『市子』の考察解説|実話なの?最後の北くんやその後はどうなった?あらすじネタバレや感想評価も
2023年12月8日公開の映画『市子』。
今作でも監督を務めた戸田彬弘が主宰した舞台作品『川辺市子のために』をもとに映画化された作品となっています。
主役を務めた杉咲花は第47回日本アカデミー賞で優秀主演女優賞を受賞しました。
映画『市子』の口コミ評判レビューには、
- 杉咲花の演技が凄かった
- 胸が痛む作品
- 重厚感のある映画
- 見ていてとても悲しくなった
- 後味はなんとも悪かった
- 時間を忘れて鑑賞できた
- 見応えがあって見て良かった
- 杉咲花さんの表現力の高さに感動
という声が多数集まっています。
- 『市子』は実話なの?川辺市子は実在したのか解説
- 『市子』の最後を考察|北くんは市子に殺されたのか?その後についても
- 『市子』のあらすじ
- 『市子』の犯人は誰なのか感想評価を交えて口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
『市子』は実話なの?川辺市子は実在したのか解説
突然失踪した婚約者·川辺市子の隠された謎について描かれた映画『市子』。
そのリアリティのある描写から実話ではないか?という噂があります。
実際はどうなのでしょうか?実話なのかどうかを、調べてみました。
管理人
監督自身が執筆した舞台が原作
結論から言うと、映画『市子』は、監督を務めた戸田彬弘さんが主宰する劇団「劇団チーズtheater」の舞台『川辺市子のために』が原作です。
実話ではなく、フィクションとなっています。
舞台『川辺市子のために』の脚本は戸田さんが執筆しており、映画「市子」でも脚本を脚本家の上村奈帆さんと共同で担当しています。
インタビューで戸田さんは「市子」というキャラクターには明確なモデルがいるわけではないと語っています。
が、脚本を執筆するにあたって自分自身の経験からアイデアを得ていたようです。
管理人
作品のアイデアとなった実体験
作品のアイデアになった実体験が大きく分けて2つあったということで見て行きましょう。
まず、1つ目は「大学時代の友人など身内が亡くなった経験」です。戸田さんは亡くなった人物のSNSアカウントが存在し続けており、亡くなったことを知らない人々から誕生日のお祝いメッセージなどが書き込まれていたことに強い違和感を抱き、すでに存在していないのに未だ存在していると思われている状態や、反対に実際に存在しているにも関わらず存在していないものにされている状態は、それぞれどういった気持ちになるのだろうか?という考えから着想を得たとのことです。
この経験は主に映画内の殺されてしまったにも関わらず、生きている存在として扱われていた川辺月子の設定に大きく影響を与えているのでは、と考察出来ます。
管理人
小学2年生の頃、親しかった友人の下の名前が突如変わったという経験をした戸田さん。
そのことが強く記憶に残っており、脚本作りのアイデアになったと語っています。
この経験は、戸籍がないために自身の姉になりすますしかなかった主人公の川辺市子の設定に、大きく影響を与えていると考察出来ます。
フィクションではありますが、紹介したような戸田さん自身の実体験のアイデアによってストーリーが作られています。
だからこそ、リアリティのある作品に仕上がったと言えるでしょう。
管理人
また、戸田さんが監督も兼任していることから、より生々しい映像に仕上げることが出来たと考察出来ます。
『市子』の最後を考察|北くんは市子に殺されたのか?その後についても
北くんと自殺志願者について|市子が殺害したのか?
作品の中盤で市子の過去、そして、現在の行方を知る重要なキャラクターとして登場するのが市子の高校時代の同級生・北くんこと北秀和です。
北くんは市子が継父を殺害した現場を目撃し、死体の処理を手伝ったことから、ねじ曲がった使命感に駆られ、市子のストーカーのような存在へと変化していきます。
そんな北くんですが、市子が募集した自殺志願者である北見冬子とともに市子に呼び出されます。
その後、海で若い男女の死体が見つかったというニュースが流れ、北君と冬子が死亡したことが示唆されますが、二人は市子が殺したのでしょうか?
それとも、北くんが市子を守り抜くために冬子と一緒に命を落としたのでしょうか?
気になる真相については映画の中では明らかになっておらず、制作者からも明言されておりませんので、2つの説を用いて考察します。
管理人
考察①冬子の戸籍を奪うために市子が二人を殺害した
考察できる説の1つ目としては「冬子の戸籍を奪うために市子が二人を殺害した」という説です。
長谷川との暮らしによって普通の幸せを手に入れたいという願望が強くなった市子。
そこで、戸籍を手に入れるために冬子を呼び出して、命を奪ったと考えられます。北君は、おそらく呼び出された時点で市子の思惑について理解していたと思いますが、まさか自分も殺されることになるとは思っておらず、市子が継父を殺害した際と同じように冬子の遺体処理の協力を求められると考えていたのかもしれません。
しかしながら、市子にとっては、自分の過去の犯行について一部始終を知っている北という存在は邪魔でしかなく、最初から北もまとめて殺害する計画を立てていたと考察出来ます。
自分のためなら、周りの人間を容赦なく消してしまう市子の恐ろしさが垣間見えます。
考察②市子の願いを叶えるために北くんが冬子と一緒に亡くなった
考察できる説の2つ目としては「戸籍が欲しいという市子の願いを叶えるために北くんが冬子と一緒に亡くなった」という説です。
戸籍が欲しいという市子の狙いを知った北くんは、市子の手を汚さないためにも自ら率先して冬子とともに命を落としたと考察出来ます。
以上2つが考えれる説になりますが、北くんは自分しか市子を救うことは出来ないという思い込みや歪んだ使命感を持っていたためです。
ただ、市子を支えながら生きていきたいという淡い期待を持っていたとも推測できるため、①の説の方が有力であると考察出来ます。
管理人
どちらの説にせよ、市子は北くんを自分の都合の良いように利用できる存在としか思っておらず、二人の関係性は残念ながら北くんの切ない片思いであったことが分かります。
市子のその後は?最後に長谷川とは会えたのか?
北君と冬子を殺害したと思われる市子が、海に背を向けるように一人で歩いているシーンで映画は終わりを迎えます。
では、市子はその後どうなってしまったのでしょうか?
気になる市子のその後についても本編で明らかになっておりませんので、考察して行きます。
管理人
考察①冬子になりすまして生活している
考察できる説の1つ目としては「冬子に成りすまして生活している」という説です。
長谷川との生活の中で戸籍がなければ、今後一般的な幸せをつかむことが出来ないと感じた市子は冬子の戸籍を奪い、冬子になりすまして生活するようになったと考察出来ます。
姉の月子になりすましていた生活が長かったことからそつなく、なりすまし生活に順応できるようになるのではないかと思います。
が、市子の行方を追っていた刑事の後藤の捜査によって逮捕されるのも時間の問題だと思われます。
冬子のなりすまし生活もそう長くは続かず、結局市子は一般的な幸せをつかむことは出来ないままであると考察出来ます。
管理人
考察②長谷川とともに逃亡生活を送っている
考察できる説の2つ目としては「長谷川とともに逃亡生活を送っている」という説です。
市子の過去のすべてを知った長谷川ですが、その後、市子のことが忘れられずになんとか市子を見つけ出し再会したと予測できます。
月子の遺体が発見されたことによって、市子は指名手配されることになると思います。
が、長谷川はそんな市子を守りながらともに逃亡生活を送っているのではと考察出来ます。
管理人
以上二つが考えれる説になりますが、自分の思い通りに利用できる存在であると感じていた北君とは対照的に、長谷川に対しては市子は純粋な好意を持って生活しており、長谷川の前から姿を消したのも、自身の逮捕によって長谷川に迷惑がかかるのを防ぎたいという思いがあったからだと思います。
そのため、②の説の可能性は極めて薄く、①の説の方が有力ではないかと考察出来ます。
『市子』のあらすじ
(以下、映画『市子』のあらすじです。)
『市子』のあらすじ|突然失踪してしまった恋人·川辺市子を探す長谷川
長谷川義則は恋人の川辺市子がプロポーズした直後に行方不明になってしまったことから警察に捜査を依頼しますが、川辺家には戸籍上、市子は存在しないことがすぐに明らかになります。
警察官の後藤は山中で遺棄された女性の遺体が発見された事件と市子に関連性があると推測し、捜査を続けます。
捜査の中で後藤は幼馴染が同級生だと思っていた市子が二学年下で入学し、月子と名乗っていることを不思議に感じていたことや同級生が遊びに行った際に医療用のオマルがあったのを目撃していたことを知り、市子が小学校入学のタイミング難病を患っている姉の月子になりすまして生活していたことを知ります。
実は市子は母とDVを理由に離婚する直前の前夫との間に生まれており、母はトラブルを避けるため市子の戸籍登録をしていなかったため、市子には戸籍がなかったのです。
『市子』のあらすじ|次々と明らかになる市子の衝撃の過去
市子が死体遺棄事件と何か関係しているのではと疑問に思った長谷川は後藤を問い正し、市子の事実を知り、衝撃を覚えます。
そして、二人は市子のことを捜索していたという高校時代の同級生である北のもとを訪れますが、北はシラを切り、要領を得ない回答をします。
北が何かを隠していることに気付いた長谷川は他言しないことを約束し、市子が日常的に性的虐待を受けていたことから継夫を殺害し、北が死体の処理に協力したという過去を知ります。
次々と市子の過去が明らかになる中、長谷川は最後に市子の母親が暮らす島を訪れます。
『市子』のあらすじ|高校時代の同級生である北をおびき寄せる市子
母親は市子が高校生の頃、月子の介護に対して家族全員が精神的に限界の状態に来ており、ある夏の日々に生命維持装置を外し、月子を殺してしまったことや山中に月子の亡骸を遺棄したことを打ち明けます。
市子の過去の全てを知った長谷川は母親と別れ、市子と過ごした日々に思いを馳せるのでした。
一方、密かに北と連絡をとっていた市子は助けを求めて北の元を訪れていた自殺志願者の北見冬子とともに自分がいる場所まで来てほしいと連絡をするのでした。
以上、映画『市子』のあらすじでした。
果たして、市子の思惑とは?
結末が気になる方は実際に映画を観ることをオススメします。
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『市子』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『市子』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|突如失踪した女性·川辺市子の衝撃の過去を描く衝撃のヒューマンドラマ
映画『市子』は、プロポーズを受けた直後に突如失踪してしまった女性、川辺市子の隠された真実を描いたシリアスなヒューマンドラマです。
戸田彬弘さんが主宰する劇団チーズtheaterの舞台作品『川辺市子のために』を映画化した作品で、脚本・監督も戸田彬弘さんが務めています。
ストーリーは市子の恋人であった長谷川が突如失踪してしまった市子の捜査を警察の後藤に依頼するところから始まります。
管理人
二年間も一緒に過ごしていたのにも関わらず、市子の素性についてほとんど知らなかったことに気付く長谷川は、戸籍上、川辺市子という人物は存在していないことを知り、市子の過去について情報収集をしていくことになります。
最愛の恋人からプロポーズを受けて幸せ絶頂にも関わらず、なぜ、市子は失踪したのか?
序盤から作品に惹き込まれていきます。
そして、次々と明らかになっていく市子の衝撃の過去。
離婚直前に生まれた市子は戸籍を持っておらず、筋ジストロフィーという難病を抱えた姉の月子になりすまして生活していたことや継父からの性的暴行をされて我慢の限界が来て殺害、遂には月子の生命維持装置を外して殺害し、死体を遺棄したことなどが明らかになっていきます。
映画全体の音楽が無駄がなく、セリフも抑えめに作られているため、より市子の暗い過去が痛々しく観客へと伝わっていきます。
また、シーンの描写も生々しく描かれており、市子と夏子が住んでいた古ぼけた団地のじめっとした雰囲気は非常にリアリティがありました。
最終的に市子は高校時代の同級生で、市子が継父を殺害した現場に居合わせ、死体の遺棄を手伝ったことからストーカーになってしまった北と自殺志願者の冬子という女性をおびき寄せます。
直後に北と冬子と思われる男女二人組の遺体が海で見つかったというニュースが流れ、市子が二人を殺害したことが示唆されます。
ラストは時折笑みを浮かべながらフラフラと一人で歩く市子が映し出され、映画は終わりを迎えます。
管理人
市子がなぜ北たちを殺害したかについて彼女の真意が明らかになることはありません。
が、自身の警察の捜査が及んでいることを知り、迷惑がかかることを案じて長谷川の元を去ります。
なので、恋人思いの人物かと思いきや、継父と姉を殺害し、最終的には同級生の北までもを手にかけています。
このように、目的のためなら容赦を選ばれない非情な人物としても描かれており、その二面性に人間の恐ろしさを感じます。
そんな市子を演じた杉咲花さんの見事な演技力は圧巻の一言で、本作で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞したのもうなずけます。
管理人
全体的にかなり暗い雰囲気の作品になっているため、鑑賞する際に注意が必要です。
が、市子と自分の過去を照らし合わせながら感傷に浸りたいという方にはピッタリの作品なのでオススメいたしします。
『市子』のみんなの口コミ評判レビュー
『市子』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「いろいろと考えさせられる作品」「観客自身も存在を揺さぶられる作品」「リアリティ感もありながらサスペンスも感じられる不気味な作品」「誰かと見て意見交換をしたくなるような内容」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
生きるとは何なのか、家族とはなんなのかを改めて感じさせられるような作品だったように思います。
市子役の杉咲花さんの演技がとても上手で常にどこか寂しさを表現できており、感情表現が素晴らしかったです。
どうして失踪してしまったのか、どうして名前を変えて生きていたのか、観ているうちにどんどん引き込まれていくような感覚を覚えました。
好きな相手からのプロポーズですら素直に正直に受け入れられない現実。
もうそうなるとどの姿が本当の自分なのか分からなくなるだろうなと寂しい気持ちにもなりました。
生きるだけで幸せではなく、小さな幸せをしっかりかみしめながら毎日を過ごしていきたいなと考えさせられた映画だったように思います。
30代女性
★★★★★星5
昨今の社会情勢などから、映画の事前情報や予告を見たときに「もしかしたら戸籍の無い人のお話なのかな…?」と思ったのですが、生真面目に慎ましく生きていた女の子が恋をして、結婚を夢見たところで全てが行き止まりだった、という哀しすぎる話です。
確かにそこに存在して、生きていたのに、「川辺市子」という人物は、社会的に存在していなかったという残酷な現実。
例えば、パスポートとか、運転免許証とかも取れないし、婚姻届けを出すことも叶わないのです。
彼女との人生を本気で考えた義則の前からふっつりと姿を消してしまった”市子”。
そうせざるを得なかった彼女の哀しみと、いきなりいなくなられてしまった義則の困惑と恐怖も相まって、ぞくっとする渦が増幅していました。
何よりも、杉咲花さんのお芝居が素晴らしいです。
笑っていても、どこかに儚さが漂うその空気感が素晴らしい。素敵な女優さんに成長されましたね。
でも、こんな話、実は今の日本には、実は潜在的に凄い数、あるのでは…?!と怖くなりました。
50代女性
★★★☆☆星3
日本アカデミー賞の主演女優賞にノミネートしていたことでこの作品を知り、観ました。
ストーリー的には重く悲惨な市子の人生に同情してしまうと同時に市子の垣間見れる狂気にゾワッとしました。
リアリティ感もありながらサスペンスも感じられる不気味な作品でした。
だからといってつまらないものではなく、やはりアカデミー賞にノミネートされただけあり杉咲さんの演技が光っていて作品にリアリティ感をより増量させていました。
その他の出演者も皆さん個々に良い味がでていました。
見た後には、自分が市子のような環境で生まれてきたらどよのうにするだろうか?とか、どんな行動をとれば正解だったんだろう…と深く考えさせられました。
誰かと見て意見交換をしたくなるような内容でした。
30代女性
★★★★☆星4
まずこの映画の元が戯曲であるということに驚きました。
こんな複雑な感情と場面が揺れ動く物語を板の上でできるものなのか、大変な驚きとともに舞台も見たくななりました。
映画は、ユラユラ揺れる夏のセミの鳴き声が迫ってくる中で、それが杉咲花さんの表には出ない狂気を表しているように思いました。
彼女の黒い服も印象的です。
行方をくらました彼女を彼氏が探しているうちに彼女の本当の過去が見えてくる、最初の小学生時代のエピソードが解決されないまま進む、またそんなことをする小学生に違和感を感じてしまうので、ちょっと疑問のまま物語が進んでしまいます。
ただ、あの目を思い出す夏のセミの鳴き声に彼女はその手を伸ばしてしまう、この場面が本当によかったです。
彼女は幸せになったのだろうか、回りから見る彼女と彼女の中にいる鬼は全く交わらない、今でも彼女はセミの鳴き声の下で黒い服を着て歩いていると思います。
50代女性
★★★★☆星4
映画『市子』は、杉咲花のポスタービジュアルの力強さに惹かれ鑑賞しました。
そのファーストインプレッションを裏切ることのない、余韻の残る作品でした。
疾走した市子の過去を恋人がたどっていくミステリーですが、彼女と彼女を取り巻く人間たちの心情描写が丁寧に描かれています。
登場人物の設定としてはやるせなく、救いようのなさに胸が痛みますが、杉咲花はじめまわりの役者さんが体当たりで挑んでいます。
思春期の脆さや無鉄砲さ。
若かりし頃の市子を若さいう意でも違和感なく演じているからこそ、作品に惹き込まれるものがありました。
テンポの良い単純なエンタメ作品ではないですが、時間軸に沿って丁寧に描かれています。
また、すべてを語リすぎないところが良いです。
30代女性
★★★★☆星4
杉咲花の芝居が圧倒的によかったです。
しかし杉咲花が良くみえたのは周りの役者の芝居もよかったからです。
だいぶ熱量の高い芝居を杉咲花はしていて、そのような芝居は1人が良すぎても浮いてしまいます。
が、ちゃんと周りのキャストとバランスが取れているからこそ演技が光って観えました。
もちろん、監督の演出もうまいです。
カメラは人物に寄り添った芝居重視の撮り方をしています。
しかしちゃんと映画的な表現もしています。
それは若葉竜也演じる長谷川がバイクに乗るシーンです。
普通に話してからバイク乗って走るワンカットもすごいのですが、落ち着いていたカメラがバイクに乗って走る長谷川を追うことで荒々しくなります。
それは長谷川の心情を表しているカットとなっているのです。
このようにキャストの芝居がよく、またカメラも芝居によるだけでなく映画的表現もできている、良質な映画でおもしろかったです。
30代男性
★★★★★星5
市子を演じた主演の杉崎花さんの演技に圧倒された作品です。
複雑な過去がある市子の喜怒哀楽は、素晴らしかったです。
また、社会制度や福祉も考えさせられる、社会派な一面もある作品です。
物語は、プロポーズをされた市子が失踪し、恋人が市子の探す中で、壮絶な過去が明らかになっていきます。
市子の過去を知る色々な人からの証言で明かされていく市子の幼少期から現在までの様々な一面は、段々と見いられました。
あと、作品の要所で流れる童謡「虹」の鼻唄が印象的です。
この唄が、市子という人物を支えてきた面もある印象を受けました。
どんなに過酷なことがあっても、生き抜いていく市子の力強さと切なさが、印象に残った作品でした。
辛いことがあった時やきつい時に、また見たい作品です。
40代男性
★★★★★星5
まず映画のタイトルからどんな映画なのか想像がつかなかったけれど、見終えてこの『市子』というタイトルになった意味がわかりました。
市子がどのような未来に対してもセリフの中で「ありがとう」で終わらせていることに引っかかるものがあり物語が進むにつれ、なぜ市子が頑なに「ありがとう」で終わらせていたのかを知ると胸が苦しくなりました。
市子のように戸籍が無いまま生きている人が身近にいた事もなく、ましてや出会ったこともないのでこの映画を見て実際に市子と同じ境遇で生きている人がいるのだと思うと考えさせられるものがありました。
出演されていた女優さん、俳優さんそしてチョイ役の人、子役の子まですごく演技や表情が上手くて、2時間を越える映画でしたがスーッと入り込んで見ることが出来ました。
最初と最後の映像が同じ演出はとてもよかったです。
30代女性
*映画『市子』のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。