『来る』の気まずいシーンがひどいと言われる理由!琴子の最後についても考察解説【あらすじネタバレ感想評価も】
2018年12月7日公開の映画『来る』。
『告白』や『渇き。』を手掛けてきた中島哲也監督のホラー映画作品です。
原作小説の『ぼきわんが、来る』は第22回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞し、中島哲也監督が原作小説をもとに1年以上かけて脚本を執筆して制作されました。
また、映画『来る』の口コミ評判レビューには、
- ストーリー的にスッキリしないところは多々あった
- 豪華共演を観たい方などはお勧め
- 予想していた以上に本格的なホラー映画
- 正体不明の恐怖が襲ってくるのが恐ろしかった
- 人間の闇を辛辣に描いている点が興味深かった
- 今まで見た中で1番内容があるホラー映画だった
- 物語のラストが若干強引な終わり方
- 渇き。と告白のキャストを合わせた豪華キャスティング
という声が多数集まっています。
- 映画『来る』の気まずいシーンは?どこがひどいの?
- 映画『来る』の原作と合わせて考える琴子の最後について解説考察
- 映画『来る』のあらすじ
- 映画『来る』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
もし、まだあなたが一度も映画「来る」を観ていないなら、まずはネタバレとあらすじ・感想評判の前に作品を観ておくことをおすすめします。
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目次
映画『来る』の気まずいシーンは?どこがひどいの?
ひどいと言われる理由:妻夫木聡が演じる田原秀樹が原因か
映画『来る』で検索すると時折「気まずい」「ひどい」という単語が目に付くことがあります。
香奈(演:黒木華)とその夫秀樹の親友津田(演:青木崇高)の不倫描写やベッドシーンはありますが、正直そこまで長いシーンではないです。
「子供が見るには早いかな」程度で、気まずいシーンとまではいかないと思います。
そこで、私が思う気まずいシーンは、冒頭の法事と披露宴のシーンです。
管理人
香奈は婚約者の実家に初めて行くことになるのですが、それが親戚一同集まる法事です。
親に会うだけでも緊張するのに、方言で言葉の違う親戚一同に囲まれるなんて、気まずいように感じます。
知らない親戚からよくわからない食べ物をすすめられたり、知らない親戚の酔った喧嘩を見せられたり。しかも夫は基本的に自分の傍にはいてくれません。
そして、秀樹と香奈の結婚披露宴のシーンですが、これも中々に気まずいです。
秀樹と香奈の披露宴は「一番行きたくない結婚披露宴」です。
- つまらない出し物
- つまらない挨拶
- 扱いに困る夫婦の顔写真入りの引き出物
これだけでも主役の二人が参列者の気持ちよりも、自分達主体で物事を考えていることがわかります。
文句を言いたくなる人もいるし、祝福したくないと思う人が少なからずいるのが結婚式ですが、その一番最悪なパターンをこのシーンで見ることができます。
また、気まずいシーンから続いてひどいと言われる点をピンポイントで上げるなら、妻夫木聡が演じる田原秀樹がとにかくひどいです。
香奈も野崎も自分の事ばかりのひどい人間なのですが、秀樹はそれとは比べ物にならないくらいひどいです。
秀樹は娘が産まれるまで社内で不倫を匂わせる描写がありますが、新築パーティにあろうことかその女を家に呼んでいます。
家事や育児は全く参加せず、子供が怪我をしても自分は何もせず、ブログを書いているだけで面倒なことは全て香奈に任せています。
本心では香奈の事も見下し、母親という存在を軽んじているように感じます。
管理人
映画『来る』の全体を通したひどい点
映画『来る』では、ホラー映画の要素もコメディー映画の要素もありつつ、人間性が一番怖いことがわかる映画、子供が怖いなどの意見、社会風刺の面をもっている映画、最強霊能力者登場のヒーロー映画などに分かれます。
どれが正しいのかと問われれば、どれも正しいと言えます。このことからもわかるように、ジャンル分けが難しい映画です。
様々な要素が混在することで、見ている人に混乱を生じさせる映画であると言えるかもしれません。
そのことが評価の伸び悩みの原因、賛否が分かれることに繋がっているという感じがします。
完全なホラー映画として見るには、ホラーの要素が足りず物足りなさを感じます。
そして、人間関係の複雑さについて語ることができているかと問われると、完全にそうと言い切ることができません。
これが見る側の混乱を引き起こしているようです。
管理人
監督である中島哲也氏はインタビューの中で、本作をホラー映画として撮ったつもりはないと答えています。
実際予告でも「最恐エンターテイメント」と銘打っています。印象としては、今回のこの映画は監督がやりたいことを全て詰め込んだという感じを受けました。
主人公たちがわけのわからない霊的なものに襲われ、危機的な状況に陥ったときにヒーローとしての霊能力者に何らかの形で出会う。
そして、命からがらお祓いをしてもらうが、原因を探っていくと実は昔からその土地に伝わる妖怪のようなものであった。
このパターンのお話は、都市伝説界隈ではよく見受けられます。そして、この異形のものは部落差別や祟り的なものが原因であるというのがお決まりの流れです。
そういった既視感、既読感を抱いた人はつまらないと感じたのかもしれません。
たとえ結末がスッキリしなくても、ストーリーが難解で意味不明でも、なんとなく雰囲気だけでも恐怖を感じそれが続けば、ホラー映画として成立します。
この映画の場合、恐ろしい霊的なものに取り憑かれて、血がたくさん出る描写しか恐ろしいと感じる場面はないです。
結局「あれ」が実質的な物体として描かれることはありませんでした。
なんとなく怖いものがあって、それにいつまでも怯えている登場人物たち。しかし、その「あれ」は一筋縄ではいかない最強のものである。
この映画のホラーの要素は、極論を言えばそこだけと言えます。
管理人
それでも、他のところが素晴らしいのでよい映画だと評価する人もいれば、ホラーとして鑑賞したのに肩透かしを食らった人もいる。
賛否がここまではっきり分かれる映画も少なくないと言えますね。そういう意味でも、一見の価値はあると思います。
また、澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を読んでから鑑賞すると、背景などがよく理解できて良いのではないかとも思います。
映画『来る』の原作と合わせて考える琴子の最後について解説考察
比嘉琴子は真琴の姉で、国家機関まで動かすことのできる最強の霊媒師です。映画では松たか子さんが琴子をとても格好良く演じていました。
琴子は最後に”アレ“と直接対決をしますが、映画では含みを持たせた最後になっており、琴子の安否は不明となっています。
琴子は最後どうなったのでしょうか?原作と合わせて考えてみましょう。
管理人
映画と原作で琴子の設定に大きな変更はありません。
琴子は煙草の煙をふかしただけで周囲を浄化することができ、原作ではアレが連れてきた霊達も名前を聞いただけで逃げ出します。
まさに最強、漫画の主人公にいても遜色ない格好良さです。
実は『ぼぎわんが、来る』は比嘉姉妹シリーズの第一作目という位置付けされている作品で、原作ではもちろん琴子はアレに勝利します。
アレに勝利した後は1日休んだだけで次の仕事に向かえるほどです。
“アレ“の強さに関しても、映画と原作の違いは殆どありません。
電話の声を知人に似せ罠に嵌めたり、精神的に弱い部分に付け入る狡猾さも同じです。
原作での琴子は化け物を言葉で挑発したり、直接素手で攻撃を止たりする体資本の除霊スタイルです。
しかし、映画の琴子は使えるものは全て使うなんでもありのパワープレイ除霊なので、規模が大きいと同時にアレの被害も多いです。
原作ではアレの強さから、琴子に紹介された霊能者でさえアレと関わろうとしませんでした。
原作であの除霊方法が行われていたら、同じ規模の犠牲が出るのでは?と思います。
管理人
映画でアレを招く原因になった知紗は、琴子とアレの対決の後不眠症が治り、子供らしい夢を見るまでになりました。アレの付け入る隙が無くなったという事です。
アレは琴子によって払われたのです。
琴子の強さも、アレの強さも映画と原作で変わらないとするならば、映画の琴子はあの後生存していると私は思います。
管理人
次の日仕事があると言っていましたし、何食わぬ顔で仕事に向かっていることが想像できます。
映画『来る』のあらすじ
(以下、映画「来る」のあらすじです。)
『来る』のあらすじ|「あれ」を知る
田原秀樹は加奈との間に一人娘の知紗がいました。
完璧な夫を目指す秀樹は、娘のことを自分のイクメンぶりをブログにアップしていましたが、実際には、加奈の思いとはズレが生じており、やがて家庭は崩壊していきます。
秀樹は、子供の頃近所に住んでいた少女に「あれ」という恐ろしい存在が、大人になったとき秀樹を連れ去りに来るということを告げられていました。
何を隠そう、その名前すら覚えていない少女は、その「あれ」に連れ去られていたのです。
『来る』のあらすじ|「あれ」が来る
ある日、家に帰ると何者かに部屋が荒らされていました。何かに怯える加奈と泣き続ける知紗の姿を見て、いよいよ「あれ」が自分たちを連れ去りに来たのだと感じました。
そこで、民俗学を研究している友人の津田に相談を持ちかけました。
秀樹は津田に、心霊やオカルトに詳しいライターの野崎を紹介され、その野崎に霊能力のある真琴を紹介されます。
しかし、ついに「あれ」が襲ってくると、真琴では太刀打ちできませんでした。
すると、真琴の姉である霊能力者の琴子から連絡があり、琴子に紹介された霊能力者に相談することになりました。
ですが、相談していると突如「あれ」が襲いかかり、霊能力者の片腕を引きちぎってしまいました。野崎は、この場を自分に任せ家にいる加奈と知紗を守るよう告げました。
秀樹は、家にいる二人に逃げるよう伝え、刃物をしまい、鏡を全て割り、「あれ」の襲来に備える方法を琴子に携帯で聞きました。
そんな中、家の電話にも琴子から電話がかかってきます。
実は、携帯にかけてきた琴子は「あれ」がなりすましたもので、刃物や鏡を処分させたのも「あれ」が苦手としているためでした。
「あれ」に襲われる秀樹は、死の瞬間、子供時代に出会った少女の名前が知紗であったことを思い出します。
『来る』のあらすじ|「あれ」と戦う
秀樹の死から一年が経ちました。加奈は子育てと仕事がうまくいかず、そのイライラは知紗に向かっていました。
久しぶりに野崎が訪ねてきて様子を伺いますが、加奈は本当のことを語ろうとしません。
秀樹の死に責任を感じていた真琴は、加奈の元を訪ねます。真琴は知紗と仲良く過ごし、加奈は知紗を真琴に預けて外出してしまいました。
実は、秀樹の友人である津田と不倫関係にあったのです。
加奈が帰宅すると再び「あれ」は襲ってきました。加奈と知紗をかばうように真琴は「あれ」と対峙します。しかし、真琴は大怪我を負ってしまいました。
加奈は、知紗を抱いて逃げ出しますが、「あれ」が後を追って来て加奈の命を奪い、知紗を何処かへ連れ去ってしまうのでした。
重傷を負って入院した真琴の元に、琴子がやってきました。
そして、琴子は一日で呼べるだけの霊能力者を招集すると、「あれ」と戦う準備を始めます。
琴子は「あれ」と現実の世界を強く結びつけているのは、知紗だと言います。
秀樹と加奈に対して知紗の寂しいという思いが、「あれ」との繋がりを強固なものにしていたのでした。
琴子は知紗の存在を危険視し、「あれ」とともに異界に送ろうとしますが、真琴と野崎は知紗を助けたいと願い出ます。
以上、映画「来る」のあらすじでした。
その願いの強さを知った琴子は、2人に知紗を委ねて、「あれ」に対して壮絶な戦いを挑むのでした。
この結末が知りたい方は、実際に映画を見てみることをお勧めします。
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映画『来る』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画「来る」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|ホラー映画という枠だけにはハマらない映画
この映画は、好みが真っ二つに分かれる映画と言われています。
なぜもっと早く観なかったのだと後悔するほど、素晴らしいと感じる映画でした。
管理人
『来る』という映画はホラー映画に分類された映画ですが、実際はもっと幅広いジャンルが入り混じった複雑な映画のように感じます。
この映画は、場面展開と共に主人公も切り替わります。
最初の主人公秀樹が“アレ”と呼ばれる何かに襲われるという構図は完全に『ホラー映画』です。とにかく何か得体のしれない恐怖が秀樹と家族を襲います。
秀樹がアレに命を奪われると、場面が展開して香奈が主人公になります。
香奈の視点で物語が進行するにつれて、秀樹が主人公だった時に感じた違和感が明らかになっていきます。
「何不自由ない幸せな生活を送っていた」と感じていたのは秀樹だけで、香奈は育児や家事を全く手伝わない秀樹に怒りを覚えていました。
秀樹視点で物語が進行している時も不快感や違和感はあるのですが、基本的には秀樹は育児にも家事にも協力的で、“良い夫”であり“いい父親”だという構図は変わりません。
それが香奈の視点によって崩れ去っていくのです。
そんな場面の端々にある伏線を回収していく構図はミステリー映画とも言えます。
管理人
香奈がアレに襲われると、今度は野崎の視点で話が展開します。
野崎は、恋人や友人家族そして子供等「失う事が怖いから作らない」という人間関係に踏み込むことのできない人間でした。
その理由から元妻の妊娠を中絶させた経験があり、今でも罪悪感で苦しめられています。
しかし子供を産むことのできない真琴が、自分の子供のように知紗を愛する様子を見て、野崎も知紗を守りたいと決意します。
そこで、精神的に成長していく構図は、ヒューマンドラマ的な要素も含んでいます。
管理人
他にも琴子に召集された霊媒師のユタ達が襲われた時は、ド派手なカーアクションがあったり、所々にコメディ要素もちりばめられており、つい笑ってしまう場面まであります。
最大の見せ場である、神道や仏教その他異文化の霊能者が入り乱れて行う除霊シーンは圧巻です。
しかし、スケールが大きすぎてお化けというよりは、もっとゴジラや宇宙人と戦うような壮大なSF要素まで感じました。
中島哲也監督の狂気的で毒を持った映像や音楽、従来のホラー映画にはあまりない小気味よい会話や場面の切り替わり、それを高い演技力を持ったキャストが演じています。
そのため、途中から、現実の世界なのか幻覚の世界なのかの境界線も分からない感覚に陥ります。
管理人
自分も悪夢の中を彷徨っている没入感に陥り、悪夢を羅列され続けた最後には爽快感まで覚え、そしてまた観たくなってしまう中毒性を持った映画です。
ただ、日本のホラー映画特有の「物静かで」「背筋の凍るような、不気味で恐ろしい」ホラー映画を観たいと思っている人には期待外れと思われてしまうのだと思います。
「原作の設定を変えずそのまま映像化してほしい」と思っていた方にも、この映画は受け入れられなかったのでしょう。
確かにこの映画は原作との相違点が多く見受けられます。この映画では、化け物として出てくる“アレ”が何なのか最後までわかりません。
ですが、この『来る』という映画は、原作『ぼぎわんが、来る』の“ぼぎわん”という存在を消すという意味で成り立った作品となっています。
そのため、“アレ”の正体が何だったのか差程重要ではないのです。
管理人
もし“アレ”の正体がどういったものなのか詳しく知りたいという方は、原作で補完すると、映画と原作2倍楽しめるかと思います。
その他にも、登場人物の性格や設定が変わる等の変更がありますが、2時間で人を楽しませる映画としてこれ以上の脚本は無いのではないかと思います。
映画も原作もどちらも素晴らしく、それぞれ媒体事に最大の面白さが追及されているので、どちらも自分の目で確かめてほしい作品です。この映画は「ホラー映画」という小さい枠に捕らわれた映画ではなく、一種の「エンターテインメントショー」なのです。
映画『来る』のみんなの口コミ評判レビュー
映画『来る』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「ところどころコメディタッチのところもあり、陰湿なホラーがあんまり得意ではない自分でも見やすかった」「ラストの展開は曖昧な感じが強くあり気持ちが冷めてしまった」「俳優陣は豪華だがストーリーは分かりづらかった」「雰囲気や怒涛の展開が好きな方、ホラーが苦手な方でも見やすい映画」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
映画「来る」は、オカルト好きの人からの評判がいいようだったので拝見しました。
まず、キャストの顔ぶれから大体のストーリーを想像しがちですが、物語が進むにつれ予期せぬ展開に目が離せなくなりました。
当初怪異の被害者と思われた家族。しかし、夫婦関係・取り巻く人々の思惑に無関係な人が犠牲になり一見幸せな家族と思われた家庭の幼い少女が姿を消してしまうのです。
なんとなく話の流れから家族が救われてハッピーエンドかと思いきや、謎の怪異によって次々と命が奪われていきます。
そして、そこに絡んでくるのが霊能者として女性として幼い少女を救いたい一心の比嘉真琴と、真琴を救いたい野崎和浩という2人の男女。
2人のこれまでの人生や取り巻く環境がどんなことをしても少女を救いたいという決断をさせます。
しかし、その少女は既に怪異に魅入られており町全体を巻き込み特殊な能力がある人々が結集して怪異に立ち向かいエンディングへと向かっていきます。
物語の終わりに関しては予想外ではありましたが、好き嫌いの分かれるものだと思います。
「こんな終わり方にしなくても」とも思いますし「気持ちは分かる」という部分もあります。私としては大変興味深い最後だったと思います。
ちなみに、私はオカルトが好きなため突っ込み所も満載でしたし、予期せぬ展開に目が離せず大変面白かったと思います。
そして「来る」というタイトル通りのセリフが出てくるシーンに「これか!!」と鳥肌が立ちました。
オカルト好きなら、賛否は分かれると思いますが話題としては盛り上がること必至かと思いますので1度ご覧いただきたいと思います。
40代女性
★★★☆☆星3
「告白」や「渇き」など。不思議な雰囲気の狂気を感じさせる作品を作るのが上手い中島哲也監督の作品です。
「来る」は中島監督の作り出す不思議な雰囲気の狂気とホラーというジャンルが上手く合わさっていて最初から最後まで怖いと感じる雰囲気を保ち続けていたのが良かったです。
田原夫婦が抱える闇に漬け込んで怪物の力が増大していく様子が、夫婦の会話のやり取りや夫婦の周りの人たちのシーンを通して感じる事が出来ます。
それも恐怖を感じる要素の一つになっていて良かったです。
ですが、田原家に取り憑く謎の怪物を払う為に、田原家の部屋があるマンションの周辺を警察が封鎖して怪物を払う祭壇みたいなものを作ったりするシーン。
ここは、すごく非現実的で違和感があったのが少し残念でした。
それでも、その残念の部分があってもきちんと恐怖を感じられる作品だったので、観て良かったと感じる素晴らしい作品です。
40代男性
★★★★★星5
映画館で見ました。ホラー系なのは承知で見に行ったのですが、ホラー超えて最恐でした!
幽霊か出てくるとかではないのですが、目に見えない何かがあるその恐怖で今まで見た実際幽霊が出てくるホラー映画などより怖かったです。
私が1番好きなシーンは霊媒師さん達がいっぱいマンションに集まって、儀式なのか、お祓いをするシーンです。
あんな大掛かりでするお祓いなのにその何かの方が凄く手強くて、その人たちを一瞬で倒してしまう威力が凄かったしとても怖かったです。
でも結局は幽霊より生きてる人間の方が怖いな…と映画を見て思いました。
見てる間はハラハラが止まらなくて心臓に悪いですが、ふととても見たくなる映画です!また観ようと思います!
20代女性
★★★★☆星4
前半はややグダり気味ですが、後半からの盛り上がりがかなり強烈な作品でした。
田原家に来るなにか。原作では「ぼぎわん」というモノのようですね。この辺りは描かれていないので、原作から入った方には物足りないかもしれません。
本作の印象としては典型的なB級ホラー。私はB級ホラーが大好きなので後半からの怒涛の展開にわくわくしました。
仏教系、神道系、その他諸々の人々が集まり、近隣住民を避難させてまでの大祓。ここまでくるともはやエンタメです。
しかも、力を合わせるも及ばずに倒れる者もでてくるあたりがなんだかシュール。
彼らが集まってくるシーンも面白かったです。田原家の主の違和感も後半で回収されます。前半のグダりさえなければ最高だったのが惜しい作品でした。
50代女性
★★★★☆星4
映画「来る」は、「第22回日本ホラー大賞」で大賞に輝いた澤村伊智さんの小説を映像化したホラー作品です。
この作品は通常のホラー映画とは違った革新的な映画だと思います。
物語の前半では、主演の妻夫木聡さんが演じる”イクメンパパ”の家庭が、謎の心霊現象に襲われていく過程を描きます。
そして後半ではガラっと変わり、霊を退治するために奔走する除霊のプロたちの闘いが描かれた熱いストーリーとなります。
全国から集まった霊媒師たちが一同に会す除霊シーンは圧巻で、今までみたことない展開にドキドキしました。
役者たちの鬼気迫る演技が魅力的な今作は、特に除霊師役の柴田理恵さんがかっこよすぎるので、一見の価値のある作品だと思います。
20代女性
★★★☆☆星3
「渇き。」の中島哲也監督がホラーを作ったのが気になって鑑賞しました。相変わらず癖の強い映像で、独特の世界観のあるホラーになっていました。
前半、まるでCMのような作り物の雰囲気すらある明るく理想的な家庭が描かれていたと思えば、怪異に襲われた後に一気に幸せな家庭の嘘が暴かれる様子はケレン味があり、後半のお母さん役の黒木華さんの変貌ぶりが恐ろしかったです。
あれも怪異のせいなのか、それとも怖いのは人間の本質なのか。映像では怪異への恐怖よりも、痛さが伝わるようなグロい見た目が気になりました。
たった1人の女の子に取り憑いた『何か』の為に、日本中から霊能力者が集結するなど、なかなか他のホラーでも見られないようなビジュアルも印象に残るホラー作品でした。
40代女性
★★★☆☆星3
序盤からアレの恐怖がつきまといながらも、特にそこにはほとんど触れずに、秀樹の日常が淡々と続いていくところに何とも言えない気味悪さがありました。
傍目には一見幸せそうな田原一家も、ふたを開けてみれば、秀樹は外面だけのイクメンでほぼ香奈がワンオペ育児状態というところがかなりリアルです。
わかりみが過ぎてイラっとしてしまいました。その不満を吐き出すために不倫に走ってしまう香奈の気持ちはわからなくもないです。
特にシングルマザーになってからの、知紗に対する八つ当たりや虐待を目の当たりにしてしまうと、知紗が心の拠り所をアレに求めてしまったのも仕方ないと感じました。
田原家の悲劇は起こるべくして起こったんだろうし、あまり同情の余地は感じられませんでしたが、知紗が呼び込んだアレの犠牲になった人達はかなり不憫でした。
終盤の除霊の件から着地点がよくわからなくなって、結局アレの正体って何だったの?とモヤモヤしてしまいました。
前半のオカルト的な非日常とリアリティの共存という描写が良かっただけに、段々と心理描写が雑になっていったのが残念でした。
全体的に、忘れた頃にやって来るアレの暴走シーンが緊張感を煽っていて、最後まで一貫してホラーだったのは良かったと思います。
40代女性
★★★★☆星4
ホラー映画であると同時に、日本社会で生活する女性の息苦しさも描かれている映画でした。
イクメンとして周りから評価されている、妻夫木聡さんが演じるヒデキ。その裏側は、イクメンという仮面を被ったただのクズな男でした。
原作の『ぼぎわんが、来る』では、映画以上にクズな部分が描かれています。
鑑賞前に、作中に登場する柴田理恵さんが格好良いという情報を得たのですが、まさにその情報通りでした。
普段バラエティで活躍されている姿しか見たことがない人は、柴田さんの魅力を新たに発見できるかもしれません。
『来る』に登場する女性達は、ミステリアスでゾッとするような一面がありながらも、とても魅力的でした。
特に一番ゾッとしたのは、黒木華についてさん演じるカナが笑みを浮かべながらも、足元では盛り塩を静かに踏み潰しているシーン。
衝撃的なシーンが多々ある中、このシーンは激しい展開はないというのに印象的です。
男性から言葉のニュアンスや行動で見下されている女性、シングルマザーとなった子育てをする女性など、冒頭でも書いたようにホラーが描かれていると同時に女性の息苦しさも描かれている作品です。登場する女性と近い年代の方やその年代を経験された方は、共感する部分が多いのではないでしょうか。
20代女性
*映画「来る」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。