『熱のあとに』の元ネタとなった実話事件を解説!あらすじネタバレや感想評価も

2024年2月2日公開の映画『熱のあとに』。
2019年に実際に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアされた物語で、過去に愛したホスト・隼人を刺し殺そうとした主人公・小泉沙苗の振り切った愛し方を描き、“本物の愛とは?”という問いを描く作品です。
主演の橋本愛が沙苗を演じ、その夫・健太役を仲野太賀、謎めいた隣人役を木竜麻生が務めています。
- 『熱のあとに』はどこまで実話?
- 『熱のあとに』の元ネタ事件やその後
- 『熱のあとに』のあらすじ
- 『熱のあとに』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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どこまで実話?元ネタ事件やその後を解説
ホストであった望月隼人を刺し、殺人未遂で逮捕された経験のある主人公・早苗とそんな早苗を妻として受け入れる夫・小泉健太の複雑な夫婦関係を描き、批評家から高い評価を集めた映画『熱のあとに』。
『熱のあとに』は、ある事件から着想を受けて制作された映画となっています。
そんな映画『熱のあとに』の元ネタとなった事件についてまとめていきたいと思います。
管理人
元ネタとなった新宿ホスト殺人未遂事件
元ネタとなった事件は、2019年5月23日に起きた新宿ホスト殺人未遂事件です。
この事件は、当時ガールズバーの店長をしていた高岡由佳さん(当時21歳)がホスト・琉月(るな)さん(当時20歳)を新宿のマンションで刺して重傷を負わせたという事件となっており、事件当時テレビで大きく取り上げられるなど話題を集めました。
犯行現場で血だらけのまま、平然とタバコを吹かす高岡さんの様子がSNSなどでも話題を呼び、映画『熱のあとに』のオープニングで隼人を刺した早苗がタバコを吹かして笑顔を浮かべる衝撃的なシーンでの様子は、犯行当時に撮影された高岡さんの姿を基にしていると考えられます。
映画では早苗が隼人のために身体を売ってお金を稼いでいたと語られるシーンがありましたが、実際に高岡さんは琉月さんの売り上げのためにガールズバーからデリバリーヘルスといった仕事をして数百万円を貢いでいたそうです。
ただ、事件を元ネタにしてはいるものの、その他の映画の内容についてはフィクションとなっており、実話ではありません。
管理人
殺人未遂事件のその後
2019年12月に初公判が行われ、落ち着いたスーツ姿で現れた高岡さんとは対照的に、ド派手な髪色と紫色のインパクトのあるパーカー姿で被害者の琉月さんが現れたことも大きな話題を集めました。
琉月さんは刺されてから、5日後に目を覚ましており、肝臓まで達するほど傷だったということからかなりの重症であったことが分かります。
結局、高岡さんは懲役3年6ヶ月の実刑判決を受け、服役することとなりました。
高岡さんは2025年2月現在、すでに出所しており、現在は「うゆ」という名前でTikTokを中心にSNS活動を行っているそうです。
管理人
ゲーム配信など中心に人気を集めているそうですが、SNS活動だけで生計を立てているかどうかは微妙なところでもしかすると、他の仕事も行っているかもしれません。
被害者であった琉月さんは、前述したように高岡さんに数百万円を貢がせていたことや、取材で男女の関係はなかったと語っておきながら初公判ではあっさりと肉体関係があったことを打ち明け、初公判での出で立ちも悪目立ちしていたから被害者でありながらも批判を受けることになってしまいました。
その後は、ホストとして復帰していますが、現在の職場であるEVE TOKYOというホストクラブでの現在の源氏名は「痛みに負け琉月(るな)」でキャッチコピーも「一緒にメンヘラ」になろうとなっており、一番高かった買い物は?という質問に対しては「肝臓」と答えるなど、明らかに事件を揶揄したような炎上商法のような営業方法は現在でも賛否両論を集めています。
『熱のあとに』のあらすじ
(以下、映画『熱のあとに』のあらすじです。)
『熱のあとに』のあらすじ|殺人未遂で逮捕歴のある妻・早苗と夫・健太の前に現れる謎の女性・足立
6年前、ホストである望月隼人の殺害未遂で逮捕された早苗は、幸せな生活を求める母親の勧めによって、お見合いした小泉健太という男性と結婚することになります。
過去を知った上で早苗を受け入れた小泉は、林業の仕事に従事しており、古いペンションをリフォームして二人は結婚生活をスタートしました。
健太への愛は本物ではないという苦悩をメンタルクリニックに主治医に打ち明ける早苗は、診察の帰りに隼人の面影を求めてホストクラブへと向かいます。
担当したホスト・詩音に隼人の行方を聞く早苗でしたが、新人の詩音は隼人の存在を知らなかったことからすぐにその場を後にしました。
一方、健太は伐採の依頼を受けて依頼主の足立と出会い、意気投合します。
健太は足立が東京へ向かうということで早苗を迎えに行くついでに駅まで送ります。
早苗とは初対面のはずなのに、知っている素振りを見せる足立に早苗と健太は困惑するのでした。
『熱のあとに』のあらすじ|足立が6年前に刺した隼人の妻であったことを知り、パニックになる早苗
足立と再会した早苗は、足立が隼人の妻であることを聞かされます。
隼人の間に4歳の息子がいる足立は、行方不明になった隼人の手がかりを見つけるために早苗を探していたのでした。
ショックを受けた早苗は急いでその場を後にし、パニック状態となります。
健太が必死になだめようと事情を聞きますが、早苗は何も答えようとしません。
問題解決のために仕事を辞めて引っ越そうとする健太を見て、早苗は足立を向き合うことを決意し、会いに行きます。
隼人の行方は分からないと足立に伝え、なぜ失踪してしまう前に異変に気付いてあげなかったのかと詰め寄る早苗でしたが、逆に愛されたこともないくせにと全否定されてしまいます。
またもやパニック状態となった早苗は警察に保護され、健太が迎えに来ますが、完全に愛想を尽かした様子で友人たちと飲みに行ってしまい、別れると友人たちに話しますが、どこかでまだ早苗のことを愛している様子でした。
『熱のあとに』のあらすじ|隼人とのプラネタリウムでの再会
ほどなくして、足立が小泉と早苗の元にやってきて、隼人と再会し離婚してきたと伝えます。
早苗は隼人とコンタクトをとった詩音から隼人からの伝言を聞かされ、会う計画を立てており、そのことを伝えると足立が未練がある様子で行かないでほしいと訴えます。
二人の様子を見て呆れた様子の健太は、早苗の愛が自分に一切向いていないことを実感し、退職届の相談で家を訪れていた自分のことを恋慕う同僚の美紀とともにその場を後にして、ラブホテルへと向かい、二人で死のうとします。
一方、待ち合わせ場所であるプラネタリウムに向かった早苗は静まり返る劇場の中で隼人と再会を果たすのでした。
以上、映画『熱のあとに』のあらすじでした。
『熱のあとに』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『熱のあとに』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|「愛」に翻弄されてしまう登場人物たちの姿を橋本愛・仲野太賀主演で描いた人間ドラマ
映画『熱のあとに』は、過去に愛する人を刺したことがある主人公の早苗と、そんな早苗を迎え入れた夫の健太、そして早苗の過去を知る女性・足立の姿を描いた「愛」をテーマにした人間ドラマ作品となっています。
演技派である橋本愛さん、仲野太賀さんの共演ということでも話題を集めた映画『熱のあとに』は、いきなり早苗がホストである隼人という男性を刺し、血まみれで倒れる隼人を見て、笑みを浮かべるというショッキングなシーンで幕を開けます。
管理人
6年後、服役し、母親のことを安心させる目的でお見合いで知り合った仲野太賀さん演じる小泉と結婚生活をスタートさせる早苗は、安定した生活に時折笑みを浮かべながらも、内心では隼人への愛を忘れられずに苦悩している様子が描かれます。
メンタルクリニックでそんな苦悩を打ち明ける早苗は、理性ではどうすることも出来ない愛に囚われており、一見幸せに見えるのに生きることに絶望している姿を橋本愛さんが熱演しており、その演技力は圧巻です。
そんな早苗を必死に理解しようとする健太が早苗と結婚生活をしていくにつれて、明るかった表情が徐々に苦悩に満ちていく様子も印象的でした。
いびつな夫婦の前に現れるのが、隼人の妻である足立よしこという女性で、彼女によって、早苗はもう一度強く隼人を意識することになり、夫婦の関係は更に悪化していくこととなります。
妻という関係を築いていることから、早苗に対して余裕を持っていた様子のよしこでしたが、映画の終盤で隼人と離婚し、彼が早苗と再会しようと計画していることを知って、自信を失ってしまいます。
一方、早苗も念願であった隼人と再会しますが、抱き合った際に痛烈に時の流れを感じてしまい、6年前に戻ることは出来ないことを思い知らされ、結局健太のもとに戻ってきます。
愛に翻弄されてしまう登場人物たちの姿が痛々しいほどに描かれ、人を愛することの難しさ、儚さが観る者の心に突き刺さります。
管理人
映画のラストは、戦争を解決する手段とし健太が何気ない会話で戦争を止める方法として語っていた「60秒間見つめ合う」という方法を別れを告げる健太に対して、早苗が車内で実践し、周りの車がクラクションを鳴らす中で二人が見つめ合うというシーンで締めくくられます。
果たして、健太が再び早苗を受け入れるのか?
それとも、二人の間の戦争を止めることは出来ないまま別れてしまうのか?
二人の行く末は観客に委ねられるという余韻を残す終わり方も見事だと感じます。かなり重苦しい内容にはなっていますが、映画『熱のあとに』を観てどういった感情が自分にとっての「愛」なのか、考え直してみるのも面白いかもしれません。
『熱のあとに』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★☆星4
実際にあったことを元にした映画みたいなんですよね。
ホストにどハマりしてしまったヒロインを演じる橋本愛さん、ただ演技が凄くて魅了してしまいました。
こんなホストと出会わなければ人生めちゃくちゃにならなかったのに。
ホストを愛しすぎてしまった事での悲劇。
それから6年の月日が流れお見合いで知り合った素敵な男性との幸せな結婚生活を送るはずが、まさかのまさかで訳あり隣人が越してきて運命が2人を引き離す?
ハラハラドキドキ止まらない映画です。
40代女性
★★★★★星5
重くて怖くてつらいストーリーですが、山本英監督の映像は繊細でインパクトがあり、沙苗役の橋本愛さん、その夫役の仲野太賀さん、沙苗が殺そうとしたホスト役の水上恒司さん、ホストの妻役の木竜麻生さん等々、演技が上手く雰囲気がある役者さんが揃っていて、見応えがある作品です。
実際に起きた事件に着想を得たようですが、人間のどうにもならない感情や行動を丁寧に描いていて、全く褒められたものではない登場人物たちが、何だか切なく愛しく感じました。
自由なはずなのに不自由で、自分の感情を持て余しまくってる登場人物たちを見ていると、人間は動物や昆虫と違って、生きることも愛することも苦行だなあという気持ちになりました。
残酷なストーリーですが、また見返したくなる魅力にあふれた映画です。
50代女性
★★★★☆星4
「愛」とは何か、模索するが、失敗を重ねるにつれて「愛」というものから遠ざかっていく沙苗。
沙苗と出会った当初、「何でそんな死んだ目をしているのか」と問いかけた健太が、沙苗との生活を通してどんどん死んだ目になっていく描写がすごかったです。
捉えどころがなく、ミステリアスな沙苗の雰囲気は、映画の雰囲気にも合っていて、作品により没入する要素になりました。
ラストシーン、お互いに道路で見つめ合うシーンは愛に目覚めたような描写でしたが、2人のせいで渋滞が起きていることも気にするそぶりもない。
なんだかんだ結局自分勝手で自己愛の塊なのだと思いました。
しかしそれがまたこの2人らしいところです。
結局沙苗の「愛」は最後まで「執着」なのだと思いました。
色々な愛の形や表現が見えてくる作品です。
30代女性
*映画『熱のあとに』のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。