映画『首』を考察。ラストは誰の首?最悪やつまらないと言われる理由【あらすじネタバレ感想評価】
2023年11月23日公開の映画『首』。
北野武が監督・主演・脚本・編集を務め、自身6年ぶりとなった映画『首』は総制作費15億円をかけて制作されました。
- 考察【ラストは誰の首?】【荒木村重の最後】【信長を切った人物】
- 映画『首』が「最悪」「つまらない」や「わけわからん」の声についてそれぞれ解説考察
- 映画『首』のあらすじ
- 映画『首』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
考察【ラストは誰の首?】【荒木村重の最後】【信長を切った人物】
ラストに蹴られた首は誰の首?明智光秀は誰に殺されたのかについても解説考察
北野武監督が構想30年を費やした上、完成させた時代劇作品である映画『首』。
主君の織田信長に反旗を翻し、本能寺で織田を討ったのが家臣であった明智光秀です。
そんな明智光秀ですが、豊臣秀吉からけしかけられたことや、同じく織田に反乱をした荒木村重らの助言もあり、本能寺で織田を討つことに成功しますが、その後は京都にて豊臣秀吉らの軍にあっけなく全滅させられてしまいます。
明智は裏で手回しをしていた秀吉にまんまと騙されてしまったというわけです。
そんな明智は誰に殺されたのでしょうか?また、ラストは誰の首だったのでしょうか?考察しました。
管理人
自害した明智
劇中では、追い詰められた明智が自らの首を斬り落とし、自害したシーンが描かれています。
潔く自らの首を斬り落とした明智のかっこよさが詰まったシーンになっています。
その後、明智を襲おうとしていた茂助が明智の首を斬り落とすことに成功しますが、同じく将軍の首をとって名をあげたい農兵たちが現れ、首をとり合って争うという明智のかっこよさとはとことん対照的な滑稽なシーンが描かれます。
映画では自害した明智でしたが、実在した明智光秀は誰が殺したのかははっきりしておらず、山崎の戦いで農民に殺害されたという説が有力であるものの、実は生存していたという説など他にも様々な説が流れており、実に謎めいています。
管理人
ラストは誰の首だったのか?
ラストでは、秀吉たちの下に今回の戦の被害者たちの首が集められ、確認を行っていきます。
が、茂助と思われる首と損傷が激しく誰なのかが判別が難しい男の首が登場します。
秀吉は判別の難しいボロボロの男の首を「明智が死んだのが分かれば、誰の首かなんかどうでもいい」と勢いよく蹴り上げるシーンで映画は終わりを迎えますが、蹴り上げられた首が光秀の首だったのかどうかは最後まで明らかになりません。
映画の流れからして侍や農兵たちが取り合いをしたために傷だらけのボコボコになってしまった光秀の首ではないかと考えられます。
が、劇中で描かれていた侍たちが重んじていた流儀や生き方なんて無意味であるという北野監督のメッセージを表現するために、あえて誰の首が分からなくなったというオチにしたのだと思います。
管理人
荒木村重は死んだのか?
物語が展開していく中で最も重要な人物であると言っても過言ではなかったのが、演技派俳優である遠藤憲一さんが演じた家臣の荒木村重です。
荒木は主君の織田信長に忠義を尽くしていましたが、突如反乱を行い、物語が大きく動いていくきっかけを作りました。
そんな荒木は恋仲であった明智の亀山城に匿われていましたが、ラストはどうなったのでしょうか?考察します。
管理人
明智によって殺害された村重
村重は織田信長を討つために本能寺へと向かう明智を見送ろうとしますが、恋仲であったはずの明智に危険人物と見なされて、小さな箱に閉じ込められた村重は箱に入れられたまま高い崖から落とされてしまいます。
村重のその後や死体については描かれていませんが、おそらくあれだけの高い崖から落とされたわけですから即死であったと考察できます。
これまで冷静沈着に見えた明智の、武士としての狂気が見え隠れするシーンだと思います。
管理人
ですが、映画ではなく実在した村重は亡命に成功しており、信長が死去した後は道薫という名前で茶人として活動し、52歳で亡くなったようです。
映画『首』が史実に忠実に描いていたとすれば、もしかすると村重は光秀によって手助けされ、亡命した可能性もあるかもしれません。
信長を切ったのは誰だったのか?
映画『首』でもっとも観客にインパクトを与えたキャラクターが天下統一を目論む主君の織田信長です。
織田は家臣の明智をハゲ扱い、秀吉をサル呼ばわりするなど周りに対して傍若無人な態度を取り続けており、演技派俳優の加瀬亮さんの怪演も相俟って、下劣極まりないキャラクターとして描かれていました。
そんな信長はこれまでの粗暴な態度も一因となり、信頼していた家臣の荒木村重に反乱を起こされ、その後は同じく家臣の明智光秀に本能寺で討たれるという自業自得なラストを迎えます。
そんな信長は燃え盛る本能寺の中である人物に切られ、死亡しますが、その人物とは誰だったのでしょうか?
管理人
信長を切った弥助
燃え盛る本能寺の中で信長を切ったのは、彼に仕えていた弥助という人物です。
弥助はインドから日本に渡って来た黒人男性で織田信長に気に入られ、使用人として仕えていました。
弥助は織田信長から気に入られながらも酷い扱いを受けており、噛みつかれ、その姿を見て信長がケタケタと笑うシーンが劇中で描かれていました。
そういった経緯から弥助は信長に対しての鬱憤が溜まっており、信長を本能寺で切ったと考察できます。
管理人
弥助も実在した人物となっており、出身地はポルトガル領東アフリカであったようです。
史実によれば、弥助は本能寺の変の際に降参して捕縛された後に南蛮寺に送られたそうですが、その後の記録については残っていません。
信長を切ったという記録は残っていませんので、このあたりの映画のシーンに関してはフィクションであることが分かります。ちなみに映画『首』で弥助を演じたのは、副島淳さんという日本人とアメリカ人のハーフの俳優です。
日本で生まれ育ったことから英語は話すことが出来ないため、偏見によって苦しめられることあったり、ハーフであることから様々ないじめを経験するなど苦労を重ねてきたそうですが、身長195㎝の長身とルックスとその演技は映画『首』で大きなインパクトを残しており、ハマり役だったと思います。
映画『首』が「最悪」「つまらない」や「わけわからん」の声について理由を考察した結果
映画『首』は、北野武監督の6年ぶりの監督作品であることや加瀬亮、西島秀俊、中村獅童、浅野忠信、大森南朋ら豪華キャストの共演で大きな話題を集め、カンヌ国際映画際にクィア・パルムにノミネートもされました。
製作費15億円に対して、興行収入11.6億円と興行的には厳しい結果に終わりました。
が、そのスケール感と北野武監督らしいダークユーモアが一定の評価を集めました。
しかし、そんな映画『首』について「最悪」「つまらない」「わけがわからん」というマイナスな評価を持つ方も多く見受けられました。
なぜ、そういった声が上がってしまうのか?それぞれ考察して行きます。
管理人
最悪という声について
最悪という声については、暴力描写と性描写にあると考察できます。
『首』というタイトル通り、戦死した人々の首が斬り落とされるシーンや腹切りのシーン、暴行シーンなど暴力描写が多数あります。
暴力描写については北野監督はこれまでデビュー作の『その男、凶暴につき』や代表作『アウトレイジ』などでも過度な暴力シーンがありましたので、ファンにとってはお馴染みではあるのですが、『首』で初めて北野作品を観る方々にとっては不快に捉えられてしまい、「最悪」という声につながったと考察できます。
そして、性描写についても原因があると考えられます。
映画『首』では戦国時代に当たり前であった男色、いわゆる男性同士の性愛について描かれています。
大河ドラマやこれまでの時代劇作品では、あまり描かれることのなかった男色について描いている点は映画『首』の特徴でもあるのですが、あまりに過度に描かれいたため嫌悪感を抱く方が「最悪」という声につながったと考察できます。
「つまらない」という声について
つまらないという声については、全体的な作品のテイストに原因があると考察できます。
映画『首』については、本格的な時代劇アクション作品ととらえて鑑賞した方が多くいたと思いますが、北野監督の代表作である『アウトレイジ』のような緊迫感はなく、『ソナチネ』のようなドラマチックさもありません。
それどころか自身が演じた豊臣秀吉や弟の秀長、黒田官兵衛らは悪ふざけのようなジョークを飛ばすシーンも多く挟まれており、肩透かしを食らったという方もいたと思います。
北野監督はおそらく映画『首』を時代劇アクション作品ではなく、時代劇という設定のスケールの大きいコメディ映画として考えており、アクション作品を求めていた観客とのギャップによって「つまらない」という声につながったと考察できます。
「わけわからん」という声について
わけわからんという声については、ラストのオチが原因であると考察できます。
ラストは切り落とされた首が秀吉の元に集められ、「明智が死んだのが分かれば首なんてどうでもいいんだよ」と秀吉が首を蹴り上げるシーンで終わります。
この唐突なオチのシーンが理解不能で「わけわからん」という声につながったと考察できます。
前述したように北野監督は映画『首』をコメディ作品として制作している可能性が高く、このオチについては、それまで映画で描かれていた侍のしきたりや儀式、生き方などは全部無意味なんだという理不尽な笑いが描かれていたわけですが、映画『首』をシリアスに捉えていた観客にとっては分かりにくく伝わらなかったのだと思います。
映画『首』のあらすじ
(以下、映画『首』のあらすじです。)
『首』のあらすじ|家臣・荒木村重の裏切りによって、巻き起こる波乱
天下統一を目指す将軍の織田信長は、その傍若無人な振る舞いと暴力性から多くの家臣から恐れられていました。
そんな振る舞いが災いし、家臣であった荒木村重に反乱を起こされ、怒り狂った信長は村重の一族を皆殺しにします。
すぐに家臣たちを集めた信長は、村重を見つけ貢献したものに跡目を譲ると伝え、家臣たちは躍起になります。
家臣の一人である明智光秀は村重と親しかったことから、村重を匿っているのではと周りから噂されていましたが、当の本人は否定するものの立場は危うい状態でした。
そんな中、茶人である千利休に呼ばれた明智は甲賀出身の抜け忍・曽呂利新左衛門が道中で捕らえた村重を引き渡され、信長に内緒で亀山城にて村重を匿います。
一方、家臣の羽柴秀吉も跡目のために優秀な大名の黒田官兵衛らとともに暗躍していました。
千利休の使いで現れた曽呂利を気に入った秀吉は仲間に引き入れ、甲賀に行き、忍の光源坊が所有する信長直筆の手紙を入手するという危険な命令を受けます。
『首』のあらすじ|信長直筆の手紙に記された家臣たちへの大いなる裏切り
甲賀に着いた曽呂利は偶然にも兄弟子であった般若の佐兵衛に再会し、スムーズに光源坊とのコンタクトに成功します。
そして大金の代わりに重要な信長の手紙を手に入れます。
道中で亀山城に侵入した曽呂利たちは明智と村重が恋仲にあることや家康が村重を匿っているという嘘を信長に流す計画を立てていることを知ります。
侵入者に気付いた光秀は、曽呂利たちを取り逃がしてしまったため、甲賀の里を全滅にします。
曽呂利から信長の手紙を受け取った秀吉たちは早速中身を確認すると、そこには跡目を息子の信忠に譲る計画や秀吉を含めた家臣たちを侮辱するような内容が記されており、秀吉は怒りに震えます。
再び家臣たちを集めた信長は、秀吉を侮辱し、提言をした光秀に対しても激しく暴行を与えます。
その後、亀山城に侵入したのが自身の使いであったことを謝罪し、信長直筆の手紙を見せます。
秀吉同様に怒りに震える光秀。
そんな光秀に対し、秀吉は味方になることを伝え、信長を討つようにけしかけるのでした。
『首』のあらすじ|遂に信長を討つ光秀、そして京都へと急ぐ秀吉
光秀に信長についてけしかけた秀吉は、今度は家康のもとに行き、信長と光秀が命を狙っていると伝え、家康の懐に入ります。
曽呂利たちの活躍により、家康からの信頼を勝ち得た秀吉でしたが、信長は家康を討つことに苦戦を強いられていました。
家康に毒を盛った料理を振る舞う計画も失敗し、信長に激しい叱責を受ける光秀は亀山城に戻り、村重の進言によって信長を討って天下を取る覚悟を決めます。
曽呂利を通じて秀吉たちは本能寺で開かれる茶会にて、光秀が信長を討つ計画を知ります。
燃え盛る本能寺にて、絶体絶命の信長はこれまで酷い仕打ちをしていた側近の弥助に首を斬られて、あっけない最後を迎えます。
裏で手を引いていた秀吉たちは、本能寺の変について初耳だったと嘘をつき、光秀を討つために京都へと急ぐのでした。
以上、映画『首』のあらすじでした。
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映画『首』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画『首』の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|北野武監督が構想30年を費やして完成させた異色の時代劇作品
映画『首』は、日本が世界に誇る映画監督・北野武が戦国武将である織田信長、明智光秀、豊臣秀吉らの活躍を描いた時代劇作品となっています。
北野武監督の6年ぶりの作品ということや、時代劇を撮るのは2003年の『座頭市』以来20年ぶりということで公開前から大変な話題を呼んでいました。
構想にも30年を費やして公開された映画『首』は、カメラワークや迫力の合戦シーンなどは従来の時代劇作品に通ずるオーソドックスな仕上がりになっていましたが、武将たちのキャラクターや言動・行動については、実にユニークに描かれており、北野武監督らしい異色の時代劇になっています。
物語は、天下統一を目指す織田信長の忠実な家臣であった荒木村重の反乱によって、巻き起こる跡目問題を描いており、天下統一に向けて暗躍するそれぞれの武将が描かれていきます。
管理人
その破天荒な振る舞いから現在でも人気を集める織田信長は、家臣たちに暴力を振るい、側近たちの身体を弄ぶ、とことんまで下劣なキャラクターに描かれており、演じた加瀬亮さんの演技も相まって凄まじいインパクトを見せています。
NHKの大河ドラマや従来の時代劇作品では、あまり描かれることのない男色が豊富に描かれている点もかなり異色だと感じます。
そんな信長が記した跡取りを家臣たちではなく、息子に譲るという手紙を入手したことから、これまで忠義を誓っていた明智光秀や豊臣秀吉らが怒り狂い、信長を討つことを決めるという展開になっていきます。
信長とは対照的に端正なルックスと冷静さでかっこよく描かれた西島秀俊さん演じる明智光秀や監督自らが演じた侍たちのルールなんてどうでも良いコミカルな武将・豊臣秀吉などそれぞれのキャラクターが非常にユニークに描かれており、セリフについても現代語のような言い回しになっていることから、時代劇を観たことがないという方でも入り込みやすい作品になっているのではないでしょうか?
ただ、『首』というタイトルだけあって侍たちの首が次々と飛んでいく様や腹切りの様子など、過度な痛々しい描写もあることから、ショッキングな映像が苦手という方は少し気を付けた方が良いかもしれません。
最後は、本能寺で信長を討った光秀は京都で待ち構える秀吉らによって討たれてしまい、光秀の首を持ち帰って名をあげたい侍たちによって光秀の首は誰のものか分からないくらいの損傷を受けてしまいます。
そして、詰め所に大量に寄せられた打ち首から光秀の首を選別するシーンが描かれ、光秀のものと思われる首を秀吉が「首なんかどうでもいい!」と蹴り飛ばすコミカルなオチで映画は終わりを迎えます。
随所に描かれたダークなユーモアはまさしくコメディアン・ビートたけしのテイストとなっていて、北野武の独特な笑いの感性が好きという方にはたまらない作品になっています。
管理人
本格的な時代劇というイメージを持って鑑賞すると予想を裏切られることになると思います。
ダーク時代劇コメディと考えながら鑑賞することをオススメします。
映画『首』のみんなの口コミ評判レビュー
★★★★★星5
映画「首」は誰もが知っている本能寺の変を軸にした、戦国武将たちの思惑が渦巻く作品です。
北野武監督の考える「戦国時代はこうだったのでは」という世界が描かれるのですが、戦や処刑で人の命がいとも簡単に消え、正義はどこにあるのかと考えさせられます。
本能寺の変は天下を狙う秀吉によって仕組まれたものだったという仮説も面白く、秀吉の策略に踊らされる明智光秀が気の毒でもあり滑稽でもあります。
信長、秀吉、家康といった有名な武将たちが美化されず、時に残酷でひどい人物として描かれ、あの時代はみな生き残ることに必死だったんだなと感じました。
特に信長は狂気さえも感じさせる粗暴なキャラクターでしたが、天下人ともなれば抱えている戦や内政の問題も多く、平穏な心境ではいられないのだなと信長についての理解が深まったように思いました。
戦国時代の空気が伝わってくる、体験型のアトラクションのような作品でした。
40代女性
★★★★☆星4
信長・秀吉・家康を北野武が題材にするとどんな作品になるんだろう?と興味があり鑑賞しました。
「大河ではできない描写をやる」という謳い文句を聞いていましたが、タイトル通り生首や死体のカットが多くグロテスクで、BLの描写もがっつりあってとても万人受けする映画ではありません。
それでも、そういった生々しさがあるからこそ戦国武将達の野心や執着、嫉妬、異常な性格を真正面から描けていると私は思いました。
映画『首』は「あくまでも北野武が演じる秀吉から見た信長や石田三成達のイザコザ」の物語で、王道の時代劇を好む人や北野武のお笑いが苦手な人にはおすすめできません。
天下を取る前の秀吉を北野武が演じているため役者の年齢が役に対して上過ぎる事や、北野武らしいコントっぽい演出が多々あったりとかなりクセが強い作風となっているからです。
それでも合戦シーンやセットは最近の時代劇ではなかなか見られない豪華さで、「流石世界のキタノ」というべきスケールです。
歴史が好きで多様な解釈を楽しみたい私にとっては見てよかったと思える映画でした。
30代女性
★★★★★星5
誰もが知っている「本能寺の乱」が起こるまでのいきさつを、これほどまでインパクトのある描写で伝えた映画はこれが初めてだと思います。
外国映画を観た時と比べても引けを取らない興奮を覚えました。
すべてのキャラクターが謳い文句通り狂っていて、また各人皆種類が違うイカれ方をしているのですが、この雰囲気を演技している役者さんの演技力には圧倒されました 。
特に織田信長役の加瀬亮さんは熱演をしていて、信長の冷酷な一面を余すことなく伝えていると思います。
そして監督兼羽柴秀吉役の北野武さんの喋り方が淡々としているところには、したたかさと恐ろしさが感じられて、私が持っていた秀吉像とは違う秀吉を見せてくれたと思いました。
日本映画がまた一歩進化した感があり嬉しいですね!
50代男性
★★★☆☆星3
カンヌ映画祭でも話題になったという世界的にも大変有名な監督である北野武の作品なので、楽しみにして映画館へ出かけましたが、思ったほどの感動を持つことができませんでした。
歴史をある程度は知っているからかもしれないのですが、『アウトレイジ』のようなかんじではなくて、特別驚くほどの展開もなかったと思います。
何よりも納得できないなと思ったのが、北野武本人が演じていた羽柴秀吉。
初めから終わりまで、まったく標準語でしゃべっていたのです。
それに引き換え加瀬亮が演じる織田信長は、とてもダサくてきつい名古屋弁でしゃべりまくるという設定。
秀吉がどうして、まったく名古屋弁を話さないのかにひっかかってしまって、納得できないまま見終わってしまった感じです。
50代女性
★★★★☆星4
これぞ北野武映画!という作品でした。
冒頭から、戦後の首のない戦死した武士が川で横たわっているシーンがあり、「これは。。」と一瞬目を伏せながらも、久しぶりの武映画が始まったなあと感じさせるオープニング。
歴史をアレンジする作品はたくさんありますが、BLに持っていくのはさすがだったし、周りに恐れられて残虐非道な織田信長が、実は誰よりも恋に飢えていて、純粋な愛を求めているのではないかと思わせてくるのは見事でした。
ところどころ、これはアドリブだな?と思うシーンもあり、アドリブを楽しむ演者を見ながら楽しめました。
タイトル通り、首が飛んでいくシーン等、残酷な箇所も多く、人によっては見てられないと思う人もいそうだとは思います。
全体的に賛否両論が分かれるのが北野武映画だと思いますので、今回も色々な意見がありそうですが、結末についても私はすごくよかったと思います。
30代女性
★★☆☆☆星2
全体的に北野監督らしい仕上がりの作品。
今どきの映画はグロもエ◯もカットアウトして、直接表現を避けた「恐らくそうなのだろう」という描き方をする傾向にありますが、北野監督は全部そのまま描いています。
はじめから終わりまで、断面図なんかもモロ映されるので、そういう要素に耐性のない人は見るのが辛いかもしれません。
千利休や忍びたちの動き方や、その彼らの発言は、当時の時代の死生観を反映しており、非常に分かりやすく表現されていたと思います。
また、所々笑いの要素が入ってくるのですが、テーマの重さと相まってもそのバランスは良かったと思います。
中だるみした感じもなくまとまりの良い2時間11分でした。
ひとつ気に入らなかった点を上げるとすれば、男色のシーンが多すぎたかなということです。
今までの北野監督の作品から比べると、全体的に期待していたより……という感想です。
30代女性
★★★★☆星4
今までの戦国時代とは、異なった切り口で描かれていたのが面白かったです。
特に織田信長と豊臣秀吉と明智光秀の関係性が北野作品ならではの独特な描き方で良かったです。
そして印象的だったのは言葉のやり取りで、昔の言葉遣いと現代の言葉遣いを上手く織り交ぜながら話が進展した所は、新しい時代劇の描き方なのかなと見ていて感じました。
そんな中で秀吉ならではの策略家の一面が終盤になるに連れて色濃く出ていて、心理状態や駆け引きなどが見られたのが面白かったです。
そして本能寺の変のシーンでは、予想を覆した展開になった事に驚かされました。
もう一つの注目するべき点は役者陣です。
中でも織田信長役の加瀬亮さんの演技は、言葉遣いなども含めて必見です。
40代男性
*映画『首』のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。