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すばらしき世界のあらすじネタバレ感想評価!実話の原作小説やモデルとなった人物についても解説

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2021年2月11日公開の『すばらしき世界』。

実在した人物をモデルに、殺人犯として刑期を終えた後の生活を描く、作家・佐木隆三の小説『身分帳』を原作にした映画です。

シカゴ国際映画祭では、主演を演じた役所広司が最優秀演技賞を受賞し、更に観客賞を今作は受賞した為、シカゴ国際映画祭では2冠となりました。

また、映画『すばらしき世界』の口コミ評判レビューには、

  • 終わり方が、心の底から無念に思った
  • 社会に適応する苦労さを改めて感じた
  • 役所広司の演技に主人公への感情移入が進んだ
  • 社会の見て見ぬふりされている問題を突きつけられる映画
  • 作品のメッセージ性が深く、現代社会について考えさせられた
  • 人は変われるのか、変わらないのか難しい問題だと感じた
  • すばらしき世界とはなんなんだろうか、と考えさせられる映画
  • 報われない人達に日を当てたような貴重な作品

という声が多数集まっています。

映画「すばらしき世界」のまとめ
  • すばらしき世界のあらすじネタバレ
  • すばらしき世界の感想評価と口コミ評判でのレビュー
  •  原作小説は実話!原作小説との違いや実在のモデル人物について解説

 

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映画『すばらしき世界』のあらすじネタバレ

以下、映画「すばらしき世界」のあらすじネタバレとラスト結末です。

すばらしき世界のあらすじ|出所する元殺人犯

冬の北海道にて、医療刑務官に血圧を測定される1人の男がいました。その受刑者の名前は三上正夫。元極道だったこともある三上は殺人を犯し13年間旭川刑務所で過ごしていました。

緊張のせいで血圧が上がっていると指摘されましたが、後は滞りなく進み、保管されていた私物の受け取りも済み刑期を終えます。刑務所前の停留所でバスに乗り込み、2人の刑務官から三上は見送られます。

三上はもう二度と刑務所に戻らないと決意していました。そして旭川から一路、身元引受人で弁護士の庄司のいる東京へ向かいます。

すばらしき世界のネタバレ|思惑と身分帳

三上が東京へ向かっている頃、テレビの制作会社を辞めたばかりの若い男・津乃田に番組の女性プロデューサー吉澤から電話が入っていました。仕事の依頼だったのですが、取材の対象者が三上でした。

実は人捜しの番組に三上が母親を捜して欲しいと手紙を送っていたのです。

三上が前科者であることに目を付けた吉澤が三上の社会復帰する様や生き別れの母との対面などを盛り込んだドキュメンタリー番組を作れば視聴率が獲れると思いつき津乃田へ声を掛けたのでした。

断りかけた津乃田ですが、当面の生活費のことや小説家志望の津乃田にとって三上と接することは執筆の勉強になると押し切られ仕事を引き受けます。

すると、津乃田の元に三上の生い立ちや犯罪歴が分かる「身分帳」が届きました。「身分帳」を見ると、三上は収監された刑務所の中でも何度か乱闘事件を起こしている問題児のようでした。

すばらしき世界のネタバレ|入院と取材依頼

東京に着いた三上は身元引受人の庄司と妻の敦子に迎えられました。自宅で食事をご馳走になり三上は涙ぐみます。歓待してくれた庄司は三上に持病があることを指摘し生活保護の申請を提案します。

後日、三上は庄司と役所の窓口に行きますが、窓口担当の態度に気を悪くします。腹を立てた三上は血圧が上がり、倒れてしまいます。そして、病院に運ばれて検査を受け入院することになってしまいました。

三上は高血圧で心筋梗塞の持病を持っており女医から安静にするよう忠告されました。そんな時、津乃田が病室を訪ねて来ます。「身分帳」を読んですっかり怖気づいていたのですが、人懐っこい三上の笑顔と取材を快諾してくれたことに驚きを隠せませんでした。

すばらしき世界のネタバレ|再出発と風当たり

三上の密着取材を開始した津乃田はさっそく武勇伝を聞かされます。19歳の時に組長のボディガードをしていた時に受けた刀傷も見せられました。

体調が落ち着いた三上は退院すると古いアパートに住み始めました。意外に器用な三上は・庄司の妻・敦子からミシンを譲ってもらい、剣道の防具を作る仕事をしたいと得意気に語ります。

敦子と津乃田は今の時代にそんな仕事があるのかと疑問を持ちますが、三上のやる気をそがないように指摘はしませんでした。とりあえずミシンでカーテンを作り、洗濯物を干したり、近所のスーパーで買い物したりとささやかながら三上の再出発が始まりました。

やる気はあるもののなかなか仕事が見つからない三上でしたが、ケースワーカーの井口や津乃田の話から運転手になろうと思い立ちます。ところが服役中に免許が失効しており再度取り直す必要があると免許センターで言われてしまいます。

また腹を立てると血圧が上がったのか心臓発作を起こして倒れそうになりました。急いで薬を口にし、ふとかつての妻・久美子の顏が思い浮かび上げます。

すばらしき世界のネタバレ|時の流れ

13年前三上は久美子と1か月だけ結婚生活を送っていたことがありました。ところが、当時店長として働いていたスナックでホステスの引き抜きの揉め事があり、とっさに20代の男性を刺殺してしまったのです。

久美子は早い出所を願いましたが、喧嘩っ早い三上は警官を怒らせるような事を言ってしまい、裁判官からの印象も悪くなり13年の求刑にされたのです。その後、久美子は三上と離婚したのでした。

懐かしくなって久美子を訪ねたものの再婚しており帰宅した娘に学年を尋ねると小学3年生であると言われます。明らかに再婚相手の子供で、ただ時の流れを感じるだけとなったのでした。

また別の日は、買い出しに行ったスーパーで店長から万引きの疑いをかけられてしまいます。上手くいかない毎日で、三上は怒りの感情がなかなかコントロールできずにいました。

ただ、スーパーの店長・松本がその一件を謝罪したことで友情が芽生えます。しかも免許が取れれば仕事も紹介してくれると約束してくれました。

意気揚々と教習所に通い始める三上でしたが、教官が驚くほど荒々しい運転ぶりでなかなか上手くいきません。津乃田はその夜、吉澤と共に焼肉屋へ三上を焼肉屋へ連れ出します。

すばらしき世界のネタバレ|再びヤクザの道へ

焼肉屋でご馳走になりながら、三上は教習所に通い続けるお金がないと嘆き始めます。

そんな三上に吉澤は、番組に出ることにより同じ立場の人だけでなく色んな人に影響を与えられると説きます。吉澤の方針に腑に落ちない部分がありつつも、捜している母親に気づいてもらえる可能性があるならと引き続き密着に同意しましたが、帰りに事件が起こります。

中年男性がチンピラに絡まれていたのを見かねた三上が叩きのめしたのです。津乃田は吉澤に言われるままにカメラを回していましたが、怖くなって途中で止めてしまいました。

吉澤に中途半端さを指摘され津乃田は消沈します。三上は暴れてしまったことで何か心の中で弾けたのか、極道の道に戻ろうとします。そして、刑務所時代に付き合いのある九州の組長・下稲葉に連絡すると喜んで来てくれと言われます。

すぐに九州に出向き、下稲葉と酒を酌み交わし世間の世知辛さを訴えます。しかし、今の組にかつての勢いはなくすっかり弱体化していました。しかも後から酒ではなく温泉水を飲んでいたと知らされます。組長の体もあまり良くないのでした。

結局、下稲葉の妻・マス子に慰められ、もう一度東京へ戻ることにします。

すばらしき世界のネタバレ|見つかった就職先

ある日、津乃田から自分のいた養護施設の情報が入ります。施設を訪れますが、三上がいた頃の資料はずいぶん前に処理されていました。

ただ三上はその養護施設の子供たちにかつての自分を重ねたのか交流を持ち、元の犯罪の世界には戻らないと津乃田に誓います。そして、小説家希望の津乃田もいつか三上の歩んだ人生をきちんと文章にすると語りました。

定期的に訪問してくれたケースワーカーの井口の紹介もあって、三上はある老人介護施設で働き始めます。繋がりの大事さを教えられ、スマホも持つようになりました。仕事場では障害を持つ介護士の阿部とも仲良くなります。

やっと見つかった仕事先をみんなも喜んでくれました。今までに支えてくれた人たちのために、三上は真面目に頑張ると決めます。

そんなある日、阿部が他の介護士からいじめを受けているのを目の当たりにして目の前にあったハサミを手にかけてしまいます。どこで懸命に働いても弱い者やはみ出た者はこんな目にあうのかと痛感します。

しかし、それでも力で訴えるとせっかくの苦労が台無しになると思いとどまります。三上は阿部からもらったコスモスの花を手に、泣きながら帰りました。

すばらしき世界の結末ラスト|人生これからだったが‥

吉澤は仕事が見つかり“普通のおじさん”になった三上に関心が失せたのかテレビの件は白紙状態となります。

ただ松本や庄司たちは教習所へ通うお金を工面してくれたり何かと支えてくれ、元妻・久美子からも昔のアルバムを渡すから食事でもしようと連絡があり、三上は幸せな気持ちになっていました。

ところが、病魔は少しずつ蓄積されたのか仕事からアパートの部屋に戻った三上は発作を起こし倒れ、最期はコスモスの花の香りを嗅ぎながら逝ってしまいます。

その頃、津乃田は三上を主人公にした小説を描き始めていましたが、降り始めた雨が嵐になる気配を見せていました。

翌日、三上の訃報を知った津乃田は急いで三上のアパートに向かいますが、警察が現場検証をしている最中で身元引受人の庄司夫妻が津乃田を見て力なく首を振るばかりでした。

やっと仕事を見つけ心許せる人々が出来た矢先に亡くなった三上。その姿に、津乃田は泣き叫ぶのでした。

以上、「すばらしき世界」のあらすじネタバレとラスト結末でした。

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『すばらしき世界』の感想評価と口コミ評価でのレビュー

以下、映画「すばらしき世界」の感想評価と口コミ評判です。

感想評価|出所後のリアルな人間生活

テレビなどでの映画紹介でどうやっても救われない社会を描いている救いのない映画なのかなと思っていましたが、結末はどうであれ少し違う結末を迎えていろいろ心に残る作品になりました。

普通に生きているとなかなか接することのない世界や人に、何でこんな事をしてしまうのかとも思うこともありましたが、負のループというか、なかなか抜け出せないんだなと感じました。

人生のほとんどを刑務所で過ごした主人公だったので、めちゃめちゃ極悪人かと思うととても愛嬌があったり憎めない主人公を演じた役所広司さんは素晴らしいと思いました。

いろいろな方面から今の社会のことを考えさせられる作品でした。

口コミ評判でのレビュー「引き込まれていってなかなか返してくれない物語」「これからの希望になる」

映画『すばらしき世界』の口コミ評判レビューには、「ラストには悲しさを超えて複雑な感情が一気に押し寄せてきた」「映画を観終わってからも、ずっとタイトルの意味を考えてしまう、そんな魅力ある作品」「人生の半分を刑務所で過ごした男が、社会復帰するというシンプルなものなのに、考え方を改めさせられた」「役者陣皆んな良かったけど、役所広司と仲野太賀は光っていた」という評判が多い印象です。

★★★★★星5

私たちのいるこの社会は本当に「すばらしい世界」なのか?を問いかける西川美和監督の社会派作品。乱暴ながら一本気な性格が憎めない主人公三上を演じる役所広司、軽薄なテレビマンの長澤まさみと、その軽薄さに乗り切れず辞める仲野大賀、誠実な身元引受人の橋爪功と梶芽衣子など、役者陣はみな素晴らしいです。物語はタイトルと裏腹にリチャレンジを認めない差別と偏見の社会を描いていますが、最後に映る都会の小さな青空のように三上に寄り添った人々がいるのが救いです。

引用:映画ごときで人生は変わらない

50代女性

★★★☆☆星3

役所広司さんが元受刑者役を演じた映画「すばらしき世界」。原作が実在の人物をモデルに書き上げたものだけに作品に奥行きを感じました。

役所さん演じる三上は元殺人犯とのことでしたが、出所して身元引受人の弁護士夫婦に迎い入れられた時に温かい言葉をかけられて涙ぐんだり、TV番組に母親を探してほしいと依頼したりと愛に飢えているのだなぁと感じました。

番組プロデューサーの吉澤が三上の依頼を逆手にとって元受刑者の三上の社会復帰する姿を放送すれば数字が獲れると企んだりしていて切なくなりました。

本人が一生懸命に社会復帰しようとしても周りの目や時間が経ったことで失っている者がたくさんあることがあるとなかなかうまくいかないので気の毒だなぁとも感じました。

最初は仕事のために関わっていた津乃田が三上の母親を探してくれて、養護施設に入っており昔の記憶はほとんどないものの弾いたオルガンと口ずさんだ歌で三上と母親がたしかに繋がっていたのを感じさせてくれて感動的でした。

どんなことがあっても大切なものや人との絆があるだけで生きている価値があって、これからの希望になるのだなぁとも感じました。

30代男性

★★★★★星5

西川美和さんの待望の新作映画でした。これほどまで映画館で泣いた映画はありません。ここ最近で一番苦しく、一番嬉しく、色々な一番が詰まっていました。

数十年ぶりに刑務所から出てきた主人公が、どうにかしていまの社会で生きていこうとする様が、本当にリアルでした。支えてくれる人たちと出会い、些細な問題を起こしながらも少しずつ現状に向き合っていく姿に、気持ちが揺さぶられました。

心の奥にあるのは母親への想いであったり、人との絆であり、どんな人でも共通して持っているものを改めて見せられました。キャストの皆さん全員の圧倒的演技に完敗です。

終わり方が、心の底から無念で、悲しさを超えて複雑な感情が一気に押し寄せてきました。見るのに体力を使いますが、1人でも多くの人が見るべき映画だと思います。

30代女性

★★★★☆星4

主演の演技力が光る作品です。タイトルを含めて、メッセージが深く、この映画を観終えて、なかなか言葉では言い表せない感情を持ちました。

人生の半分以上を刑務所で過ごした主人公を名優の役所広司が演じます。その演技力が圧巻で、主人公への感情移入が進みます。悲しさ、怒り、よろこび、大きく感情を揺さぶられました。

次に、作品のメッセージ性が深く、現代社会について考えさせられました。素晴らしい世界とは、誰が決めるのでしょうか。我々にとって、世界とは客観的なものなのか、、一つの考え方としては、アドラー心理学的には世界の見方(解釈)は自分が行うもので、大なり小なりみんな自分の世界を生きているというものもあります。

世界は自分の捉え方次第ということです。映画を観終わってからも、ずっとタイトルの意味を考えてしまう、そんな魅力ある作品です。

20代男性

*映画「すばらしき世界」のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。

映画『すばらしき世界』の原作小説は実話!原作小説との違いや実在のモデル人物について解説

原作小説は作家・佐々木降三の『身分帳』

映画『すばらしき世界』の原作は、1990年に出された作家・佐々木降三の『身分帳』です。映画では舞台を現代にしていたりと、原作とは変えられている部分が多いです。そして、原作小説の『身分帳』は実話をモデルにした物語です。

まず、映画では役所広司が演じた三上正夫ですが、モデルとなった人物の名は田村明義です。原作小説では山川一として描かれています。そして、この山川一こと田村明義が、作家の佐々木降三に「自分のことを小説にしてほしい」とお願いしたことから原作小説の『身分帳』が制作される事となりました。

しかし、『身分帳』はの内容については、著者の佐々木降三も亡くなっていることから、どこまでが実話なのかは定かではありません

ちなみに、原作小説では、映画では描かれなかった子供時代の話を詳しく書かれていたり、モデルとなった田村明義の一生涯が詳しく知れるものとなっています。

原作小説と映画は、相違がかなりある

映画でも描かれていたように、田村明義は母親を探していたのは確かなようです。母親は博多芸者で父親は海軍大佐ということですが、父親については本当かどうか疑問点があるところではあります。

田村明義は出生届けも出されなかった為に、戸籍もありません。12歳の時から少年院に入ったりと、その後も問題を起こしてばかりで、人生のほとんどを刑務所で暮らしています。

映画では、三上正夫は決して悪い人物ではないと言う風に描かれていました。しかし、原作小説を読む限りでは、子供時代からの生活のせいか悪い部分には抜け出せなかったように思います。

映画の終盤では、介護施設で働いていましたが、原作小説ではそのような事はありません。モデルとなった田村明義は最終的に福岡の運送店で働きに東京を離れます。

しかし、原作小説では福岡に行った後のドライバーとしての仕事をした部分については描かれていません。福岡に行った後に描かれていることは、またもやヤクザ関係と繋がり仕事をしていたということです。

映画ではかなり更生した人間かのように描かれていましたが、やはり負のループからは逃れられなかったように感じます。

『身分帳』のモデル人物である田村明義をもとに制作された映画『すばらしき世界』ですが、原作というよりは原案に近く、別物として捉えるほうが良いかと思います。

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