作を映画化したことで話題になった作品です。
加瀬亮さんと岡田将生さんという人気俳優同士が兄弟を演じたことでも話題になりました。
当時はともかく、今では実現はかなり難しそうですね。
お話の軸としては、見た目も性格も似ていない兄弟2人で、地元で起こる謎の連続放火と放火前に必ず近くに描かれておるグラフィティーアートの謎を解くという、ミステリー系の話です。
謎を追っていく中で、2人とその周りの人々にとって重大な、ある意味受け止め難い事実が判明するのですが、葛藤しながらもそれを乗り越えていくファミリーストーリーでもあります。
岡田将生くんの美しさと、加瀬亮さんの悩み、葛藤する演技の上手さがあって、説得力のある作品に仕上がっています。
タイトルを見て、ピエロとかサーカスの話かな？と思う方もいるかと思いますが、これはメタファーで、「ピエロが空中ブランコから飛ぶとき、見ている人は重力を忘れる。」ことから、「本当に大切なこと(重たい事実)を伝えるときには、陽気に伝えるべきだ。」という意味合いです。
とても面白いので、原作映画共におすすめです！
原作ファンにとっては映画はという方もいると思いますが、自分は映画も楽しめました！
30代男性
★★★★☆星4
「春が2階から落ちてきた」インパクトのあるセリフからはじまる物語に、冒頭から引き込まれます。
伊坂幸太郎さん原作の小説を映画化した作品です。
テーマやストーリーは重く難しいですが、家族の絆や人との絆、深刻な問題がしっかりと描かれています。
原作の要素や雰囲気も残しつつ、繊細な描写が良かったです。
俳優陣の演技も素晴らしく、物語の良さを引き立てていました。
父親の精神がとても強く、現実ではあそこまでのマインドで生きていける人は少ないと思います。
見終わった頃、何とも言えない気持ちになりましたが、家族の絆ってそんな簡単に切れないよな…と思いました。
春を産んだのは正解だったのかな？と色々考えさせられる映画です。
30代女性
★★★★☆星4
悲しくも温かなストーリーでしたが、泉水役の加瀬亮さん、春役の岡田将生さん、ふたりの父親役の小日向文世さんがストーリーにぴったりで、映画の世界に引き込まれました。
原作の小説にもあった、「春が2階から落ちて来た」、「楽しそうに生きていれば、重力何て消してしまえる」等の印象的な言葉も、耳から入ってくると、より心に響くものがありました。
春のしたことは犯罪なのですが、渡部篤郎さん扮する葛城が本当にふてぶてしく、岡田さんのビジュアルが美しく神々しかったこともあり、悪いことに感じられないのが面白かったです。
春の「俺の父親は癌と戦っているあの人だけ」という言葉に愛があふれていて、春や泉水が間違った選択をしているように感じられなくなってくるのが不思議でした。
これだけの犯罪を犯して、どうして捕まらないのだろう…などの野暮な気持ちが消えてしまうほど、その世界に引き込まれてしまう映画でした。
50代女性
＊映画『重力ピエロ』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
