『NOPE/ノープ』の考察解説やあらずネタバレ感想評価!正体や最後でOJで死んでいた?チンパンジーの元ネタについても
2022年8月26日、日本公開の映画『NOPE/ノープ』。
『ゲット・アウト』にて、一躍その名を世界に知らしめたジョーダン・ピール監督作品。
『ゲット・アウト』でも主演を務めたダニエル・カルーヤなど、これまでの作品同様に黒人の俳優を中心とし、今作では『ウォーキングデッド』での出演で知られる韓国系アメリカ人のスティーヴン・ユァンも出演しています。
予告編からでは予想できない結末と、今までの作品同様に数々のメタファーが隠されており、一度視聴しただけではその謎に気付けない作品となっています。
『NOPE/ノープ』の口コミ評判レビューには、
- 相変わらず予告だけでは予測不可能な展開
- ラストの最終形態には圧倒された
- これまでに観たどのSF作品とも違う、素晴らしい映画
- いくつか謎が多く、正直、スッキリしない点も多かった
- 思ってたよりもホラーの部分はなかった
- いつも通り初見では気づけないメタファーが多い
- UFOの映画でその発想は無かったのでやられたという感じ
- ジョーダンピール監督らしくて考えさせられることが多い作品
という声が多数集まっています。
- 『NOPE/ノープ』の考察解説|襲ってきた物体の正体やラストでOJは死んでいた?チンパンジーの元ネタについても
- 『NOPE/ノープ』のあらすじ
- 『NOPE/ノープ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
もし、まだあなたが一度も「NOPE/ノープ」を観ていないなら、まずはネタバレとあらすじ・感想評判の前に作品を観ておくことをおすすめします。
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目次
NOPE/ノープの考察解説|襲ってきた物体の正体やラストでOJは死んでいた?チンパンジーの元ネタについても
考察解説①|襲ってきた物体の正体について
OJとエメラルドが暮らす牧場に姿を現した謎の飛行物体。
その円盤のような形状から、劇中ではUFOではないかと推測されていました。
OJとエメラルドは、UFOの姿を撮影することでお金を得ようと計画します。普段は雲に擬態している謎の物体、その正体は一体何だったのでしょうか?
その正体はズバリ「生物」でした。UFOのように異星人を乗せるための乗り物ではなく、1匹の巨大生物だったのです。
UFOと聞くと、下部の中央に入口があり、地上の人々や物体はそこに吸い込まれていくイメージを思い浮かべる人も多いと思います。 管理人
『NOPE』に出てくる飛行物体は、なんとそれ自体が口であり、吸い上げられた人々はそのまま捕食されていました。
突如現れた巨大生物に次々と命を奪われていく人々というストーリーは、いかにもモンスターパニック的と言えます。
この生物が宇宙から来たのか、それとも地球の生物が進化した結果なのか、それは劇中では明らかになっていません。
ただ、あの形状は生物学者の考証に基づいてデザインされているらしく、海洋生物の生体が元となっているようです。
もしかすると海で進化を続けた生物が、地上に出て空に生息したのかもしれませんね。 管理人
考察解説②|チンパンジーの元ネタ解説
『NOPE』に登場したチンパンジーのゴーディ。
子役時代のジュープが出演していたドラマ「ゴーディ 家に帰る」の共演者だったゴーディは、撮影中に風船の音に驚いたことで暴れ出し、周囲の人間を襲い始めたのです。
人間に飼い慣らされていたはずのゴーディが撮影現場を血の海にしてしまう光景は、観る者に強烈な印象を残しました。
このエピソードには、元ネタと思われる事件が存在します。
2009年にアメリカのコネティカット州で、トラビスという雄のチンパンジーが飼い主の友人を突如として襲ったのです。 管理人
被害者女性は鼻や耳、手を噛み切られ、顔を引き裂かれるという大怪我を負い、一命は取り留めたものの大惨事に見舞われてしまいました。
トラビスは飼い主の家で家族同然のように育てられており、人間社会に順応していたと言います。
また、テレビ番組やコマーシャルなどにも出演経験があり、まさにゴーディのような生活を送っていたようです。
女性を襲ったことでトラビスは警官に射殺されてしまいますが、この最期もゴーディと重なりますね。
管理人
『NOPE』でジュープがショーをおこなう際、顔をベールで隠した女性が客席に座っています。
彼女が飛行物体を見るために顔を上げた際、一瞬ですがその顔が映ります。
大怪我を治療したような跡が目立つ彼女は、もしかするとトラビスの事件で被害に遭ってしまった女性をモチーフにしているのかもしれません。
考察解説③|ラストでOJが死んでいた?続編について
『NOPE』のラスト、巨大生物”Gジャン”を倒して撮影にも成功したエメラルドのもとに馬に乗ったOJが現れます。
冒頭で触れられていた「名もなき黒人ジョッキー」と対を成すかのように凛と立つOJの姿に胸が熱くなるラストでした。
ただ、このOJが実はすでに死亡していたのではないかという説があるのはご存知でしょうか?
その根拠としては、まずOJは終盤にGジャンの囮になることを選択してエメラルドと別れます。
その後どうなったのかは一切描かれておらず、Gジャンに捕食された可能性も十分にあります。 管理人
また、Gジャンに襲われないためには「目を合わせないこと」が大切だと言っていました。
しかし、囮になるためにOJは自らGジャンと目を合わせます。Gジャンと目を合わせた者はすべて捕食されていたので、OJも捕食対象となったと考えるのが自然です。
また、作中にテロップで出る名前の生物はすべて死亡しています。
ゴーストから始まり、最後はラッキーです。
ラッキーはOJがGジャンと対峙するときに乗っていた馬です。
つまり、名前が挙がっているラッキーとともにOJもGジャンに捕食されてしまったのかもしれません。 管理人
しかし、これはあくまでファンの考察であり、公式からの明確な答えはありません。
ただ、実は『NOPE』には続編の可能性が浮上しています。
ジョーダン・ピール監督がインタビューで「物語をすべて語り尽くしたわけではない」という旨の発言をしているのです。
まだ語られていないストーリーが続編になるのかディレクターズカット版になるのか、それとも何もないのかは現状では分かりません。
もし続編が本当に制作されるとしたら、OJが迎えた結末についても明らかになるかもしれませんね。 管理人
『NOPE/ノープ』のあらすじ
(以下、映画「NOPE/ノープ」のあらすじです。)
『NOPE/ノープ』のあらすじ|”最悪の奇跡”による父の死
カリフォルニア州にあるヘイウッド・ハリウッド牧場では、映画やテレビ向けの馬を調教しています。
牧場ではOJという青年が父とともに動物の世話や訓練をしていましたが、半年前、空からの落下物が直撃して父は亡くなってしまいました。
牧場と仕事を引き継いだOJでしたが、無口で不愛想なOJは映画スタッフたちと馴染むことができません。
牧場の共同経営者である妹エメラルドが明るく場を取り持ちますが、映画スタッフがOJの注意を聞かなかったために馬が暴れます。
大事故にはなりませんでしたが、OJはクビになってしまいました。
『NOPE/ノープ』のあらすじ|元子役の青年ジュープの過去
牧場を経営するにはお金が必要です。
OJとエメラルドは、仕方なく馬を売るために「ジュピターズ・クレイム」というテーマパークに向かいました。
テーマパークの経営者、ジュープは元子役の青年です。
人気ドラマに出演していましたが、そのドラマに登場していたチンパンジーが収録中に突然暴れ出し、ジュープ以外の出演者が襲われてしまったという過去があります。
しかしジュープはそれをトラウマにするのではなく、わざわざドラマのグッズや関連品などを集めた展示室を作るなど、事故に異様な終着を見せています。
ジュープはOJから馬を購入し、牧場も欲しいと言います。すぐに答えの出せないOJとエメラルドはそのまま牧場へ帰ります。
『NOPE/ノープ』のあらすじ|謎の飛行物体の出現
その夜、牧場では停電が起きたり空から不穏な音がしたりと不可解なことが起こります。
OJが空を見上げると、高速で移動する謎の飛行物体を目撃しました。
実は、父が亡くなった時にもOJは似た飛行物体を目撃していたのです。
このことをエメラルドに伝え、ふたりはお金のためにUFOを撮影して雑誌に売ることを計画します。
翌日、2人はさっそく防犯カメラを購入して家に設置しました。
そして後日、防犯カメラには不可解なものが映り込んでいたのでした。
以上、「NOPE/ノープ」のあらすじでした。
はたしてOJたちは謎の飛行物体をカメラにおさめることはできるのか?
結末が気になる方は実際に映画を観てみることをオススメします。
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『NOPE/ノープ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画「NOPE/ノープ」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|エンタメ業界の搾取構造をエンタメ大作に落とし込んだ秀作
2018年に『ゲット・アウト』で一気に注目を集め、今やその名前だけで観客を呼べるまでの人気を獲得したジョーダン・ピール監督。
2022年に公開された新作『NOPE』は「最悪の奇跡」をキーワードに、牧場で未知の飛行物体と遭遇するというSF大作となっています。
予告編からは大筋のストーリーすらまったく読めず、一体何が起きるのかと期待と不安を膨らませながら鑑賞しました。
そして鑑賞後には「凄い物を目撃したな…」という気持ちでいっぱいになるような作品でした。 管理人
まず作品全体のテーマとして「エンタメによる搾取」が挙げられます。
その搾取される対象はジョーダン・ピール監督の過去作同様に黒人であったり、動物であったりします。
そして『NOPE』では、特に動物に対する搾取とそれが生む悲劇を強く強調していました。
そして、今回の軸である未知の飛行物体(作中ではGジャンと呼ばれていました)も、UFOなどではなく巨大生物であったことが判明します。
この展開はまったく予想していなかったので、鑑賞していてかなり驚きました。 管理人
映画を含めたエンタメ業界は娯楽のために、人間に都合よく安易に動物を使い捨ててきたという歴史があります。
そこには「たかが動物だから」という感覚があったのでしょう。
マイノリティの人々に対しても同様です。
『NOPE』はそういった搾取構造に対して、搾取されてきた側が牙を剥くような作品でした。 管理人
また、ホラー演出も圧巻でした。
Gジャンがたくさんの人を飲み込み、その人々の悲鳴が上空から鳴り響くシーンは恐ろしかったです。
その後、悲鳴が止んだかと思えば空中からGジャンが飲み込んだ人間たちの血が大雨のように降り注ぎ、家が真っ赤に染まるシーンは芸術的ですらあり地獄のような凄まじさでした。
飲み込まれた人々が全員命を落としてしまったことを状況説明としては圧巻です。 管理人
「動かない雲」というアイテムも良かったです。
鑑賞後の帰り道は空を見上げるのが少し怖くなってしまいました。
最後、OJたちはついにGジャンを倒してその姿を撮影することに成功します。
序盤で触れられた「名前も知られていない黒人騎手」の映像とリンクするように、馬に乗ったOJが凛と佇んでいる姿で終わるのも非常に美しい構成だったと感じます。 管理人
芸術的なホラー映画が好きな人、考察が好きな人にオススメの一本です。
『NOPE/ノープ』のみんなの口コミ評判レビュー
映画『NOPE/ノープ』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「視聴者に結末を想像させるような終わり方もせず、良かった」「一度見ただけではメッセージ性や起こった出来事を全て考察することができない」「今までの作品とは少し違った要素もありとても面白かった」「後から考察を見ながら楽しむ感じの映画」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
かなり前から話題になっていたこの映画。
『ゲットアウト』や『アス』などの社会問題をテーマとした作品を生み出すジョーダン・ピール監督の最新作です。
馬の調教師をしている兄弟が主人公となり、地上に生きるものを襲う、空中を漂う得体のしれない物体と対峙するお話です。
兄弟が住む広野が舞台となり、空中を行き来する物体も巨大。
人物メインの映像よりも、画角をめいいっぱい使ったシーンが多い為、IMAXでの鑑賞がベストだと思いました。
得体のしれない生物の正体が徐々に見えてくるのですが、全貌が見えるまでいくつかの段階があるんです。
ラストの最終形態には圧倒されました。
これまでに観たことのない姿は、美しくもあり、可笑しくもあり、怖くもあり、画面いっぱいに広がるその姿に鳥肌が立ちました。
一見、ストーリーはシンプルに感じるのですが、実はたくさんのメタファーが隠されています。
しかし、初見では難しくて気づけません。
知らなくても、しっかり楽しめる内容になっているので全く問題ありませんでした。
これまでに観たどのSF作品とも違う、素晴らしい映画でした。
30代女性
★★★★★星5
映画『NOPE 』は『ゲット・アウト』や『US』など印象深いホラー作品を世に放つジョーダン・ピール監督の最新作。
田舎町で牧場経営をする一家を襲う謎の飛行物体の存在感が凄まじく、開いた口が塞がりませんでした。
内気で寡黙な長男と陽気で行動派の妹がこの謎の飛行物体と対決していくのですが、この兄妹の関係性が物語が進行するにつれ胸熱展開に!
ひょんなことから巻き込まれる人々との人間模様もいちいちアツい!
SFホラーというジャンルにはカテゴライズされていますが、個人的には人間VSクリーチャーのバトルムービーかなと感じています。
ただひとつ責めきれないなという点は“捕食”はあらゆる生命の純粋な維持活動だなと感じたことです。
人々を襲う飛行物体に悪意はなく、ただ生きるための捕食を行っているだけだと気づいたとき、なんともいたたまれない気持ちになりました。
実際にあらわれたらむちゃくちゃこわいけど。
加えてチンパンジーのシーンでも、野生は押さえつけられないということを学びとして得ました。
劇中でまったく動かない雲がクローズアップされるシーンがあり、作品をみてから日常生活でも雲を見つめるようになりました。
それだけ没頭できる凄まじい世界観の作品です。
30代女性
★★★★☆星4
ホラーは苦手ですが、監督のジョーダン・ピールが好きなので見に行きました。個人的には結構好きでした。
初めは単なるUFO系かと思いましたが、「見る側」と「見られる側」に焦点を当て、ハリウッドやショービズの世界を暗に描写していたように思えました。
例えば、UFOを撮ることでお金を稼いだり、有名になろうとすること、UFOを見なければ襲われないこと、匂いを嗅ぎつけたTMZ(パパラッチ)が来ること、冒頭シーンではテレビのブラウン管が映りますが、その形とUFOの入り口が同じ形であること。
登場人物も、ハリウッドで馬の調教師として活動する一家、かつて人気があったドラマに出ていた元子役、映画監督、家電量販店(テレビを扱う)のスタッフなど、何かしらショービズ、テレビに縁のある人たちでした。
なので、監督があえてハリウッドを皮肉っていたり、何か示唆したいことがあったのかな、と考えさせられました。
そして、いくつか謎が多く、正直、スッキリしない点も多かったです。
子役だったジュープの、ドラマの収録現場で起きた事件、なぜ靴が立っていたのか。
あそこまで多くの人を「食べて」いたのなら、もっと以前からニュースになりそうなものなのに、なぜ誰も知らなかったのか。
UFOと交渉すると言っていたけど、ちょっと計画が分かりにくかった。
など、腑に落ちない箇所もあったので、そこは残念でした。
だけど、風景がとても綺麗で、壮大で、カラフルな無数のスカイダンサーがはためく中、主人公(OJ)が馬に乗って駆け回るシーンは、とてもカッコよくて鳥肌が立ちました!
BGMも相まって、そのシーンは圧巻でした。
また、思ってたよりもホラーの部分は強くなかったので、個人的には良かったです。
いくつか不明な部分もありましたが、映画としては十分に楽しめたし、よくある「結局どうなったの!?」というような、視聴者に結末を想像させるような終わり方もせず、良かったと思います。
私の周りでは、あまりいいレビューを聞きませんが、私は普通に好きでした!満足してます!
40代女性
★★★★☆星4
ミステリアスな予告編に惹かれ、この夏一番楽しみにしていた作品でした。
主人公の住む地域に現れるUFO、その正体に迫り撃退するまでという、王道パニックSF物でありながら、その昔、TVの収録中に起きたチンパンジーによる襲撃事件が複雑に絡まり、物語が展開していきます。
UFOの正体を探るため、主人公の黒人兄妹が監視カメラを仕掛け、徐々にその姿を追い詰めていく展開は、なかなかテンポよく、後半は特にスリリングです。
途中、その正体が「生命体」であることが判明しますが、人を捕食し、汚物を吐き出すというシーンはなかなかエグく描かれており、ウルトラシリーズの「円盤生物」等を連想させ、鑑賞中ニヤけてしまいました。
クライマックスの変貌した姿は、日本のアニメの影響もありそうですね。
チンパンジーによる襲撃シーンは非常に不気味で、UFOとはまた違った恐ろしさを演出しており、実際に起きた事件をモデルとしていたためか、こちらの方がリアルな恐怖を感じました。
また、歴史上初めて映画に映ったとされる黒人のエピソードも興味深いのですが、これらがどういう意味があったのか、初見で理解できなかったのが正直な感想で、鑑賞後、その内容をまとめた考察系サイトを見て「そうだったのか!!」と、膝を打ちまくりました。
それらを見ながら考えると、UFO→未知の存在→好奇の対象→チンパンジーや動物→かつての黒人と、1本の筋が見え、いまだに存在する黒人に対する根深い社会問題が見え隠れするのです。
主人公の兄妹の絆もしっかり描かれており、カタルシスを感じる反面、やや難解では?という印象。
しかし、スタッフの意図したものではないかもしれませんが、前述した通り、後から考察を見ながら楽しむというのも、最近の映画の楽しみ方かもしれません。
また、本作に登場する架空のコメディドラマ「ゴーディ 家に帰る」のオープニングは、映画のキャンペーンとしてYou Tubeに上がっており、90年代のよくありそうな番組っぽく上手く作られていますが、不気味さと事件の悲惨さを強調させてくれます。
こういった連動キャンペーンも面白いですね。
テーマはSFですが、それとは別に一貫した作り手の考えやメッセージがしっかり込められており、「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督の持ち味をフルに活かした濃厚な作品だったと思います。
40代男性
★★★★☆星4
『NOPE』はひたすらにネタバレ不可な映画です。
予告編でひとつわかるのは、この映画にはUFOが出てくるということだけ。
そしてそこにこの映画最大の仕掛けがあります。
今までのUFOの映画でその発想は無かったので、かなり『やられた!』と思いました。
しかしこの映画はただのUFO映画では無いのです。
観ると観られる。撮ると撮られる。奪い、奪われる。狙い、狙われる。
この視点の関係性を人種、生物学、歴史学、エンターテイメントといったテーマを通してその暴力性を問うのです。
スペクタクルである見せ物はいつだって紙一重なものです。
その一枚の幕が剥がれた時、奪う者と奪われる者の関係性が逆転する時、おのれの生命と尊厳をかけた、最狂で最高なエンターテイメントショウが始まるのです。
30代男性
★★★★☆星4
「トップガン・マーベリック」と並んで、今年公開をずっとずっと楽しみにしていた一作。
観る前のドキドキ感もチケット代に含まれるとしたら、コスパの高いエンタメですよね。
最初から「なんだ?」「どんな意味だ?」の連続。上映中、ずっと画面に首ずけ、頭はフル回転でした。
まず、思ったことは、「見てる・見られてる」の関係性を常に提示しているということ。
あれ自体が上から私たちを見ていて、テレビの画面の中のものを見ていて、でも、逆に見ていたもの、動物に見られて、攻撃されていく構造の複雑さ、クロス感も楽しい。
分からないても楽しいし、怖いです。
特にチンパンジー、考えてみれば、チンパンジーも馬もアジア人子役もずっと使われていたものの逆襲って考えてもぞくっとさせる怖さが見どころですね。
50代女性
★★★★☆星4
ジョーダンピール監督の作品とその作品には欠かすことのできない俳優のダニエルカルーヤの出演作品と知りとても楽しみにしていた作品でした。
本作は、今までの作品とは少し違った要素もありとても面白かったです。
特に人種差別や家父長制や男尊女卑などへのメッセージをいろいろな形で表現していたところがやはりジョーダンピール監督らしくて考えさせられることがありました。
なんといっても、何かわからない物体への気持ち悪さと恐怖感を表現する音楽や音響に毎度毎度良い意味で気持ち悪さと迫力を感じました。
しかし、私には一度見ただけではメッセージ性や起こった出来事を全て考察することができずネットで検索して考察をみて2度も3度も楽しみました。
20代女性
★★★★☆星4
この映画「NOPE」はあの衝撃的な作品ゲットアウトの監督であるジョーダンピール監督の3作品目の作品です。
今回の作品もまた黒人が主人公で冒頭から不穏な雰囲気を漂わせてどこか不安になるような何かが起こるようなそんな感じを思わせるような映像でした。
そして主人公のお父さんが原因不明の事故で亡くなってから物語が急展開するかと思いきやまさかのバズり動画を撮ろうと言う展開にびっくり!
まさに現代の若者要素を取り入れた意欲作だと思いました。
ところが肝心のなにかいる!というなにかがまさかの宇宙人というぶっ飛んだ設定!
これはなにかどんでん返しや観客をミスリードさせる為のワナなんだろうとワクワク見ていたら!なんと!そのまま終わってしまいました!
これにはポカーンと開いた口が閉まらなくなりましたね。
評価すると普通以上の作品ではあると思いますが期待値を超えたかというとなんか凡作だったなという印象でした。
30代男性
*映画「NOPE」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。