映画レオンがつまらないと言われる理由!マチルダのその後や年齢、完全版との違いも解説
1995年3月25日、日本公開の映画『レオン』。
主人公のレオン役にジャン・レノ、ヒロインのマチルダ役にはナタリー・ポートマンが務めました。ナタリー・ポートマンにとっては今作が映画デビュー作で、2000人以上のオーディションから選ばれました。
今作はリュック・ベンソン監督が『フィフス・エレメント』の制作費を集めるために低予算で作られたものとも言われていますが、大ヒットした作品です。続編の企画も出るなどし、脚本まで作られましたが監督が独立してしまい、続編の話はなくなってしまいました。
また、映画『レオン』の口コミ評判レビューには、
- ラストは泣ける感動もの
- ナタリー・ポートマン演じるマチルダの美少女っぷりが凄い
- 古い映画だが今までのベスト作品
- 音楽、キャスト、内容と全てが素晴らしい完成度
- 全体を通して悲しいお話
- プロの殺し屋が少女に心を奪われる主軸自体がテレビドラマレベルでつまらない
- アクションサスペンス映画でもあり、恋愛映画
- リュック・ベンソン監督の素晴らしさも実感できる、とても良い作品
という声が多数集まっています。
- つまらないと言われる理由は〇〇だから
- 映画『レオン』の感想評価(ネタバレ含む)と口コミ評判レビュー
- マチルダのその後の詳細
- マチルダの服装や年齢、マチルダ役の現在について解説考察
- オリジナル版と完全版との違い
- 映画『レオン』のあらすじ
もし、まだあなたが一度も映画「レオン」を観ていないなら、まずはネタバレとあらすじ・感想評判の前に作品を観ておくことをおすすめします。
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目次
映画『レオン』がつまらないと言われる理由|感想評価(ネタバレ含む)と口コミ評判レビュー
(以下、映画「レオン」の感想評価(ネタバレ・ラスト結末を含む)と口コミ評判です。)
ごく一部に「つまらない」という意見がある理由
名作とも言われる映画『レオン』ですが、そんな『レオン』の評価にいくつか「つまらない」と言った評価が見受けられました。つまらないと言った評価をした方は、ごく一部ですが、つまらないと挙げられている部分も考察してみました。
1つ目は設定面です。プロの殺し屋が少女に心を奪われる主軸がつまらないと言う点です。確かに今までプロの殺し屋として生きてきたレオンが1人の少女によって変えられるというのは少しチープだったのかもしれません。
2つ目は監督の手腕です。映画「レオン」はリュック・ベッソン監督の作品ですが、前々作の「ニキータ」の男版のような内容です。ラストの音楽に対して陳腐な鳥の羽の映像で監督のセンスが合わず、つまらないと言った感想です。
ただ、リュック・ベンソン監督は『レオン』以降も『TAXi』や『LUCY/ルーシー』などのヒット作を生み出しいます。他にもライバルの刑事のゲイリー・オールドマンの演技に味がないと言った評価もありましたが、つまらないなどマイナス評価は少数です。
どの映画に関しても全員が全員、高評価をするわけではないので、特に気にするレベルではないでしょう。
感想評価|リュック・ベンソン監督の名作
スタンによって警察に取り囲まれたレオンとマチルダが愛していると手を握り、後で落ち合うことを誓って別れたラストシーンは感動し、涙が止まりませんでした。レオンは人を殺しているため、捕まることは当然のことなのですが、どうか2人が逃げ切って、幸せな生活を送ってほしいと願わずにはいられませんでした。
レオンの変装に気付いたスタンが背後から忍び寄り、レオンを撃ったシーンは衝撃でした。レオンが死んでしまうということは覚悟していましたが、しばらく受け入れられませんでした。
しかしマチルダの復讐を果たすために手榴弾を爆発させ、スタンと共に死んでいくという最後の展開はレオンらしいなと感じました。その後、レオンとの約束を果たすために涙を堪えながら必死に逃げるマチルダの姿が心に残りました。
マチルダはこれからどのような人生に歩んでいくのか、そしてどのような女性に成長していくのかとても気になりました。マチルダがレオンの大切にしていた植木鉢を根のはれる場所に植えるという終わり方は、この作品を更に素敵に思わせてくれるものです。
口コミ評判レビュー「ラストがとても泣けてしまう」「何もかも完璧」「殺し屋レオンと少女マチルダの切ない恋の物語」
映画『レオン』の口コミ評判レビューには、「ナタリー・ポートマンがこの頃から本当にキレイで、同性からしても憧れる」「複雑なストーリーではないので誰が観ても分かりやすい映画」「恋愛要素も入ってるけど、それ以上の感情が入り乱れるのも見どころ」「テーマソング、スティングのシェイプ・オブ・マイハートが映像とうまくマッチングしていて、とても没入できる」という評判が多い印象です。
★★★★★星5
映画「レオン」は私が初めて観たのは小さい時でした。初めて観たときの感想は怖いでしたが、なぜかあの丸いサングラスをかけたくて親におねだりしたのを覚えています。
そこから何度も観ていて好きな映画の一つなのですが、ラストがとても泣けてしまいます。途中面白い場面もあったりして笑えるところもあるのですが、やはり全体を通しては悲しいお話だと思います。
結局歳の差があっても恋に落ち、愛が芽生えるのだと感じました。愛するものが自分を守り、死にいくのを見送るのはどういった気持ちだろうかと、とても考えさせられます。
また、そこから自分を奮い立たせ前を向き自分の本来歩むべき人生を歩もうとする決意がどれだけのものなのか、歳を重ねて観ていくとまた違った視点で観る事が出来て本当に大好きな映画です。
30代女性
★★★★★星5
映画「レオン」といえば、ナタリーポートマン演じる主人公の少女、マチルダの美少女っぷりを愛でるもよし、ジャンレノの殺し屋としての悲しい運命に嘆くもよし、ゲイリーオールドマンの狂った演技に酔うもよし、さらにリュックベッソンの監督としての鬼才っぷりを感じるもよし、楽しみどころがたっぷり詰まった作品になっています。
家族とあまり上手くやれていない主人公のマチルダでしたが、家族が麻薬を隠していたということで幼い弟を含む全員を殺されてしまったり、「掃除ならできるわ」と殺し屋になることを強く望んだり、さらにレオンと一緒になりたいと望んだり、現実離れした設定ではあるのですが、最終的にレオンから渡された鉢植えを植えれる場所を見つけ「これで安心でしょ、レオン」とつぶやいたところで涙が止まらなくなりました。
古い映画と言われるところはあるでしょうが、個人的に今まで見たベスト10に入ると思います。
40代女性
★★★★★星5
この映画を、殺し屋のアクションサスペンス映画と評価する人もいますが、わたしは間違いなく恋愛映画のカテゴリーに属する映画だと思います。
殺し屋レオンと少女マチルダの切ない恋の物語だと思っています。レオンが殺しをするときの目は、冷徹な目をしているのですが、マチルダを見つめる目は、優しく、愛しい存在として認めている目だと思います。
レオンを演じたジャン・レノ、マチルダを演じたナタリー・ポートマン、悪徳警官ノーマン・スタンフィールドを演じたゲイリー・オールドマン、この3人が作り出したキャラクター像が見事だったと思います。彼らのうち誰か一人が欠けていたら、この作品はここまでの作品にならなかったのではないかと思います。
そして、あのラストシーンを撮ったリュック・ベンソン監督の素晴らしさも実感できる、とても良い作品です。
40代男性
★★★★★星5
1994年製作の映画と知ってとても驚いています。不朽の名作とはよく言ったもので、何度観ても、何年経っても色褪せることなく心を揺さぶられます。映画全体の雰囲気、登場キャラ、世界観、音楽、小物等この作品に関わっている何もかもが完璧すぎます。
なかでも主演のジャン・レノは特に素晴らしかったです。レオンの外見と中身との完璧な演じ分け、『仕事』におけるプロフェッショナルなスタンスとまだまだ子どもだと思っているマチルダに引っ張られっぱなしな所とのギャップ、意識して関わらないようにしているけれど少しずつ築かれていく二人の絆。
それらが家族愛からのものなのか恋愛感からのものなのかはもはやどうでもいいくらい、素敵な愛がたっぷりと詰まった作品です。
30代女性
★★★★★星5
殺し屋と幼い少女の出会いから成長、別れまでを描いた本作は、主演に若かりし頃の、ナタリーポートマンとジャンレノの演技光る不朽の名作です。
個人的には、好きな映画ベストファイブに入るほど気に入っており、貧困と理不尽な環境に生きる少女マチルダのみならず、大人であるレオンも少女との関わりを通じてさらに人として成長していく。生と死に誰よりも深く関わる彼女たちが、お互いを通じてより人間とは、生きることとはなにかを知り得ていく様は涙を流さずにはいられません。
ネタバレになってしまうので、ラストは明記しませんが、少なくとも彼女たちは離れ離れになり、別の場所に向かいます。人間は何故生きるのか、今の人生に憤りを感じる方は是非本作をご覧いただければと思います。
10代女性
★★★★★星5
個人的にまず感じるのは、イタリア映画のようなノスタルジックな雰囲気が漂うという不思議な映像感覚。そして、虚ろで孤独な殺し屋を演じるジャン・レノに対し、幼きナタリー・ポートマン演じるマチルダは、ひたすら純粋で美しい。その対比が物語に深みを与えている。
セクシーなモンローの格好をしたマチルダを直視できないレオンは少年のようで、彼を気遣うマチルダは時に年上のようにも見える。ゲイリー・オールドマンの狂ったキャラクターなども秀逸で、高い演技力を持った俳優達が、恵まれたタイミングで集まり、人間ドラマを細部に亘るまで丁寧に表現していてくれている。
ラストは切なく悲しい終わり方ですが、鉢植えやプレゼント等の散りばめられた伏線が巧みで、カメラは変幻自在、エンドロールのスティングの悲しいメロディといい、素晴らしい完成度の作品です。泣けるのでおススメです。
30代男性
★★★★★星5
非常に印象深い映画です。初めて観賞したのは中学生の頃で、自宅で友人たちとVHSで観ました。ジャン・レノ演じる、朴訥としていて不器用で、それでいて純情な殺し屋レオン。心に傷を負った真っ直ぐな少女マチルダを演じたナタリー・ポートマン。どちらの演技も未だに強く覚えています。
この異色のコンビがタッグを組み、襲撃したりされたりとスリリングな展開にドキドキしっぱなしです。それでいて、二人がお互いを語り合ったり心を通わせるシーンでは、引き込まれるものがあります。
そして、ストーリーももちろん魅力的ですが、なんといってもナタリー・ポートマンの美少女ぶりが半端ないです!本当にキレイで、同性からしても憧れました。
最後レオンが倒れるシーン、マチルダが鉢植えを土に植え替えるシーン、どこか物悲しいエンディングテーマなどなど、いつか自分の子供にも観せたい映画です。
40代女性
★★★★★星5
学生時代に映画が好きな友人から教えてもらいみたのが最初でした。殺し屋と家族を殺された孤独な少女との復讐の物語、ではありますが、ジャンレノ演じるレオンとナタリーポートマン演じるマチルダのお互い孤独な人生を歩んできた心の交流もストーリーにうまく組み込まれていて、それがまた切ない雰囲気をかもしだしているそんな映画とも感じとれました。
銃撃シーンや、ゲイリーオールドマンの少しラリったスタンとゆう男の役は見ていてぞっとするものもあり、描写的に苦手だなと感じる箇所も少しありました。
それでも、レオンがみせるふとした優しさに気づいたら自身も吸い込まれるよういに映画に入り込んでおり、衝撃のラストには涙がでてしまいました。
スティングの曲もまたその感情にかぶさるように流れてきて見終わったあともその余韻に浸ってしまいました。キャストのファッションも、なんか黒がベースの冷たい印象をもたせるものでそれも映画の見どころでもあると感じました。
40代女性
*映画「レオン」のみんなの口コミ評判レビューは当サイトが独自で集めたコンテンツです。引用の際は必ず引用リンクと出典の記載をお願いします。記載がない場合は法的処置も検討させていただきます。
映画『レオン』マチルダのその後詳細について!マチルダの服装や年齢、マチルダ役の現在も解説考察
マチルダのその後について考察
本気で殺し屋になることを決意し、レオンに手ほどきを受けていたマチルダですが、レオンの真っ当に生きてもらいたいという思いを受けとめたことで、最後は自ら寄宿学校に身を寄せることになりました。
観葉植物を学校の敷地に地植えしたのは、せめてレオンの分身であるそれに、彼の悲願だった大地に根を張ることをさせたかったからでしょう。
また、学校に入学したことから分かるように、マチルダ自身もこれからは安定した暮らしをするのだという決意の象徴でもあると思うのです。そう考えると、マチルダが将来、殺し屋になるとは考えづらいと言えましょう。
また、レオンに資産を託されたトニーもマチルダのことを本気で案じており、殺しの仕事を請け負おうとするマチルダを叱りつけ、学校へ行くことを命じました。
一度にレオンの資産を渡すのでなく、必要に応じて小額ずつ渡し、マチルダが大人になるまで管理するというのも、レオンとの約束を律儀に守るトニーの義理固さが現れています。
トニーがレオンの金を使い込んでいるのではないかという説もありますが、そうは思えません。レオンは親子2代でトニーの世話になっていますし、マチルダに金を渡すつもりがないなら、回りくどいことをせず最初から無視すればよいのです。
そんなトニーがマチルダを裏稼業に進ませるわけがありません。
ただ、リュック・ベッソン監督自身は本作のヒットを受け、マチルダが殺し屋となった続編「Mathilda」を企画していました。
主演には大人になったナタリー・ポートマン、監督にはオリヴィエ・メガトンを予定していましたが、リュック・ベッソンは所属していたゴーモン・フィルムカンパニーを離れ、2001年に自身でヨーロッパ・コープを立ち上げたため、ゴーモン社の持つ「レオン」の権利を使用できませんでした。
そこで、続編として書き上げた脚本を流用して生まれたのが、2011年公開の『コロンビアーナ』です。
この映画は、製作・脚本がリュック・ベッソン、監督がオリヴィエ・メガトンで、ストーリーもマフィアに両親を惨殺された少女が暗殺者となって復讐をするという実質『レオン』の続編のような作りになっています。
結果的に『コロンビアーナ』は完全にオリジナルの作品にはなりましたが、『レオン』には『レオン』の、『コロンビアーナ』には『コロンビアーナ』の良さがあり、作風も違うので、かえって作品の雰囲気を壊してしまうことが避けられ良かったのかもしれません。
マチルダの年齢は12歳
不朽の名作と名高い本作において、その魅力の大きな部分を占めるのがマチルダの存在です。
少女でありながら大人のような意思の強さや妖艶さを持ちあわせ、時には子供らしい無邪気さも見せるマチルダのキャラクターは、観た者に強烈な印象を残します。
そのマチルダは、年齢設定では12歳ということになっています。レオンには18歳と偽っていましたが、レオンはそれを承知で時には年齢相応に、時には背伸びする彼女を大人として扱いました。
劇中、マチルダの正確な年齢を明かす描写はありませんが、トニーはマチルダが殺し屋の仕事を希望したとき、12歳であることに言及して叱っています。
なお、マチルダを演じたナタリー・ポートマンも撮影時は13歳で、役の年齢設定とほぼ同じでした。
マチルダの服装 MA-1フライジャケット
また、その年齢の少女ならではの魅力をさらに引き立てているのが服装(ファッション)です。
多くの人が「レオン」といえば、ラウンドタイプのサングラスにチェスターコートのジャン・レノと同時に、ビッグシルエットのMA-1とボーダーのインナーにショートパンツのナタリー・ポートマンの映像がすぐ頭に浮かぶのではないでしょうか。
とくにマチルダの服装は少女らしく次々に変わり、太陽モチーフのチョーカーからエンジニアブーツに至るまで、総じてファッションセンスの良さは傑出したものがあります。
なかでも特筆すべきはMA-1で、これまでの映画では「ハンター」(1986年)のスティーブ・マックイーンや、「ア・ホーマンス」(1986年)の松田優作が着こなしていたように、無骨な男のアイテムでありました。
フライトジャケットは軍服なので当然です。
ところが、これを正反対の少女に着せることで、キュートさを引き出しただけでなく、そのキャラクターのちょっと背伸びしたクールさ、自分を取り巻く世界と戦う姿勢をも表現させたのです。
それがいかに世間に影響したかは、度重なるMA-1の流行と、今では完全に女性用アウターとしても定着した事実が証明しているでしょう。
ナタリー・ポートマンの容姿・演技、それに神がかり的なファッションセンスが生んだマチルダというキャラクターは、今なお映画史に燦然と輝き愛され続けています。
ショートカット、チョーカー、MA-1、この3点で思い浮かぶものは?そう、映画『レオン』のヒロイン、マチルダですね。
この映画の影響で、マチルダファッションを真似する女性も多いみたいですよ。#レオン #マチルダ #ナタリーポートマン pic.twitter.com/ZzlMPo5zUg
— SOUTA (@SoutaSensation) May 18, 2020
マチルダ役を演じたナタリー・ポートマンは現在、結婚し二児の母
Pretty in red: #NataliePortman appearing on Jimmy Fallon in 2016
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12歳の少女、マチルダ・ランドー役を演じたのはナタリー・ポートマンです。
ナタリー・ポートマンは『レオン』が映画デビュー作でした。そして、マチルダ役を演じ国際的に賞賛され、注目を集めます。1999年から公開された「スター・ウォーズ」シリーズでヒロイン役を演じたことから、人気を不動のものとしました。
女優業だけでなく、ファッションモデルや映画監督としても活躍しています。2010年には映画「ブラック・スワン」でアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。
私生活では、『ブラック・スワン』で共演した振付師のバンジャマン・ミルピエと2012年に結婚しました。現在は2人の子供がいます。また、マチルダがタバコを吸っていた事とは関係ないと思いますが、ナタリー・ポートマンは喫煙者でした。しかし、妊娠を機に非喫煙者となっています。
映画『レオン』オリジナル版と完全版との違い
「レオン」は1994年の公開後、リュック・ベッソン監督が約22分の未公開場面を追加・編集した「完全版」が1996年に制作されました。こちらは劇場公開される前の試写の段階で不適切とされカットされたシーンが復活したもので、監督の真に意図した形の作品となっています。
その追加されたシーンはどのようなものなのか、紹介していきたいと思います。
完全版違い①マチルダの年齢についてのやりとり
マチルダと行動を共にすることにしたレオンが別のホテルの一室を借り、読み書きが出来ない彼に代わってマチルダが申込用紙を記入した後のシーンです。
レオンが何歳だと聞いて、マチルダが嘘で18歳と答える会話シーンのこれだけのやりとりですが、マチルダがレオンに嘘とはいえ、年齢を伝えているといないでは、その後のレオンのマチルダの扱いについて印象が変わってしまうのではないかと思います。
完全版違い②ロシアンルーレット
マチルダが内緒で自宅へ戻り、麻薬取締局のスタンが黒幕であることを知った後、一仕事終えたレオンがシャワー室で自分で傷口を縫うシーンの直後です。
自宅に隠されていた現金を持ち帰ったマチルダは、2万ドルを提示してレオンに弟の仇であるスタンを殺すよう依頼しますが、断られてしまいます。
「あいつらの頭をふっ飛ばしてやりたい」と言うマチルダに、レオンは「人を殺すと全てが変わる」「取り返しがつかない」と諭します。
しかし納得できないマチルダは「私が欲しいのは愛か死よ」「もし私が勝ったら、あなたは一生私のそばにいるのよ」と言ってリボルバーに弾を込め、自らのこめかみに突き付けロシアンルーレットを始めてしまいます。
レオンは装填音で空かどうか分かるので負けることはないのですが、マチルダは彼を試すように引き金を引き、結局はレオンが銃を持つ手を払います。
弾は壁に向かって発砲され、あと少しで命を落とすところだったのに、マチルダは「私の勝ちよ」と勝ち誇ります。マチルダの並々ならぬ意志の強さが感じられるシーンです。
完全版違い③レオンの仕事を手伝うマチルダ
レオンはマチルダのことを、傷が治っていないので仕事を手伝ってもらうとトニーに正式に紹介します。それから、レオンは本当にマチルダに殺しの仕事を手伝わせます。
ターゲット宅のドアの覗き窓をガムで塞ぎ、用心されないようマチルダが呼び出し、ドアが少しでも開いたらレオンがチェーンカッターで鎖を切って押し入るのです。
とはいえ、マチルダに本当の殺しはさせません。
マチルダにはペイント弾でターゲットを撃たせ、1発目で動きを止めて2発目でトドメをさすこと、顔は撃たないこと、サイレンサーを着けて連射する時は布を巻くこと等のテクニックを伝授します。
この辺りの描写は、少女に殺しの仕事を手伝わせたうえに、その具体的な方法を教えるという点が問題になったと思われます。ですが、その後のマチルダの「この麻薬は女も子供も命を奪う」と言って麻薬を燃やすシーンからは、マチルダの悲痛な思いが伝わってきます。
完全版違い④シャンパンを飲むマチルダ
マチルダの初仕事の成功を祝して、2人はシャンパンで祝杯を挙げます。この時ばかりはレオンもマチルダに、特別に飲酒を許可します。マチルダはレオンにキスをねだったり、初仕事の年齢を聞くなど、より親密になっていきます。
しかし、マチルダは酔っ払って笑いが止まらなくなってしまいました。こちらもやはり未成年の飲酒シーンが問題なのでしょう。
完全版違い⑤コンビでの仕事
その後も2人は、先ほどの要領で次々と仕事をこなしていきます。(余談ですが、ドアを開けるターゲットの1人として、「ベティ・ブルー」のジャン=ユーグ・アングラードがカメオ出演しています)
ところが、あるターゲットはガムで覗き窓を塞ぐ手口を知っており、マシンガンで応戦してきました。そこでレオンは「リングトリックは知ってるか?」と言って手榴弾を投げ入れます。
手榴弾のピン(リング)が手元に残るから、洒落でリングトリックと呼んだわけですが、このシーンは後にレオンがスタンに対して仕掛ける最後の攻撃の伏線にもなっています。
また、ここで手榴弾の爆風からレオンがマチルダを庇うショットは、映画のスチル写真として広く使われています。そういった点でなくてはならないシーンなのに、オリジナル版でカットされていたのは大変残念なことです。
この②~⑤までのシーンはつながっていますので、この後のレオンがトニーに会うシーンまでの間に完全版の追加シーンの大部分が含まれることになります。
完全版違い⑥物思いにふけるマチルダ
レオンがトニーに、自分に何かあったら金はマチルダに渡すよう頼むシーンの後です。レオンは危険な仕事ゆえに自分1人で出かけます。
これは後に分かるのですが、スタンの右腕のマルキーの命を奪いに行っていたのです。
その際にレオンがマチルダに「君ももう少し大人に」という部分は、2人の人物設定・関係性を非常に分かりやすく例えています。それからマチルダは部屋で、アパートの外でタバコを吸いながら物思いにふけります。
外でそうしていると、不良少年たちが場所代として10ドルを要求してきましたが、うっとうしく感じたマチルダは1年分として100ドル渡して彼らを追い払います。
やはり、こちらの場面もカットされると、マチルダが突発的に麻薬取締局に敵討ちに行ったような印象を抱いてしまいます。
完全版違い⑦レオンを誘惑するマチルダ
レオンのおかげで麻薬取締局から生還できたマチルダは、以前に買ってもらった大人びたドレスを着てレオンを誘惑します。
マチルダは「幸せな初体験をしたい」と迫りますが、レオンは2度と恋はできないと自分の過去を打ち明けました。かつてレオンは身分違いの恋をしたために、恋人を失い、自ら殺し屋の世界に入ったのです。
ここではまた、レオンの父もトニーの下で仕事をしていたことが分かります。
そこでマチルダはレオンに、イスでなく自分と一緒にベッドで寝てほしいと頼み、レオンは添い寝をすることになりました。ベッドでリラックスして寝るということは、レオンが人間性を取り戻していくことでもあります。
少女が大人に性的アピールをするという表現は不適切ではありますが、特に添い寝については、2人の結びつきに重要な意味を持ちます。それにオリジナル版では、なぜレオンがベッドに寝ているのか、さっぱり分かりません。
完全版違い⑧トニーの誕生パーティー
少し細かいですが、ここにも違いがあります。また、ここだけは逆に、オリジナル版にあったシーンが完全版でカットされているのです。
それは、トニーの店から「ハッピーバースデイ・トゥ・ユー」を歌う子供の声が聞こえてくるショット、続いてケーキのローソクを画面左側の子供が最初に吹く部分、このわずか数秒のシーンです。
完全版はここがカットされて、トニーと子供たちが同時にケーキのローソクを吹き消しています。なぜわざわざカットしたのか不明ですが、誕生日の主役でない子が最初にローソクに息を吹きかけるのが問題だったのでしょうか?
以上、オリジナル版と完全版の違いを紹介しましたが、やはり完全版に比べるとオリジナル版は、レオンとマチルダの関係が希薄で説明不足に感じてしまいます。
映画『レオン』には色々とコンプライアンス的に引っかかってしまう描写が多く、その基準はますます厳しくなってきているのが現状ですが、このように後からであれ、完全な形の作品が鑑賞できるのは、我々観客にとってはありがたいことです。
映画『レオン』のあらすじ
(以下、映画「レオン」のネタバレ含むあらすじです。)
映画『レオン』のあらすじ|マチルダとの出会い
12歳の少女・マチルダの父親のジョセフは麻薬取締局の刑事でありながら裏で麻薬密売組織を牛耳るスタンに麻薬をくすねたと疑われ、マチルダが外で買い物中に家族は皆殺しにされてしまいました。
家に戻ったマチルダは、異変を感じ自分の家の部屋を通り過ぎて、隣の部屋に住む殺し屋であるレオンに助けを求めます。マチルダは唯一愛していた弟の復讐のために殺し方を教えてほしいとレオンにお願いします。
映画『レオン』のあらすじ|2人の関係
レオンとマチルダの共同生活が始まり、レオンは次第にマチルダに心を開くようになっていきました。マチルダもレオンに恋をします。ある日のレオンの留守中、マチルダはスタンに復讐しようと家を飛び出し、マチルダは追い詰められてしまいます。
映画『レオン』のあらすじ|追い詰められるレオンとマチルダ
レオンはスタンの元からマチルダを救い出します。しかし、レオンの家がバレてしまい2人は麻薬取締局に追い詰められてしまいます。
以上、映画「レオン」のあらすじでした。