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『戦場のメリークリスマス』を徹底考察!なぜ生き埋めにされた?実話部分は?曲の意味が知りたい!

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映画『戦場のメリークリスマス』。

第二次世界大戦がテーマの戦争の映画ですよね。

しかし、映画に関する情報がどれほどあるのかで、評価が分かれる作品ではないかと思います。

日本軍俘虜収容所での話しで、その背景をきちんとわかっていないと難解というかストーリーがよく分からないといった鑑賞者も多いでしょう。

また、1度見ただけでは全てに気づくことができないという点では少しわかりにくい作品とも言えます。

ただ、何度も見ることで気づきが増し、より楽しめる作品であると評価することもできます。

そこで、映画『戦場のメリークリスマス』での分かりづらかった点などをまとめて考察して解説してみました。

この順番でチェック
  1. 『戦場のメリークリスマス』でセリアズはなぜ生き埋めにされた?
  2. 『戦場のメリークリスマス』は実話映画だった
  3. 『戦場のメリークリスマス』の原作との違いについても解説
  4. 『戦場のメリークリスマス』の主題歌に込められた曲の意味
  5. 『戦場のメリークリスマス』ではスタッフが失踪していた?事件は未解決のまま
  6. 『戦場のメリークリスマス』でデヨンはなぜ舌を噛み切ったのか?
  7. 『戦場のメリークリスマス』の冒頭のカネモトの切腹理由も解説
  8. 『戦場のメリークリスマス』でセリアズが銃殺刑から助かったのはなぜ?
  9. 『戦場のメリークリスマス』でセリアズがヨノイにキスした理由
  10. 『戦場のメリークリスマス』でヨノイがセリアズの髪の毛を切ったのはなぜ?
  11. 『戦場のメリークリスマス』でセリアズの弟の回想シーンの意味を解説
  12. 『戦場のメリークリスマス』でヨノイとハラはなぜ処刑になったのか
  13. 『戦場のメリークリスマス』でハラのラストのセリフ「メリークリスマス」の意味

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目次

戦場のメリークリスマス|セリアズはなぜ生き埋めにされた?

映画『戦場のクリスマス』では、終盤で英国軍少佐のジャック・セリアズは処刑として生き埋めにされて死んでしまいます。

なぜ彼は生き埋めにされてしまったのでしょうか?

その理由には2つ、考察できますので、確認していきましょう。

管理人

生き埋めにされた理由①|他の俘虜への見せしめ

ジャック・セリアズはそのカリスマ的な魅力から他の俘虜たちのリーダー的な存在になっています。

何度も反抗的な態度をとっては日本軍、とくにヨノイ大尉を困らせていました。

そんなセリアズを生き埋めにし、見せしめにすることによって今後日本軍に反抗的な態度をとるものがいないように警告する意味があったと考察します

生き埋めになっている際に他の俘虜たちがジャックのために讃美歌を歌うシーンもありますよね。

いかに彼が他の俘虜たちから絶大な支持を集めていたのかが分かるシーンとなっています。

生き埋めにされた理由②|日本軍の威厳を取り戻すため

ヨノイ大尉は、日本軍に情報提供を拒む俘虜長のヒックスリーに斬りかかろうとした際に立ちはだかったジャック・セリアズに抱擁されキスをされてしまい、倒れこんでしまいます。

セリアズに恋をしてしまっていたヨノイからすると、仕方のないことではあるのですが、軍人として俘虜に弱みを見せてしまうのは致命的な行為だと思います。

そのため、更迭されたヨノイに代わって収容所に現れた新しい大尉は失われてしまった日本軍の威厳を取り戻すために、俘虜の中の中心人物であるジャック・セリアズを生き埋めにしたのだと考察します

ヨノイ大尉のように自分は甘くなく、罪を犯したものは容赦なく処刑するという俘虜たちへの警告の意味も込められていたと考察できます。

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『戦場のメリークリスマス』は実話映画だった!原作との違いについても解説

映画『戦場のメリークリスマス』についてストーリーが実話という噂がありますが、本当なのでしょうか?

結論から言うと、映画『戦場のメリークリスマス』は実話に基づいたストーリーになっています。

映画『戦場のメリークリスマス』は、イギリスの著作家であるローレンス・ヴァン・デル・ポストが1954年に発表した「影さす牢格子」、1963年に発表した「種子と蒔く者」の二作品を原作としてストーリーが作られているのですが、この二作品はイギリス陸軍の大尉であった著者が日本軍の俘虜収容所に囚われた体験を綴った作品となっているため、映画のストーリーも実話に基づいたものだと言えます。

登場人物であるジョン・ロレンス英国軍中佐は、自身の名前に基づいて作られたキャラクターとなっています。

1906年に誕生したローレンス・ヴァン・デル・ポスト(以下ローレンス)は、成人してから小説家や新聞記者として働く傍ら、農夫として自身の農場で牛の世話を行っておりましたが、1940年5月にはイギリス陸軍に志願、日本陸軍が東南アジアを軍事的侵攻を行った1942年にはインドネシア連合軍へと派遣されることになりました。

その後、連合軍が日本軍に降伏することになり、映画と同じく俘虜として収容所での生活がスタートすることになります。

1945年に日本が降伏するまで長期に渡った緊迫した俘虜生活はローレンスに強い影響をもたらし、そのときの経験をまとめた小説が映画『戦場のメリークリスマス』の原作となっている「影さす牢格子」、そして、「種子と蒔く者」になります。

管理人

小説にするにあたって、多少の脚色はあったかと思いますが、映画と同じような出来事があったことは紛れもない事実だと言えます。

原作と映画の違い

映画『戦場のメリークリスマス』のストーリーは基本的に原作に忠実に展開されていきますが、大きな違いが1つあります。

それはヨノイ大尉のその後です。

映画ではヨノイ大尉は戦争の後に処刑されたことが明らかになりますが、原作小説ではヨノイ大尉は処刑を免れ、その後、セリアズの遺体から一部切り取った彼の髪の毛を自身の神社に捧げ、セリアズへ謝罪の意を伝えるシーンがあります。

どういう意図で原作から変更したのかは分かりません。

しかし、大島渚監督には、もしかしたらヨノイは死を以て償うべきという思いがあったのかもしれません。

管理人

原作には、他にもセリアズが弟への思いを語る回想シーンが映画よりも長尺で描かれていたり、ちょっとした違いがあります。

映画に感銘を受けたという方は、ぜひ原作小説も読んでみることをオススメします。

映画では伝わりきらなかった登場人物たちの感情がより分かりやすくなるかもしれません。

戦場のクリスマス|主題歌に込められた曲の意味

映画『戦場のメリークリスマス』でもっとも印象的なのが主題曲である「メリークリスマス、ミスターローレンス」の美しい旋律です。

坂本龍一が作曲したこの曲は、現在では映画以上の知名度を誇り、世界中で親しまれています。

果たして坂本龍一はこの楽曲にどんな意味を込めたのでしょうか?考察していきます。

管理人

演技初挑戦だった作曲者の坂本龍一

“メリークリスマス ミスターローレンス”は、歌の入らない楽器の演奏だけのインストゥメンタル楽曲です。

楽曲を聴いただけではどういったメッセージが込められているかは分かりません。

また、作曲者もこの楽曲にどのようなメッセージを込めたのかは明言しておりません。

ただ、坂本は音楽誌のインタビューにて楽曲について「西洋でも東洋でもない、他のなんでもない、わけのわからないものだ」と語っており、楽曲をどこの国のものか分からない無国籍な印象を与える楽曲にしたかったと考察できます。

管理人

坂本は映画『戦場のメリークリスマス』が演技初挑戦だったこともあり、試写で自分の拙い演技を見てなんとか楽曲で盛り上げたいという気持ちがあったようで、その演技の拙さが結果的に後世に残る大名曲誕生のきっかけになったことが分かります。

別バージョンの禁じられた色彩について

“メリークリスマス ミスターローレンス”には、別バージョンで歌が入ったバージョンがあります。

“禁じられた色彩 forbidden colours”、と名付けられたこのバージョンは、映画を観て感銘を受けた坂本龍一と交流が深かったイギリスのロックアーティストであるデヴィッド・シルヴィアンが歌詞とメロディーを作り歌ったものです。

映画では使用されていませんが、映画の公式サウンドトラックには収録されています。

管理人

原題の“forbidden colours”というタイトルは、三島由紀夫が1951年に発表した同性愛をテーマにした作品“禁色”の英訳題から引用されています。

映画のヨノイとセリアズの関係を歌った楽曲であると考察することができます。

この曲は当時イギリスのチャートで16位を記録し、シルヴィアンの代表曲として今も人気を集めました。

近年ではL’Arc~en~Cielのボーカリストであるhydeがライブでカバーを披露したりもしています。

管理人

映画と一緒に音楽も合わせて楽しむと、より作品の世界観に入り込むことができると思いますのでオススメです。

『戦場のクリスマス』ではスタッフが失踪していた?事件は未解決のまま

日本アカデミー賞において優秀作品賞、優秀監督賞、優秀助演男優賞、そして、英国アカデミー賞では作曲賞を受賞するなど高く評価され、興行収入約10億円というヒットを記録した映画『戦場のメリークリスマス』。

ですが、そんな制作の裏側でスタッフが失踪したという噂があります。

実際はどうなのでしょうか?考察して解説して行きます。

管理人

噂ですが、実際に照明スタッフがロケ地のニュージーランド自治領のラロトンガという島で照明技師のスタッフが失踪するという事件がありました。

映画の撮影が開始される1982年8月19日に照明スタッフが行方不明になったことに気付いた別のスタッフは、撮影監督である成島東一郎氏に伝え、その後、監督の大島渚氏に報告がありました。

大島監督は現地の警察に失踪届を出し、予定通りに撮影を進めましたが、照明スタッフの妻と現地の警察官たちの3日間に及ぶ捜索の甲斐も虚しくスタッフの男性は一向に見つかりませんでした。

大島渚監督含めた他のスタッフたちは、撮影に集中するためほとんど捜索には協力しなかったようです。

捜索の進展がないまま撮影は終了しスタッフたちは帰国しますが、噂を聞きつけたマスコミ記者たちが空港で待ち構えており、捜索にさほど協力しなかったことや失踪についての責任追及をされた大島監督は「島でいい女を見つけて芋を耕しているか死んでいるかのどっちかでしょうね」と他人行儀に語ったため、世間から猛バッシングを受けることになります。

激怒した遺族から雇用契約における安全保護義務違反と名誉棄損で訴えられることになってしまいました。

管理人

裁判のその後の経過は不明ですが、大事な家族が行方不明になってしまった遺族のことを考えると。大島監督ももう少し発言には気を付けた方が良かったのではないかと思ってしまいます。

照明スタッフの男性の行方については、見つからない方法で自殺を図った説や現地の島の女性と駆け落ちをしたのではないかという説、別人として暮らしている説など様々な噂が流れました。

しかし、未だに謎のままとなっており、40以上経った現在でも未解決事件となっています。

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戦場のクリスマス|デヨンはなぜ舌を噛み切ったのか?冒頭のカネモトの切腹理由から含めて解説

映画の冒頭で、ロックバンド・キャロルのギタリストとして知られるジョニー大倉が演じた朝鮮人の軍属カネモトがアリステア・ブラウニング演じる捕虜のオランダ人であるカール・デヨンをレイプしたという事件を起こします。

その後、カネモトは切腹することになりますが、なぜカネモトは切腹しなければならなかったのでしょうか?

管理人

その理由は作品の時代背景が大きく影響しています。

カネモトが切腹した理由

作品の舞台となる1942年はLGBTという言葉が世間的に少しずつ広まりつつある現在とは違って同性愛がタブーとされておりました。

そんな時代において、おそらく同性愛者であろうカネモトが犯した俘虜をレイプするという事件は前代未聞であり、日本軍としても彼をそのまま生かしておくことは出来なかったため切腹をしなければならなかったと考察できます。

封建時代の日本において、古くから切腹には不祥事を犯した際にその責任を自分自身で納める覚悟を示すことで自分自身や残された遺族たちの名誉を保つという意味合いがあるため、日本軍は名誉の死を遂げるようにカネモトに切腹を迫ったのでしょう。

この冒頭の事件において、もう一つ疑問に感じるシーンがあります。

それはカネモトが切腹する際にデヨンが舌を噛み切るシーンです。

この事件の被害者であるはずのデヨンはなぜ舌を噛み切ってしまったのでしょうか?

その理由については作品で明らかになることはありませんので明言は出来ませんが、2通りの理由が考察できます。

管理人

実は相思相愛の関係にあったデヨンとカネモト

1つ目の理由として考えれるのは、デヨンとカネモトが実は相思相愛の関係にあったのではという考えです。

事件について尋ねられた際にデヨンは、カネモトについて毎晩傷の手当をしてくれてとても優しかったが、突然犯されてしまったと語っています。

カネモトについて好意を持っていたと考察できます。

管理人

そんな好意を持っていた優しかったカネモトが自分のせいで切腹して死んでしまうという罪悪感から舌を噛み切ったと考察することが出来ます。

精神状態が不安定だったデヨン

2つ目の理由として考えれるのは、デヨンの精神状態が影響しているという考えです。

俘虜としての生活の中でデヨンは悪夢にうなされるなど、精神状態が非常に不安定な状態にありました。

そんな状態の中で切腹の様子を目の当たりにし、大きなショックを受けてしまい舌を噛み切ってしまったと考察することができます。

管理人

どちらが本当の理由かについては分かりません。

しかし、デヨンとカネモトが戦争において辛い思いを経験し、極限の精神状態にあったのは明らかな事実だと思います。

戦場のクリスマス|セリアズが銃殺刑から助かったのはなぜ?

映画の序盤で日本軍の輸送隊に対してゲリラ襲撃を行い、俘虜となったイギリスのロックスターであるデヴィッド・ボウイ演じるジャック・セリアズについて裁判が行われ、銃殺刑が執行されることになりますが銃は空砲であったため、セリアズは助かります。

なぜセリアズは銃殺刑から助かったのでしょうか?

その理由にはセリアズにかけられたスパイではないかという疑惑が関係しています。

降伏したセリアズについて、潜入したスパイでは無いかという疑惑を抱いた日本軍に対し、セリアズは裁判において当然否定しますが、その疑惑について明らかにするためにわざと空砲を撃ち、セリアズの反応を観察することにしました。

セリアズが刑の執行前に命乞いをするようなことがあれば、死刑を逃れるために嘘をついたスパイだと判断できると考え、銃殺刑を偽装して空砲を撃ったわけですが、セリアズは刑の執行前にも関わらず死を全く恐れずに真っすぐ前を見つめており、その堂々した態度にセリアズはスパイではないと判断されました。

この銃殺刑の偽装について計画したのは、おそらく坂本龍一演じるヨノイ大尉であったと考えられます。

では、なぜヨノイ大尉は上官を説得し、手の込んだ偽装を行ってまでセリアズの無罪を証明しようとしたのでしょうか?

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その理由については明らかにはなっていませんが、2つの理由が考察されます。

セリアズのルックス

1つ目の理由は、ジャック・セリアズのルックスです。

ミステリアスでどこか中世的な魅力があるセリアズのルックスはヨノイの好みで一目惚れのような感覚になり、どうしても殺すことは避けたいと無実を証明しようとしたと考察できます。

管理人

その証拠に、ヨノイは裁判中にセリアズを観察しては落ち着かない様子を見せており、その姿はまるで初恋をした少女のようにも思えます。

女性のようにメイクをして着飾りステージに立つグラムロックスターとして1970年代初頭から活躍していたデヴィッド・ボウイだからこそ、セリアズという不思議な魅力のあるキャラクターを演じることが出来たのだと思います。

セリアズへの興味

2つ目の理由は、ジャック・セリアズの興味です。

セリアズは俘虜として連れてこられ、死に直面しているにも関わらず、全く死を恐れていない様子でした。

そんなセリアズについてヨノイは自分との共通点を感じて興味を示し、もっと知りたいという欲求に駆られた結果、無実を証明しようとしたと考察できます。

管理人

以上二つの理由から、セリアズが死んでしまうのは惜しいと考えて、ヨノイ大尉は無実を証明しようとしたと考察できます。

戦場のクリスマス|セリアズがヨノイにキスした理由

映画の終盤で、一向に俘虜についての情報提供を行おうとしないジャック・トンプソン演じる空軍大佐の俘虜長であるヒックスリーに対し、怒りを爆発させたヨノイ大尉は俘虜を全員並ばせるように命じます。

その中には療養している重病の捕虜もおり、この無茶な要求は戦時中の病人や俘虜たちの待遇を改善するための国際条約であるジュネーヴ条約に大きく違反していました。

しかし、この期に及んで情報提供に応じず、ヒックスリーに対して怒りが頂点に達しているヨノイは構わずにヒックスリーに斬りかかろうとします。

ここまでヨノイが怒り狂ったのは、セリアズを俘虜長にしようと計画している噂を聞きつけたヒックスリーが、ヨノイがセリアズに気があることを知ってヨノイを嘲笑ったことにも大きな原因があると考察できます。

管理人

そこに突然ジャック・セリアズが現れ、怒りに震えるヨノイを抱きしめてキスをするという衝撃の行動を見せます。

驚いたヨノイは思わず弱弱しく倒れこんでしまい、さらなる混乱が巻き起こってしまいます。

結果として、セリアズは生き埋めの刑となり、命を落とすことになりました。

なぜ、セリアズは危険を承知の上で敵国であるヨノイにキスをするような暴挙に出たのでしょうか?

管理人

その理由は大きく分けて2つあると考察出来ます。

俘虜長を救うためにヨノイの恋心を利用した

1つ目は、俘虜長を救うためにヨノイの恋心を利用したという理由です。

セリアズはこれまでの俘虜生活において、ヨノイの自分に対する恋心や好意を強く感じていました。

そのため、ヨノイは自分を殺すことは出来ないだろうと考え、キスをすることによってヨノイを混乱させ、俘虜長のヒックスリーを救ったと考察出来ます。

自分自身のヨノイへの思いを表現した

2つ目は、自分自身のヨノイへの思いを表現したという理由です。

セリアズ自身もヨノイに恋心を抱いており、ヨノイにキスすることによってお互い相思相愛の関係であるということを表現したかったのだと考察できます。

自分自身の恋心に気付きつつも、決して弱みを見せてはいけない立場であるが故に苦悩しているヨノイの気持ちが、セリアズには手に取るように分かったため、少しでもヨノイの気持ちに寄り添ってあげたいという気持ちがキスをするという暴挙につながったと考察出来ます。

突然のキスにヨノイ大尉は戸惑い、部下たちがいるまで倒れてしまうという大きな失態を演じてしまいました。

しかし、内心は自分の心にセリアズが寄り添ってくれたようで嬉しい気持ちもあったのではないか?と考察できます。

管理人

戦場のクリスマス|ヨノイがセリアズの髪の毛を切ったのはなぜ?

ジャック・セリアズがヨノイ大尉の頬にキスした後に新しくやってきた収容所の所長によって、セリアズは生き埋めの刑に処されてしまいます。

そして、結果的に命を落とすことになります。

そこで、ヨノイ大尉はセリアズが命を落としてしまった直後に彼の頭髪を切り取ります。

なぜヨノイ大尉はセリアズの髪を切ったのでしょうか?

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理由①神社に奉納するため

1つ目の理由は、セリアズの頭髪を神社へと奉納するためです。

ヨノイはセリアズのことを非常に尊敬しておりました。

敵国の軍人という立場ではありますが、常に勇敢でリーダーシップを発揮するセリアズに憧れのような感情を抱いていたのかもしれません。

そんなセリアズの頭髪を切って神社へと奉納することによって、セリアズの魂が天国で安らかに眠ることができるようにしたかったのです。

管理人

ヨノイが大事に保管していたセリアズの頭髪はヨノイの処刑前に面会に訪れたローレンスに渡され、ローレンスによってヨノイの指示通りにヨノイが生まれ育った村の神社へと奉納されたと考えられます。

理由②愛するセリアズの形見が欲しかったため

2つ目の理由は、愛するセリアズの形見が欲しかったためです。

ヨノイは大尉という立場やタブーである同性愛のために口にすることはありませんでしたが、セリアズのことを心から愛していました。

そのため、愛するセリアズの形見を自分の側に置いておきたかったのだと考えられます。

管理人

その証拠に、ヨノイは頭髪をすぐに奉納はせずに処刑されるまで肌身離さずに持っていたと、処刑前にヨノイと面会したローレンスが語っています。

戦場のクリスマス|セリアズの弟の回想シーンの意味を解説

所持品検査によって無線ラジオが発見され、その責任追及のためにローレンスとセリアズは隣り合わせの独房に収容されてしまいます。

その際にそれぞれの身の上話を語り合います。

ローレンスは自身の恋人について語りますが、セリアズは弟について語り、回想シーンが展開されていきます。

この回想シーンには、実はセリアズが戦争に自ら出兵した理由がこのシーンで語られているため、セリアズについて語る上で非常に重要な意味があるシーンになっています。

管理人

セリアズの弟は障害を持っていますが、美しい歌声を持つ優しい少年で、セリアズはそんな彼を兄として献身的にサポートしていました。

ですが、弟がセリアズと同じパブリックスクールに入学した際は、寮長として学園のエリートである自分の存在に傷が付くことを恐れてひどいいじめに合って助けを求める弟のことを無視しました。

自分の立場のために守るべき立場の弟をセリアズは見捨ててしまったのです。

管理人

弟はこのいじめをきっかけに二度と美しい歌声を披露することは無くなってしまい、セリアズは自分のエゴを優先して弟を助けることが出来なかったこの過去の出来事にずっと強い罪悪感を抱いていました。

そんな過去に囚われてしまい、強い罪悪感を抱いたまま生きているセリアズは、少しでもその過去を忘れるために命を落とすかもしれない戦争に自ら出兵することにしたのです。

セリアズが周りから「兵士の中の兵士」という異名を持ち、危険を顧みない行動をとる理由はこの過去の出来事によって、セリアズの心は病んでしまっており、生きていながら死んでいるような生活を送っていたからなのかもしれません。

映画の終盤では、生き埋めの刑に処されたセリアズは弟のことを思いながら命を落としていきますが、夢の中で過去の弟と再会し、過去の自らの過ちについて謝罪します。

自らの死によって弟への罪を償うことが出来たと感じ、ようやくセリアズは安らかに眠る事が出来たのかもしれません。

管理人

セリアズの弟が劇中で披露する楽曲は。ヨノイ大尉を演じた坂本龍一が作曲した「Ride Ride Ride(Reprise)」という楽曲で、作品のサウンドトラックに収録されています。

ウィーン少年合唱団のような天使のような歌声で歌われる、まるで牧歌のような美しい旋律が非常に印象的な楽曲です。

ぜひ映画と合わせて聴いて頂きたい楽曲になっています。

戦場のクリスマス|ヨノイとハラはなぜ処刑になったのか

映画の終盤、ジャワ島での日本軍俘虜収容所での出来事から4年後の1946年。

戦争が終わった後にローレンスが、ハラ軍曹のもとを訪れるシーンが描かれます。

そのシーンの中で、ヨノイ大尉はすでに処刑されたと語られており、ハラ軍曹も明朝に処刑が執行されることが明らかになっています。

なぜ、ヨノイ大尉とハラ軍曹は処刑されることになってしまったのでしょうか?

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その理由は戦争において日本軍が敗戦したことが関係しています。

作品の舞台である第二次世界大戦において、オランダがナチスドイツの占領下となり、1942年に日本軍はジャワ島を占領しました。

しかし、ご存じのようにドイツも日本も戦争において敗戦国となってしまい、これまでと立場が逆転し、今度は戦勝国から裁かれる立場となりました。

大尉であったヨノイ、そして軍曹であったハラもそれぞれ軍事裁判にかけられた結果、BC級戦犯として処刑されることになったというわけです。

特にヨノイ大尉は国際条約であるジュネーブ条約を破って俘虜長であったヒックスリーに斬りかかろうとしたこともあったことから、戦後に処刑されてしまうのは仕方がないことだと感じます。

戦場のクリスマス|ハラのラストのセリフ「メリークリスマス」の意味

映画の終盤で、ローレンス中佐が敗戦国の軍曹として、明朝処刑することが決定しているハラ軍曹のもとを訪れ、しばし会話を楽しみます。

そして、別れ際にハラ軍曹がローレンス中佐に「メリークリスマス、ミスターローレンス」と笑顔で告げて、映画は終わりを迎えます。

作品の中でも特に印象的に感じるこのセリフですが、このセリフには文化や宗教といった国を超えたハラ軍曹とローレンス中佐の友情という強いメッセージが込められています。

戦争において、支配する立場と支配される立場であったハラ軍曹とローレンス中佐でしたが、二人の間には不思議な友情が芽生えていました。

クリスマスの夜に独房に入れられていたローレンスとセリアズは、酔っ払ったハラ軍曹に呼び出されて独房からの釈放というクリスマスプレゼントを貰います。

管理人

キリスト教が主流である西欧では、クリスマスの夜に罪人に対して恩赦を与えることがあるようですが、そのような文化が無い日本では考えられないことだと思います。

しかし、ハラ軍曹は俘虜の立場ではありますが、ローレンス中佐に対して敬意を持って接しており、英国の文化やしきたりを理解しようと考えており、それが釈放という意外なプレゼントにつながったのです。

ローレンス中佐もハラ軍曹について理解しようと日本兵の葬式に出席したり、日本国の文化や考え方を理解しようとしていました。

二人はそれぞれにお互いのことを理解しようと努力をしており、国を超えた友情で結ばれていたのです。

管理人

処刑を前にしたハラ軍曹に対して、ローレンス中佐は「あなたも戦争の犠牲者である」と伝え、今すぐあなたを自由にして家族の元に返してあげたいと声をかけています。

そんな大事な友人であるローレンス中佐への敬意と友情の表現として、最後にハラ軍曹は「メリークリスマス」と伝えたと考察できます。

ジャック・セリアズとヨノイ大尉には、性別や国を超えた愛のような関係性を感じることが出来ましたが、ローレンス中佐とハラ軍曹には国を超えた友情を感じることが出来ます。

男たちのそれぞれの関係性に注目しながら鑑賞するのも、面白いのでは無いでしょうか。

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