『ラストサムライ』は実話映画なの?勝元のモデルやおかしい点についても解説考察【あらすじネタバレや感想評価も】
2003年12月6日、日本公開の『ラストサムライ』。
ハリウッド映画ですが、日本の武士道を描く作品で渡辺謙や小雪、真田広之など多くの日本人キャストが出演しました。
この作品によって、日本の俳優の海外進出する契機を築くものともなりました。主演はトム・クルーズで、興行収入137億円と日本でも大ヒットした作品です。
映画『ラストサムライ』の口コミ評判レビューには、
- 最後まで信念を突き通す姿には感動した
- いわゆる大和魂を表現した映画
- 時代が新しく変わって行く中、大きな波に逆らう漢の物語
- トムクルーズや渡辺謙、小雪など豪華な俳優陣
- 日本とアメリカの合作との事でスケールの大きさを感じれた
- 昔の映画だけど戦闘シーンは見応えある
- 日本人には、ツッコミポイントがたくさんあり評価はイマイチな感じ
- 外国映画ですが日本人にも観てほしい映画
という声が多数集まっています。
- 実話映画なのかについて徹底解説
- 勝元のモデル
- ラストサムライでのおかしい点や矛盾点
- ラストサムライのあらすじ
- ラストサムライの感想評価
- みんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
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目次
映画『ラストサムライ』は実話映画なのか徹底解説!勝元のモデルが西郷隆盛の理由
エドワード・ズウィック監督の日本愛が結実した大作である『ラストサムライ』。
本作は歴史的題材を扱っており、あらすじも史実に沿った部分があります、
しかし、基本的にはエドワード監督、ジョン・ローガン、マーシャル・ハースコビッツの共同脚本による完全オリジナルのフィクション作品です。
17歳の時に『七人の侍』(黒澤明監督)を観て映画の道を志すこととなったエドワード監督。
ハーヴァード大学時代にはエドウィン・O・ライシャワー教授(元駐日大使)に師事し、日本の歴史への理解を深めました。
そんな監督が強く惹かれたのが「明治維新」です。
管理人
そのため、本作の背景には明治維新後の不平士族の反乱や、日本の急速な西洋化、それによって失われゆく「武士道」や日本人としてのアイデンティティーがあります。
西南戦争が本作のストーリーに多大な影響を及ぼしていることは明らかで、クライマックスの勝元盛次ら反乱軍と政府軍の戦いが1877年の設定であることからも分かります。
したがって、勝元のモデルは西南戦争の盟主、西郷隆盛です。(この点は後に詳述します!)
また、主人公ネイサン・オールグレン大尉も実在の人物を元にしていると考えられます。それがジュール・ブリュネとフレデリック・タウンゼント・ウォードです。
管理人
ジュール・ブリュネは1866年、江戸幕府の要請を受け、軍事顧問団の一員としてフランスより派遣されました。
その後に戊辰戦争が勃発、旧幕府軍は明治新政府軍に敗れ、ブリュネにも帰国命令が出されますが、彼は身分を捨て仲間のために最後まで激戦に身を投じます。
しかし、敗戦後フランスへ送還されたブリュネは世論の支持を得て現役復帰し、後の日清戦争でも日本に貢献することとなります。
一方のアメリカ人フレデリック・タウンゼント・ウォードは1860年、清朝末期の中国で革命政権「太平天国」の乱に対抗するため外国人傭兵部隊「洋槍隊」を組織します。
洋槍隊には後に中国人兵士も加わり、その戦績から清朝より「常勝軍」の名を与えられますが、1862年にフレデリックは慈渓の戦いにおいて戦死しています。
その他にも、悪役である大村松江参議は、数々の軍制改革をおこない「日本陸軍の創始者」と呼ばれた大村益次郎と、西郷隆盛の盟友でありながら袂を分かった明治政府の重鎮大久保利通を足したような人物設定です。
管理人
もっともストーリーの都合上、単純に私欲にまみれた政商のごとき存在に留まり、大久保の複雑な政治的立場・思想を反映するまでには至りませんでしたが。
中村七之助演じる明治天皇も、僅か14歳で即位した幼帝としての人物像を真摯に追及していたと感じます。
史実の面では、廃刀令・断髪令によって追い詰められる武士の苦悩が分かりやすく表現されていました。
このように本作はフィクションではあるものの、エドワード監督の日本理解によって、その世界観は外国映画に散見される奇妙な日本国像とは一線を画しています。
もちろん、時代考証を行えばおかしな点は当然存在します。
しかし、それでも日本の史実や文化を研究し、何より武士道というサムライの精神世界に踏み込み、それを肯定している稀有なハリウッド映画であると言えましょう。
勝元盛次のモデルについて
エドワード監督が多大な影響を受けたことを公言しているのが、アイヴァン・モリス著『高貴なる敗北 日本史の悲劇の英雄たち』です。
この本は日本の歴史において悲劇的な最期を遂げた9人の人物と1つの集団(神風特攻隊)を取り上げています。
そして、外国人の視点から日本独特の価値観である英雄たちの滅びの美学を分析しています。
明治維新に興味を持っていたエドワード監督は、その中でもとりわけ西郷隆盛に惹かれました。
管理人
ご存知のように西郷隆盛は薩摩藩(鹿児島県)出身の明治維新の立役者です。
明治政府では参議や陸軍大将にまで昇りつめるものの、征韓論を巡る対立によって下野します。
そして、その後に政府に抗う不平士族(旧武士階級)に担がれ挙兵し、西南戦争において最後は自決した人物です。
そもそもの『ラストサムライ』の出発点は、西郷の生き様にあったことを監督は語っています。
そのため、西郷をモデルに作られたキャラクターである勝元盛次は、本作において圧倒的な存在感を放ち、主人公オールグレン大尉に並ぶ重要な役どころであります。
実際、勝元役の渡辺謙は2004年のアカデミー賞で助演男優賞にノミネートされました。
本作のストーリーは、南北戦争でアメリカ先住民の無差別大量虐殺を強いられ人間性を破壊されたオールグレン大尉を経糸に、政府に賊軍とみなされながらも気高いサムライの精神を持つ勝元を緯糸にして紡がれていきます。
管理人
大義のためには命を投げ出すことも厭わない勝元に感化されたオールグレン大尉。
やがて勝元同様に最後のサムライとなって人間性を、そして名誉を回復させていくのです。
勝元の人物描写については、やはり西郷との共通点がいくつか見られます。例えば、容姿の面では2人とも坊主頭です。
また、勝元は政府の参議という肩書がありながら、出身地の吉野の里で独自のコミュニティを築いています。
これは下野した西郷が薩摩に士族のための私学校を設立したことを想起させます。
現実に、薩摩藩の不平士族たちが明治政府に反旗を翻したのは、映画のように日本の行く末やアイデンティティーを案じるが故というよりも、自分たちの身分・特権がはく奪されてしまったお家事情が大きいとは思われますが、ともあれ彼らは蜂起し、西南戦争が起こりました。
管理人
劇中での勝元軍対政府軍の戦いは設定も1877年であり、まさしくこの西南戦争をなぞらえています。
そして勝元の最期も、また西郷と同じです。
城山の決戦で被弾し、覚悟を決めた西郷が随行した別府晋介に介錯されたように、勝元も銃弾に倒れ、オールグレン大尉に介錯を依頼しました。
西南戦争の終結は、そのまま武士(=サムライ)の時代が終わりを告げたことを意味し、日本の近代化のターニングポイントとなりました。
そのことから西郷を「ラストサムライ」と称する声は世に多くあります。
管理人
西郷隆盛は勝元のモデルであり、まさに映画『ラストサムライ』の根幹を成す存在でもあるのです。
映画『ラストサムライ』でのおかしい点や矛盾点について解説考察
日本を舞台とした数ある外国映画の中でも、『ラストサムライ』は日本文化やその精神性を描き出そうとした製作者の真摯な姿勢が感じられる作品です。
さらに真田広之を始めとした日本人俳優の努力もあり、その世界観も格調高いものとなっています。
ただし、本作は実話を元にした歴史映画ではなく飽くまでフィクションですから、残念ながら不自然な点や矛盾点が決して無いわけではありません。
あまり細かい点をあげつらうのも野暮というものですが、ここではそのうち目立つものを取り上げたいと思います。
管理人
おかしい点①忍者の襲撃
明治時代にも関わらず、忍者集団の襲撃、それも黒装束に手裏剣といったステレオタイプの描写…。
忍者集団は、まず真っ先に時代考証的に誤りを指摘される部分ではあります。
しかし、本作をジャンル分けするならば時代劇風アクション映画とでも言うべきであり、繰り返しますがノンフィクションでもありません。
なので、日本の歴史を完璧に再現することが目的でもありません。
エドワード監督やアメリカ人スタッフたちは、間違っていることは分かっていても、どうしても忍者を登場させたかったそうです。
管理人
それはやはり西洋人ならではの憧れであり、ロマンだったのでしょう。それに忍者相手の勝元たちのアクションシーンに興奮させられたのも事実です。
物語上でも、オールグレン大尉の剣術の上達や、勝元らとの共闘によって信頼関係を築く描写として必要なシークエンスでありました。
また、戊辰戦争(1868年)には甲賀流の一派が「甲賀隊」として新政府軍に加担しているので、忍者は遥か昔の存在という程でもないのです。
おかしい点②勝元たちの装備が古過ぎる
勝元ら反乱軍は、まるで戦国武将のような鎧兜を纏い、刀と弓矢のみで新政府軍と戦います。
これも当然、明治時代としては古い装備です。
モデルとしている西南戦争でも、薩摩軍は旧式とはいえエンフィールド銃を主に使っていました。
この点もやはり、勝元たちと新政府の立場・考え方の相違を際立たせ、分かりやすくさせるための演出であり、意図的なものであります。
ただし、西南戦争の前年1876年に熊本で起こった不平士族「敬神党」による反乱「神風連の乱」では、まるで映画さながらに敬神党は銃を一切使わず、甲冑に刀・弓・槍等で新政府軍と戦っています。
管理人
あるいは、この神風連の乱もまた、本作に影響を与えた可能性があります。甲冑のデザインにも、氏尾が着けていた特徴的な鎧兜に違和感を覚えるかもしれません。
しかし、これらは福岡藩初代藩主の黒田長政の着用していた「大水牛脇立桃形兜」、漆塗りの鱗形の革を綴じた「魚鱗具足」という実在の装備を元にしたと思われます。
おかしい点③新政府軍の集団土下座
戦いに負けた勝元はかねて「侍は敗北の恥辱を甘んじて受けない」と言っていたように自決の道を選び、オールグレン大尉に介錯を頼みました。
その姿を見た新政府軍は攻撃を止め、全員が膝を着き土下座をします。日本にこのような習慣は無いし、戦場においてなら尚更です。
もっとも、これは土下座ではなく座礼にも見えます。座礼であれば、武道全般や和室での礼儀作法として頻繫におこなわれるものです。
いずれにしても相手への敬意を示す行為には違いないのですが、それが座例だとしてもこのシーンが過剰な所作であるのは確かです。
おかしい点④オールグレン大尉とたかのキスシーン
この時代にキスという行為は一般的ではなく、オールグレン大尉がいくら西洋人といえども、女性である方がその求めに応じることなどあり得ません。
それに日本人の恋愛観を扱うのであれば、直接的な表現ではなく、淡く繊細な心理を描く方が適切であったでしょう。
そもそもオールグレン大尉はたかにとって夫の仇であり、恋愛感情を抱くのは不自然です。
ストーリーの上でも、この恋愛描写の必要性は甚だ疑問であります。
管理人
おかしい点⑤勝元の介錯
序盤の戦いにおいて、勝元ら反乱軍に敗北を喫した新政府軍の大将長谷川は切腹をおこない、その介錯を勝元が務めます。
それが名誉な役であることを承知している勝元は手際よく長谷川を斬首するのですが、首は完全に胴体から切り離されています。
介錯にあたっては切腹する者の首が飛ばないように、また、体が仰向けでなくうつ伏せに倒れるように首の皮一枚残して斬るのが作法とされていました。
(ぎりぎりで助かった意味の「首の皮一枚」という表現はここから来ています。実際には助かっていないのですが。)
その技術は大変難しく、だからこそ見事な介錯が出来る者は称賛されました。つまり首が落ちる介錯は二流ということです。
剣の腕が優れた勝元が介錯するのであれば、首を飛ばすべきではありませんでした。
管理人
『ラストサムライ』のあらすじ
(以下、映画「ラストサムライ」のあらすじです。)
『ラストサムライ』のあらすじ|近代化の進む激動の日本
かつて南北戦争の英雄として活躍したオールグレン大尉は、戦争で罪の無い人々を殺害した悪夢に毎夜苦しめられ、酒浸りの生活を送っていました。
そんな中、侍中心であった国家から天皇中心の体制へと変化していく激動の時代にあった日本から近代国家軍隊の指導の依頼を受け、来日します。
これまで銃を持ったことが無かったこともあり、なかなか成長しない軍隊にネイサンが頭を悩ませます。
そんな中、新政府に反旗を翻す反乱軍が政府が進める鉄道建設を妨害したことを受けます。
急激な近代化を進める首謀者である大臣の大村は、オールグレンと未熟な軍隊を出兵させます。
『ラストサムライ』のあらすじ|武士道に感銘を受けるネイサン
反乱軍の巧みな戦術の前で敢え無く惨敗したオールグレンは大将の勝元の捕虜となってしまいます。
捕虜となったネイサンを村の人々は奇異の目で見ますが、勝元が貫く武士道に感銘を受けたオールグレンは進んで武術を学び、日本語も少しずつ覚えていきます。
これまで悪夢に苦しめられていたオールグレンでしたが、村での生活は彼に大きな安らぎを与えました。そんな彼の姿に村の人々も心を開き、交流が深まっていきます。
そんな中、大村からの刺客に命を狙われる勝元をオールグレンが救います。
いつしかネイサンと勝元を含む村の人々との大きな絆が生まれていたのです。
『ラストサムライ』のあらすじ|最後の戦い
時が経ち、天皇に呼び出された勝元は廃刀令に従い刀を捨てるよう命じられますが、拒否したため拘留されてしまいます。
勝元を救うため、オールグレンたちが立ち上がりますがその際に勝元の息子である信忠が殺害されます。
信忠の死とこれまで必死に使えてきた天皇に裏切られたことに、大きなショックを受ける勝元でした。
しかし、自分の命を懸けてでも武士道を貫くことを決意し、そんな彼の姿に共感したネイサンは村の人々のためにも共に戦うことを決心します。
こうして、新政府と反乱軍の最後の戦いの火蓋が切って落とされるのでした。
以上、「ラストサムライ」のあらすじでした。
果たして勝元やネイサンの運命はどうなるのでしょうか?
続きが気になる方は、実際に映画を観る事をオススメします。
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映画『ラストサムライ』の感想評価とみんなの口コミ評判レビュー(※ネタバレ有)
(以下、映画「ラストサムライ」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末含む)と口コミ評判です。)
感想評価(※ネタバレ有)|海外作品でありながら日本のサムライの姿を見事に描いた名作
新政府と全面対決することとなった反乱軍は、騎馬隊による突撃で健闘しますがガトリング砲により敢え無く敗北を喫し、勝元とネイサン以外は戦死しました。
致命傷を負った勝元は深い絆で結ばれたネイサンにとどめを刺すことを頼み、息を引き取りました。
最後まで侍としての誇りを貫いた勝元の潔い死に様を見て、大村以外の政府軍は彼に敬意を表し、深く頭を下げました。
生き残ったネイサンは天皇に対し、勝元の刀を渡し、武士道を貫いた男がいたことを忘れてはならないと伝えます。
これまで大村の助言もあり、近代化を急激に進めていた天皇でしたが日本人の持つ伝統や侍としての誇りを忘れてはならないと気付かされます。
アメリカとの契約を破棄し、より良い国づくりのために決意を新たにするのでした。
急激な近代化を進める激動の日本を主人公オールグレンの視点で描いた映画『ラストサムライ』。
管理人
これまで海外の映画において間違った解釈で描かれることの多かった「サムライ」を壮大なスケールと丁寧な描写で見事に描き切った作品になっています。
そして、罪なき人々を殺した罪悪感に苦しめられ心を失っていたオールグレンが、反乱軍の大将である勝元や仲間が貫く武士道に感銘を受け、心を取り戻していきます。
そんなオールグレンの再生の物語にもなっています。
新政府軍と反乱軍との最後の戦いでの戦闘シーンは大規模なエキストラによるまさにハリウッドと言うべき大規模なスケールになっており、非常に迫力があります。
敵からの容赦ない銃撃に一切ひるまず、自らの役目を全うするため立ち向かう反乱軍の侍たちの姿はスローで撮影されており、潔く散っていく姿には美しさすら感じます。
主人公のオールグレンを演じたトム・クルーズは親日家としても知られており、日本の素晴らしさに魅せられていくオールグレンの姿を見事に演じています。
特にクライマックスで亡き侍たちの死を無駄にしないように、たとえ自らの命を犠牲にしてでも、天皇に直訴するシーンでの演技は素晴らしいです。
管理人
表情の一つ一つにトム・クルーズが感銘を受けた武士道の精神を強く感じ、いつしか彼自身も侍になっていたことが分かる素晴らしい熱演となっています。
また、今作がハリウッドデビューとなった渡辺謙ですが、今作の最も重要なキャラクターとも言える反乱軍の大将・勝元を堂々たる風格で演じています。
その演技力を見ると、昨今のハリウッドでの活躍が頷けます。
前述したように激しい戦闘シーンもありますが、古き良き日本の美しさや、アメリカと日本という国籍を越えた友情と愛を描いたヒューマンドラマにもなっています。
様々な世代が楽しめる作品になっています。
『ラストサムライ』のみんなの口コミ評判レビュー
『ラストサムライ』の口コミ評判レビューには、このような評判が多い印象です。
「日本人以上の日本人らしさを貫くトム・クルーズの姿に感動」「日本文化が軽んぜられる世の中になってしまった今の日本人の心に楔を打つ名作」「脚本はおおざっぱな部分もありますが、演技と映像、そして合戦シーンは見応え充分」「日本人の精神性が正しく描かれた稀有なハリウッド映画」
それでは、実際の口コミ評判レビューを詳しく見て行きましょう。
★★★★☆星4
ラストサムライは、そのタイトルが示すとおり、アメリカ人から見た「日本の侍」すなわち「武士道」を描こうと描こうとした映画だと思いました。
ただ出演する俳優や女優が格好良すぎると思います。ヒロイン役の小雪は不思議な独特の雰囲気を持つ女優だと思います。
その小雪とトム・クルーズの恋愛シーンは、日本っぽいどこかファンタジー世界の物語のような印象を受けました。
ストーリー的には、トム・クルーズが日本の片隅に追いやられても自分たちの節を曲げずに生き抜こうとする一団との交流を通じて絆を深めたのち、敗色濃厚な中、最後の戦いに挑むという展開は良かったです。
渡辺謙も本当に格好いいので、あくまで日本をイメージした異世界で繰り広げられる物語として楽しめば良いと思いました。
40代男性
★★★★★星5
「日本を舞台に、日本人と武士道を偏見なく描こうとした意欲作」とのことでした。
ストーリーは、幕末から明治にかけての日本を、トム・クルーズ演じるネイサンの視点で描いたものです。
心を通わせた日本の友人、渡辺謙演じる勝元とともにネイサンが戦うシーンなどで感動し、涙が出ました。
また、ヒロインの小雪の「抑えた色気」が逆に凄まじく、印象的でした。外国人から見た日本人女性とは、こういうものなのかと思いました。
幕末・明治であるのに唐突に忍者が登場するなど、時代考証については、疑問が残りました。
しかし、これは監督やスタッフも「間違っているのはわかっているがどうしても忍者を撮りたい」ということでそのまま撮ったということを後から知りました。
日本=忍者なんですね。
『ラスト・サムライ』を日本人が見ると、この忍者をはじめ、ところどころになんとも言えない違和感を感じると思います。日本ではあまり評価がよくないようです。
しかし、見下していた人々と分かりあい、文化も理解して、ともに戦うまでになるという全体を貫くストーリーが、日本の自然などの映像美とともに描かれています。
私は感動しました。
40代女性
★★★★★星5
ハリウッドから見た日本ぽさみたいなのが描いてあるのかなあと、面白半分で見た作品ではありました。
しかし、しっかりと清貧、武士道精神を劇中で表現しており、感動しました。トム・クルーズ、渡辺謙、小雪、真田広之の4名が特に印象に残りました。
みんな、それぞれの存在感、佇まいがあって、ああ日本の良いところを表現してくれたなあと心から思いました。
アクションシーンは圧巻で、相当特訓を積んだであろうことが見て取れました。
カメラワークも秀逸で、映画の世界に一気に引き込まれ、時間が経つのを忘れて没頭できました。見終わった後にはすがすがしい爽快感がありましたね。
貫禄にあふれた、日本人として誇りに思える作品だと思います。
30代男性
★★★★☆星4
まず思ったのは日本の時代劇につきものの重苦しい雰囲気が程好く抑えられていることです。
舞台がニュージーランドで、その気候のせいかもしれませんが、日本人ではない外国の監督による感性の影響かもしれません。
なので、空気感は好感が持てました。そして一部で話題になっていた侍や忍者の服装に関して、私は奇抜でナイスアレンジだと思いました。
落馬シーンなど、最後の戦闘シーンも迫力がありました。大作だけあってお金がかかっているのでしょう。
武士道というテーマだけあって映像面に関しては個人的に好印象を持ちました。
トム・クルーズ演じるネイサンの背景、心の傷や葛藤もよくわかり、それが侍たちと過ごすうちに癒えていき、洗い流されていく過程は良かったです。
小雪も楚々とした雰囲気は魅力的で、渡辺謙や真田広之も迫力のある演技など、全体を通して感服させられました。
30代男性
★★★★☆星4
映画「ラストサムライ」を見て主演のトムクルーズもそうですが、日本を代表する俳優の渡辺謙さんや真田広之さんなどの演技が本当に素晴らしいです。
その時代の日本の混乱した雰囲気や時代に取り残された感じのする日本独自の侍の精神というものがかなり大事に表現されている作品だと思いました。
武士道の精神を日本人が常に持っているみたいな、そんな日本の侍の精神を外国人であるトムクルーズ演じる大尉が感じること出来たという描き方が意外で驚きました。
いわゆる外国人が見た日本のサムライのイメージではなく、本当の日本の侍を描いていました。
それを感じ、監督がどれだけ研究してストーリーを作っていったのかが分かるような気がしました。
撮影現場でも渡辺謙さんや真田広之さんが日本人ならではの演技指導も行っていたのだと思いますが、素晴らしい作品だと思います。
40代男性
★★★★☆星4
この映画作品は、渡辺謙さんがハリウッド進出するキッカケになった作品としても有名です。
アメリカの作品ですが、日本人俳優を多くキャスティングし、自然な発音の日本語セリフも登場するので、違和感が少なくよりリアルな雰囲気が出ています。
時代背景は幕末・明治の頃で、その頃に起こった史実の出来事や人物をモデルにしているストーリーなので、歴史に興味がある方は特に楽しめます。
作品と史実の間違い探しや、どの俳優がどの人物を演じたのかなど、様々な楽しみ方ができます。
個人的には、明治天皇を演じた中村七之助さんが1番イメージに合っていて、違和感がありませんでした。
エキストラにも多くの日本人を起用して撮影しているので、海外が作ったこれまでの作品とは違った印象を持った映画です。
30代女性
★★★★☆星4
ハリウッド映画における日本の描写って変にファンタジー要素を含む部分があるというか。
細かく見ていくと、違和感を感じさせる描写が多々見受けられる個所が多かったりします。
しかし、この映画にも多少はあるけれどもそれを上回る物語性が際立っていて非常に良かったです。
少なくとも違和感が目立って物語が霞むというような現象は起こらず、ハリウッドが作った良質な日本を舞台にした映画として鑑賞できました。
トム・クルーズらしい主人公らしさは相変わらずでしたね。
脇を締める真田さんや渡辺さん、小雪さん池松さんなど早々たる巧みな演者も揃い、終盤のスケールのデカい幕末の戦いを観ることができました。
今となってはあのスケールで撮れる合戦シーンはかなり難しいでしょう。
日本人ですが、時代の文化や風習を知らなければそのシーンの意味を理解しにくいところはやはりありました。侍が自分の意思ではなく髷を切られることの不名誉さとかね。
ただシーンの印象深さによりのちの異文化の深い理解に繋がれるきっかけになるのならより良いのではないでしょうか。
40代女性
★★★★☆星4
ハリウッド映画において、幕末や侍を真面目に描こうとした映画は私の知る限りでこの作品だけです。
外国で侍映画と言えば派手に斬り合うばかりが強調されていたり、何かというと切腹で命を落とそうとしたり。
そんな、「異様な自殺志望者の集団」として扱われ来ることがほとんどでした。
しかし、この作品に登場する侍には、家族もいて笑ったり怒ったり泣いたり、普通の生活を送っている様子が描かれています。
そんな中でも、自分の信念の元に忠実に生きていて、それを妨げる者には相手がどれだけ強大でも徹底的に戦います。
その結果として、死をも恐れずに行動する勇者の集団として描かれています。
天皇や政府のあり方が日本史とは外れているところには目をつぶれば、日本人とは、を描いた秀作だと思います。
40代男性
*映画「ラストサムライ」のみんなの口コミ評判レビューは当サイト『シネマヒッツTV』が独自で集めたコンテンツです。
引用の際は必ず当サイト『シネマヒッツTV』の引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
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