『羊たちの沈黙』はなぜ名作と言われているのか?”服を大事に”の意味についても解説考察!【あらすじネタバレや感想評価も】
1991年6月14日、日本公開の映画『羊たちの沈黙』。
映画『羊たちの沈黙』は、トマス・ハリスのベストセラー小説を映画化しアカデミー賞で主要5部門を制した映画史に残る傑作サイコサスペンスの金字塔です。
映画『羊たちの沈黙』の主人公は、若い女性を殺害し生皮を剥ぐという猟奇殺人犯を追うFBI捜査官のクラリス(ジョディ・フォスター)です。
その捜査官に、殺人鬼(カニバリズム)の犯人に関するプロファイリング情報を提供するレクター博士(アンソニー・ホプキンス)。
レクター博士(アンソニー・ホプキンス)は、優れた精神科医です。
“異色のバディもの”との鑑賞の仕方が出来る点が、映画『羊たちの沈黙』の特異点でおもしろさです。
管理人
映画『羊たちの沈黙』の口コミ評判レビューには、
- 残酷だが知的なレクター博士の心理分析が面白い
- 先が読めないストーリーで引き込まれていく
- ラストの緊張感は半端なかった
- 海外ホラー・サスペンスの金字塔
- 何度観てもスリリングで恐ろしく、美しい
- その後の展開を引きずるラスト
- ただのカニバリズムの気持ちの悪い作品ではない
- 今見ても十分に楽しめるサイコホラー作品
という声が多数集まっています。
- 『羊たちの沈黙』はなぜ名作と言われているのか?
- 『羊たちの沈黙』での「服を大事に」の意味について解説考察
- 『羊たちの沈黙』のあらすじ
- 『羊たちの沈黙』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
『羊たちの沈黙』はなぜ名作と言われているのか?
1991年の公開後、30年以上が経過した現在でもサイコホラー映画の金字塔として不動の地位を確立している『羊たちの沈黙』。
当時の第64回アカデミー賞において、最重要部門である作品賞の他に監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞をも受賞しました。
このように1つの作品が、いわゆる主要5部門の賞を独占したのは、1934年の『或る夜の出来事』、1975年の『カッコーの巣の上で』、そして1992年の『羊たちの沈黙』のたった3例しかありません。(2022年時点でも。)
まして賞を総嘗めにしたのが、賞レースにおいて絶対的に不利なサスペンス、ホラー系作品だったのですから、その評価がいかに高かったのか伺い知ることができます。
管理人
また、2011年にはアメリカ国立フィルム登録簿にも登録され、あらためて「文化的・歴史的・芸術的にきわめて高い価値を持ち、後世に残すべき作品」であることが認められています。
では、『羊たちの沈黙』はなぜここまで名作と呼ばれるのでしょうか?
その理由をいくつか考察・解説してみたいと思います。
名作理由①|心理描写に特化したサイコホラー
まず映画『羊たちの沈黙』の特徴として、直接的なショックシーンを避け心理的な恐怖を追求している点が挙げられます。
もちろん猟奇的な連続殺人という題材を扱う以上、若干の残酷描写はありますが、極力グロテスクさを抑えたトーンで撮られていました。
『羊たちの沈黙』が高い評価を受けるのも、犯罪心理にフォーカスして人間の精神面を描いた格調の高さにあるのであり、映画『羊たちの沈黙』が仮に露悪的な内容であったなら名作と呼ばれることは決してなかったでしょう。
また、タイトルである『羊たちの沈黙』とはクラリスがトラウマを克服したことを意味しています。(詳しくは後述します。)
つまり、サイコパスたちだけでなく、トラウマを抱えた主人公の心理描写も映画『羊たちの沈黙』の大事な要素なのです。名作理由②|レクター博士という唯一無二のキャラクター
映画『羊たちの沈黙』を語る上で絶対に外せないのがレクター博士の存在です。
聡明な精神科医にして食人嗜好の殺人鬼、まるで全知全能の神が天上から人間を見下ろすかのような不遜な態度をとり、知的でエレガントな紳士と凶暴で残虐な獣が同居するというこのキャラクターは設定だけでも他に類を見ません。
原作者トマス・ハリスは、ジャーナリスト時代にメキシコの刑務所で出会った殺人犯アルフレド・バリ・トレビーニョをモデルに、実在のシリアルキラーの要素をつけ足してレクター博士を作り上げました。
アルフレドは元外科医の囚人なのですが、その振る舞いからトマスは彼を矯正医官だとばかり思っていたそうです。
管理人
そのような特異な人物像に、名優アンソニー・ホプキンスは新たに命を吹き込みました。
彼の怪演とも言える演技によって、レクター博士は悪のカリスマとしてさらなる魅力を増したのです。
特に、まばたきをしないまま徐々にクローズアップしていく演出と相まって、ホプキンスの眼差しは本当に狂気の深淵を覗いているかのようでした。
管理人
加えて、仰々しいまでの拘束衣と拘束マスクが、異常者のアイコンとして効果的に使われています。
このレクター博士のキャラクターは後々まで高評価を受け、2003年にはアメリカン・フィルム・インスティチュートによって「アメリカ映画100年の悪役ベスト100」において見事1位に選出されています。
ちなみにレクター博士自体はすでに『羊たちの沈黙』の前作『レッド・ドラゴン』を映画化した『刑事グラハム/凍りついた欲望』(1988年 原題は「Manhunter」)に、同じような役回りで登場していましたが、劇中あまり出番もなく話題にはなりませんでした。
ブライアン・コックス演じる飄々としたレクター博士も悪くはなかったのですが。
管理人
やはり、この映画全体を食ってしまうようなレクター博士の存在感はアンソニー・ホプキンスの演技によるところが大きいでしょう。
名作理由③|プロファイリングを始めとする異常犯罪の捜査過程を丹念に描写
今でこそ「プロファイリング」といえば、犯罪捜査において犯人を行動科学的に分析し、犯人像を推論していく手法だということは一般的にも広く認知されています。
しかし、映画『羊たちの沈黙』が世に出た頃は異常犯罪を題材とした創作物自体が今ほど多くなく、新しい捜査手法であるプロファイリングを扱った作品は極めて稀でした。
そんな中、ジャック・クロフォードらFBIの行動科学課がおこなう犯人像の分析は、これまでに見たことのない新鮮味があったのです。映画『羊たちの沈黙』ヒットによって、プロファイリングを中心とした異常犯罪の捜査に世間の関心が向き、90年代はサイコホラー・サイコサスペンスものの作品が数多く作られました。
特に元FBIのプロファイラーであるロバート・K・レスラー氏の著書『FBI心理分析官』は日本でもベストセラーとなりました。
管理人
映画『羊たちの沈黙』はそうした新しい犯罪捜査を世間に周知させたという点でも功績があるのです。
名作理由④|実は王道である主題の意味
『羊たちの沈黙』はサイコパスや猟奇犯罪を扱いつつも、タイトルが示す通り、実は女性主人公クラリスの受難と成長を描く物語です。
そもそも『羊たちの沈黙』とは何を意味するのでしょうか?
クラリスは10歳の時に警官だった父を亡くし、牧場主の親戚の家に引き取られました。
ある日の明け方、羊たちの悲鳴で目が覚めた彼女は屠殺の現場を目撃することになり、衝動的に羊たちを解放し、その中の一匹(原作では羊ではなく馬)を連れ牧場を出てしまいました。
このことがトラウマとなっているクラリスは、いまだに羊たちの悲鳴に起こされることがあり、バッファロー・ビルの被害者たちと憐れな羊を重ね見て、彼女たちを救うことができれば、羊たちを救えなかった罪が贖われると考えているのです。
羊はまた弱い存在の象徴であり、キリスト教的観点でも生贄を意味しています。
最終的にクラリスはバッファロー・ビルを射殺することにより事件を解決し、彼女の中の羊たちはようやく沈黙しました。
人間の心の闇に敏感なレクター博士はそのことを見抜いていました。また、当時のFBIを含めた法執行機関はまだまだ男の世界との認識があり、若い上に女性であるクラリスは、一歩距離を置かれたり、奇異の目や性的な視線に晒されることになります。
犯罪者だけではなく、古い価値観ともクラリスは戦わなければならないのです。
しかし、持ち前の心の強さでクラリスはそれらに打ち負かされることなく、事件を解決に導きました。
実はそのことを暗示するシーンが冒頭にあります。
FBIアカデミーの訓練コースをクラリスが必至に走っているところで、「HURT,AGONY,PAIN,LOVE IT」(苦しさ・悶え・痛み・苦痛を愛せ)と書かれた看板が写るのです。
クラリスはアカデミーのモットーであろうこの理念通りに苦痛と向き合い、乗り越えたからこそ、バッファロー・ビルや古い価値観や己のトラウマに勝ちました。
管理人
反対にバッファロー・ビルは苦痛に負け、歪んだ欲望を暴走させたが故に破滅する、対を成す存在でしょう。
そしてある意味、女性解放の役割も担った主人公に、これまたジョディ・フォスターは正に適役でした。
羊たちの沈黙|「服を大事に」の意味について解説考察
『羊たちの沈黙』において、物語の鍵となるのがレクター博士の助言です。
レクター博士にはバッファロー・ビルの手がかりを与えるかわりに自身の待遇を改善させる(そしてあわよくば脱走の機会を作る)打算もなくはなかったのでしょうが、彼はそれ以上に情報を提供するやりとりを純粋に楽しんでいました。
精神科医であるレクター博士にとって、交換条件として入手したクラリスの過去を基に精神分析をおこなったり、愛娘を失いかけているマーティン上院議員の苦悩を味わうことは貴重な娯楽であったのです。
ただし、その助言にしてもストレートに伝えたのでは面白みがありません。
だから時にはからかい、または言葉遊びを仕掛けたりするのです。
管理人
そういった助言の中でも特に分かりづらいのが、上院議員に向けた最後のセリフ「服を大事に」の部分でしょう。
そこで、なぜレクター博士は脈絡もなく服の話をしたのか考察して行きます。
まず、このシーンでレクター博士は、例によってアナグラムを含めたバッファロー・ビルの情報を提供した後に、「…覚えてるのは以上だ。何か思い出したら知らせる。議員さん、もう一つ。“服”を大事にな。」と言っています。
英語では「Love your suit」(主語を省略した命令形)です。
管理人
ところが、原作小説(新潮文庫の旧訳版)では「そのスーツはたいへん結構」とあります。
原文の表記は不明ですが、恐らくは「I love your suit」なのではないでしょうか。
原作と映画で微妙な差異はあるものの、共通しているのは服に注意を向けさせていることです。
このセリフの少し前、レクター博士はバッファロー・ビルが「人間の皮膚で何かしていた」ことまで言及していました。
そもそもレクター博士はバッファロー・ビルについて、患者だったベンジャミン・ラスペールから聞いていたので、一連の事件の犯人が誰であるか最初から分かっていました。
管理人
つまり、唐突に服について触れたのは、バッファロー・ビルが被害者の皮膚で服を作っていることを示唆していたのです。
もっとも、そこにはレクター博士ならではの嗜虐性も見てとれます。
例えば、先の上院議員との会話の中でレクター博士は、誘拐された娘を母乳で育てたか尋ね、授乳中に乳首が固くなったか、という一見卑猥で意味不明な質問をしています。
まるで監房にいたミグズと同レベルのセクハラ発言にも聞こえますが、これは娘を失った(失いつつある)母親が感じる痛みを鋭く抉ったものです。
足を失ってもなお感じる足の痛み(ファントム・ペイン=幻肢痛)を例に出し、心だけでなく、身体もまた娘の喪失の痛みを感じているであろうことを指摘しているのです。
管理人
その代表的な部位として、哺乳類である人間が子と最も密接に結びつく器官=乳首について敢えて言及したのでしょう。
いわば議員の傷口に塩を塗るような行為ですが、彼女の苦悩に満足したレクター博士は約束通り手がかりを与えます。
ちなみに原作にこのくだりは無く、授乳について「喉の渇く仕事だ、そうじゃないかな…?」と言うだけにとどまっています。
映画は幻肢痛の例えによって、レクター博士のその煽りを分かりやすくしたものと思われます。
「服を大事に」についても、レクター博士流の情報提供兼ブラックジョークなのでしょう。
レクター博士に真摯に向き合い、誠実な対応をすれば情報は得られますが、質問者はその代償に自身の痛みと向き合わざるを得ないのです。
『羊たちの沈黙』のあらすじ
(以下、映画「羊たちの沈黙」のあらすじです。)
『羊たちの沈黙』のあらすじ|元精神科医の凶悪犯ハンニバルにコンタクトをとるFBI実習生クラリス
FBIの実習生クラリス・スターリングは行動科学科で活躍するために日々懸命に訓練に励み、優秀な成績を収めていました。
その頃、アメリカ各地では若い女性を殺害し、皮膚を剥ぐという猟奇的な連続殺人が発生しており、同一の犯行と思われる犯人はバッファロービルと呼ばれ、アメリカ中を震撼させていました。
行動科学科の捜査官であるクロフォードは凶悪犯の心理分析をつかみ、バッファロービルの捜査に役立てるために元精神科医である囚人ハンニバル・レクターに協力をお願いしていましたがレクターは全く協力に応じませんでした。
クラリスの優秀さを高く評価したクロフォードは、収監されているボルティモアの精神病院に行き、レクターに協力をお願いするように彼女に指示しました。
看守であるチルトン博士から殺害した人間の臓器を食べるという猟奇的連続殺人を犯したレクターの恐ろしさを伝えられたクラリスはレクターに直面した直後、その異様な雰囲気に圧倒されましたが、毅然とした態度で対応し、レクターも賢い彼女のことを気に入った様子でした。
『羊たちの沈黙』のあらすじ|捜査のヒントを与えるレクター
レクターからの自分自身のことについて一つ打ち明ける度に捜査についてヒントを与えるという要求にクラリスが応じ、二人の交流が始まりました。
クロフォードと共にバッファロービルの被害遺体の検視に向かったクラリスは遺体の喉元に蛾の繭が詰められているのを発見します。
その後、レクターのもとを訪れたクラリスはレクターの通り幼い頃に警察官であった父が殉職したことを告白し、レクターは蛾の繭は犯人の変身願望の現れだと教えます。
一方でバッファロービルによる犯行は続き、マーティン上院議員の娘キャサリンが誘拐されてしまいます。
そして、レクターとクラリスのやりとりを見ていたチルトン博士は出世のためにマーティン議員にレクターを差し出します。
こうして捜査協力の代わりにレクターは警備がボルティモアよりも緩い刑務所に移送されるのでした。
『羊たちの沈黙』のあらすじ|レクターからのヒントで犯人に迫っていくクラリス
移送先を訪れたクラリスは父親の死後、引き取られた農家の伯父が子羊を殺害しているのを目撃し、子羊を一匹連れて逃げ出したが結局その一匹も救うことができなかったことがトラウマになっていることを打ち明け、レクターはクラリスに捜査の新たなヒントを与えます。
その後、レクターは油断した看守たちの隙を見て、看守らを殺害し脱獄に成功します。
クラリスはレクターが与えた数々のアドバイスの中から猟奇的殺人者は毎日見ているものを切望すると言う言葉をヒントに最初の被害者であるフレデリカの家を訪れ、犯人につながる重要な手がかりを見つけます。
以上、「羊たちの沈黙」のあらすじでした。
果たして、クラリスは無事にバッファロービルを捕まえることが出来るのでしょうか?
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
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『羊たちの沈黙』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画「羊たちの沈黙」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|アカデミー5部門受賞の快挙も頷けるサイコスリラーの傑作
映画『羊たちの沈黙』は、トマス・ハリスによる同名原作ミステリー小説をジョナサン・デミ監督が1991年映画化し、アカデミー賞で5部門を受賞する快挙を成し遂げた名作として今もなお人気を集めています。
ストーリーは、FBIの研修生である主人公クラリスが、バッファロービルと呼ばれる殺害した女性の皮膚を剥ぐ猟奇的殺人犯の捜査のヒントを掴むために、殺害した人間たちの臓器を食べたという元精神科医の囚人レクターとコンタクトを取るところから始まります。
そして、二人の不思議な交流が始まって行きます。 管理人
アンソニー・ホプキンス演じるレクターの人間の全てを見透かしているような表情やセリフは、いつ見ても非常に不気味で身の毛がよだつような感覚を覚えます。
レクターは、クラリスが過去の秘密について打ち明ける度に捜査のヒントを与えていきます。
そのやりとりを盗み聞きしていた看守のミルトン博士は、出世のためにバッファロー・ビルに娘が誘拐されてしまったマーティン上院議員にレクターを売り込み、レクターは警備の緩い刑務所へと移送されます。
レクターは移送先で看守を殺害し、脱獄に成功します。
このシーンでは、レクターの暴力性が存分に発揮されており、表情一つ変えずに冷静に看守たちを殺害していく光景は凄まじいものがあります。 管理人
クラリスは、レクターからもらったヒントを元に、最初の被害者であるフレデリカの周辺を捜査します。
犯人は女性の皮膚で服を作ろうと企んでいる男だと断定し、フレデリカが以前洋裁を手伝っていた夫人の家を訪ね、家に潜伏していた犯人を格闘の末に逮捕し、誘拐されていたキャサリンの救出にも成功します。
このシーンは手に汗握る緊迫感のあるシーンで映画の最大の山場と言えます。 管理人
その後、犯人逮捕が高く評価されFBIの正式な捜査官となったクラリスのもとに、レクターから祝福の電話があり、自分を収監していたミルトン博士の殺害を仄めかすという、なんとも含みのあるラストシーンで作品は終わりを迎えます。
最後の最後までドキドキさせられるスリリングな展開がたまらない作品です。
アカデミー賞を受賞した主演二人の凄まじい演技も素晴らしく、前述したレクターを演じたアンソニー・ホプキンスはもちろんのこと、ジョディ・フォスター演じる美しさと強さを兼ね備えたクラリスのキャラクターも非常に魅力的です。
主演二人の演技が作品の完成度をより高めたと言っても過言では無いと思います。 管理人
猟奇的殺人犯がテーマとなっている作品ですので殺害シーンや遺体が出てくるシーンなど刺激的な映像も多く、注意は必要ですがサスペンスやホラー作品が好きな方は必見の作品だと思います。
『羊たちの沈黙』のみんなの口コミ評判レビュー
映画『羊たちの沈黙』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「虫をはじめ、なかなかグロテスクな表現が多分に含まれますので、苦手な方にはオススメできない」「何度観ても新しい発見がある映画」「これまで観た映画の中でも殿堂入りの作品」「途中で間延びするようなことがなく面白い映画」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★★星5
凶悪犯の心理を知るためにレクター協力依頼する展開に恐怖を強く感じさせた作品です。
レクターは殺人犯であり、殺した相手を食すという異常さを持っていることから、捜査のためにレクターと対面することとなったクラリスの緊張感が伝わり、最後まで惹きこまれました。
元精神科医という点や常人には理解できないほどの知性の持ち主であることから、クラリスの表情の変化やリアクションからクラリスの生い立ちを言い当てていく姿、決して良い生い立ちではなかったことからどんどんクラリスの内面へと入り込んでいくレクターに恐怖を強く感じさせました。
引き込まれそうになりながらも犯人像をレクターに分析させ、犯人像に近づくほどに内面に入り込んでくるレクターとの心理戦に苦しくなりました。
レクターの情報によって犯人にたどり着いたクラリスですが、その一方でレクターが脱獄し、静かにレクターが雑踏の中に紛れていく姿に震えが止まりませんでした。
結末に感じたレクターの始まりに、恐怖が消えない作品です。
30代女性
★★★★★星5
公開されたのが1991年と古い映画ですが、公開時から色褪せることなく今見ても十分に楽しめるサイコホラー作品と言えるでしょう。
連続猟奇殺人犯で元精神科医のレクター博士役は存在感抜群のアンソニーホプキンスが演じ、そのレクター博士から情報を聞き出そうと果敢に面会をするFBI訓練生のクラリススターリング役はジョディ・フォスターが演じていました。
2人のやり取りは緊張感があり、何を考えているか図り兼ねる、レクター博士の底知れない恐ろしさは1度見たら忘れられないと思います。
また、2人の信頼、恋愛、師弟とも違う奇妙な関係で、独特の世界観に深みが与えられていると思います。
レクター博士からもらったヒントなどを経てクラリスの追っていた事件は解決するけど、その後の展開が映画が終わってからも、あの後どうなったんだろうとあとを引きずる感覚になりました。
時々見返すけどやはり面白いです。
40代女性
★★★★★星5
この映画の見どころは、心理的駆け引きや心の奥底にある様々な感情を上手く描いている所に尽きると思います。
特に主人公のクラリスが凶悪事件の解決のために、囚人のレクターに助言を求めている場面が印象的でした。
ただ聞き出すだけでは、本音が聞けるわけでは無く、様々な駆け引きをしていたのが気になりました。
同時にレクターの方も心理的に揺さぶりを掛けていたのが、この映画の重要なポイントの一つだったなと思いました。
そしてこの映画の面白いのは、事件の真実を追及していくのと同時進行で、クラリスとレクターの心理状況を上手く描いているのが良かったです。
中でも常に緊迫感のあるシーンが多くて飽きさせ無い作りになっているのが面白かったです。
この様な難しい役柄を演じたジョディ・フォスターさんとアンソニー・ホプキンスの演技は圧巻です。
特に感じたのは、今の若者達にこそ見て欲しい作品の一つです。
40代男性
★★★★★星5
クラリスの聡明で美しい女性像と、レクター博士が醸し出す独特な雰囲気がマッチしていて、やりとりをずっと見ていたいと思わせるような引き込まれる演出が素晴らしいと思いました。
レクター博士からは様々な人間性が見受けられ、クラリスの経験不足から出る荒い部分を諭したり、過去のトラウマを優しく包み、解決してくれる逞しさを感じました。
同時に、心が凍りつきそうな程の冷徹さもあり、キャラクターの奥深さが、より夢中になりました。
主軸にあるバッファロー事件の概要自体はグロテスクであったり、過激なシーンもありましたが、終始淡々と言葉遊びや推理が続くため、分かりやすいホラーやスプラッター映画が好きな方にとっては物足りないかと思います。
ミステリー好きの私には瞬きするのも勿体無いぐらいに面白い作品でした。
30代女性
★★★★★星5
「羊たちの沈黙」はショナサン・デミ監督、アンソニーホプキンス、ジョディフォスター主演の映画です。
1992年にアカデミー賞主要5部門を独占受賞していて、私ももう何度も見ている映画です。
初めて観た時はまだ若くて羊の話などよく分からず、とにかくアンソニーホプキンス演じるレクター博士の不気味さと中心となる猟奇的な事件の気持ち悪さが際立って鳥肌が立っただけでしたが、何度も見るたびにこちらも人生経験を積んで、印象が変わっていきました。
レクター博士がクラリスに興味を持つのは、クラリスが抱えるトラウマ(牧場で飼っていた羊の話)をした時ですが、同時にクラリスも初めて他人に自分の事を理解されたと感じたようで、二人の間に不思議な感情が芽生えたのが分かります。
レクター博士が怖いのは相変わらずでしたが、演じるクラリスが追っている凶悪な犯罪の詳細が明らかになり、いつの間にかレクター博士が紳士のように思えてきてしまいます。
誘拐された女性を救うため、追っていた男の潜伏先に突入した場面は緊迫して息が止まりそうなほどでした。
男に銃弾を撃ち込み、クラリスは過去を乗り越えることができたのでしょうか?
私にはまた新たな羊の声が聞こえてくるのではないかと思えるラストでした。
この映画で救いだったのは誘拐された女性の思いがけない強さでした。
絶望的な状況でできる限りのことをして抗った彼女が救出された時、犬を抱きしめて離さなかったのが印象的でした。
小さな命の存在がどんなに勇気を与えてくれただろうと感じました。
40代女性
★★★★★星5
『羊たちの沈黙』はジョディフォスター演じる若き捜査官が、バッファロービルと呼ばれる若い女性ばかりを狙った猟奇殺人の犯人を逮捕するべく、同じような犯罪を犯して服役していたアンソニーホプキンス演じるハンニバルレクターに協力を仰いで捜査していくというお話です。
ただ単に事件の捜査をするだけでなく、ハンニバルはクラリスに興味を示して幼少期のトラウマを掘り起こそうと意地悪な質問を繰り返します。
それに初めは拒絶を示していたクラリスも嫌悪を抱きながらも徐々にハンニバルと交流を深めていきます。
そんなハンニバルに気に入られたクラリスは見事犯人逮捕に漕ぎ着けますが、ハンニバルは刑務所から脱走してしまうというところで映画は終わります。
この作品はアカデミー賞を取るほど評価されたもちろん抜群に面白いのですが、残念なのは、のちの続編にはジョディフォスター演じるクラリスは出演しません。
しかし、羊たちの沈黙シリーズはこの一作で完結してしてるんじゃないかと思うくらい出来のいい作品でした。
30代男性
★★★★★星5
初めて見た洋物サスペンス映画でした。
映画と言えば、恋愛ものやコメディやアクションしか見たことがなかったので、かなり衝撃的な印象が残っています。
その衝撃ゆえにビデオでも持っているぐらいです。全体的な画像は暗いのですが、怖さは無く、淡々と物語が進んでいく感じです。
ジョディ・フォスターが演じるクラリスと、アンソニーホプキンスが演じるレスター博士に絶妙な心理戦のやり取りが、堪らなく好きで、どんどん話に引き込まれていきます。
精神科医のレスター博士にクラリスが心の闇を突かれていく様は、なんでこんなのわかるんだ?と言うゾクゾク感があります。
あまりに面白さに、このシリーズの本を全て読み漁りました。一番好きな映画の一つです。
50代女性
★★★★★星5
はじめの内は恐怖と気持ち悪さで目を避けそうになるぐらいですが、誰が犯人なの?トリックは?と気になって気付いたら世界観にハマっている中毒性のある作品です。
犯人にたどり着くまでの見せ方が上手いので、途中で間延びするようなことがありません。
ジョディ・フォスターとバッファロー・ビルの緊張感ある演技も最高です。
終盤の犯人を追い詰めるシーンは、一気にスピード感ある作品に変貌します。
一つの作品でサスペンス、サイコ・ホラー、アクション映画を楽しめるので、気持ちのやり場に困ります。
ドラマだと3シーズンぐらい分の量だと思います。ここまでゾクゾクするほど不思議な怖さを感じた作品は他にはありません。
最後の次作を仄めかす終わり方はズルいですね。今見てもクオリティの高さに驚かされる名作です。
40代男性
*映画「羊たちの沈黙」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
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