『未来のミライ』が気持ち悪い2つの理由。怖い新幹線の駅員と東京駅のシーンが表している事を解説。

2018年7月20日公開の映画『未来のミライ』。
映画を実際に観た人の中には「気持ち悪い」「怖い」といった感想を話す人もいます。
確かに映画を観ていると、なんだか言いしれないチグハグさから気持ち悪いと感じてしまうことは理解できます。
また、新幹線にいる駅員、東京駅を行き交う人々もなんだか不気味で怖いですよね。
そんな「気持ち悪い」「怖い」原因はなんなのか、理由を考察すると、この通りです。
『未来のミライ』が気持ち悪いと言われる理由
- 主人公のくんちゃんが我儘すぎる
- くんちゃんの声優が年齢と合ってない
『未来のミライ』が怖いと言われる理由
- 未来の東京駅が不気味
- 駅員や行き交う人々薄気味悪い
新幹線の駅員や東京駅が怖いものとして描かれている理由は、4歳児である主人公くんちゃんからの視点を表現するためだと考査されます。
それでは、気持ち悪い2つの理由、怖い新幹線の駅員と怖い東京駅のシーンが表している事などを徹底解説していきます。
監督は、細田守監督で、『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『竜とそばかすの姫』など、家族や成長を軸にした作品を数多く手がけてきました。
『未来のミライ』は2018年に公開され、興行収入約28億円を超える大ヒット作品となりました。
日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞も受賞し、さらにアメリカのアカデミー賞(オスカー)長編アニメ映画賞にノミネートされ、アヌシー国際アニメーション映画祭にも正式出品されるなど、国際的にも高い評価を受けました。
4歳の男の子・くんちゃんが未来から来た妹との不思議な出会いを通じて、過去・現在・未来へと連なる家族の歴史を体験し、自分自身の成長と家族のつながりを学んでいく姿が描かれます。
目次
「気持ち悪い」と感じるポイント2つを解説。

『未来のミライ』は、細田守監督先品として、大ヒット作品となりました。
しかし、肝心の内容については「気持ち悪い」という声も上がるなど、否定的な意見も多い結果となりました。
『未来のミライ』はなぜ「気持ち悪い」と言われてしまうのか、その理由は2つあると考察されます。
気持ち悪い理由①主人公くんちゃん
映画『未来のミライ』が「気持ち悪い」と言われる理由は、くんちゃんこと主人公の太田訓が原因であると考えられます。
くんちゃんは、妹の未来ちゃんが誕生したことにより、これまで自分に全て捧げられてきた親の愛情が未来ちゃんに捧げられることが受け入れられず、嫉妬に駆られてしまい、未来ちゃんを新幹線のおもちゃで叩くといった行動に出てしまいます。
ひょんなことから時空を超えた旅に出るようになり、その経験の中で未来ちゃんを受け入れることになるまでが描かれていきますが、くんちゃんは自分の感情に正直で喚いたり笑ったり、怒ったり泣いたりと喜怒哀楽をストレートに表現します。
そんなくんちゃんについて「わがまま」「うるさい」といった感想を持つ方が多くおり、「気持ち悪い」という感想に繋がったと考察できます。
しかしながら、4歳児という設定であることから、自分の感情がコントロールできないのは仕方ないことです。
細田守監督は、自分の幼い息子を見て映画『未来のミライ』のアイディアが思いついたということで、子どもたちをよく観察し、くんちゃんのキャラクター作りに反映しており、非常にリアルに幼児を表現できていると思います。
子どもたちの絵柄についても、リアルに描かれており、子育ての経験がある方は懐かしく感じ、現役の子育て世帯は共感できる部分もあるのではないでしょうか?
子育てをしたことがない方や普段子どもを接する機会がない方は苦手意識を持ってしまうかもしれませんが、くんちゃんのことは子どもだと思って大目に見てあげてほしいところです。
気持ち悪い理由②年齢が合わない声優起用
映画『未来のミライ』が「気持ち悪い」と言われる理由は、声優にも原因があると考えられます。
黒木華さん、星野源さん、麻生久美子さん、役所広司さん、福山雅治さんら豪華キャストが声優として参加しましたが、批判が集まったのはくんちゃんを演じた上白石萌歌さんの演技です。
4歳児という難しい役柄を感情豊かに演じましたが、「女性にしか聞こえない」「キーキーと高音がうるさい」という否定的な意見が多く集まり、「気持ち悪い」という声に繋がってしまったと考えられます。
難しい役柄を演じきった上白石萌歌さんの挑戦は評価したいところですが、素直に子役に演じてもらった方が良かったのかもしれません。
未来の東京駅が怖いと言われる理由|不気味な駅員と黒い新幹線の正体

映画『未来のミライ』には、怖いという声も挙がっていますが、ホラー映画でないにも関わらず、なぜ「怖い」と言われてしまうのか。
その理由は、新幹線の駅員のシーン、未来の東京駅のシーンが挙げられます。
ただ、新幹線の駅員のシーン、未来の東京駅のシーンが怖いシーンとして描かれているのには理由があります。
管理人
未来の東京駅のシーン
映画『未来のミライ』が「怖い」と言われてしまうのは、映画の終盤で描かれる未来の東京駅でのシーンに原因があると考えられます。
キャンプに行く予定だったにも関わらず、お気に入りのズボンが洗濯中で着ることが出来ないという理由で旅行に行くことを拒否したくんちゃんが家出をしてしまい、未来の東京駅を訪れるシーンが展開されますが、このシーンでは不気味な駅員が登場し、通りゆく人々もどこか薄気味悪く描かれます。
その上、遺失物係に肉親の名前を答えられなければ、黒い新幹線に乗せられ、乗客の骸骨たちととも「ひとりぼっちの国」に送られてしまうというまさかのホラーのような展開が描かれていきます。
この東京駅のシーンに恐怖感を抱いた方が多くいたため、「怖い」という声に繋がったと考察できます。
なぜ怖く描かれていたのか?
この東京駅のシーンがなぜ必要以上に怖く描かれていたかというと、全てくんちゃんという四歳児の視点で描かれていることに原因があります。
4歳児のくんちゃんからすれば、大勢の人々が足早に過ぎ去っていく東京駅は恐怖でしかなく、難しい言葉でしゃべる駅員もどこか高圧的に見えていたと考えられます。
子どもから見た大人の世界の怖さというものをこのシーンは上手に表現していると感じます。
『未来のミライ』のあらすじ

(以下、映画『未来のミライ』のあらすじです。)
『未来のミライ』のあらすじ|妹の誕生が受け入れられない4歳児・くんちゃん
好奇心旺盛な4歳児・くんちゃんの元に生まれたばかりの妹がやってきます。
今まで一人っ子で両親の愛情に注がれていたくんちゃんは、両親が妹にばかり気をとられているので嫉妬のような感情を抱くようになり、妹なんていらないと両親を困らせ、ある時に新幹線のおもちゃで妹を叩き、母親にこっぴどく怒られてしまいます。
両親への不満を抱えて、家の庭を出たくんちゃんは自分のことを王と名乗るお尻にしっぽを付けた謎の男性と出会います。
なんでも男はくんちゃんが生まれる前は両親に愛を十分に注がれていましたが、現在では餌も安物になってしまったと不満を漏らし、彼が飼い犬のゆっこだという事が分かりました。
ほどなくして、産休中だったお母さんが職場復帰することとなり、お父さんが在宅勤務の傍らくんちゃんとミライと名付けられた妹の世話をすることとなります。
しかしながら、慣れない育児に悪戦苦闘するお父さんは、家事の合間に仕事をし、くんちゃんをかまってあげることが出来ず、雛人形を片付けるというお母さんとの約束も忘れてしまいます。
『未来のミライ』のあらすじ|未来から来たミライちゃん、過去のお母さんと出会うくんちゃん
お父さんにかまってもらえずにイライラしてしまったくんちゃんは、またもや未来ちゃんに悪戯をしてしまいます。
その後、庭に出たくんちゃんは今度はセーラー服を着た未来からミライちゃんと名乗る少女と出会い、雛人形の片づけを1日遅らせると、1年婚期が延びてしまうと言われていることから、未来のミライちゃん、ゆっこ、そして、くんちゃんが協力し、お父さんに気付かれないようになんとか雛人形を片付けることに成功します。
しばらくして、片付けをしなかったくんちゃんはお母さんにこっぴどく怒られてしまいます。
今度は自分と同じくらいの年齢の時の過去のお母さんと出会い、一緒におもちゃやお菓子を散らかしながら遊んで楽しみました。
ある休みの日、お父さんとミライちゃんと三人で公園を訪れたくんちゃん。
周りのお兄ちゃんたちの影響で、補助輪を外した自転車に乗ろうとしますが、うまく乗ることが出来ず、お父さんもミライちゃんの世話で精一杯で手伝ってもくれずくんちゃんは癇癪を起してしまいます。
『未来のミライ』のあらすじ|未来の東京駅で迷子になってしまったくんちゃん
そんなくんちゃんの前に今度は勇ましい顔つきの男の人と出会い、馬舎に案内されます。
男に馬に乗せてもらったくんちゃんは、恐怖心から下ばかり見てしまいますが、アドバイスによって徐々に馬に乗る事に慣れてきました。
不思議な体験をした後に再び公園を訪れたくんちゃんは、馬に乗ったときのように下を見ず、前を見ながら自転車を懸命にこぎ、上手に乗りこなせるようになりました。
くんちゃんの挑戦にお父さんは凄いと歓喜の声をあげます。
不思議な体験をたくさんしたくんちゃん。
今度は家族でキャンプに行くことになった際、お気に入りのズボンを洗濯中ということで履くことが出来ずに駄々をこねていると、家に誰もいなくなってしまいました。
外に出ると謎の駅があり、電車に乗ってしまったくんちゃんは未来の世界と思われる東京駅に辿り着いてしまい、迷子になってしまうのでした。
以上、映画『未来のミライ』のあらすじでした。
『未来のミライ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)

(以下、映画『未来のミライ』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|4歳児の主人公・くんちゃんの不思議な体験を描いた異色のSF作品
映画『未来のミライ』は、細田守監督が2018年に発表したオリジナルアニメ作品です。
細田守監督は、『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』などの代表作を持つヒットメーカーとして知られていますよね。
細田監督と言えば、『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』で親子愛や家族愛を描いてきました。
映画『未来のミライ』では、4歳児の主人公くんちゃんという子どもの視点から家族愛が描かれる作品です。これまでの作品のように明確に起承転結があるわけではなく、妹の未来ちゃんが誕生し、両親からこれまでのように愛情を注がれることがなくなったくんちゃんが、不思議な経験を通して、妹を受け入れるまでの姿が描かれていきます。
管理人
妹の誕生から、自分の思うように事が進まなくなってしまい、怒りながら庭に出たくんちゃんは、飼い犬のゆっこが擬人化された男や未来から来た妹の未来ちゃん、幼い頃のお母さん、若い頃の曽祖父と出会うという不思議な経験をしていきますが、なぜ過去や未来の人物に出会ったり、タイムスリップしたりするのかについて明確に説明があるシーンはありません。
しかしながら、それぞれの出会いに挑戦する事の大切さや立派に見える大人たちもみんな昔は子どもで一歩ずつ成長していった事など教訓が込められており、イソップ童話のような雰囲気さえも感じます。
そのため、冒険ストーリーを期待して鑑賞すると、物足りなく感じてしまうかもしれません。
女優・上白石萌歌さんが演じた主人公のくんちゃんは、4歳児ということでわがままで自分の思うようにいかなければすぐ怒ってしまいます。
そんな幼児ならではの未熟さを上手に表現しており、子育てを経験している方は懐かしく感じることもあるかもしれません。
不思議な経験を通して、一歩ずつ成長していくくんちゃんを思わず応援したくなります。
映画のラストでは、未来の東京駅で迷子になってしまったくんちゃんが描かれます。
家族の名前を答えなければ、「ひとりぼっちの国」に新幹線で連れて行かれてしまうという状況の中で、くんちゃんは未来ちゃんの名前を伝え、ようやく彼女を家族として受け入れ、兄として成長していく予感を感じさせるシーンで映画は終わりを迎えます。
東京駅のシーンでは、忙しない人混みや威圧的な駅員、不気味な新幹線と子どもならではの視点で大人の世界の怖さを描いています。
子どもだった自分を思い出しながら、鑑賞すると、より作品の世界観に入り込めると思います。
『未来のミライ』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★★星5
くんちゃんという男の子の元に、ある日産まれたての女の子ミライちゃんがやってくるお話。
今まで親の愛情を一身に受けていた男の子が、妹がやってくることで自分だけに向けられてた愛情を全て持っていかれてしまうのではないかと嫉妬したり、いきなりお兄ちゃんになったことで下の子を思いやらなければと思いながらもうまく出来なくてイライラしたりと葛藤する日々。
そんななか、くんちゃんの空想のような世界で少女になったミライちゃん、謎の男、青年と過ごす中で、くんちゃんなりに少しずつお兄ちゃんへと成長していく。
兄弟がいる人ならば1度は通った道だと思うので、家族や子供たちと一緒に見てほしい、最後は心温まる作品だと思います。
30代女性
★★☆☆☆星2
一言でいえば、まとまりのない微妙な作品でした。
大まかなあらすじは見ていてわかるのですが、途中で未来のキャラクターが登場するため、いまいち話がつながっていないように感じます。
本当に実在しているのか、それとも妄想の人物なのかもよくわからず、なぜ登場したのかが不明に思います。
『サマーウォーズ』や『おおかみこども』のように、盛り上がる場面も特になく、平凡な感じにも思えます。
キャラクターもあまり魅力的に思えませんでした。
表情は豊かですが、過去作品のように特徴的でもなく、お父さんやお母さんも含め、どことなくモブキャラのような印象があります。
映像技術は綺麗ですが、日常の風景が主ですので感動するほどでもありません。
どことなくジブリの雰囲気するあります。
見れないほどの駄作とまではいいませんが、見ていて退屈であり、あまりおすすめはできない作品です。
30代男性
★★★★☆星4
くぅちゃんは、新幹線がすきなのが、伝わってきました。いたずらっ子で、無邪気に遊ぶ姿は、子どもらしい生活をしていて、共感しました。
納得いかないのは、くぅちゃんのお父さんの言い方に違和感を感じはじめました。
くぅちゃんが大きな声で笑顔で笑っているのに、お父さんは、なんでそんなに楽しそうにしているのかな?と、まじめな顔でいっている姿がなんともせつないイメージを持ちました。
たとえ、映画でも、ぐさっとくるようないいかたは、見る人の心に感動を覚えるでしょう!
赤ちゃんがいるだけでまわりがHappyにする家族の温かなストーリーでした。
40代女性
星4
主人公の”くんちゃん”が未来の妹に会い、幼いながらも成長していく物語です。
くんちゃんは妹が産まれるまで両親の愛を独り占めしていたため、妹ができたことによって自分への愛が薄れてしまったのではないかと感じ、妹に嫉妬します。そうなった時に出会ったのが未来の妹”ミライちゃん”です。
ミライちゃんと様々な時の旅に出て幼い頃のお母さんや祖父母にに会うことによって、くんちゃんの気持ちや感情が変化していきます。
くんちゃんのように長男長女に妹や弟ができた際に、下の子ばかりに気を配り、長男長女を蔑ろにするのではなく長男長女の気持ちもしっかりと考え、話を聞き、同等以上の愛を伝えていかなければならないなとが考えさせられる作品でした。
20代女性
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