『日本で一番悪い奴ら』の実話解説!シャブ女と最後の女のその後は?歯茎に塗る意味や太郎の死因についても【あらすじネタバレや感想評価】
2016年6月25日公開の『日本で一番悪い奴ら』。
日本警察最大の不祥事とも言われた稲葉事件をモチーフに実話ベースで描かれる今作は、警察のノルマや点数稼ぎと言った実績などの為にヤクザや裏社会の人物と手を組んで違法捜査を次々に行っていく、白石元彌監督による警察汚職系のストーリーです。
『日本で一番悪い奴ら』の口コミ評判レビューには、
- 実話ベースでの作品というのが恐ろしい内容
- 出世と権力に溺れた人間が見える映画
- 何が正義で何が悪なのかを考えさせられた
- 実話なのかと驚きが大きかった
- 次第に闇に落ちていく様を見入ってしまった
- スピーディーな演出や脚本は本当に凄い
- ヘビーで観る人を選ぶ作品
- 綾野剛のダークサイドに堕落していく様がとてもリアル
という声が多数集まっています。
- 『日本で一番悪い奴ら』の実話解説|シャブ女や最後の女、黒岩のその後はどうなった?歯茎に塗る意味や太郎の死因についても
- 『日本で一番悪い奴ら』のキャスト相関図
- 『日本で一番悪い奴ら』のあらすじ
- 『日本で一番悪い奴ら』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
もし、まだあなたが一度も「日本で一番悪い奴ら」を観ていないなら、まずはネタバレとあらすじ・感想評判の前に作品を観ておくことをおすすめします。
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目次
日本で一番悪い奴らの実話解説|シャブ女や最後の女、黒岩のその後はどうなった?歯茎に塗る意味や太郎の死因についても
全て実話なの?モデルとなった諸星の現在についても解説
映画「日本で一番悪い奴ら」は、2002年7月に現役の北海道警察でありながら、覚せい剤取締法違反容疑及び銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕された稲葉圭昭が自身の経験を綴った小説「恥さらし-北海道 悪徳刑事の告白-」を実写映画化した作品となっています。
映画「日本で一番悪い奴ら」の主人公の諸星要一は、稲葉圭昭がモデルとなっております。
原作では、稲葉(諸星)は、警察学校に入ってすぐに結婚し2人の子供がいることを話していて、映画のようにいろんな女性と遊んでいたことは特に語られていません。
しかし、それ以外の「S」を作って、ヤクザとのパイプで成果を上げることは先輩刑事に教わっていたりしています。
映画のような数々の違法捜査は実話です。
管理人
また、刑務所で諸星は当初道警の組織犯罪の関与を否定しておりましたが、刑務所内で舎弟であった山辺が自殺した事実を知ると、一転して道警が組織犯罪に関与したことを認めたところで終わります
では、諸星のモデルとなった稲葉は現在どうしているのでしょうか?
稲葉はその後、実刑判決を受けて懲役刑に服しました。
警察官として非常に刺激的な生活を25年という長い間送っていた稲葉にとって、刑務所での生活はこれまでに無いほど穏やかな時間だったそうです。
2011年9月に9年という懲役生活を終えて、翌月10月に前述した小説「恥さらし-北海道 悪徳刑事の告白-」を出版し、大変な話題となりました。
出所後は毎朝早起きをして卵焼きを作ったり、市場に買い付けに行ったりと、非常に穏やかな生活を送っているそうで、自分にはこういう穏やかな生活が合っていると文春オンラインのインタビューで語っております。
管理人
その後は刑事だったという経験を活かして、息子さんと一緒に「いなば探偵事務所」という探偵事務所を開き、活躍しておられます。
出所した当初は覚せい剤を使用したくなる時があったそうですが、現在は依存症アドバイザーの資格を取得し、覚せい剤から完璧に立ち直り、依存症で悩んでいる人たちの力になるなど更生されております。
シャブ女(諸星の彼女であるホステスの女)のその後はどうなった?
諸星は、市民の生活を守るという立派な志を持ち、北海道警の機動捜査隊に配属されるわけですが、機動捜査隊の敏腕刑事・村井に気に入られ、村井が行きつけの高級クラブに出入りするようになります。
そこで田里由貴という年上のホステスの女と出会い、親しい関係になっていきますが、諸星は徐々に裏社会にどっぷりつかっていき、田里のことが疎ましく感じるようになり、金銭だけを要求する都合の良い女として扱うようになります。
田里は精神的に不安定になっていき、務めていた高級クラブも辞めてしまい、遂にはシャブ(覚せい剤)を使用していくようになっていきます。
では、果たして、田里はその後どうなってしまったのでしょうか。
映画『日本で一番悪い奴ら』では、シャブにどっぷりとハマり、中毒症状になってボロボロになっていき、諸星が自ら刑務所に送るという衝撃的な展開になっていきます。
その後、田里のモデルとなった女性がどうなってしまったのかは描かれていないため、明言することは出来ません。
田里はおそらく覚せい剤取締法で逮捕されるのは初めてで初犯であると考えられることから、執行猶予が付く可能性が高く、実刑判決を受けなかった可能性があります。
管理人
ただ、執行猶予が付いたとしても、覚せい剤で蝕まれた身体で社会復帰するのはそんなに簡単なことでは無いと考えられることから、薬物の更生施設などに入ったのではないか?と予想されます。
献身的に諸星を支えようと懸命に働いて、大金を渡していたのにも関わらず、諸星に都合よく利用されてしまった田里のことを考えると、胸が苦しくなってしまいます。
また、実話の部分でも述べましたが、諸星のモデルとなった稲葉がホステスの女性と関係を持っていたことは特に語っていませんでした。
田里は実在した人物かは不明です。
シャブを歯茎に塗っていたシーンの意味は?
諸星は裏社会とのパイプやSをうまく利用し、北海道警のエースとして表彰される活躍を見せます。
しかし、それも長くは続かず、手柄を警察庁にとられた焦りから大規模な偽装捜査を計画しますが、それも失敗に終わってしまいます。
そこで、エースとしての座から転落し自らシャブ(覚せい剤)に手を出すほど落ちぶれてしまいます。
管理人
シャブは使用してからすぐは自分が何でも出来るような気持になりますが、薬の効果が切れると不安な気持ちになったり、幻覚を見たりするようになり、どんどんと使用する量が増えていくという負の連鎖を生む恐ろしいドラッグになっています。
作品の終盤では、売春宿でシャブを使用しながら情事を楽しむシーンも描かれますが、そのシーンの中でシャブを歯茎に塗りたくるシーンが登場します。
シャブを使用する際、通常であれば注射や粉状にしたものを鼻から吸い込んだりして使用することが多いのですが、このシーンでは売春宿の女性とお互いにシャブを歯茎に塗りたくって使用しています。
このシーンの意味とは一体何だったのでしょうか?
明確な理由について製作スタッフも語っておらず明言することは出来ませんが、注射や鼻から吸い込むという面倒な手順を踏まずに一刻も早くシャブを楽しむために歯茎に塗りたくっていたのでは?と考察出来ます。
快楽に溺れて、正常な判断が全くできなくなっている諸星の混乱した精神状態が、視覚的にも非常に衝撃的に表現されているシーンだと思います。
管理人
獄中で亡くなった太郎の死因について解説
諸星は、北海道警で配属された機動捜査隊の敏腕刑事・村井から捜査のノウハウを教えてもらい、名前を売っていくようになり、村井のアドバイス通り、Sと呼ばれるヤクザなど裏社会の情報に精通する協力者を見つけていきます。
黒岩の紹介でSとなった山辺太郎は、元々薬の運び屋をやっており、ハルシオンを常用するようなぶっ飛んだ人間だったことから、諸星は当初あまり太郎を信用していませんでした。
しかし、太郎は人懐っこい性格で諸星のことをオヤジと呼んで慕い、二人は意気投合して信頼関係を深めていきます。
盗難車の販売を行っていたラシードという外国人を紹介し、海外から拳銃を仕入れるなど諸星の忠実なSとして、どんなときも懸命に動いていた太郎でしたが、大規模な偽装捜査に失敗し、夕張署に左遷されてから、諸星から連絡は一切無くなってしまいいます。
そして、妻と別れてしまうなどどん底の生活を送るようになってしまいます。
管理人
しばらく経って、諸星が太郎に会いに行ったときは、以前のように人懐っこい笑顔を見せることはありませんでした。
人生に絶望した太郎はシャブを持って警察に出頭し、刑務所に行くことになりますが、この獄中で突然の死を遂げてしまいます。
果たして、太郎の死因とは一体何だったのでしょうか?
映画では“2002年8月29日 山辺太郎 死亡”としか書かれてはおりませんが、太郎の死因は窒息死です。
片方の靴下を丸めて口に押し込み、もう片方の靴下を首に巻きつけ、歯ブラシを思いっきりねじり自ら命を絶ったことが分かります。
原作では太郎の女関係などは特に語られませんでしたが、常日頃から金銭面では苦しんでいたようで、諸星が銃器対策課から離れ、警察からの見返りも無くなった太郎は追い詰められ、告発に至ったものと思われます。
映画の中盤で道警のエースだった諸星の下で働いているときのは、つらつとした笑顔が印象的なキャラクターだっただけに、最終的に自殺をしてしまうという終わり方にはやるせなさを感じてしまいます。
管理人
最後の女(婦警)について解説
諸星は、北海道警察の機動捜査隊に配属された後に暴力団担当組織(通称:マル暴)に異動になった後に、多発する発砲事件を背景に開設された銃器対策課に異動となるのですが、そこで若き婦警の廣田敏子と出会います。
敏子は、Sを利用して多数の拳銃を押収し課のエースとして活躍していた諸星に惚れ込み、2人は親密な関係を築いていきます。
警察署内の喫煙所で白昼堂々と大胆に情事を楽しみ、何度も夜を共にするようになります。
ですが、諸星が徐々に影響力を無くしていき、銃器対策課のエースから転落していくと彼女の態度は急激に冷たくなっていき、最終的には諸星が大規模な偽装捜査に失敗してしまい、夕張署に左遷が決まった際に廊下ですれ違ったときには、鋭い目つきで諸星を睨みつけ2人の関係は終わりを迎えます。
元々、敏子は諸星自身に対して魅力を感じているわけでは無く、諸星の北海道警のエースという肩書に惹かれていただけだったことが分かります。
その後、敏子がどうなったのかは映画で一切描かれておりませんが、諸星との関係は内密なものだったと考えられることから、諸星が逮捕された後も北海道警で働いていた可能性が高いと考えられます。
ただ、こちらも原作などでは語られていない人物なので、本当にいた女性かは不明です。女性の二面性を演じた瀧内公美の登場時間はそこまで多くは無いのですが、迫真の演技も相まって、非常に印象的なキャラクターになっております。
黒岩のその後について解説
映画に登場する黒岩は、ヤクザ組織の幹部として元々機動捜査隊の村井のSとして暗躍しておりました。
しかし、村井のことを疎ましく思っていた黒岩は、諸星と新たな協力関係を結び、村井を嵌めて逮捕に陥れます。
黒岩の提案で諸星たちはシャブを捌くようになり、長い間、兄弟と呼び合い、良い関係を築いておりましたが、拳銃200丁を押収するために税関が見逃した香港マフィアから仕入れたシャブ120kgを諸星たちに黙って持ち逃げし、雲隠れしてしまいます。
このことがきっかけに諸星はヤクザから酷い仕打ちを受け、瞬く間に転落してしまいます。
その後、黒岩はどうなってしまったのでしょうか?
黒岩のその後については映画で語られることはありませんが、諸星のモデルとなった稲葉圭昭が自身の経験を綴った小説「恥さらし-北海道 悪徳刑事の告白-」で黒岩のモデルとなった石上という人物が登場します。
稲葉は石上のその後について2017年のインタビューでシャブを持ち逃げした後にシャブの代金およそ8,000万円のうち、4,000万円しか払えなかったことから仕入れ先の香港マフィアとトラブルになったと語っております。
てっきり持ち逃げしたシャブで大儲けして悠々自適の生活を送っているのかと予想しておりましたが、金銭トラブルになっていることから金銭的にそこまで余裕は無く、そう甘くはいかなかったようです。
管理人
そして、稲葉(諸星)が服役中に稲葉の弁護士に会いに来て、未払金である4000万円を請求してきたことを語っています。
その後の黒岩については、詳しく語られておりません。
同じインタビューで今も北海道に住んでいるらしいと述べておりますが、稲葉自身は二度と石上と会う気は無いそうです。
裏切られた相手ですから、そう思ってしまうのも無理は無いのかも知れません。
『日本で一番悪い奴ら』のキャスト相関図
『日本で一番悪い奴ら』のキャスト相関図はこの通りです。
演技派の俳優さんの揃った映画『日本で一番悪い奴ら』ですよね。
『日本で一番悪い奴ら』のあらすじ
(以下、映画「日本で一番悪い奴ら」のあらすじです。)
『日本で一番悪い奴ら』のあらすじ|裏社会との関係を深めていく諸星
北海道警察本部の機動捜査隊に入隊した諸星は、学生時代に柔道の日本チャンピオンとして活躍しましたが、捜査についていけず上司に叱責されるうだつの上がらない生活を送っていました。
そんな中、同じ機動捜査隊の敏腕刑事・村井に気に入られた諸星はすすき野のクラブに連れて行ってもらい、刑事として活躍するためには裏社会との繋がりを持つ協力者(通称:S)を見つけることが大事だと教わります。
その日から諸星は自分の名前を売るためにスナックなど夜の店に片っ端から名刺を配るのでした。
その甲斐があり、ヤクザ組織である極心会の下っ端から覚せい剤の所持情報を仕入れた諸星は令状も無く現場に侵入し、なんとか覚せい剤と拳銃を見つけ出すことに成功し、道警から見事表彰されることになりました。
それ以来、Sからの情報を利用して活躍し、諸星はどんどんと頭角を現していきますが、順調だと思えた矢先、極真会の幹部から令状も無く潜入し、覚せい剤を押収したことについて怒りの連絡が入り、諸星は彼らの事務所を訪れなければならない状況に陥ります。
身構えていた諸星でしたが、幹部の黒岩に乗せられて、協力関係を結ぶことになります。
そんな中、諸星にとって師匠のような存在であった村井が未成年淫行で逮捕されてしまいます。
関係を持っていた村井を疎ましく感じ始めた黒岩の仕業だと分かり、諸星は動揺を隠せませんでした。
『日本で一番悪い奴ら』のあらすじ|Sの協力の下、エースとして活躍する諸星
村井が去った後、極真会幹部の黒岩、覚せい剤の運び屋であった山辺、そして、山辺の友人で盗難車の販売業を行っているラシードという三人のSの協力の下、諸星はどんどんと活躍をしていきます。
ある日、黒岩が組を辞めることを決断し、諸星にお金を貸してほしいと相談します。
これまでの協力に恩義を感じている諸星は当然のようにお金を工面するのでした。
多発する発砲事件を取り締まるため、開設された銃器対策課に異動となった諸星はSたちを上手に使い、どんどんと拳銃を押収し、課のエースとして活躍します。
警察庁の長官が発砲されるという事件が発生し、より多くの拳銃を押収することを求められた諸星はラシードと山辺を使い、ロシアから拳銃を仕入れましたが、宅配業者の通報によって警視庁に摘発されてしまい、諸星は叱責を受けた挙句、手柄を警視庁に奪われてしまいました。
資金不足に陥り、拳銃の仕入れもうまくいかなくなってしまい、ラシードと山辺から不満の声があがるようになりました。
諸星は黒岩の提案により、覚せい剤を販売することにより資金を調達することを決めます。
『日本で一番悪い奴ら』のあらすじ|汚名返上のために計画された大規模な泳がせ捜査
覚せい剤を次々と捌き、その資金を使って拳銃をどんどんと仕入れた諸星は道警から表彰されるほどの活躍を見せます。
お金に余裕がうまれ、山辺が結婚するなど諸星たちは順風満帆な生活を送っていましたが、警視庁との合同捜査の際に諸星は失敗をしてしまい、今後の捜査は警視庁が単独で行うこととなってしまいました。
なんとか汚名を返上したい諸星は黒岩からの情報から香港のマフィアから200丁という大量の拳銃を仕入れる計画を道警内部に持ち掛けます。
20キロの覚せい剤の密輸を税関が見逃しマフィアからの信用を得て、200丁の拳銃を密輸したところを摘発するという今回の大規模な泳がせ捜査について、道警内部で協議がなされ、実行することとなりました。
ですが、密輸された覚せい剤は想定していた20キロを大幅にこえており、諸星以外の道警のメンバーは動揺を隠せませんでした。
また、これまで親密な協力関係にあった黒岩がその大量の覚せい剤を持って行方をくらましてしまいます。
以上、「日本で一番悪い奴ら」のあらすじでした。
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
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『日本で一番悪い奴ら』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画「日本で一番悪い奴ら」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|日本の警察のタブーをリアルに描いたショッキングな作品
映画『日本で一番悪い奴ら』は、元北海道警でありながら、覚醒剤取締法違反及び銃砲刀剣所持等取締法により逮捕された稲葉圭昭が自身の経験を描いたノンフィクション小説「恥さらし-北海道警悪徳刑事の告白」を白石和彌監督が実写映画化した作品となっております。
かつて柔道のチャンピオンとして活躍し、善良な市民の安全を守るために機動捜査隊に配属された主人公の新人刑事・諸星。
しかし、裏社会とのパイプを持ち、ヤクザ組織から仕入れた情報でエースとして活躍する敏腕刑事の村井と出会ったことから、自身も裏社会に顔の利く協力者(通称・S)であるヤクザの黒岩、元覚せい剤の運び屋であった山辺、盗難車の販売を行っている不良外国人のラシードと関係を持つようになります。
そして、裏社会に染まり、破滅の道を辿って行くという、非常にショッキングな作品となっております。 管理人
後に拳銃の押収がメインの職務となる銃器対策課に配属された諸星はSたちの協力のもと、道警のエースとして目覚ましい活躍を見せます。
純朴で真面目な青年であった諸星が成り上がっていく姿が非常に痛快に描かれますが、徐々に資金不足していき、資金調達のために覚せい剤を捌くようになっていきます。
徐々に活躍に陰りが見えるようになった諸星は、汚名返上のため道警の上層部や税関も巻き込み、拳銃を大量に仕入れるため違法捜査に踏み込みますが、黒岩に裏切られてしまい、捜査も失敗に終わり、諸星は夕張署の生活安全課に左遷されてしまいました。
黒岩の裏切りと諸星の左遷により、絶望を感じた山辺は覚せい剤所持で警察に出頭し、遂には諸星も逮捕されてしまうのでした。
諸星は、道警による違法捜査の関与を公表しますが、結局逮捕されたのは諸星だけだったという後日談にも、疑惑をもみ消す警察の怖さを感じます。
監督を務めた白石和彌監督といえば、『孤狼の血』シリーズでもヤクザ組織と警察組織の関係を描き、高く評価されていますが、映画『日本で一番悪い奴ら』でも、警察のタブーをどこまでもリアルに描いており、非常に見応えがありました。
また、主演を務めた綾野剛も悪事に手を染めて破滅に向かっていく主人公・諸星を喜怒哀楽を交えながら演じており、その熱演がより作品のリアルさを際立たせています。 管理人
特に捌いていた覚せい剤を自らも使用してしまい、快楽に溺れるシーンは演技がリアルすぎて恐怖すら感じてしまいます。
ショッキングなシーンも多いので注意が必要ですがヤクザ映画が好きな方や『孤狼の血』シリーズが好きな方にはぜひオススメしたい作品となっております。
『日本で一番悪い奴ら』のみんなの口コミ評判レビュー
『日本で一番悪い奴ら』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「綾野剛が演じる新人刑事が闇堕ちしていく過程はリアルだった」「白石監督ならではの日常に落とし込んだリアル感が、観るもの達へ違和感なく没入させてくれる」「序盤の警察という職務に対する意欲と、中盤以降の欲と権力を我が物顔にしてしまった刑事の対比が面白い」「一体どこまでが実話でフィクションなのだろうかとリアリティーに溢れた作品」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★★星5
映画『日本で一番悪い奴ら』は白石和彌監督&綾野剛のかなりぶっとんだ作品です。
しかも恐ろしいことに、ほぼ実話の再現ということで、いったいどんなことになるのやらと思ったら、まさに”狂気の沙汰”でした。
柔道バカでその腕を買われて北海道警にスカウトされ、刑事になったという諸星(綾野剛)は、暴力団たちとずぶずぶの関係になり、堕ちていくのですが、まず綾野剛さんの擬態っぷりが凄いです。
柔道をしていたということで、特殊メイクでつぶれた耳を再現していています。
さらに、経済的に追い詰められていく様子や、自ら覚せい剤に手を出してその堕ちていく様子が凄まじく、救いようがありません。
ラストは40代後半、覚せい剤中毒でブクブクにむくんだ体を再現し、それまでにしてきた悪行が全て自分に返ってきた、というその様子は、他の作品では見せたことがない綾野剛の姿が見られます。
怖いもの見たさで手を出したら顔をひっぱたかれたくらいの衝撃が残ります。
ご覧になる方は、ちょっと腹を括ってみた方が良いかもしれません。
50代女性
★★★★☆星4
わたしは綾野剛のファンのため、この『日本で一番悪い奴ら』を観ました。
まず、この映画を見た率直な感想は、これが実際にあった話なのかと驚きが大きかったです。
綾野剛の役は、とても素直で態度が大きい人という印象です。
名刺を色々な人に配る姿のシーンでは、この綾野剛の役柄が描かれていると感じました。
この映画を見て、正義にはさまざまな形があるのではないかと感じました。
ヤクザと関わり合って、色々な情報を得るのも正義であるし、それが事件解決に繋がっていることもあると感じました。
今ではそれが厳しくなっている時代のため、何が正義で何が悪なのか。これを考えさせられた映画でした。
人が薬で狂って、転落していく、いくらでも転落できるという現実を見せられた作品でした。
20代女性
★★★★★星5
「孤狼の血」などで知られる白井和彌監督作品という事で、とても楽しかったです。
綾野剛演じる諸星が、最初は真面目で熱血な良い刑事だったのに、次第に闇に落ちていく様が悲しくもありながら、この先どんなストーリーになっていくんだろうと思い、どんどん映画に惹かれていきました。
また諸星の周りについていく仲間たちも個性的で、とても良かったと思います。
映画の中で起こっていく事件や内容に、本当にこれは実話なのかと驚くばかりで、警察はやりたい放題だなと思ってしまいました。
また、タイトルの意味も良かったと思います。
最初は、諸星と仲間たちが、「日本で一番悪い奴ら」なのかなと思いましたが、諸星の行いを見過ごしたり、加担した北海道警もかなと思いました。
どんどんと悪い事をしているのに、それを悪い事だと思わせない、スピーディーな演出や脚本は本当に凄いと思います。
20代男性
★★★★☆星4
白石和彌監督作品。綾野剛が組織のため、自分のために成り上がり、手段を選ばず暴走する警察人を演じます。
この映画の発展形が、役所広司・松坂桃李主演の『狐狼の血』に繋がっていきます。
観て、最初に想起したのが、アル・パチーノの「スカイフェイス」。成り上がりのためには手段は二の次。周りの人間は利用して、蹴落としていきます。
ただ、この映画の綾野剛は、自分だけのためだけではなく、組織のためにも動いていく。
本来は、北海道警のために、麻薬事件撲滅を目指していたのですが、その組織としての目標がひとり歩きして、彼をどんどんモンスター警察にしてしまう。
思えば、私たち日本人が陥りやすい組織第一主義は、これに当たるのかもしれない。
ヘビーで観る人を選ぶ作品かもしれませんが、めちゃくちゃ面白いです。
40代男性
★★★★☆星4
綾野剛はやっぱり悪い役が似合うなという印象でした。
最初は実直な柔道だけで警察官になった若者がだんだん汚い社会の中で「悪いやつ」へと変貌して行ってしまいます。
そんな描写がつぶさに描かれていることによって自分も同じ立場になった時にどうなってしまうのだろうか、主人公を糾弾することができるのだろうかと思わされてしまいます。
脇役の方々も「悪いやつ」のオーラがバンバン出ていて思わず見入ってしまうそんな内容です。
でも結局義理を通して関係者の方が亡くなるまでは口を閉ざしていた主人公は結局実直な人のままだったのではないかと思ってしまいます。
実話だそうですが、一体どこまでがフィクションなのだろうかとリアリティーに溢れた作品でした。
20代男性
★★★☆☆星3
エンターテインメントとしてよくできている作品だと思います。
主演の綾野剛氏がキャラクターづくりに相当力を入れた結果、体形まで変わっていて一見しただけでは別人に見えるほどでした。
演技も個人的には高評価で物語前半の自分にとって都合よく物事が進んでいるときのふてぶてしい諸星が、ストーリーが進むごとに徐々に追い詰められて憔悴していく様子には非常に迫力を感じられました。
その他の登場人物はあまり印象に残らないというのが正直な感想です。
あくまで諸星に注目を集める必要があるので意図的なものかもしれません。
また、本作の元となった稲葉事件の犯人である稲葉氏が出演していたのはサプライズなのかもしれませんが不快でした。
何年経とうと、警察を辞めようとも彼が許されるわけではありません。
本件以降も北海道警察が不祥事を繰り返しているという事実も呆れさせてくれます。
自分は北海道民なので、ただでさえ低い評価がさらに低下します。
40代男性
★★★★★星5
私がこの映画を見て、とてもリアルな世界だなと率直に思いました。
一般的には、警察がいくら情報を得るためとは言えど賄賂を渡すなどと言ったことはいけないとは思いますが、この映画を見れば、確かにそうしないと情報というものは得ることが出来ないし、情報を得ないと逮捕とかも出来ないのかなと思いました。
あまり、明るい映画ではないとは思いますが、薬物や窃盗など反社会的な行為でお金を儲けてはいましたが、男たちが、明るい夢に向かっていろんなことに挑戦をしていくところを見ていると、とても男心をくすぐられるようなストリートでもあったかなとも思いました。
数ある映画の中でも途中で飽きることなく、見続けられた映画だったと思います。
10代女性
★★★★★星5
白石和彌監督の作品が好きなため映画館でリアルタイムで観賞しました。
本件は実話をベースにされた作品かつ、舞台は北海道となります。
また私自身も北海道札幌市出身ですので、この実話は道内でも当時ニュースになった記憶があります。
また作品終盤で「首を吊っているシーン」の場所も、当時高校生だった私の学校の近くで発生した出来事でした。
よってこの作品自体が私にとっては決して遠くない実話を見ているようでした。
作品自体もとても好きで、輝かしい信念を持ちつつも、現実を目の当たりにしてダークサイドに堕落していく様がとてもリアリティを感じます。
警察がテーマですが、現代のサラリーマンにも通ずるところはあるのかな?と思います。
犯罪とまではいかなくとも、社会人になる前のキラキラしたものが、社会のリアルを体験することで徐々に輝きさがなくなり、気付いたら歯車になっていて、「どうにかこうにかうまくやる」「多少グレーな手法を使ってでも乗り切る」、そんなダーティーなこともスキルとして身についてしまうあたりがとても共感しました。
30代男性
*映画「日本で一番悪い奴ら」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
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