『PERFECT DAYS』の考察解説|平山の過去やラストシーンの涙の意味とは?つまらないと言われる理由などについても
映画『PERFECT DAYS』は、数多くの賞を受賞したヴィム・ヴェンダースの監督作品です。
ヴィム・ヴェンダースの監督は『さすらい』や『パリ、テキサス』など名作を手掛けています。
主演は役所広司が務め、第76回カンヌ国際映画祭では主演男優賞を受賞しました。
日本人俳優としては『誰も知らない』で柳楽優弥が受賞して以来、19年ぶり2人目となる受賞となりました。
管理人
映画『PERFECT DAYS』の口コミ評判レビューには、
- 当たり前の幸せを感じた
- 役所広司の微妙な感情の変化は流石
- 物語はシンプルでありながらも深い
- 好き嫌いは分かれるかも
- 派手な演出や目立ったストーリー展開ない
- 観る者の心を深く揺さぶる作品
- スピーディーな展開のシーンがあっても良かった
- 役所広司だからこそ、成り立った映画
という声が多数集まっています。
- 『PERFECT DAYS』を考察解説
- 平山の過去とは?
- ラストシーンの涙の意味とは?
- アヤがキスをした理由
- 『PERFECT DAYS』がつまらないと言われるのはなぜなのか?
- 『PERFECT DAYS』のあらすじ
- 『PERFECT DAYS』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
考察解説|平山の過去やラストシーンの涙の意味とは?アヤがキスをした理由についても
平山の過去に何があったのか?刑務所で服役していた説やモデルとなった人物を解説考察
映画『PERFECT DAYS』の主人公として登場するのが、役所広司演じる中年男性の平山。
平山はスカイツリーが見える東京の下町にある古い木造アパートに住み、トイレの清掃員として働き、質素な暮らしをしています。
が、自分の中にあるルーティーンを守りながら音楽や草花に囲まれ、充実した生活を過ごしているように見えます。
そんな平山がこれまでどんな生活を歩んできたのかなど映画内では明らかになってはいませんでした。
そこで、気になる平山の過去について考察していきたいと思います。
管理人
刑務所で服役していたという説
映画の中で平山は、毎朝決まった時間に目覚めて布団を綺麗に畳んで片付け、手際よく身支度をして清掃現場へと向かいます。
かなり規則正しい生活を送っていますよね。
そんな几帳面な様子を見て刑務所で服役していたのではないかという説があります。
ですが、この説が浮上したことについて、平山を演じた役所広司さんの以前の映画作品が影響したのではないか、とも言われています。
役所広司さんは、2020年に主演した映画『すばらしき世界』で、出所した元殺人犯の男性を演じています。
13年の刑期を終え、出所した元殺人犯の男性という設定だったことも影響しているのかもしれません。
管理人
監督ヴィム・ヴェンダースが語る平山の過去
平山が刑務所で服役していたという説がありました。
が、平山の過去について、映画『PERFECT DAYS』で監督を務めているヴィム・ヴェンダースが公開時のインタビューで語っています。
このインタビューから平山が刑務所に服役していたという説は誤っていることが分かります。
管理人
そんな優秀なビジネスマンだった平山が、なぜ現在のような暮らしを始めたのか。
その理由について、ヴィム・ヴェンダース監督が語っています。
平山は裕福で影響力のあるビジネスマンで一般的に見れば成功者でしたが、どこか満ち足りない気持ちをおさえるためにお酒を大量に飲む生活を送ってしまっており、そんな生活に嫌気が差し、自殺まで考えていました。
そんな中、平山はホテルの一室に差し込んだ木々から差し込む木漏れ日に大きな感動を覚え、高級車も地位も必要ない事に気付き、ただ木々と光を愛でる、そんな生活に憧れて、すべてを捨てて現在の質素な生活を送るようになったのです。
このヴィム・ヴェンダースが語った平山という人間の過去を考察してみると、合点がいきます。
彼が昼休みに神社の境内で嬉しそうに木漏れ日の写真を撮影していましたよね。
また、映画の中盤で姪っ子であるニコを迎えに来た妹・ケイコとの会話のシーンで、父親と関係が悪くなっており疎遠になっていることが明らかになっていましたが、エリート街道を走っていた息子が突然地位や名誉を捨ててトイレの清掃員になった平山のことが、父親は理解できずに衝突した末、関係が悪くなってしまったのかもしれません。
身なりやお抱えの運転手がいたことから、ケイコも裕福な生活を送っていることが推測できます。
元々平山家は裕福な家庭で父親もそれなりの地位にいたと推測できますので、父親にとっては息子の選択が許せなかったのかもしれません。
管理人
平山のモデルになった人物
ヴィム・ヴェンダースは同じインタビューで、平山のモデルになった人物の存在についても語っています。
その人物とは、カナダ出身のシンガーソングライターで詩人であるレナード・コーエンです。
レナード・コーエンは1960年代から活動していますが、仏教の禅に傾倒し、僧侶になったことがありました。
ヴィム・ヴェンダースは、友人でもあったレナード・コーエンの僧侶時代をイメージして平山というキャラクターを作っていったそうです。
確かに毎日規則正しく生活をする几帳面な平山の姿は、まるで僧侶のようにも見えます。
管理人
ラストシーン|最後の涙の意味について
約120分に渡って、東京・下町でトイレの清掃員として働く中年男性 平山の姿を描いた映画『PERFECT DAYS』。
映画のラストでは、約5分に渡って平山の表情が全面に映し出されます。
涙をこらえながら、必死に笑おうとしているように見える平山の表情がとても印象的ですが、最後の涙の意味は何だったのでしょうか?
それは、人生の喜びと悲しみを噛みしめているのだと考察できます。
管理人
セリフが少なく、過剰な説明もない作品ですので、当然平山がなぜ涙を流していたのかについての答えはありません。
しかし、おそらく平山が涙を流したことについては明確な理由はないのではないでしょうか。
ただ、生活を送る中で巻き起こる喜びや悲しみを噛みしめている様子が描かれているのだと考察できます。
毎日規則正しい生活を送り、ルーティーンを大事にしながら、趣味の写真や大好きな読書、音楽に囲まれて自分なりに充実した生活を送っている平山ですが、映画の中盤で姪っ子のニコと過ごしたことにより、10年以上も会っていなかった妹ケイコや、ずっと疎遠になっている父親について思いを巡らせることになります。
また、映画の終盤では余命宣告されている行きつけの居酒屋のママの元夫・友山との会話の中で、どんな人間にも生きる意味があるという思いを新たにします。
そんな毎日変わらないようでありながら、実は変わり続けている平山の心模様について、映画のラストで表現しているのだと思います。
管理人
ヴィム・ヴェンダースが語っていたように、平山は元々成功したビジネスマンでした。
が、そんな生活に嫌気が差し、全てを捨てて木々と光を愛でる質素な生活を送るようになりました。
そんな生活に満足はしているものの、家族との関係など失ったものも多くありますよね。
穏やかに見える平山ですが、実は様々な葛藤を抱えていることがこのラストシーンで分かります。 管理人
そんな平山を優しく照らすオレンジ色の朝日。
まるで祝福するような朝日を見て、平山は気持ちを新たに清掃現場へと向かったのでしょう。
一人芝居の場面も多く、セリフも少ない中で、表情だけで主人公・平山の心模様を表現することに成功した役所広司さん。
その演技は凄まじく、カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したのも頷けます。
この作品をきっかけに、もっと海外からも役所広司という役者が評価されていくことを期待したいものです。
アヤはなぜ平山にキスをしたのか?
平山の同僚である若い青年タカシが思いを寄せる女性として登場するのが、ダンサーやモデルとして幅広く活躍するアオイヤマダ演じるアヤです。
タカシのお願いで仕方なく平山は車をタカシに貸してアヤを送迎します。
その後、タカシはガールバーで働くアヤに会いに行くために平山からお金を借ります。
が、結局二人の関係はうまくいかず、タカシは後に仕事を辞めてしまいます。
そんなアヤですが、平山の前にもう一度姿を現し、車内で音楽を聴き涙を流した後に突如として平山の頬にキスをします。
平山も笑みを浮かべて満更でもない様子でしたが、なぜアヤは平山にキスをしたのでしょうか?
管理人
平山の優しさに惹かれたアヤ
アヤがなぜキスをしたのかについて、映画の中で明言されるシーンはありません。
が、おそらくアヤは平山の優しさに触れて、彼に対して好感を持ち、お礼の意味でキスをしたのではないかと考察できます。
アヤは送迎中の車内で、平山が所有していたカセットテープを甚く気に入った様子でした。
カセットテープに入っていたのは、アメリカ出身のシンガーソングライターであるパティ・スミスの曲です。
70年代から長きに渡って第一線で活躍している歌手です。
アヤがカセットテープの曲を気に入っている様子を見て、タカシは良かれと思って平山に内緒でアヤのバッグにカセットテープを入れます。
後日アヤは平山の前に現れた際にカセットテープを返します。
しかし、大事なテープを勝手に取られていたにも関わらず、平山は文句ひとつ言いませんでした。
それどころかもう一度カセットを聞きたいというアヤのお願いを快く受け入れて、気のすむまでカセットを聞かせてあげます。
アヤが何を考えていたのかについてはセリフもないため分かりませんが、涙ぐんでいたことからおそらく何かしらの悩みを抱えていたのでしょう。
そんなアヤに対して、何も聞かずにただ側にいて見守る平山。
平山の純粋な優しさが、悩みを抱えるアヤの心に響き、キスをしたいという衝動に駆られたのかもしれません。
管理人
アヤが気に入った“Redondo Beach”という楽曲
アヤが車内で聴き、非常に気に入った様子の楽曲が、パティ・スミスの歌う“Redondo Beach”という曲です。
レゲエを思わせる軽快なビートが印象的なポップソングですが、実は歌詞の内容は非常に重苦しいです。
アメリカ・ロサンゼルスにあるRedondo Beachに訪れていたレズビアンのカップルについて歌っています。
喧嘩した後に片方の女性が入水自殺を遂げてしまうという内容になっています。
管理人
ポップで明るいファッションに身を包んでいるけれど内面には大きな悩みを抱えているアヤ。
そんなアヤのイメージにぴったりな楽曲になっていると思います。
1975年リリースされ、この楽曲が収録されている『ホーセス』というアルバムは、ニューヨークパンクシーンの重要な作品です。
今なお名盤として語り継がれている作品ですので、映画を観て気になった方はぜひアルバムも聴いてみることをオススメします。
『PERFECT DAYS』がつまらないと言われるのはなぜなのか?
ドイツ出身の巨匠ヴィム・ヴェンダースが東京を舞台に製作した映画『PERFECT DAYS』。
大規模上映ではなかったにも関わらず、役所広司さんがカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したという話題性もあり、興行収入約12億円というヒットを記録しました。
管理人
全世界での興行収入は36億円を超えており、ヴィム・ヴェンダースのこれまでの作品の中でも特にヒットした作品となりました。
また、作品の内容についても高く評価されています。
アジア太平洋映画賞を受賞し、映画レビューサイトRotten Tomatoesでも90%以上のスコアを記録しています。
そんな興行的にも評価的にも成功を収めた映画『PERFECT DAYS』。
「つまらない」という感想を持つ方もおられました。
そこで、なぜ「つまらない」と言われてしまうのか、その理由について考察してみると、起承転結のないストーリー展開が原因だと思われます。
管理人
映画『PERFECT DAYS』は、まるでドキュメンタリーフィルムのようなタッチでトイレ清掃員として働く平山の日常を描いています。
アヤとの出会いや姪っ子ニコとの時間、余命宣告された友山とのやりとりといったシーンはあります。
しかし、それらが大きな展開になっていくことはなく、終始穏やかなトーンで映画は展開していきます。
そんな起承転結のないストーリー展開について「退屈」と感じる方がおり、「つまらない」というマイナスな感想につながったと考察出来ます。
ごく普通の娯楽映画であれば、疎遠になっている家族と再会するシーンやトイレに残されたメモでやりとりをしている人物と対面するシーンなどが描かれたのかもしれませんが、映画『PERFECT DAYS』は過剰な演出を控えており、物足りないと感じた方もいたのかもしれません。
『PERFECT DAYS』のあらすじ
(以下、映画『PERFECT DAYS』のあらすじです。)
『PERFECT DAYS』のあらすじ|東京の下町でトイレ清掃員として働く主人公・平山
風呂なしの古い木造アパートに一人で暮らす中年男性・平山。
東京で公衆トイレの清掃員として働く平山は、毎日早朝に目覚め、草花に水をやり、身支度をしてから車に乗り込んで現場へと向かいます。
トイレ清掃という人々から嫌煙されがちな仕事であるにも関わらず、平山は誇りを持って職人のように丁寧に清掃を行っていきます。
移動中に好きな音楽を鑑賞して休憩中に木漏れ日を撮影し、帰宅してからは銭湯に行き、馴染みの食堂でお酒を嗜み、読書をしながら眠りにつくという孤独で単調ながら充実した日々を送っていました。
『PERFECT DAYS』のあらすじ|同僚のタカシが思いを寄せるミステリアスな女性・アヤ
平山とは対照的に同僚の若い青年タカシは、仕事に対してやる気がなく清掃を適当に済ませます。
ガールズバーで働くアヤに想いを寄せるタカシは平山に頼み込んで、アヤを車で送迎しました。
車内で流れるパティ・スミスのカセットテープを気に入った様子のアヤの様子を見て、タカシはカセットテープを平山に内緒でアヤのバックに入れました。
お金がないとアヤに会いに行くことが出来ないと嘆くタカシに対して、仕方なく平山はお金を渡します。
後日平山の前に現れたアヤはカセットテープを返し、もう一度車内でパティ・スミスの音楽を聴きながら涙を流します。
何も言わずにそっとアヤの様子を見守る平山。
別れ際 アヤに突然頬をキスされた平山は驚きますが、帰宅後もその事を思い出して何度も笑みを浮かべます。
『PERFECT DAYS』のあらすじ|姪っ子・ニコとの穏やかな日々
ある日、家出してきた姪っ子のニコが平山のアパートを訪れます。
随分長い間ニコと会っていなかった様子の平山は彼女の成長を喜び突然の訪問を歓迎します。
平山に頼んで仕事に同行したニコは、トイレ掃除に抵抗がある様子でしたが丁寧に作業をする平山の姿を見て笑みを浮かべ、翌日には掃除を手伝うようになります。
平山は家出をしたニコを問いただす事はせずに一緒に穏やかな時間を過ごします。
そんな時間も束の間、ニコを迎えに疎遠になっていた妹が高級車に乗って現れ、仕方なく車に乗り込むニコ。
妹は老人ホームにいる父親に会ってほしいと伝えますが、平山は首を横に振り、別れ際そっと妹を抱きしめて涙を流すのでした。
以上、映画『PERFECT DAYS』のあらすじでした。
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『PERFECT DAYS』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『PERFECT DAYS』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|役所広司の凄まじい演技が堪能できる巨匠ヴィム・ヴェンダース監督作品
映画『PERFECT DAYS』は、『ベルリン・天使の詩』や『パリ、テキサス』で知られるドイツ出身の巨匠ヴィム・ヴェンダースが日本を舞台に東京でトイレの清掃員として働く中年男性・平山の姿を描いた作品です。
主人公の平山を演じた演技派俳優・役所広司さんが映画『PERFECT DAYS』の演技が高く評価されました。
そして、カンヌ映画祭で主演男優賞を受賞したことでも大変な話題を呼びました。
そんな映画『PERFECT DAYS』は、平山が早朝に目覚め、清掃現場に向かうために身支度をするところから始まります。
管理人
ヒゲを整えて顔を洗い、草木に水をやり、自販機で缶コーヒーを買って車に乗り込み、お気に入りの音楽を聴きながら現場へと向かう平山。
現場に着いてからも手際良く丁寧にトイレ清掃を行い、帰宅してからは行きつけの銭湯に行き、馴染みの居酒屋で食事をとって読書をしながら眠る。
そんな平山の日常がドキュメンタリー映像のように展開されていきます。
トイレ清掃員という周りから怪訝な目で見られてしまう仕事でありながら、毎日を丁寧に過ごします。
自分なりの楽しみ方を知っている平山の姿を見て魅力的に感じた人々も多いのではないでしょうか。
管理人
神社の木々から差す木漏れ日に胸を躍らせたり、音楽に感動したり、同僚が思いを寄せる若い女性から頬にキスをされるとまるで少年のように笑みを浮かべたりと何もかもを純粋に受け止める平山。
セリフが少なく、ほぼ一人芝居のシーンがあるにも関わらず、表情の一つ一つで平山の感情を表現する役所広司さんは見事で、彼以外で平山を演じることが出来る役者はいないのではないか、と思ってしまうくらいの圧巻の演技となっています。
途中、家出した姪っ子のニコが平山の前に現れ、二人で穏やかな時間を過ごしますが、迎えに来た疎遠になっていた妹との話から平山が過去の出来事によって父親との関係が悪くなっていることが分かりますが、細かい情報はなく、観客は自由に解釈をすることが出来ます。
映画の終盤で、病に冒されている男性から「影は重なると濃くなるのか?」と尋ねられた平山は、男性と影を重ねます。
「変わらない」と言う男性に対し、「何も変わらないなんて馬鹿な話はない」と珍しく訴えますが、このセリフには、どんな人間にも生きている意味があり、無駄な人間などいないという強いメッセージを感じます。
管理人
ラストシーンでは、いつものように現場へ向かう平山が、朝日を眺めながら喜びや悲しみが混ざり合ったような表情を浮かべます。
喜怒哀楽を表現したその表情の意味については、観た人の解釈によってポジティブにもネガティブにも捉えられると思います。
鑑賞した後、自分の生活に持ち帰って、少しだけ自分の日常が愛おしく感じられるような、生活についての細かな気付きをくれる作品です。
生活に窮屈さを感じている人にぜひオススメしたいです。
『PERFECT DAYS』のみんなの口コミ評判レビュー
『PERFECT DAYS』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「こういう映画がもっともっと作られたらいいと思えた」「日常の中にある小さな喜びや美しさを描き出すことで、観客に自己を見つめ直す機会を与えてくれる作品」「日常の些細な瞬間にこそ価値があるというメッセージが伝わってくる」「派手な感動やドラマチックな展開を期待する人には物足りない」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
役所広司さんの素晴らしい演技が存分に堪能できる映画です。
公衆トイレの清掃員をしている平山が淡々と過ごしていく生活の中、いろんな出会いをしていくストーリーに心が温かくなりました。
仕事に身が入らない後輩のタカシ、突然家にきた姪っ子のミコ、スナックのママなどと関わっていく平山。
ですが、会話は少なめですが彼の優しさが十分伝わってくる関係だと思いました。
一人暮らしの平山ですが、孤独ではなく自分の仕事にプライドを持ち、趣味を楽しみながら生きている姿が本当に素敵だと思います。
派手なシーンは決してありませんが、平山のささやかな生活に自分の姿を重ねながら見てしまいました。
ラストシーンの役所広司さんの表情に彼の色々な感情が込められており、グッときました。
30代女性
★★★★★星5
パーフェクトデイズは、ヴィムヴェンダースが役所広司を迎えて東京の渋谷を舞台に制作した映画です。
カンヌ映画祭でも賞を獲得して世界に認められた作品ですが、主人公の設定が非常に珍しいです。
公共トイレの清掃人の日常という設定はたくさんの映画を観てきました。
が、なかなか斬新でここから描く世界はどんなものなのだろうと期待してしまいました。
まず主人公の平山のルーティンは決まっていて、毎日の生活は人から見れば変わり映えしません。
しかし平山はその中から小さな変化を見つけることで小さな楽しみを得ています。
また人生の後半を迎えて一人暮らしでも気難しい人間ではなくて、姪や同僚が自分の生活サイクルに絡んできても許容する寛容さも持っています。
テーマが地味なんですが、役所広司の懐の深さで見応えがあります。
この人は小さな幸せを見つけて穏やかに生きていける素晴らしい人なんだなということや、幸せは人によって価値観が違うんだなという事がわかる作品だと思いました。
50代男性
★★★★★星5
ヴィム・ヴェンダース監督という海外の方が作っていると知って驚きました。
木漏れ日の描写や人物の感情の描写がとても繊細だったからです。
些細なことに目を向けて大切にしようと思える作品でした。
ほとんど話さない平山の役をこれだけ見入ることができるのも役所さんの魅力なのだろうと思います。
最後の役所さんの演技には、悲しいのか嬉しいのか分からない喜怒哀楽が入り混じったような、何とも言えない感情が表情に表れていて、顔だけで魅せる演技力に脱帽でした。
元々トイレの広告で作られたとは思えないほど様々な事を学べた映画です。
タイトルの『PERFECT DAYS』には平山が複雑な思いを抱えながら、努力して「完璧な日々」にしようとしている思いが感じられました。
20代女性
★★★★☆星4
役所広司だからこそ、成り立った映画なのかなと思ったのが第一印象です。
感覚的にですが、この映画の90%以上は役所広司が出ているし、かなりの時間が無言の時間です。
それを、しっかりと役に落とし込んでいるところに素晴らしさを感じました。
ただ、ストーリー的には、もっと奥がある内容の方が良かったなとおもいます。
あくまで一個人の日常の仕事と生活を描いており、その奥に潜むものを想像させるような内容には薄かったのではないかと思います。
また、人情味あふれる描写をしたかったシーンが多いのは理解が出来るものの、若干くどさも出ていたのではないでしょうか?
もう少し、あっさり感のある、スピーディーな展開のシーンがあっても良かったです。
40代男性
★★★★★星5
ヴィム・ベンダースと言ったらやっぱり『パリ、テキサス』が有名です。
あれが「再生」の話だとするならこのPERFECT DAYSは「終息」の話だと思いました。
終息、というと悪い意味のように聞えるかも知れないですが、終わりとは必ず訪れるものです。
タイトルにある通り、それが完璧な日々だったらどんなに良いだろう…と思いますよね。
主人公、平山の送る生活というのは恐ろしく単調で、ありとあらゆる新しいモノを受け入れない変化のない生活です。
ストーリーではそこにちょっとした変化が訪れます。
本当にちょっとしたものだが、平山にもほんの少し変化が訪れたように思います。
そして、それを持ってして、完璧、即ち完全に変化のないPERFECTな状態になったように思うのです。
淡々としている日々を演技力のみで僅かな心の動きなどを表現する役所広司の演技力はさすがです。
これは今の役所さんにしか出来ないものだと思います。
ラストシーンの泣きながら笑うという表現は解釈が分かれる所なのかもしれません。
しかし、人生とは辛さも幸せも表裏一体であり切り離せないもので主人公平山の人生を表しているように思いました。
そしてそれが完成されたという意味だと解釈しました。
PERFECT…と言いたくなるような非常に美しい映画です。
40代男性
★★★★★星5
厳密には映画『PERFECT DAYS』の感想ではないのかもしれません。
しかし、都内のトイレが非常に現代的でおしゃれになったものがあることに、まずは驚きました。
主人公は公衆トイレの清掃を生業としており、その日常が丁寧に描かれています。
トイレはとても進歩的ですが、主人公の生活は昔ながらというか、フィルムを使うカメラを使用していたり、古本屋で買った文庫本を読んだり、少し古めの音楽をカセットテープを使って聞いたりと、何十年も変化していなさそうな感じです。
仕事には、自作と思われる道具を使用していたり、必要がなければあまり口を利かなかったりと、職人的な印象の人物でもあります。
一番印象深く感じたのは、一度はゴミとして捨てようとしたメモ紙に、陣取りというのでしょうか、〇と×のやりとりが続くシーンでした。
最後のThank you!を見た限り外国の方なのかもしれません。想像を掻き立てられました。
引き合う孤独同士のデリケートなやり取り、という印象を受けました。
姪のニコ、小料理屋のママさん、その元旦那さん、アヤさんなど、主人公の周囲にいるのは、絶妙な距離感を保ってほしい、デリケート孤独を抱える人々のように思いました。
主人公が、表情は変わるものの終始幸せそうな微笑みを浮かべて、明かりの様子の変わるトンネルの中を延々愛車で走っていくラストシーンが、月並みですが象徴的だなと感じました。
40代女性
★★★★★星5
非常に奥深い作品で心動かされるものがありました。
日々黙々と清掃の仕事をこなし、淡々と生活を送る平山の元に姪であるニコが訪ねてくるところから、物語が加速していきます。
平山が妹であるケイコから言われた「本当にトイレ掃除をしているの?」というセリフがズンと重く感じました。
私は平山の自分らしく生きていて、毎日のルーティンを完璧にこなすところを尊敬していましたし、自分も平山のように小さな幸せを大切にしながら日々を生きていたいと思います。
それだけにケイコの一言は、平山の生き方を否定しているような感じがして心苦しく感じました。
この作品で好きなシーンは、平山がお昼休憩のときに神社の境内でご飯を食べるシーンです。
木漏れ日を見上げながら、気持ち良さそうにする平山の姿が幸せそうで温かい気持ちになりました。
30代女性
★★★★☆星4
『PERFECT DAYS』は本当に心に染みる映画でした。
役所広司さんの演技が素晴らしくて、彼が演じる主人公の日常がとてもリアルで親しみやすいものでした。
映画自体は静かで淡々と進むのですが、その中にある細やかな感情の動きがとてもよく描かれていて、自然と引き込まれる感じがしました。
普段の何気ない出来事や人との触れ合いが、こんなに温かく描かれるのかと感心しました。
映像も美しく、自然光を上手く使っていて、シンプルなのに印象的なシーンが多かったです。
ただ少し残念だったのは、物語の進行がゆっくりすぎると感じるところもあったことです。
もう少しテンポが良ければ、もっと集中して観られたかもしれません。
それでも全体として、観ていて心がほっこりするような、落ち着いた気持ちになれる作品だと思います。
役所広司さんのファンはもちろん、日常の中にある小さな幸せを感じたい人にぜひ観てほしい映画です。
20代男性
*映画『PERFECT DAYS』のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。