『寝ても覚めても』の麦が死んでる説や気持ち悪いと言われる理由を解説考察

2018年9月1日公開の映画『寝ても覚めても』。
柴崎友香の同名小説を原作に、監督は『ドライブ・マイ・カー』で世界中から注目を集めた濱口竜介。
第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも正式出品された、国際的評価を受けた恋愛ドラマです。
主演の東出昌大は、失踪した恋人・麦(ばく)と、その後出会う全く同じ顔の男性・亮平という難しい一人二役を演じ、ヒロイン・朝子役には、当時まだ新人だった唐田えりかが務めています。
- 『寝ても覚めても』で麦は死んでる?岡崎はなぜ病気になったのかなど意味がわからない部分を考察解説
- 『寝ても覚めても』が気持ち悪いと言われる理由
- 『寝ても覚めても』のあらすじ
- 『寝ても覚めても』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
麦は死んでる?岡崎はなぜ病気になったのかなど意味がわからない部分を考察解説
映画『寝ても覚めても』は、唐突な展開や説明されない感情の変化、そして不可解なラストシーンなど、鑑賞後に「意味がわからなかった」と感じる人も少なくない作品です。
観る人によって様々な解釈が出来る作品となっています。
そして、麦はすでに死んでいるのではないかという説もあり、気になるこの説について解説していきたいと思います。
管理人
バイク事故によって死んでしまった
麦は冒頭での朝子とのバイクでのツーリングで事故を起こした際に実は死んでしまったのではないかと考えられます。
映画の終盤で朝子の元に現れたのは、死後の麦であり、朝子を現世から死後の世界へと連れて行こうとしたのではないでしょうか?
麦の車で北へと向かう途中に仙台の海で「これ以上行くことはできない」と朝子は告げます。
そして、死後の世界へ行くことは断念し、現世で亮平と生きて行こうという朝子の決意がこのシーンには表現されていると考えられます。
亮平も死んでしまった?
その他には、麦が亮平のドッペルゲンガーであるという説もあります。
ドッペルゲンガーとは、自分に瓜二つの存在が目の前に現れるという超常現象です。
一説によると、ドッペルゲンガーを見ることは死の前兆であるとも言われています。
そのため、亮平は自分のドッペルゲンガーである麦と出会ってしまったことから死んでしまったのではないかと考えられます。
朝子が麦に付いて行ってしまった際にマヤから「あんな亮平の姿は見たくない」と電話がありますが、もしかすると、ショックのあまりに実は自ら死を選んでしまった亮平の姿のことを言っていたのかもしれません。
ラストの川は三途の川だったのか?
ラストで朝子と亮平がベランダから川を見下ろすシーン。
ここに映し出された川は、物語の境界線であり、三途の川に見立てることもできます。
もしそうであれば、このシーンは「死」と「生」の間に立たされた2人が、それでも現世に留まることを選び、新たな日常へ向かおうとする瞬間とも受け取れます。
岡崎はなぜ病気になったのか?
映画の前半で、麦の下宿先の友人としてみんなのムードメーカーのような存在として登場するのが、渡辺大知さん演じる岡崎。
映画の後半ではALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患ってしまい、寝たきりで話すことも出来ない状態で登場し、観客を驚かせました。
では、なぜ岡崎は病気になってしまったのでしょうか?
結論から言うと、岡崎がなぜ病気になってしまったのかについては本編では明らかになっていません。
ただ、ALSは全体の5~10%の確率で遺伝で発症するというデータもあります。
もしかすると、岡崎の父親はALSで病死しており、岡崎は父親の遺伝によって病気になってしまったのでは無いかと考察することが出来ます。
『寝ても覚めても』が気持ち悪いと言われる理由
映画『寝ても覚めても』は、2021年に『ドライブ・マイ・カー』で世界の映画界を席巻した濱口竜介監督の商業映画デビュー作です。
批評家からも高い評価を集め、カンヌ国際映画祭にも出品されるなどの注目を集めました。
そんな映画『寝ても覚めても』についてですが、「気持ち悪い」という感想を持つ方も多く見受けられました。
なぜ、気持ち悪いというようなネガティブな感想が挙がってしまうのか?その理由について考察していきたいと思います。
管理人
気持ち悪い理由①朝子の行動
気持ち悪いと言われる理由の1つ目は、朝子の行動にあると思います。
行方不明になってしまった恋人・麦と瓜二つの男性である亮平と出会い、麦がいなくなった穴を埋めるように亮平と交際をスタートし、プロポーズを受けた朝子ですが、麦が再び姿を現すと、あっさりと亮平を裏切り、麦に付いて行ってしまいます。
かと思いきや、しばらくすると麦の元を離れて、裏切ったはずの亮平の元へ再び戻っていく朝子の行動が理解できない方が多くおり、朝子が気持ち悪いという感想につながったと考えられます。
また、朝子は感情をあまり表に出さず、表情から感情が読みにくいことも要因になっていると思います。
気持ち悪い理由②主演俳優二人のプライベートのスキャンダル
気持ち悪いと言われる理由の2つ目は、映画の内容ではなく、主演俳優たちのプライベートのスキャンダルが原因であると考えられます。
2018年に公開された映画『寝ても覚めても』ですが、2020年の1月に主人公の泉谷朝子を演じた唐田えりかさん、そして丸子亮平/鳥居麦の二役を演じた東出昌大さんの不倫報道があり、二人は世間から大変なバッシングを受けることとなりました。
二人の不倫が映画『寝ても覚めても』をきっかけにしたことだったこともあり、作品自体に関しても嫌悪感を抱く方が多くおり、気持ち悪いという感想につながったと考察できます。
東出昌大さんがこの不倫をきっかけにして、女優の杏さんと離婚したこともあり、バッシングは加速し、唐田えりかさんもしばらく女優活動できない状況となりましたが、作品に罪はないと思いますので、先入観なしで鑑賞することをオススメします。
また、唐田さんも東出さんも素晴らしい俳優さんたちであることは間違いありませんので、今後の活動にも期待したいところです。
『寝ても覚めても』のあらすじ
(以下、映画『寝ても覚めても』のあらすじです。)
『寝ても覚めても』のあらすじ|行方不明になった恋人と瓜二つの男性に出会う朝子
写真展を訪れた際に偶然出会った男性・麦と恋に落ちた主人公の朝子はミステリアスな彼にどんどんと惹かれていきます。
麦の下宿先である友人の岡崎の実家で共通の友人である春代とともに集まったり、ツーリングに行ったりと順調に日々を過ごしていく朝子と麦でしたが、靴を買いに行くと言って家を出てから麦とは突然連絡が取れなくなってしまうのでした。
それから、二年の月日が経ち、朝子は大阪から東京へと引っ越し、喫茶店で働いていました。
コーヒーの配達に行った会社で亮平という麦にそっくりな社員と出会い、朝子は驚きのあまりに急いでその場を後にします。
そんな朝子のことが気になり始めた亮平は近くのギャラリーで朝子とその友人で舞台女優のマヤを見かけます。
閉館間際だったことから入場を拒否されていたところ、亮平の機転で入場することが出来たことからマヤはお礼に朝子とルームシェアしている部屋へと亮平を招待します。
『寝ても覚めても』のあらすじ|亮平と交際を続ける中、明らかになる麦の行方
同僚である串橋と二人の部屋に向かった亮平でしたが、元々俳優志望であった串橋がマヤの活動に対して否定的な発言をしたことから険悪なムードに包まれてしまいます。
朝子がマヤを尊敬しているといつになく強い口調で伝えたことから串橋は反省し、四人はその事をきっかけに打ち解けていきます。
なんとなく朝子との距離を感じていた亮平は意を決して告白し、二人は交際をスタートさせますが、しばらくして一方的に朝子から別れを告げられてしまい、亮平は途方に暮れます。
そんな中、大きな地震が発生し、町中がパニックになってしまいます。
移動中に偶然にも朝子を見つけた亮平は、朝子を強く抱きしめ、二人は交際を再開します。
それから、5年が経過し、同棲生活を行う二人は定期的に地震の被災地へとボランティアに向かい、忙しいながらも幸せな日々を過ごしていました。
ある日朝子は亮平と買い物に訪れた際に偶然にも春代と再会し、喜びますが、春代から麦が俳優として活躍していることを伝えられ、朝子の心は揺れ動きます。
『寝ても覚めても』のあらすじ|突然朝子と亮平の前に現れた麦
大阪へ転勤することをきっかけに亮平からプロポーズされた朝子は麦について伝えますが、亮平はすでに彼の存在について知っており、麦に似てたから朝子に付き合えてラッキーだと答え、そんな亮平を愛おしく感じた朝子はプロポーズを受け入れ、二人で大阪へと引っ越す事を決めます。
大阪での新居も決まり、着々と引っ越しの準備を進め、夫婦となった串橋とマヤ、そして春代の三人に朝子と亮介は送別会を開いてもらうことになります。
楽しげなムードの中、突然麦がその場に現れ、朝子の手を取り、朝子は迷うことなく麦を受け入れ、二人はその場を去ってしまいます。
強いショックを受ける亮平を見て、戻ってきてほしいとマヤから何度も電話がありましたが、朝子は戻る事を拒否し、亮介の運転でどこかへと向かうのでした。
以上、映画『寝ても覚めても』のあらすじでした。
果たして、朝子と亮平はどうなってしまうのか?
結末が気になる方は実際に映画を観ることをおすすめします。
『寝ても覚めても』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『寝ても覚めても』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|国際的な評価を集める濱口竜介監督の記念すべき商業映画デビュー作
映画『寝ても覚めても』は、人気小説家・柴崎友香さんの同名小説を実写映画化した作品となっています。
監督を務めたのは、後の2021年では`ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞4部門にノミネートされるなど国際的にも評価された濱口竜介監督で商業映画デビュー作でもある作品です。
そんな映画『寝ても覚めても』は、全く同じ顔をした男性二人に恋をしてしまい、揺れ動く主人公・朝子を描いた恋愛映画となっており、濱口監督ならではの繊細な人物描写を楽しむことができます。管理人
ミステリアスな麦という男性と運命的な出会いを果たし、恋に落ちる主人公の朝子。
やがて、麦は行方不明になってしまい、忘れることができない朝子の前に現れるのが麦と顔は瓜二つなものの、真面目で安心感のある麦とは正反対の亮平で、戸惑いながらも交際をスタートさせることとなります。
麦にはない亮平の安心感を朝子は信頼し、やがてプロポーズを受けますが、そんな矢先に麦の行方が明らかとなり、苦悩する朝子が描かれていきます。
女優の唐田えりかさんは、口数は少ないものの内面に様々な感情を持った朝子を繊細に演じており、彼女の雰囲気にあっていてハマり役だと思います。
そして、麦と亮平の一人二役を演じるのは、東出昌大さんで、全く正反対の二役を見事に演じ分けており、プライベートなスキャンダルからお騒がせ俳優のイメージが強い役者さんですが、その確かな演技力を映画『寝ても覚めても』では堪能することができます。
やがて、朝子と亮平が友人たちに開いてもらった送別会の会場に麦が現れ、朝子と共に逃避行に向かいます。
亮平と長年絆を深めていたにも関わらず、あっさりと亮平を裏切って麦に付いて行ってしまう朝子の姿には驚かされてしまいますが、自分の愛に正直すぎる朝子のことを羨ましいと感じてしまう方ももしかするといるかもしれません。管理人
自分ならどうするだろうか?と考えながら鑑賞するのも面白いかもしれません。亮平と逃避行をする中、正気に戻った朝子は麦に別れを告げて、必死に亮平の元に戻ろうとしますが、当然ながら亮平は朝子を拒否します。
いつかこうなると思っていたと伝える亮平が、どんな気持ちを考えながら朝子との日々を過ごしてたのか考えると、胸が苦しくなってしまいます。
それでも、ラストでは複雑な気持ちを抱えながら、朝子を受け入れる亮平の姿を見ていると、朝子に腹が立ってしまうという方も多いのではないでしょうか?
しかし、恋愛というのは時に言葉では説明ができないものであり、逆らうことのできない愛という感情に翻弄されてしまう女性の姿が非常にリアルに表現されていると感じます。管理人
理性を失ってしまうほど誰かを愛したことがあるという方は共感できる内容になっていると思いますので、特にオススメの作品になっています。
『寝ても覚めても』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
週刊誌記事と関係なく、主役のふたりの演技は苦手だったのですが、色々な解釈ができるストーリーと映像に引き込まれました。
監督さんは、蒼井優さん主演の『スパイの妻』の脚本を書かれた方なんですね。
現実の男女の恋愛模様を描いた作品としてとらえると、唐田えりかさん演じる朝子の選択に、ドキドキしたり驚いたりで面白いです。
でも、この映画にファンタジー要素や不気味さがあるのは、東出昌大さん演じる麦も亮平も、生きているのか、死んでいるのか、死んでしまったのか、そもそも存在したのか、彼らの言動は現実なのか、朝子の願望なのか、はっきりとは分からないからです。
私はこんな雰囲気とストーリーの映画は大好物です。
失礼ながら、もっと演技力と雰囲気がある俳優さんが演じていたなら、確実に星5つでした。
50代女性
★★★★☆星4
「大人になること」は「責任を持つこと」だと強く考えさせられる映画でした。
序盤は主人公カップルの、若気の至りとも言える馬鹿げた振る舞いにイラ立ちながら観ていましたが、後半に進むにつれ(主人公が大人になるにつれ)自らの行為には相応の責任が伴ってくる。
終盤、衝動にまかせて浮気の男に走り、社会的信用を失った主人公を見て、これが「大人になる(社会に対して責任を持つ)」ことなのだと思いました。
そのうえで、自分の見つめ直し過ちを認め大人であることを自覚した主人公が恋人の信頼を取り戻すために新たな一歩を踏み出して終わる所が、単なる「自業自得」や「ざまぁ」エンドではない、希望を感じさせる作品でよかった。
ただ、その映画のメッセージが主演2人の匂わせ不倫で台無しになってしまいましたが…。
30代女性
★★★★☆星4
恋愛映画のように見えて、色々な解釈が出来る作品。
麦と亮平の存在をメタファー的に解釈すれば夢と現実ということなのか。
東日本大震災がターニングポイントになっている点を考えると、どちらかが死の象徴なのか…という感じで。
かつての恋人と瓜二つな今の彼氏、どっちを取るのか、みたいな恋愛要素は存分にあるものの如何せんあまりに瓜二つというか東出昌大が一人二役やっているのでちょっとホラーチックな雰囲気もあったりして。
居なくなったはずの麦が突如として現れてそれについて行ってしまう主人公朝子の自分勝手な態度を見るに、
単純に「夢見勝ちな女性が現実との間で揺れ動くストーリー」とも考えられる。
何しても朝子の自分勝手さが目立つ内容である。
しかしミステリアスな雰囲気もあり面白いという不思議な映画。
40代男性
★★☆☆☆星2
主演の東出昌大さんと唐田えりかさんの不倫劇のきっかけになったとも言われる映画『寝ても覚めても』ですが、スキャンダルは全く関係なく共感性羞恥が残る作品だと感じています。
東出昌大さんは関西弁を話す役柄なのですが、まあ決してお上手でない。
関西に数ヶ月滞在した他地方のビジネスパーソンが寄せに行った方がまだ聴けるレベルではないかと思ってしまいます。
お芝居そのものも、棒読み、大根などと言われてしまう東出さんですが、その良くないもの全てが出てしまっているような気がしてストーリーが頭に入ってきませんでした。
他方、唐田えりかさんのお芝居は安心して見ていられる印象でした。
徐々に恋人への溢れる思いに溺れていく「普通」の女性を繊細に演じられていたのではないかと思います。
それだけに後々現実の世界で明らかになるスキャンダルに妙な納得感を持ってしまいましたが。
30代男性
*映画『寝ても覚めても』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。