ゲド戦記は「つまらない」「グロい」との評価が多い理由!テルーの正体やその後についても解説考察【あらすじネタバレ含む感想や登場人物も】

2006年7月29日公開のジブリ映画『ゲド戦記』。
宮崎駿の息子である宮崎吾郎が監督を務めたジブリ14作目となる作品で、2006年の邦画映画興行収入1位の作品となりました。2020年にも再上映され、興行収入は78.4億円となっています。
主題歌は手嶌葵の「時の歌」で、劇中挿入歌には「テルーの唄」が使用されています。劇中挿入歌の「テルーの唄」に関しては、監督である宮崎吾郎が監督を務めましたが、萩原朔太郎の「こころ」の歌詞を盗作しているとの指摘がありました。実際に萩原朔太郎の「こころ」から着想を得て作詞したことを認め、謝罪するといった件もありました。
また、『ゲド戦記』の口コミ評判レビューには、
- 個人的には好きな作品なので、原作ファンの方は違うものとして見てほしい
- 豪華な声優陣だっただけに、活かしきれなかった印象
- 原作未読だと、一度観るだけでは理解できない
- 子供と観ていたが、幼児にはつまらないようで、途中で飽きていた
- ジブリ映画の中ではかなりの大人向け
- スタジオジブリ特有の、綺麗な絵には引き込まれるものがあった
- 監督が違うためか、今までのジブリ作品とは異なった世界観を感じた
- 劇中歌のテルーの唄には癒された
という声が多数集まっています。
- 「つまらない」「グロい」との評価が多い理由
- ゲド戦記のネタバレ含む感想評価と口コミ評判でのレビュー
- テルーの正体やその後について、原作小説を交えて解説考察
- ゲド戦記のあらすじ
- ゲド戦記の登場人物・声優一覧
「ゲド戦記」のあらすじ・ネタバレ含む感想評判の前に、まだ原作小説版を一度も読んでない方は、原作小説版も読んでおくとより一層、映画を楽しめますよ☆
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目次
ジブリ映画のゲド戦記|「つまらない」「グロい」との評価が多い理由!ゲド戦記のネタバレ含む感想評価と口コミ評判でのレビュー
(以下、映画「ゲド戦記」のネタバレ含む感想評価と口コミ評判です。)
ネタバレ注意!感想評価|グロさは感じないが、原作を知らない人にはつまらないと感じる作品か
ゲド戦記が映画になると知ってから楽しみにしていた作品です。ただ原作はなかなか難しい物語で何回も同じ部分を繰り返しながら読んだ覚えがあるので、映画作品として決まった時間内に収めるのは難しいのではと思っていました。
結論を言えば、「やっぱり難しかったよね」です。ちょっとがっかりしましたし「つまらない」と言った評価を受けるのも分かります。
ジブリ作品だからでしょうか、原作の恐ろしさや残酷な部分の描写がぼかされているな、と感じています。この作品ではグロいと言った声もありますが、『もののけ姫』などに比べたら気になるほどのグロいった感じは受けませんでした。
でもそのせいかハイタカ(ゲド)やテナーの人物像が原作を知っていないとよく分からないだろうなという気もしますし、つまらないと言った評価にしてしまった原因の1つかと思います。
個人的にはこの二人は「ゲド戦記」の主人公としてとても重要な役割があると感じていたので、もっとしっかり人物を描写して欲しかったです。
タイトルが「ゲド戦記」なのに主人公は「アレン」であり「ゲド(ハイタカ」の役割も曖昧、という流れだったので背景を何も知らなければ余計に混乱すると思います。
ゲド戦記の一部分の映画化ということで仕方ないのかもしれませんね。映画の製作にはいろんな事情が絡むものなのでしょうが、どうせなら数部作にするなどしてもよかったのではと感じました。
絵はやはりジブリ作品ですから丁寧に作られていてきれいです。「ゲド戦記」として観るよりもこの物語から派生した別の作品としてなら楽しめるのではと思いました。
ネタバレ含む口コミ評判でのレビュー|グロいと言った口コミは見られなかったもの「つまらない」と言った口コミは一定数あり
映画『ゲド戦記』の口コミ評判レビューには、「宮崎駿監督の長男、スタジオジブリという看板だけに上映前の期待が大きかったが、残念ながらその反動も大きくつまらないと感じた」「アレンが二人に別れを告げて、罪を償うために国に戻るシーンが感動的」「苦悩するのが、光と影の存在という曖昧なもので、登場人物などに共感できなかった」「大人向けですが、生と死についてを考える機会になった」という評判が多い印象です。
★☆☆☆☆星1
私ははジブリの作品が好きだと思っていたが間違いであったことに気づかせてくれた作品でした。あぁ、私はジブリ作品が好きなのではなく、宮崎駿監督作品が好きなのだな、と。
ゲド戦記の原作の一部を映画化したこの作品。監督は宮崎駿さんの息子、宮崎吾朗さん。
はっきりと言いますと、つまらない、の一言です。
前評判は悪くなく、挿入歌であったテルーの唄もどんな風に流れるのだろうと期待していました。手嶌葵さんの透明感のある声はとても魅力的だったからです。
しかし蓋を開けてみれば、原作を読んでいない人には理解できない内容ばかりでつまらない。関係性の説明もなく、なぜ急にアレンが父親殺しを行うのか理解できない。共感ができません。本来の主人公であるハイタカがゲドだと理解することですら困難でした。
宮崎駿さんのシュナの旅という作品が好きなので、その世界観を踏襲しているような雰囲気がとても好きだっただけに残念すぎました。ジブリの映画で、つまらないと映画館で何度も寝てしまったのは最初で最後でしょう。
とはいえ、ある意味原作はどんなものなのかという気持ちにさせてはくれたので、原作を広めるには良い手だったのかとも思います。
30代女性
★★★★☆星4
「ゲド戦記」はスタジオジブリによって制作された映画ですが、監督をしたのはスタジオジブリを率いる宮崎駿監督の息子さんである宮崎吾朗さんです。
二世としてクリエイターの道を歩むことになった彼らしく、主人公のアレンは父親にコンプレックスを持っているような描写があります。監督の意図が入る内容の映画が面白くないというわけではありませんが、一般人にはあまり理解できない行動が多く、私自身初めて見た時は主人公に共感を持たずに見終わってしまいました。
その他にも西洋風のドラゴンや暗すぎる主人公とヒロインなど、ジブリらしからぬ作風が多く見られます。そこも宮崎吾朗さんなりのジブリへのアンチテーゼなのかもしれませんが、シブリ映画だと思って観ると拍子抜けしてしまいます。
ただ大人になってこの作品を見返してみると、私にもアレンのように暗くコンプレックスを抱えていた時期があったように思いました。そして、少年少女の葛藤や孤独などジブリ作品のなかで最も人間味溢れる作品だと実感ができました。
特に、劇中に流れる「テルーの唄」という曲は主人公やヒロインの内面を歌った素晴らしい曲でした。
40代女性
★★★★★星5
ゲド戦記を初めて見たのは小学生の頃だったため、当時はアレンの歪んだ絶望的な表情と、クモにとても怖い印象を受けたのを覚えています。今ではジブリ映画の中でトップ3に入るくらい、大好きになりました。
自分の影(弱さ)と戦う(向き合う)事の厳しさ・大切さ、命の尊さを教えてもらいました。綺麗な映像と竜の神秘的な世界観とストーリーも大好きです。声優さん達もそれぞれのキャラに合っていたと思います。
劇中挿入歌の「テラーの唄」については、今でもよく聞いています。辛い時、泣きたい時には優しく寄り添ってくれ、頑張りたい時には勇気をくれ、集中したい時には心を静めてくれます。テラーの優しさ、勇ましさが詰まっているような、そんな唄だなあと感じます。
20代女性
★★☆☆☆星2
「つまらない」と言った前評判は聞いていて、恐る恐る観てみましたが「え?なんの話?」何がいいたかったんだろう。と言ったのが正直な感想です。ジブリ作品が好きなので必ず映画館で観覧しているのですが、正直ここまで?でいっぱいだった作品は初めてです。
ジブリの良くある成長していく過程までも、そこまで響かなかったですし、いきなりドラゴンになったりと本当に内容がよくわかりませんでした。
ジブリ作品にしては主人公の闇が深すぎたせいでしょうか。自分のダメな部分をはねのけて成長していくところに感動を覚えるのに、最終的にもなんだこれといった内容でした。
ただ去年ジブリの映画が再上映されたときに、こちらの作品も含まれた4作品だったため、驚きとともに人気がある作品なのかなと思ったので、大人になった今、もう一度みると何か違ったことが見えてくるかもしれないので、時間があれば見てみたいと思います。
30代女性
*映画「ゲド戦記」のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
ゲド戦記|テルーの正体やその後について、原作小説を交えて解説考察
『ゲド戦記』の原作小説はアーシュラ・K・ル=グウィンに1968から2001年に出版された全6巻となるファンタジー小説です。映画でのストーリーは原作では3巻と4巻を足して割った話に駿監督が昔出した『シュナの旅』キャラクターやらデザインが入ってる仕上がりになっています。
また、主人公についても映画ではアレンが主人公ですが、原作小説ではタイトル通りゲド(ハイタカ)が主人公で、ハイタカの少年時代から始まり、魔法を覚え賢者と呼ばれるまでの物語となっています。
テルーの正体について解説考察
映画の最後でテルーは龍の姿になることから、テルーの正体は龍であることが分かります。
そもそもですが、『ゲド戦記』の世界観では龍の一部が人間となり、人間の姿として生きたという設定があります。「人は昔、龍だった」というセリフはこれに当たります。
そんな龍族の血を受け継ぐのがテルーです。ただ、龍族の血が流れる人間全員が龍になれるわけではありません。親にだったりでは現れていない、先祖の遺伝上の特徴が現れる先祖返りのようなものです。
映画『ゲド戦記』では、主人公であるアレンの影が出て来ますが、人間には「光と影」の二面性があり、それを受け入れることこそ大事なことなんだということを作品全体で伝えてくるものがあります。
テルーのような龍の力を持つ人間がいることもまた、「光と影」の二面性であり、自己肯定がこの作品のテーマなのだと感じさせるものです。
アレンとテルーのその後について解説考察
映画の最後でアレンは父の命を奪った罪を償う為に自国に帰る決意をします。原作小説では、アレンとハイタカが最果ての地へと旅に行った後、アレンは、アースシーの王となります。
アレンが父親の命を奪うのは映画のオリジナル要素です。罪を償った後、原作同様に国王になれたかは定かではありませんが、映画の世界での『ゲド戦記』でもアレンとテルーが結ばれるのは難しいかと思います。
原作小説とは全く違うのが映画『ゲド戦記』で、原作小説でも2人が結ばれることはありません。そもそも原作小説では、アレンの出番はそこまで多くないですし、テルーは幼い子供として登場します。
ジブリ作品ということで、テルーの年齢を変えて思春期にあたる年齢の男女を登場させたかったのでしょう。設定面も大きく違うので、映画『ゲド戦記』でのアレンとテルーのその後については、鑑賞者の想像に任せられるものとなっています。
原作者が激怒した理由とは?
まず、今作で監督で務めたのは宮崎駿の息子である宮崎吾郎ですが、1984年の『風の谷のナウシカ』公開以前に宮崎駿がアニメ化したいと原作者に打診したが断られた事がありました。
その後、宮崎駿監督がメジャーになって原作者の方から逆にやらないかと言われましたが、宮崎駿監督はこれを断りました。そして、代わりに息子である宮崎吾郎が監督となったという流れでした。(原作者のル=グウィンからの逆オファーに関しては、この時は宮崎駿監督は『ハウルの動く城』を製作中だった為に断りました。)
原作者のル=グウィンは『ゲド戦記』を観賞後に「力強い豊かなディテールがない」「物語の辻褄が合わない」など原作との違うシナリオなどに違和感を示すコメントをしています。
ゲド戦記のあらすじ
(以下、映画ゲド戦記」のあらすじです。)
ゲド戦記のあらすじ|異変の予兆
荒海を行く一隻の船が大きな波に翻弄されています。予想外の海の荒れに、慌てて船長は風の司に海を鎮めるよう命じますが、船長は何故か風の名前も波の名前も思い出せなくなっています。
魔法は対象となるものの真実の名前を知ることによってのみ使えるため、風の司にはなすすべがありませんでした。
その時、人間世界に姿を見せるはずのない竜が2匹現れ、さらには共喰いを始めます。それは明らかに異変の予兆でした。
ゲド戦記のあらすじ|災厄
エンラッド王国の国王のもとには、国の至るところで発生した感染症、干ばつ、さらには竜の共食いの報告が寄せられます。動揺する重臣たちをたしなめ、冷静に対処する国王ですが、世界の均衡が崩れていることを確信します。
そんな中、自室に戻る国王を、背後から刃物を持った何者かが襲撃し、国王は命を落としてしまいます。
襲撃者は国王の息子・アレンでした。アレンは国王から剣を奪うと、そのまま城から逃走します。
ゲド戦記のあらすじ|ハイタカとの出会い
小船で陸地に到着した魔法使いのハイタカは、砂漠で狼の群れに襲われているアレンを発見し、魔法で助けました。
ハイタカは、アレンがエンラッドの血を引く者であることや、持っている剣が魔法で鍛えられており今のアレンには抜けないことも知っていました。
放浪を続けるアレンにハイタカは同行を誘い、2人はともに旅をすることになります。
アレンたちはポートタウンの街に着きました。そこは、アレンが縁日でもやっているのかと見紛うほどに活気のある街でした。しかし、その賑わいとは裏腹に、この街では奴隷の売買が盛んにおこなわれ、ハジアという名の麻薬が横行するなど、人心は荒廃していました。
街の人々はもう誰も魔法やまじないを信じず、物質主義に陥っています。そんな街の毒気に当てられたのか、アレンは気分を害してしまいます。
ハイタカは、世界の均衡が崩れつつあるため、この街だけでなく各地で災厄が起こっていると言います。人々がおかしくなっていること、そしてそれを引き起こしているのは他ならぬ人間であることを語りました。
アレンがハイタカと別行動をとり休憩していると、人狩りのウサギと手下たちが少女を襲おうとしている場に遭遇します。アレンは別人格のようになり、「命などいるか」と言って手下2人を瞬時に、抜刀せずに倒しました。
更には人狩りのウサギが少女の命を奪うと脅しても、アレンは全く怯みません。ウサギたちはアレンに恐れおののいて逃げ出しました。しかし、少女は助けてもらったにも関わらず、アレンの手を払いのけると、睨みつけて走り去って行きました。
その後、街を散策したアレンは無用心にもそのまま寝入ってしまいます。突然、体を小突かれ目覚めると、先ほどのウサギと大勢の手下が周りを取り囲んでいます。
アレンは暴行のうえ拘束され、奴隷として連れ去られてしまいました。
以上、「ゲド戦記」のあらすじでした。
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ゲド戦記の登場人物・声優一覧
ゲド戦記の登場人物・声優もまとめてみました。ゲド戦記の登場人物・声優はこちらです。
アレン 役-岡田准一
テルー 役-手嶌葵
ハイタカ 役-菅原文太
テナー 役-風吹ジュン
クモ 役-田中裕子
ウサギ 役-香川照之
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